「このボロボロの状態で、なのはさんの攻撃を5分間……回避する自信、ある?」
「ない!」
「同じくです」
「鉄パイプでホームランする自信ならある。そして今更ながら、俺までこっち側なのは何故?」
「じゃあ、何とか一発入れよう」
「はい!」
「キュクル~!」
あれ?
無視か?
無視なのかお前ら。
俺って立場的にはなのはサイドだと思うんだけど。
「魔法初心者だからでしょ。あと、私たちとの連携の強化っていうのもあるんじゃない?」
「分かりやすい説明ありがとう。グドン」
「それはツインテールを食べる方でしょうが!!」
何でお前が光の戦士の三作目を知っているんだ。
「さて、今適当に思いついた策ならある」
「何よ?」
「名付けて、『エリオットミサイル作戦』」
「却下」
だよね。
それなら、
「『キャロケット打ち上げ計画』」
「宇宙にでも行く気?」
「月面着陸とか、どれだけ科学が進歩しても男子永遠の
「『次元航行艦』って知ってる?なんにしろ却下だけど」
女子には男のロマンが分からない。
これが本当に悲しくてしょうがない。
「しかもその二つの作戦、一番小さい子達に負担がありすぎる気が………」
「ぼ、僕なら大丈夫です!」
「わ、私もです!」
「ごめん。君たちのやる気で俺の心が痛い」
あれだ。
未来ある子供たちに無理をさせちゃいけない。
俺は今、強くそう思った。
「しょうがない。俺とエリオは女を殴れないから、スバル。お前がフィニッシャーで行くぞ」
「え?僕と六禄さんじゃあ、ダメなんですか?」
「お前の股間にぶら下がっているものが、ただの飾りだと言うなら好きにしろ」
「男が女の人を殴ったりしちゃあダメですよね!」
はい、よくできました。
「と、いうわけだ」
「ええっと、うん。私がなのはさんに一撃を入れるんだね?」
「そうだ。お膳立ては俺たち全員でやる。お前はツインテール…今はサイドか。いいや、そんなことは、どうでもいい。ツインテールに一撃ぶちかますことだけを考えろ」
「私もツインテールなんだけど」
「すまない。殺るのはあの茶髪インテールだ」
字が不穏当?
いいんだよ。
気分なんだから。
て、ん?
オレンジツインテがなんか俯いてるな。
………ふむ。
「ティアナ。確実にスバルが一撃叩き込めるように、策を考えろ」
「え?」
驚いたように、顔を上げるツインテ。
こいつ、やっぱりか。
絶対に今、軍師と司令塔のポジション俺に奪われたとか思って、しかもその上思考がネガティブループに嵌ってたな?
まったく。
「このチームに司令塔はお前だ。そもそも、俺はこういった縛りのある戦いは苦手なんだ。だから、お前のことを頼りにしているぞ?ティアナ」
「…………………分かったわよ」
「それでいい」
やれやれ。
どうにかこれで気を持ち直したか。
面倒臭い奴だ。
「ほら、皆!よく聞いて、一度で覚えなさい!」
「おい、声のボリューム落とせ。あいつに聞こえる」
「あ、そうね」
五分後。
「さぁて、行きますかぁ!」
「「「はい!」」」
「………司令塔は私なのに、リーダーの座を持っていかれている気がする」
気にするな。
気にしたら現実を見なくちゃいけなくなるから。
二分後、全員の思考をスバル主体に誘導して生まれた隙を突いて、俺の『闘鶏』ならぬ『投鶏』がなのはの顔面にクリーンヒットしたことにより決着はついた。
やった後、ヴィータに正座で説教を受けるという代償つきで。
鶏が飛びました。
正確には、投げ飛ばされましたが。