魔法混沌アニマルむろく   作:逸環

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あいつが出ます。
別の形でですが。


海賊と警報。

なのはとの戦闘の後、ティアナとスバルのデバイスが壊れかけたりなんなりして、新調することになった。

で、今はデバイスルームにいるんだが、

 

 

「お前何をしてんだ?」

 

「いや、うまいことー、隙がー、できて、つい」

 

「ついじゃないだろう。ついじゃ」

 

「ええ、はい」

 

「鶏って何だ、鶏って。スバルの拳がなのはの『プロテクション』を破ったけれども避けられたと思ったら、なのはの顔面に鶏がクリーンヒットだぞ。自動判定でお前たちの勝ちになったじゃねーか」

 

「えっとー、その、はい」

 

「ビックリしたぞ。スパーンッ!!って良い音したからな」

 

「…はい」

 

「もうお前、これから鶏で戦ったらどうだ?」

 

「……いえ」

 

「なんだ、やらないのか?だったら、何で今回鶏なんて使った?」

 

「………俺は魔力弾を使えないし、遠距離攻撃でなおかつ傷つけないようにと考えたらで。はい」

 

「……………ヴィータさん凄い。あの水無月さんを押してる」

 

 

床に直に正座させられ、幼女(ヴィータ)の手によって説教を受けていた。

 

 

「しかもお前たちの作戦会議をあたしも聞いていたけどな、スバルがフィニッシャーだったらしいじゃないか。お前の提案で」

 

「…………いえ、その、敵を欺くには味方から的な考えで」

 

「ふーざーけーるな。今回訓練だから。試合じゃないんだよ。お前は既に実戦能力が高いからいいけどな、他の新人は違うんだよ。できるだけ経験つませておきたいんだよ」

 

「……………はい」

 

「あたし的にはお前は教官側でいいけどさ、なのはがお前にも魔法の訓練と新人たちとの連携の訓練が必要だからって、ああしたんだよ。でさ、お前がやったのって、最後のスバルの一撃に『ナックルブースト』かけたのと、鶏投げただけだよな。他は逃げるか隠れるかだったよな?最後以外、連携どこにいった、おい」

 

「………………グスッ」

 

「ちょっ!?ヴィータさん!六禄さん泣いちゃったじゃないですか!?私たちは大丈夫ですからその辺で勘弁してあげてください!!って、わぁっ?!」

 

「スバルウゥゥゥゥッッッ!!」

 

「ちょっ!?六禄さんっ!?」

 

 

精神的にきていたせいか、思わずスバルに抱きついてしまった。

俺の中でスバルの株がめっちゃ上がっている。

この娘、凄く良い娘じゃん。

 

しかし、足が痺れていたのに跳躍できたのは、我ながらすごいと思う。

 

ちなみに、エリオとキャロは俺が叱られているのを心配そうに見ていたが、ティアナだけは麻婆神父を連想させる嗤い方で嗤っていた。

正直、ちょっとティアナが怖くなった。

 

 

 

 

 

 

 

で、俺が落ち着いてからリインによる新デバイスのお披露目が始まった。

 

 

「この5機は、前線メンバーとメカニックが経験と技術の粋を集めて造った最新型です。

スバル、ティアナ、エリオ、キャロ、それと六禄さん。それぞれの個性に合わせて、各自が自分の力を100%発揮できるように造られた文句無しに最高の機体です」

 

 

あ、俺のもあるんだ。

ジャンヌ貰ったばかりなのに。

 

 

「この子達は、まだ産まれたばかりですが、色んな人の思いや願いが込められてて、一杯時間をかけてようやく完成したです。ただの道具と思わないで、大切に、でも性能の限界まで思いっきり全力で使ってあげて欲しいですよ」

 

 

ふむ。

まあ、限界まで使うのは得意だ。

ボロくなったシャツやパンツを雑巾にしたりとか。

 

と、ん?

 

 

「ごめんごめん、お待たせー」

 

 

なのはが遅れてやってきたか。

 

………俺がヴィータに叱られていた時間もあったのに、遅れたのか。

どんだけ遅刻してんだ。

おい。

 

 

「ナイスタイミングですよ、なのはさん。丁度今から機能説明をするところでしたから」

 

「そっか、間に合ってよかった」

 

 

いや、間に合ってはいない。

一切いない。

 

その後、シャリオとなのは、リインの3人で新デバイスの機能説明が行われた。

俺達のデバイスには、何段階かに分けて出力リミッターがかけられているらしい。

追々、各自が今の出力を扱いきれると判断されたら、順次解除していくという事だ。

 

で、

 

 

「この子が六禄君の攻撃用デバイスです!」

 

「【おや?あんたがアタシのマスターなのかい?】」

 

「ああ、そうだ」

 

 

遠距離攻撃の手段が投擲と分体突撃(実質近距離攻撃)しかない俺に、銃型のデバイスを作ってくれたみたいだが、

 

 

「しかし、何故中世の拳銃。しかも二丁」

 

「いや、六禄さんに合うようにデザイン性を追及していったら」

 

「え?」

 

「あ、でもちゃんと『カートリッジシステム』は搭載してますよ!」

 

 

いや、そうじゃなくて。

 

………俺ってそんなイメージなのか。

こう、古臭いというか。

 

 

「じゃあ、この子にも名前をつけてあげてください」

 

「ジャンヌ、良い案ない?お前先輩になるわけだし」

 

「【………いえ、ここはやはりマスターが決めるべきだと】」

 

 

だよねえ。

いえ、この形状とか見て、あの喋りでもう決まってはいるんだよね。

 

 

「………『フランシス・ドレイク』。海賊、商人にして冒険家。私掠船船長にして艦隊司令官。人類で初めて世界一周を生きたまま成し遂げた星の開拓者。その収益で母国イギリスを、当時世界最強だったスペインを打ち破るまでに導いた英傑。それがお前の名だ」

 

「【…アハハッ!いいねぇ!アタシは海賊のイメージかい!】」

 

「悪くはないだろう?」

 

 

しかし、デバイスの名付け方が歴史上の人物からって、俺のネーミングセンスはどこにあるのだろうか?

完全に他人(歴史上の人物の親)まかせだ。

 

 

「【………私は『ジャンヌ・ダルク』です。よろしくお願いします。フランシス】」

 

「【よろしくねえ。先輩】」

 

「【………お互い、マスターを支えていきましょう】」

 

「【それに異論はないけどねえ、あくまでアタシはデバイスだから、命令以上のことはできねぇっつーか】」

 

「お前『インテリジェントデバイス』だよな?」

 

 

それだったら、『ストレージデバイス』でもよかったんじゃ?

 

と、そんなことを思っていた時、突然けたたましく警報が鳴り響き、赤いランプが点いた。

モニターを見れば、その全てに『ALERT』の文字。

 

何?

テロリストでも現れた?

 

 

「このアラートって!?」

 

「一級警戒態勢!?」

 

「グリフィス君!」

 

 

なのはの呼びかけで、モニターの一つに男が映る。

………誰だこいつ?

なのはの今カレ?

 

 

「【はい。教会本部から出動要請です!!】」

 

「【なのは隊長、フェイト隊長、グリフィス君?こちらはやて】」

 

 

両隣のモニターにはやてとフェイトが映る。

あ、はやて緊張しているな?

いや、周りの全員もか。

 

 

「【状況は?】」

 

 

「【教会の調査団が追っていたレリックらしき物が見つかった。場所は、エイリの山岳丘陵地区。目標は山岳リニアレールで移動中】」

 

「【移動中って……】」

 

「まさか!」

 

 

なんか、嫌な予感がめっちゃするんですが。

俺のこういった勘は、やたら良く当たるんだよなぁ。

 

 

「【そのまさかや、内部に侵入したガジェットのせいで、リニアレールのコントロールが奪われてる。リニアレール車内のガジェットは、最低でも30体。大型や飛行型の未確認のタイプが出てるかも知れへん】」

 

 

テロじゃねえか。

ハイジャックじゃねえか。

 

ちなみにだが、テロによる建物や乗り物の占拠をバスジャックやらなんやらと、いちいち区別をつけるのは日本だけで、海外では一括してハイジャックになる。

覚えておいて損はない。

 

 

「【いきなりハードな初出動や、なのはちゃん、フェイトちゃん、いける?】」

 

「【私は、いつでも】」

 

「私も!」

 

 

2人の返事に頷いてから、はやての視線が俺達に移る。

ただ一つ言いたい。

 

これでお前たち出動しなかったら、ただの給料泥棒だからな。

 

 

「【スバル、ティアナ、エリオ、キャロ、六禄君。皆もええか?】」

 

「「「「はい!」」」」

 

「報酬は弾んどけ」

 

「【よし。一人を除いていいお返事や。シフトはA-3、グリフィス君は隊舎での指揮、リインは戦闘管制。なのはちゃんとフェイトちゃんは現場指揮】」

 

「【わかった】」

 

「うん」

 

「【ほんなら、『機動六課フォワード部隊』、出動!】」

 

「「「「「了解!」」」」」

 

 

さて、いい返事をしてなんだが、レリックてなんだっけか?

シフトはA-3とは?

 

そして未だに聞かされていないが、俺の所属する隊はどこなんだ?

確か六課だけで三つはあったと思うんだが。

 

 

 

 

 

 




ティアナ「…これが愉悦………ッ!?」
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