「新デバイスでぶっつけ本番になっちゃったけど、練習どおりで大丈夫だからね」
現地へ移動するヘリの中、なのはが俺たちの緊張をほぐすためにか話しかけてくる。
「はい」
「頑張ります」
「考えてみれば、魔法使い始めて一週間経ってないんだけど。俺」
練習どおりもクソもねえ。
てか、
「エリオとキャロ、フリードもしっかりですよ!」
「「は、はい!」」
エリオとキャロが、めちゃくちゃ緊張してるんだが。
緊張しすぎて吐くんじゃないかって、心配するくらいの顔だぞ。
リインの励ましが逆効果になってるし。
しょうがない。
あまり言いたいことではなかったが、
「エリオ、キャロ。良いことを教えてやろう」
「「なんですか?」」
「平然とした顔をしてるがな、俺今ぶっちゃけ吐きそうになってる」
「「「「「「ちょっとぉっ?!」」」」」」
いや、ヘリってこんな揺れるもんだとは思わなかった。
「いいか、二人とも。自分が最低だと思うな。最低なのは他にいるうっぷ」
「涼しい顔で吐きそうにしないで?!ティアナかスバルの足元にエチケット袋あったはずだから取って!!」
「「は、はい!」」
「安心しろ二人とも。ミスったら俺たちがカバーしてやるから」
「良いこと言ってるけど、結局吐きそうなのには変わりないんだからね?!」
本当、その通り。
て言うか、俺が今ミスりそう。
あ、やばい。
「ちょっ?!あんた何おもむろにドア開けようとしてんの?!」
「もう、げんか、い」
「だからって外に吐いちゃだめでしょう?!ほら!エチケット袋!!」
「ありがとボロロウェエェェェェェッッッッ!!!!」
「「「汚いっ!?」」」
「【アッハハハハハッ!面白いマスターにあたったもんだ!!】
「【………笑っている場合ではありませんよ?マスター、大丈夫ですか?】」
「………結構不味い」
まあしかし、これで二人の緊張が解(ほぐ)れてくれればいいのだが。
「………………………」
あ、ダメだ。
エリオはともかく、キャロがやばいですって顔してるわ。
「【ガジェット反応、空から!?】」
「【現地航空観測隊、反応を多数確認!】」
と、どうやら敵さんがお出でなさったようだ。
俺がヘリで酔っているというのに。
「空から?もしかして航空型のガジェット!?」
「多分ね」
「どうします?なのはさん」
「私がフェイト隊長と出て、2人で空を抑える。ヴァイス君、いい?」
「うっす!なのはさん、お願いします!」
そうこうしているうちに、ヘリのメインハッチが開いてなのはが外に出ようとする。
あ、風が良い感じに酔いを誤魔化してくれる。
「じゃあ、ちょっと出てくるね。一応通信で現場の指揮はとるけど、現場の判断はティアナと……………、酔っちゃてるけど六禄君にお願いするね」
「はい」
「ういうい」
「それじゃ、皆も頑張ってズバッとやっつけちゃおう!」
「「「はい!(おうよ)」」」
「……はい!」
………キャロがダメそうだな。
いつもは元気に返事をするのに、今は遅れたし。
「大丈夫。離れていても、通信で繋がってる。一人じゃないから、ピンチの時は助け合える。キャロの魔法は皆を助けてあげられる、優しくて強い魔法なんだから」
「あ……。はい!」
お、なのはがキャロをうまいこと励ましたか。
これだったら、俺が余計なことを言う必要はないな。
「いい返事。それじゃあ、行ってくるね」
そう言って、ハッチから飛び降りるなのは。
………………『飛び降りる』?
「ちょっと待てえぇぇぇぇっっっ!?」
あいつ飛び降りたぞ?!
『バリアジャケット』着てなかったよな?!
それって、『セットアップ』してないってことだよなぁ?!
急いでハッチから外を見ると、
「どうしたの?」
「なんでもない。大丈夫だ」
空中でセットアップしたらしいなのはが、こっちを見ていた。
………今ので酔いも飛んだぞ。
~Sideなのは~
ヘリから離れて、航空型のガジェットを相手にするために現場に行く。
ところで、さっき六禄君は何に驚いたのだろうか?
あんなに酔っていたのに、あそこまで声が出たのだから、よほどのことだろうとは思うけど……………。
と、たくさんのガジェットが集まっているのが視認できた。
あそこね。
………て、ん?
「あぁん?あんだよ。まだやきそばできてねえのに来んじゃねえよ」
一体のガジェット。
それも明らかに人が胡坐をかいて座るためにカスタマイズされたそれに座りながら、キッチンタイマー片手にカップやきそばを作っている、金髪で左頬に大きな
え?
ちょ?
「ふええぇぇぇぇっっっ?!なんでガジェットの上に人が?!そしてなんでカップやきそば?!」
「うるっせーなぁ。
あくまで我関せずと、私のことを無視してお湯を切る男の人。
思いっきり地面に向かってやってるから、下に人がいたら大惨事なの。
と、ちゃんと訊かなきゃいけないことを訊かなきゃ!
「私は『管理局機動六課』の『高町 なのは』です!貴方はいったい、何者ですか!?」
私の問いに彼は、
「名前は『やn』……っと、今は違ったか。『アベル・スカリエッティ』だ」
「【そのバディを務めます、『ガジェット』兼『デバイス』の『マキナ』です。以後、お見知りおきを】」
スカリエッティ?!
私たちが追っている犯罪者の名前!?
いったい、何の関係があるの?!
あと、『ガジェット』兼『デバイス』ってどういうことなの?!
そして、金髪の彼が続けた言葉は、
「ちょっと『レリッkズゾゾゾゾッ!」
「麺を
麺を啜る音で、言葉ですらなくなったの。
新キャラが出ました。
刺青の男、アベルです。