魔法混沌アニマルむろく   作:逸環

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金髪兄弟の弟の方が好き勝手もいいとこです。


撃鉄を下ろし、引き金を引く。

「なのは!」

 

「フェイトちゃん!」

 

 

自分の近くにいたガジェットたちを片付けて、なのはの(もと)にたどり着く。

連絡で知っていたけど、この金髪に刺青の人があの『スカリエッティ』の関係者らしい。

 

………絶対に捕まえて、奴の居所を喋らせるっ!

 

 

「さぁて、二人目も来てしまったことだ。『マキナ』、『セットアップ』だ」

 

「【了解しました。『セットアップ』】」

 

 

紫色の魔力に包まれた後、オープンフィンガーグローブに軽装、腰のホルスターに拳銃を下げた彼が姿を現した。

そして、その髪の色は今は、そう、

 

 

「あらら、せっかく染めてたのに。なんで俺が『セットアップ』すると色が戻るかね?」

 

「………おかあ…さん?」

 

「ん?母親だと?」

 

 

今は亡き私のお母さん、『プレシア・テスタロッサ』と同じ色だった。

 

なんで、今それを見るの?

スカリエッティのことで貴女を思い出してしまうこの時に、何でその色なの?

 

 

「フェイトちゃん、しっかりするの!同じ髪の色の人なんて、たくさんいるの!」

 

「っ!………ありがとう、なのは」

 

 

なのはの声で、グチャグチャになっていた頭の中がはっきりした。

 

なのに、彼は私をまじまじと見て、

 

 

「ククッ!なるほどそういうことか!なるほどなるほど!ドクターが写真を見せてくれたが、あんたがそうか!!」

 

 

笑いながら、心のそこから嬉しいと言うかのように、

 

 

「初めましてだな。『姉貴』」

 

 

私の目の前を真っ暗にする、その言葉を言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~Side主人公~

 

 

「『投影・開始(トレース・オン)』ッ!」

 

 

振り向き様に『投影』された夫婦剣の黒い方で斬りかかられる。

それを屈んで避け、そのがら空きの腹に一撃を入れようとするが、バックステップで回避される。

 

ふむ。

 

 

「『無限の剣製(アンリミテッド・ブレイドワークス)』か?随分と月並みだが、他にはなかったのか?」

 

「ッ!………そう言う君の能力は、いったいなんだ?おそらくは、私と同じ種類の人間(・・・・・・・・・)なのだろうが」

 

「言うと思ってたら、お前は相当の阿呆だな。それを言わないことが、俺の最大の優位性だろうが」

 

 

まさか初撃で命を一つ散らされるとは思わなかったがな。

ぶっちゃけ、優位性もクソもない。

 

『無限の剣製』でこいつが転生者だとは確定していたが、そもそも基本的に能力の相性が悪すぎる。

分体を散らして解放しておけば、殺される心配はないんだろうが。

 

まあ、とりあえずは、

 

 

「エリオ、キャロ!お前らはガジェットどもの相手をしてろ!こいつは俺が殺る!!」

 

「「え?!は、はい!!」」

 

「【そんじゃ、一切合財、派手に散らそうじゃないか!】」

 

 

両手にフランシスを構え、カートリッジをロードする。

 

 

「『ワイルドハント』ォッ!」

 

 

銃口から吐き出される、嵐の如き魔力弾の群れ。

それは(まさ)しく、『ワイルドハント』の名に恥じないものだ。

 

だが、

 

 

「『熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)』!!」

 

 

突き出された奴の左手から発せられる、七つの花弁。

放たれた魔力弾は全て防がれ、その花弁の一枚を破壊するにとどまった。

 

そう、『無限の剣製』には、これがある。

 

 

「アイアスの盾か。その伝承上、投擲武器には無類の防御力を誇り、その花弁の一枚一枚が城壁と同じ防御力を有するらしいが」

 

「そちらも、『ワイルドハント』ときたか」

 

 

『ワイルドハント』とは、暴風雨や吹雪などの嵐の化身のことを言い、猟犬や山羊、馬や武装した兵士、怪物の姿をとる。これを率いるとされる嵐の王は土地や伝承によって様々で、イギリスで広く信じられているのが『フランシス・ドレイク』だ。

 

ちなみに、場所によっては最初の咎人『カイン』を指すが、これはいったい何の皮肉だろうな?

 

 

「しょうがない。こちらも本気で行こう。『セットアップ』だ、『アンリ』」

 

「【おうよ了解。『セットアップ』】」

 

 

黄土色というべきだろうか?

そのような感じの色の魔力光のあと、それまでの金髪が嘘のような茶髪になり、赤い外套を着て、両手にナイフを持ったカインが立っていた。

 

 

「さあ、本気でいかせてもらうぞ」

 

「ククッ」

 

 

『バリアジャケット』が、完全に『エミヤ シロウ』を意識しているな。

 

 

「まあ、そんなことは、どうでもいい」

 

 

仕込みは終わった。

一気に片をつけさせてもらおうか。

 

 

ドゴォッ!

 

 

「なにぃっ?!」

 

 

音を立てて、奴の立っていた足場が崩れる。

そして、それに合わせ奴の心臓に銃口を向け、

 

 

パンッ!

 

 

引鉄を引いた。

 

 

 

 

 




全ては同時進行。
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