里帰りと冷静。
「ほれ、エリオ」
「ありがとうございます!」
「スバルも」
「はりふぁほうごまいまふ!」
「うん。何言ってるか分かんねえな」
とある日の六課の食堂。
暇だから自分でケーキを作っていたわけだが、そこに腹を空かせたエリオがやってきて、さらにそこにスバルが来たため、ケーキをおすそ分けしている。
あれだよ。
スイーツは独り占めするものじゃないよね。
いくら俺でも、そう思うよ。
しかしスバル。
ケーキができるまでの繋ぎに飯を頼むのはいいが、そのドカ盛りは何だ。
テレビの取材が来るレベルだぞ。
それをあくまで繋ぎと言うか。
「「もぐもぐもぐもぐもぐもぐっ」」
「ちょっと待てお前ら。俺の分まで食う気か」
「「もぐもぐもぐもぐもぐもぐっ」」
「一心不乱か!?ちょっとっ!?マジでお前ら食うの止めろぉっ!!」
こいつら、本気で食うのを止めねえ!!
「………何やっとんの?」
と、はやてが何時の間にか来ていたようだな。
何気に他の六課主要メンバーも、全員揃ってやがるし。
「「あ、はやてさん」」
「今だ!」
二人がはやてに気を取られた隙に、残ったケーキを掻っ攫う。
「「あ!」」
あ!
じゃねえよ。
元々俺のだよ。
「………うん、まあ、ええわ。さて!それじゃあ全員揃ったところで、私からお知らせがあります」
お、なんだ?
この感じだと、そこまで重要なものではなさそうなんだが、全員がいることを確認してからということは、それなりに重要な案件と言うことか?
「さっき聖王教会から連絡があって、第97管理外世界でロストロギアが発見されました」
「第97管理外世界?はやてちゃん、それってもしかして……」
「なのはちゃん正解。私らの故郷、海鳴市やで」
「はやて、それ本当?」
「うん。それで、機動六課に出動要請がさっき届いたんや」
「そうなんだ」
「じゃあ、久しぶりの里帰りだね」
「だね」
だねじゃねえよ。
要するに、任務に
何を公費使って里帰りする気でいんだよ。
それって横領だからな?
「細かいことは、後で皆の端末にメールしておくから、各自で確認してな」
「はやて、日時は?」
「明後日か、早ければ明日やな。そっちも分かり次第すぐに連絡するから、皆そのつもりで」
「「「「「「「「了解!」」」」」」」」
「ういうい」
まあ、俺も行くから人のことは言えないけどね?
それに公費の横領なんて、バレなきゃ問題ない。
というか、問題にならない。
ククッ!
バレなきゃ何したって良いんだよ。
「はやてちゃん。六禄君の笑顔が真っ黒なの」
「なのはちゃんは見ちゃあかん。あれを見ていいのは腹の中真っ黒の人だけや」
「じゃあ、はやては大丈夫だね」
「ぶっ飛ばされたいんか?フェイトちゃん」
誰の笑顔が真っ黒だ。
黒いのは服で見えてない部分だけだ。
『獣王の巣』のせいで黒いだけだが。
「あっと、そういえばスバル。この後陸士108部隊に行くんやけど、お父さんとお姉ちゃんに何か伝える事あるか?」
「えと、特に無いです」
ああ、そういえばスバルは身内も同じ職種だったか。
最近、原作知識が薄れてきて仕方がない。
いや、まあ、元々うろ覚えだったのもあるが。
「そか、なら私はそろそろ行くわ。皆、とりあえず準備だけはしといてな~」
「「「「「「「「はい!」」」」」」」」
「はいよ」
さてさて、どうなることやら。
屋上のヘリポートに集合し、ヘリに乗り込む。
ヘリが飛び立つまでの少しの間、はやてと話しているとふと思い出した。
「しっかし、地球ねえ」
「どうしたんや?」
「いや、これでもし俺の知り合いがいたら最悪だと思って」
「………ああ。向こうじゃ二年前に死んどったんやっけか」
「吸血鬼に噛まれてな」
吐いた嘘には更なるリアリティを。
それが俺の信条。
本当はトラックに撥ねられて死にました。
こことはパラレルな意味で違う世界で。
「まあ、世界には自分とそっくりな人が三人はいるって言うし」
「それで貫き通せる思ってるんか?」
「嘘も貫けば真実になる」
「そんなことばっか、ええ顔して言わんでも」
それが俺だ。
と、ヘリが動き出したな。
「はい、リインちゃんのお洋服」
「わーい!シャマルありがとですーっ!」
ヘリが飛び立ってすぐ、シャマルがリインに服を差し出した。
……………ちょっと待て。
「でかっ!?本人に対して服でかくねえか!?」
「リインフォース曹長、その服って……」
「はやてちゃんの、ちっちゃい頃のおさがりですっ」
違うっつーの。
そうじゃないんだよ、訊きたい事は。
「なんか、普通の人のサイズだなって……」
キャロ、よく言った。
後でケーキ奢ってやる。
差し出された服は、明らかに人間の子供用サイズ。
リインは大きく見積もっても30cm程度。
どう考えても無理だろうが。
「う~ん………。あはっ!そういえば、フォワードの皆と六禄さんには、見せたことなかったですね」
「「「「「へっ?」」」」」
「『システムスイッチ』!『アウトフレーム・フルサイズ』ッ!」
「「「「「おおっ!?」」」」」
リインの言葉の後発光が起こり、それが収まると人間の子供サイズのリインがいた。
て、
「ちょっと待てや」
質量保存の法則とか、いったいどこに行った。
お前、実は『ホムンクルス』の『エンヴィー』じゃないだろうな。
「いえいえ。一応、この位のサイズにもなれるですよ?」
「いや、それでもまだちっちゃいけど………」
「普通の女の子のサイズですね」
「向こうの世界には、リインサイズの人間も、フワフワ飛んでる人間もいねーからな」
ヴィータがそんなことを言うが、いたら凄いわ。
そもそもミッドでも見たことないわ。
まだ一週間そこそこしかいないけど。
てか、お前らツッコミどころが絶対に違う。
サイズじゃなくて、でかくなったことにツッコめ。
ほのぼのなドラマCD編が癒し。
戦闘シーンなんて書くと疲れますし。
…そして時間が欲しい。