魔法混沌アニマルむろく   作:逸環

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アグスタ編、スタートです。


ホテル・アグスタ編的なの。
ホテル・アグスタ。


機動六課の会議室。

そこで今日の任務の打ち合わせが行われている。

 

 

「ほな改めて。ここまでの流れと、今日の任務のおさらいや。これまで謎やったガジェットドローンの制作者。及びレリックの収集者は現状ではこの男、違法研究で広域指名手配されている次元犯罪者、ジェイル・スカリエッティの線を中心に捜査を進めてる」

 

 

モニターに映るのは、白衣を着た悪人面。

ただ、どこで撮った写真かは知らんが、バックに兄貴が映っているのは何故だろうか。

 

 

「こっちの捜査は私が中心になって進めるけど、一応みんなも覚えておいてね」

 

「「「「はい!」」」」

 

「はいよ」

 

 

フェイトの発言に返事をしておくが、私怨バリバリのお前がそんなことを言っても、逮捕と見せかけて殺しにかかりそうで怖い。

とりあえず、見かけたら帰宅させよう。

 

「で、今回の任務の会場はここ。『ホテル・アグスタ』」

 

「骨董美術品オークションの会場警備と人員警護。それが今日のお仕事ね」

 

 

理由は、オークションで取り引きされる『ロストロギア』に反応して、例のガジェットが襲撃してくる可能性があるかららしい。

シグナムとヴィータが昨日から警備に入っているらしいが、最終日の今夜が山になるのは分かっている。

 

 

「私達は内部の警備に回るから、皆は副隊長達の指示に従ってね」

 

「「「「はい!」」」」

 

「りょーかい」

 

 

と、返事をするが、

 

 

「あ、六禄君だけは内部、それもホテル全体をピンで頼むで」

 

 

俺だけハブられた。

 

 

「い、いや、ハブにしたわけやないんやで!六禄君なら使い魔のこともあるから広範囲を把握できるし、この手の大型オークションだと、密輸取引の隠れ身にもなったりするから、そういうのの見分けもつくだろうと思って!」

 

 

ワタワタと、焦った様に説明するはやて。

 

ふむ。

 

 

「だったらしょうがないが、俺は普段どう思われているんだ?」

 

「…………………」

 

 

目を見ろや、コラ。

 

 

 

 

 

 

 

 

会場のホテルに着き、正装に着替える。

正直、こういうタキシードとかは苦手なんだが。

 

更衣室(ホテルのスタッフルーム)を出て、はやてたちと合流する。

 

 

「どや?」

 

「よく似合ってるな。まあ、美人だから割と何でも似合うが、予想以上だ」

 

「そ、そっか…。ありがとなっ」

 

「ん」

 

 

実際、俺が少し驚くくらいには綺麗だった。

 

 

「あー、もう。ネクタイこんなに緩めて。あんたはどこのホストや」

 

「神奈川」

 

「やってたんかい」

 

 

言いながら、俺のネクタイを直すはやて。

 

 

「サツのガサ入れが入ったから、金庫の現金をくすねて俺がいた証拠を全部消して、便所の窓から逃げたがな」

 

「本当に、一度捕まった方がええんと違う?毎日面会に行くから」

 

「阿呆。証拠もないのに捕まってたまるか」

 

 

自首してもすぐに出されるっての。

 

 

「まったくもう。はい、できた」

 

「むう」

 

 

そうこう言っている間に、できたらしい。

ネクタイ嫌いなんだがなぁ。

 

 

「さ、いくで」

 

「はいはい」

 

 

まあ、しょうがないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

会場内。

壁際に佇む壁の花に近づく。

 

 

「お姉さん。ちょっとお話できるかな?」

 

「なにかしら?」

 

 

声をかけたのは、色香漂う美人。

 

 

「ま、お近づきに一杯ってことで」

 

「あら、ありがとう」

 

 

予め用意しておいたグラスを渡す。

注がれているのは、この場に相応しい一級品のシャンパン。

 

 

「この出会いに乾杯とでも?」

 

「お上手ね」

 

「慣れてますから」

 

「あらあら」

 

「じゃ」

 

「「乾杯」」

 

 

チンッ

 

 

と、グラスを重ね、同時に傾ける。

 

 

「それで、何が欲しいのかしら?」

 

「何があるんだ?」

 

「何でもあるわよ?……効果覿面(とびっきり)なのが」

 

「それはいいな。…実は部屋を取ってあるんだが、商談はそこでといかないか?」

 

「良いわよ?」

 

「それじゃあ、行こうか」

 

 

会場を出て、ホテルの一室に入る。

 

 

「商談の前に、シャワーを浴びてきても良いかしら?」

 

「いいぞ、と言いたいとこなんだがな」

 

「あら?慣れていると言った割には、せっかちなのね?」

 

「そうそう」

 

 

カチャンッ

 

 

と音を立て、彼女の手に嵌る手錠。

 

 

「俺は結構せっかちなんだ」

 

「え?」

 

 

ニヤリと笑って、言う。

 

 

「『時空管理局機動六課』所属の『水無月 六禄』だ。禁止薬物の不法所持で逮捕させてもらうよ」

 

「な?!」

 

「ごめんねー。いつもならこのまま一緒にベッドだけど、俺も仕事だから一人で我慢して」

 

 

そのままふんじばって、ベッドに括り付けておく。

ちなみに、別の部屋にも同じようなのがいるから、今日はこれで五人目だったりする。

 

言っちゃあなんだけど、今日の俺は働きすぎだ。

 

 

「じゃ、ごゆっくりー」

 

 

とりあえず、女の額にキスをして部屋を出る。

 

 

「やれやれ、だな」

 

 

俺の勤労意欲は元々低いんだぞ。

だから楽して儲けようと、稼げるタイミングで稼ごうとしているのに。

 

しかし、どいつもこいつも分かり易過ぎる(・・・・・・・)

いや、普通の管理局員は分からんだろうが、俺みたいな奴には丸分かりすぎる。

 

と、この部屋も臭いな。

鍵は…六課に請求書を送ってもらえばいいか。

 

 

ドンッ!

 

 

「オラァッ!薄汚ねえカスども!!管理局だ!とっとと神妙に縛につけや!!」

 

「「「な?!管理局だと?!」」」

 

 

フランシスで鍵をぶち開け、室内に侵入する。

そこにいたのは、明らかに盗品と思われる古美術の取引現場。

 

ちなみに、盗品売買はこれで三件目。

 

懐に手を突っ込んだのを視認し、威嚇発砲なしで魔力弾をぶち当て、全員を無力化する。

 

 

「うっわ。こいつらデバイスじゃなくて拳銃(チャカ)だったよ」

 

 

倒れている奴の懐を確認し、顔をしかめる。

威嚇発砲しないでよかったな。

まあ、当たっても意味はないんだが、衝撃で身体がよろけたところを逃げられても困るが。

 

 

「さて、会場に戻るか」

 

 

そう言って会場に戻ろうとした時、

 

 

ドオォォォォォンンッッッ!!!!

 

 

ホテル全体に響く爆音。

 

 

「ようやくお出ましか!」

 

 

目を瞑り、事前に外に配置しておいた分体と視界を繋げる。

新たな視界には、無数のガジェットと抗戦するフォワードたちの姿。

そして、

 

 

「………ククッ!なるほどなるほど!お前が来たか!」

 

 

洋弓を構えた、金髪の美丈夫。

俺が取り逃した男が、そこにいた。

 

………ところで、左腕に巻かれている赤い布に、なんか見覚えがあるんだが。

俺が左腕を飛ばしたとかは、マッドの科学力を駆使すればクリアーできるんだろうが………。

あの布がやたら気になる。

 

 

 

 

 




作中で最もダーティなのは主人公という事実。
裏側と言うよりも、薄暗いところの住人です。
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