魔法混沌アニマルむろく   作:逸環

36 / 59
そういえば、今年もあと一ヶ月ですね。


惨めで。

私の放った弾丸が、私の親友を傷つけようと牙を剥く。

誘導しようにも、膨大な魔力の負荷により、今の私ではたった一発の弾丸すら誘導できない。

 

最悪のパターンが、頭をよぎる。

 

ダメだ、それだけは。

スバルは私の、かけがえのない親友なんだ。

絶対に、それはいけない!

 

思わず、手が伸びる。

 

しかし、無常にも弾はそのままスバルへと向かい、

 

 

「出番だ鶏!ぶっ飛べ!!」

 

「コケエエェェェェエエェエェェェッッッ?!!」

 

 

突如飛来した鶏と衝突し、()ぜた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……………………鶏?

 

 

「まったく、なんとも危なっかしいな。おい」

 

 

首に巻かれたネクタイを緩めながら、飄々とした態度でこちらにやってくるあいつ。

その姿は、どこかこの状況を楽しんでいるようにも見える。

 

 

「さて、お前ら。そこの金髪は、俺が先約だ」

 

 

っ!

 

 

「今私たちが倒すとこだから、あんたはガジェットたちを相手して!!」

 

 

今、金髪の相手をこいつに任せるということは、私の…、ランスターの弾丸が負けることを証明してしまうということ。

それだけは、絶対に………っ!

 

 

「金髪どころか、仲間を倒すとこだったのに、か?」

 

「っ!」

 

「ち、違うよ!今のもコンビネーションで!」

 

 

スバルが私を庇おうと、駆け寄ってくる。

一番大変な目にあったのは、あんたなのに………。

 

 

「スバルは黙ってろ」

 

 

そのスバルの言葉を切り捨て、言葉を続けるこいつ。

 

 

「俺はよく仲間とつるんで喧嘩してたからな、今のお前みたいになった奴が、その後どうなるのかを良く知っている」

 

「………どうなるっていうのよ」

 

 

嫌だ。

聞きたくない。

けれど、私の中の強気な部分が、それを聞いてしまう。

 

 

「敵も味方も見境がなくなって、しまいには死人を出す」

 

 

その時はたまたま殺さずに済んだが。

と、続ける彼の言葉が、私の胸に重く圧(の)し掛かる。

 

 

「ティ、ティア………?」

 

「っ!!」

 

 

ぱしんっ

 

 

と、私を心配して伸ばされたスバルの手をはたき、そのまま走り去る。

 

 

 

 

………私は、惨めだ…………………。

 

 

 

 

 

 

~Side主人公~

 

 

走り去ったティアナから視線を逸らし、カインの方に目を向ける。

そういえば、俺らが話していた間何のアクションも起こさなかったが、いったいなんで…………あれ?

 

 

「おい、カインはどこに行った?」

 

 

さっきまでいたはずのそこに、カインはいなかった。

 

 

「あ、六禄さんが来た時に、「まだ左腕が本調子じゃないから次の機会にする」って言って、仲間に召喚魔法で逃がしてもらったようです」

 

 

俺の疑問に、はきはきと答えるエリオ。

 

 

「………召喚魔法で?」

 

「召喚魔法で」

 

 

………追いかけられねぇ。

しかしあの左腕。

まだ本調子じゃないと言っていたらしいが、巻かれていた布といい、気になるな。

 

そんなことを考えていると、

 

 

「皆さん!大量のガジェットがこっちに!」

 

 

キャロが突然、大声を出す。

キャロが視認した方向を見ると、確かに大量のガジェットが向かってきていた。

 

て、あ。

 

 

「すまん、俺だ」

 

「「「は?」」」

 

 

来ている方向、数から考えると、

 

 

「あれ、俺がここに来るまでに無視したガジェットたちだ」

 

「「「ちょっとぉぉぉぉぉっっ?!」」」

 

 

どう考えても、俺が引っ張ってきたな。

 

だがお前ら。

特にスバルよ。

 

 

「文句を言うのは自由だが、あれを無視しないで真っ当に戦っていたら、スバルは今ごr「無視して来てくれて、ありがとうございました!!」よろしい」

 

 

人間、ちゃんと感謝できないといけないと思う。

 

しかし、あの数のガジェット。

いったいどうしたものか。

 

ん?

ああ、そういえば今練習中の技があったな。

あれにしよう。

 

 

「ジャンヌ、準備をしろ。アレ(・・)を使う」

 

「【………了解しました。マスター】」

 

 

さて、『獣王の巣』のバリエーション。

その実験台になってくれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「分体結束500体。『原初の海』」

 

 

俺の足元から、混沌が広がった。

 

 

 

 

 




全国に何人いるかは分からないですが、鶏ファンの皆様。
また鶏に出番が訪れましたね!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。