で、二人で歩くこと数分。
「この森の外に、私の車があるんです」
「ほう。その年で自分の車をか。若いけどいい給料貰ってるんだ?
「ええ、まあ」
「ところで、今晩暇ギャアアアアアァァァァアアァァァァァァッッッ!!!??」
「森を出た瞬間に体が焼け始めた?!大丈夫ですか?!」
これが大丈夫に見えるなら、お前の目は節穴もいいとこだ。
おのれ吸血鬼ボディ。
森を出て日光に当たった瞬間にこれか。
……………あれ?
どうやって森から出よう?
「これでいいですか?」
「うん。まあ、たぶん?」
「………確証も確信もないんですね」
そりゃそうだ。
日に当たったらリアルに焼けるなんて、何せ俺も初めての体験だし。
「でもごめんな。使いっ走りなんかさせて」
「いえ。これがないとダメなんでしょう?」
日に当たったら身体が焼けるため、フェイトにフード付きで全身を覆える外套を買ってきてもらった。
これを着ていれば、たぶん大丈夫だろう。
「では、行きましょう」
「ういうい」
さあ、森から出るための第一歩だ。
「………あの?」
「……………第…一歩なんだ……………………」
…森と外との境界から、足が動かん。
ヤバイ。
焼かれたことがトラウマになってる。
「…えーと。無理はしなくてもいいん、ですよ?」
………フェイトの気遣うような優しい視線が痛い。
ふむ。
ここで動かなけりゃ、男が廃るな。
「よっと」
「出るときは意外と普通?!」
そりゃそうだよ。
歩くだけなんだから。
「ほら、行くんじゃなかったのか?」
「え?ああ、はい!」
じゃ、ちゃきちゃき行こうか。
で、しばらく歩いた頃。
突然、前から突風が吹いてきた。
結果、
「ギャアアアアァァァァアアアァァアァァァッッッッ!!!!???」
「キャアアアアァァァァアアアァァアァァァッッッッ!!!!???」
フードが外れて、頭から焼けるハメになった。
しかも、運の悪いことに森からある程度離れていたし、周りには何もない平原だったため、フェイトがダッシュで引きずっている間に、
「一回死んだああぁぁぁっっ!!!」
ガバッ
「ふええぇぇっっ?!」
急に起き上がった俺に驚いたのか、フェイトが声を上げる。
…結構可愛いな。
胸もあるし、結構俺好みの女子だ。
しかし、こんな阿呆な感じで死ぬとは。
まあ、これで日光に耐性ができたし、良しとしよう。
「あの!一回死んだって、どういうことですか!?」
「お、あれがあんたの車か?良いの乗ってるね」
「無視?!」
「まあ、立ち話もなんだから車の中で」
「それ、私のですから!」
そんなことは、どうでもいい。
徹頭徹尾自分中心で相手をおちょくり倒す。
それが六禄節。