魔法混沌アニマルむろく   作:逸環

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にじファン時代に、キャラクター人気投票企画をした際に書いたものです。


金色と黒。

「あれ?」

 

「コケ?」

 

 

六課の隊社を歩いていると、出会ったのは一羽の真っ黒な鶏。

この子って………、

 

 

「六禄の使い魔?」

 

「コケ」

 

 

コクリ、と頷いて肯定の意を示す鶏。

六禄は、彼の使い魔たちはアルフみたいな、自分の意志を持った使い魔じゃないって言っていたけど、絶対それは違うと思う。

 

 

「コケェェェェッッ!!」

 

「フシャァァッッ!!」

 

 

今だって、どこからか忍び込んだらしい猫を、無意味に威嚇しているし。

…ううん。

もしかしたら、この子だけが例外なのかもしれない。

 

 

「ほらほら、猫さんが可哀想でしょー?」

 

「コケェェェッッッ!!」

 

「こらこら、暴れないのー」

 

 

鶏を抱き上げて、猫から離す。

それにしても、この腕の中で暴れる鶏を私はどうすればいいんだろう?

 

 

「………うん。飼い主に任せるのが一番だよね」

 

 

六禄に丸投げしちゃおう。

でも、どこにいるんだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

「ZZZZzzzz」

 

「…やっとみつけた」

 

 

待機室にいなかったから隊長室にいるかと思って探したけど、そこにははやてとリインしか居らず、二人とも六禄の居場所を知らないって言うから探し歩くこと一時間。

彼は訓練場の装置を勝手にいじり、草原を生み出して爆睡していた。

 

正直、彼に非はなくともカチン、とくる。

彼の頭のすぐ傍に立ち、鶏を振りかぶる。

 

 

「ZZZzzzz」

 

「フンッ!!」

 

「コケェッ?!」

 

 

バシンッ!

 

 

「フゴォッ?!」

 

 

顔に鶏を張り付かせて、飛び起きる六禄。

て、うわっ。

鶏がズブズブと六禄の顔の中に沈んで行ってる。

そういえば、前に体内に使い魔を保管しているって言ってたっけ。

 

 

「ったく。…なんだフェイトか」

 

 

なんだ、って………。

 

 

「私じゃ不満?」

 

「いや、スバルあたりがチョウシこいたのかと思った」

 

 

六禄の中のスバル像が気になる。

 

 

「で、人の顔面に鳥類叩きつけて、いったい何の用だ?」

 

 

………言えない。

鶏受け渡しに来ただけで、寝ているのにカチンときたから叩きつけたなんて言えない。

絶対に怒られる。

 

どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう。

 

あ、

 

 

「ちょっと、模擬戦したいと思って」

 

「なんでまた唐突に」

 

「いや、そういえば私、負けっぱなしだったなぁ、って」

 

 

これなら彼も納得してくれるはずっ!

 

 

「ふむ。そうかそうか」

 

 

あ、良い感じかな?

 

 

「スタート。『バインド』」

 

「…………え?」

 

 

身動きが取れないほど、ガチガチに締められたバインド。

えっとぉ~、これは………?

 

 

「いやいやいやいや。まったくもって度し難いなぁ。なぁ、『フェイト・テスタロッサ』」

 

 

あ、絶対怒ってる。

それも、すごい勢いで。

 

 

「すっごく良い気分で寝ていたところを、模擬戦がしたいで起こした、だぁ?」

 

「あ、ああ………」

 

 

彼の背後に、数多の戦艦や火船が出現し、その砲口のすべてが私に向く。

正直、魔力スフィアでやればいいことだから、盛大な魔力の無駄遣いだと思う。

 

 

「頭、冷やそうか」

 

「それ、なのはの台詞だから!?」

 

「派手に行こうかねぇっ!『ゴールデンワイルドハント』ォォォッッ!!」

 

「キャアアアァァァァァッッッ!!!」

 

 

降り注ぐ砲撃の中、何故だろうか。

初めてなのはに負けた日のことを思い出した。

 

………て、あれ?

一発も私に中らない?

全部、私の周りに外している?

 

………もしかして、当てる気なんて最初k『パシンッ!』…え?

今、顔に柔らかい何かが………。

 

気がつけばバインドは解かれていて、顔に付いたそれを恐る恐る手に取ってみると、

 

 

「コケ?」

 

 

鶏だった。

 

 

「アッハッハッハッハッ!!!!」

 

 

そして、それを見ながら爆笑している六禄。

つまり、まあ、そういうことなんだね?

私の顔に鶏をぶつけるための目暗ましのためだけに、あんな大技を使ったんだね?

 

 

「………頭、冷やそうか」

 

「ハッハッ………え?」

 

 

『バルディッシュ』に、魔力が集まる。

 

 

「雷光一閃。『プラズマザンバー」

 

「あの、ちょっと、フェイトさん?」

 

 

何か言いたそうな六禄だけど、そんなことは気にしない。

これが私の、全力全開。

 

 

「ブレイカー』アアァァァァァッッッ!!!!」

 

「ちょっ!?ギャアアアァァァァァァァッッッ?!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まったくもう」

 

 

局の廊下を歩きながら、さっきまでのことを考える。

なのはの砲撃でも持ちこたえる六禄が、私の魔法で動けなくなった。

たぶんこれは、感電したからだと思う。

直接的なダメージには強くても、こういった副次的な作用、例えば、雷はコンクリートに穴を開けるほどの力を有するが、六禄はそっちを無効にできても、感電による麻痺は防げないということ。

 

つまり、もしかしたら彼は毒にも弱い可能性があるということでもある。

 

まあ、今は仮定でしかないそんな疑念よりも、

 

 

「何ではやてはあの人のことを好きになったんだろう?」

 

 

友達の男の趣味の悪さが問題だと思う。

実際、性格悪い・態度悪い・素行不良・外道・卑怯・女好き・ナンパ師・大酒飲み。

良いところが見当たらない。

いや、何気に優しかったりはするけど、普段の素行の悪さが、それを全部台無しにしている。

 

本当に、何ではやては六禄のことを好きになったんだろう?

 

お互い好き合っているみたいだけど、二人はまだ付き合っていない。

なのに六禄がはやての家に居候しているから、二人は既に同棲していると言ってもいい。

二人が触れ合う機会も、それは多かったんだろう。

その中で見せる六禄の何気ない優しさとかに、はやてがときめいちゃってもおかしくはない。

はやての意外と家庭的なところに、六禄がときめいちゃってもおかしくはない。

 

でも、

 

 

「やっぱり、はやての男の趣味は悪いと思う」

 

 

この結論に帰結するのは、しょうがないよね?

 

 

 

 

 




この時は、

1位:フェイト・T・ハラオウン
2位:水無月 六禄
同着2位:鶏

という、私が盛大に頭を抱えた結果でした。
さすがに鶏がランクインなんて、予想できませんでした。
今人気投票をやったら、誰が上位に食い込むんでしょうね?
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