魔法混沌アニマルむろく   作:逸環

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今回でストックが最後になります。


必然を喚び起こす。

思わぬところで罪悪感を感じたが、話を続ける。

 

 

「それで?菫の『IS(インフィニット・ストラトス)』はどんな効果なんだ?」

 

「………ふむ。質問は一つだけと言ったが、サービスしよう。ヴァイオレットの『IS(インヒューレントスキル)』は、彼女の『IS(インヒューレントスキル)』は、そう、『IS(インヒューレントスキル)』は」

 

「俺が悪かった」

 

 

わざと言い間違えたからって、これはないだろう。

 

 

「では、ヴァイオレットの『IS』だg【ピピピピピピピピピッッッ!!!!】なんなんだい?!」

 

「あ、俺のポケベルだわ」

 

「「「ポケベル?!」」」

 

 

俺のポケットから鳴り響く音。

取り出したものは携帯電話。

決してポケベルではない。

 

画面を見ると、連絡相手は珍しくエリオ。

 

 

「はいもしもし?」

 

「【あ、六禄さんですか!?良かった!六禄さんには隊の通信が繋がらないから、ようやく連絡が取れた!】」

 

 

ああ、そういえば俺のジャンヌもフランシスも、登録された個人間の連絡はできても複数いっぺんの通信には対応していないからなぁ。

 

 

「で?どうしたんだ?」

 

「【は、はい!緊急事態につき、現場の報告をします!サード・アベニューF-23路地裏にてレリックらしきケースを発見!ケースを持っていた5、6歳の少女を1人保護しました!少女は現在意識不明で、目立った外傷はありません!!】」

 

「りょーかい。こっちも野暮用片付けたらすぐに行く」

 

「【お願いします!】」

 

 

プツッ

 

 

という音で、連絡が途絶える。

 

さて、

 

 

「というわけだが、行かせてもらえるかな?」

 

 

黙って聞いていた三人に向き直り、問いかける。

 

 

「私はやめて欲しいです。貴方に行かれては、作戦の成功確率がグッと下がってしまいますから」

 

「私としては、このまま行ってもらえるとありがたい。ドクターとウーノがいたのでは、戦いづらいからな。報復したいのは山々だが、それは『今』ではないだろう」

 

 

ウーノとカインで、意見が割れたか。

となると、

 

 

「ふむ。私としては、どっちでもいいのだが。そうだね………」

 

 

このマッドに委ねられたわけか。

強行突破をしても良いが、カインがいる手前それも難易度が高くなるしなぁ。

こいつの判断しだいで、行動を決めるとしようか。

 

 

「では、ここは穏便に麻雀で決めよう。さっきの勝負も有耶無耶になってしまったし」

 

「「ドクター?!」」

 

 

ふむ。

なるほどなるほど。

 

 

「賽を振れ。一撃で全員飛ばしてやる」

 

 

久しぶりに、『俺の博打』をするとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

スカリエッティが、さすがに麻雀はないと反論する二人を説得した後、全員で落とし口に牌を集め、牌が自動卓に吸い込まれる。

積み上げられた状態で牌がせり上がり、賽が振られる。

 

と、親番が欲しいとこだが、これだと無理だな。

サイコロの動きを見ると、ピンゾロになってしまう。

 

まあ、

 

 

トンッ

 

 

と、卓の角を、指で一突きする。

その微細な振動により、サイコロの動きにわずかな変化を与えることで、

 

 

「六のぞろ目か。俺の親番だな」

 

 

賽の動きなんて、いくらでも変えられる。

今回も、俺が親番らしい。

 

まずはどれをきるか。

いや、もう決まっているけどな。

 

 

「リーチ」

 

「「「ダブルリーチ?!」」」

 

 

いきなりのリーチに驚かれるが、さっきのウーノの『人和』ほどではないと思う。

 

 

「む、むう。では私は、『これ(一筒)』といこう」

 

 

スカリエッティが牌を捨てるが、それは俺のアタリじゃない。

たとえアタリでも、ここでアガリはしないが。

 

 

「………『四萬』」

 

 

慎重に牌を出すカイン。

だが、それも違う。

 

 

「では、私も」

 

 

上品な手つきで牌を置くのはウーノ。

随分と冷静に手を動かしている。

しかし、それは安全牌だからではなく、さっきスカリエッティからアガッた時に見せた、ギャンブラーとしてのプライドからだろう。

 

だが、どっちにしろこの時点で、正確に言うと牌を落とし穴に落としている時点で、俺の勝利は確定していた。

 

山から牌を自摸り、そして、

 

 

「ツモ。『大三元・字一色・四暗刻単騎』。単騎だからダブルになるとして、しめて四倍役満!」

 

「「「な、なにぃっっ??!!」」」

 

 

どれだけ三人が驚こうとも、これが事実。

 

 

「バ、バカな!ありえないだろう!よりにもよって『言峰 r「はい、ストーップ」」

 

 

カインがシロウじゃなくてキレイになるところだった。

てか、それは俺が先にやったし。

 

 

「し、しかしどうやって!イカサマの瞬間なんて、どこにもなかったというのに!!」

 

 

想定外の出来事に対し、狼狽しながら、されど楽しそうなスカリエッティ。

こいつは本当に、正真正銘真性のマッドだ。

 

 

「………積み込まれたんですよ。ドクター」

 

「ウーノ?何を言っているんだい?これは全自動卓。そんなことg「できるんです。…この男は、それをやってのけたんです」………本当かい?六禄君」

 

 

………ウーノは分かったか。

何でウーノがこんなにもギャンブラーになってしまったのかは分からないが、どうせ愚兄が絡んでいるんだろう。

 

まあ、とりあえず、

 

 

「兄貴にでも訊けよ」

 

「ま、待て!!」

 

 

カインの制止を振り切り、吸血鬼の膂力の全てをもってして、窓をぶち破って外に出る。

向かうはサード・アベニューF-23路地裏。

 

 

 

 

 




これでにじファンに投稿していた分は最後です。
次回からが、ハーメルンでの本格的な『魔法混沌アニマルむろく』のスタートとなります。
皆様、これからもよろしくお願いします。

これからの展開を、お楽しみに!
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