魔法混沌アニマルむろく   作:逸環

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発情した猫が本気で煩くなってきた七話目です。


居住する場所。

「で、俺はどうなるんだ?」

 

 

三人とも落ち着いてから、はやてに訊く。

 

 

「そうやねぇ。身元の件はともかく、能力や実力的には問題あらへんし、我が『機動六課』に正式採用や!」

 

「雇用条件の話は後にして、とりあえず俺の住居スペースの話にしようか?」

 

「………せっかちやなぁ」

 

 

こっちは割りと切実です。

 

 

「今は職員寮とかは空きがなかったんで、私の家に居候という形を取ってもらうけど、ええかな?」

 

 

別に願ってもないことだが、

 

 

「良いのか?夜中に襲いに行くかも知れないぞ?」

 

「大丈夫や。うちには優秀な騎士様たちが、四人もおるからな」

 

 

なるほど。

 

 

だから(・・・)お前の家か」

 

「ふっふ~ん」

 

 

楽しげに笑うはやて。

 

ふむ。

 

 

「ククッ!良いねぇ。その申し出、ありがたく受けようじゃないか。『親友』?」

 

「それがええで。『親友』」

 

 

なんともまあ。

これから楽しくなりそうだな。

 

 

 

 

 

「というわけで、今日から居候することになった『水無月 六禄』君です」

 

「どうも。『水無月 六禄』です。今日からよろしく」

 

「「「「「いや、意味が分からない」」」」」

 

 

だよね。

 

 

「『水無月 六禄』17歳。身長176cm、体重68kg。誕生日が8月27日の乙女座で血液型はB型」

 

「いや、プロフィールを聞きたいわけじゃないんだよ。なんで居候するのかを訊きたいんだよ」

 

「『次元漂流者』なんやけど、レアスキルを持ってて吸血鬼やからや」

 

 

そうそう。

吸血鬼だから………ん?

 

 

「何言ってんだ?はやて」

 

「何がや?」

 

 

何ってお前、

 

 

「レアスキル?」

 

「レアスキル」

 

 

ちょっと待てや。

 

 

「簡単な英語だから直訳できるけど、え?何が?」

 

「あのゴキブリ的能力と動物園的能力」

 

「はっ倒すぞ、おい」

 

「ほう?我ら『ヴォルケンリッター』の前で良い度胸だ」

 

 

チャキッ

 

 

と、俺の首に剣が添えられる。

まったく、こんな掛け合いですらスルーできないとは。

 

まあ、しかし、

 

 

「良い乳してるね、お姉さん」

 

「なっ?!」

 

 

お、良い感じで紅くなってくれた。

初心(うぶ)だねぇ。

クールな感じだけど、可愛いとこもある。

良い女だ。

 

 

「………なぜ今の会話の流れで、そんなことが言えたのだ?」

 

「狼犬が喋った?!」

 

「実におしいが、私は狼だ」

 

 

そっかそっか。

狼か。

 

 

「はやて、ワンコロが喋っている幻覚見えてきた。どうやら俺の頭はイカれたらしい。」

 

「元からやろ?」

 

「はっ倒すぞ」

 

 

その後、諸々の事情を説明し、俺の頭がイカれていないという事実を確認できたのは、それから20分経ってからだった。

 

 

 

 

 

 

「改めて自己紹介としよう。私は『烈火の将』、『剣の騎士シグナム』だ」

 

「よろしく。そして今晩暇?」

 

「暇だがお前と閨をともにはせん」

 

 

おぉう。

ガードの固いことで。

 

 

「『風の癒し手』、『湖の騎士シャマル』よ」

 

「『無毀なる湖光(アロンダイト)』の後継者とかか?そして今晩暇?」

 

「『円卓の騎士』の『ランスロット』かしら?そして私もそんな気はないわ」

 

 

それは残念。

 

 

「私が『蒼き狼』、『盾の守護獣ザフィーラ』だ。もう一度言う。私は狼だ」

 

「そんなことは、どうでもいい」

 

「よくない。そして二人に比べて扱いが悪いぞ」

 

 

それこそどうでもいい。

 

 

「そしてあたしが『紅の鉄騎』、『鉄槌の騎士ヴィータ』だ」

 

 

………ああ、うん。

 

 

「神には気をつけろ」

 

「は?」

 

 

あいつはお前を狙っている。

 

 

「リインは、はやてちゃんの『ユニゾンデバイス』の『リインフォース・ツヴァイ』です~」

 

 

………これはなんとも。

 

 

「舞浜に来た気分だ」

 

「見た目妖精やから?」

 

「おう」

 

 

あれだ、舞浜のあのランドの、緑色の妖精を思い出す。

 

 

「さて、それじゃあ俺からもあらためて自己紹介」

 

 

パンッ

 

 

と、手を叩き視線を集める。

 

 

「名前は『水無月 六禄』。知っての通りの吸血鬼だ。能力は体内の665の獣のを駆使する『獣王の巣』と蘇生能力の『十二の試練』。まあ、基本的に無害だからそこんとこよろしく。趣味は………。そんでもって好きなもんだが」

 

「「「「「「趣味は?!」」」」」」

 

 

ん?

聞きたいのか?

 

 

「酒と女遊び」

 

「「「「「「うわぁ」」」」」」

 

 

そんなダメ人間を見るような目で見るんじゃありません。

 

 

「いや、ダメ人間やん」

 

「黙れポンポコ」

 

「誰が狸や!そもそも、そんなこと言うのは六禄君だけやで」

 

「え?六課の隊社にあった雑誌にも、【機動六課美人隊長、実は腹黒狸?!】ていう見出しの記事があったぞ」

 

「ちょっと外出てくるわ」

 

「はやてちゃんっ?!待って!?止まって!?」

 

 

シャマルが必死に止めようとするが、その制止を振り切ってはやては出て行った。

 

まあ、なんと言うか。

 

 

「いってらっしゃーい」

 

「そうではないだろう?!」

 

 

黙れワンコロ。

 

 

「それで、好きなものは?」

 

 

あれ?

意外と冷静だな、ヴィータよ。

ちょっと予想外。

 

まあ、そんなことはどうでもいいか。

 

質問に答えるため、胸に手を当て不遜な態度を取り、

 

 

「良い女さ」

 

 

ニッ、と笑って言ってやった。

 

 

 

 

 




腹黒同士の腹の探りあい。
見えるものは真っ黒な何かだけだというのに。
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