ヒロイン募集です。
誰も来ないような山の中で少年は泣いていた。
その傍らには弱りきって今にも死にそうな女性が横たわっている。
少年は横にいる女性を見るたびに涙が溢れる。
女性は言う、
「そんな顔をしないで?可愛い顔が台無しじゃない」
少年をいとおしそうに見て女性は言う。
「これは当然のことなのよ。人と神は共存出来ない、だから貴方は悲しまなくていいの、これは当然のことなのだから」
少年は叫ぶ、
「なんで!?なんでそれでお姉さんが死ななきゃいけないの!?一緒に住めないって言ってるけどこの一ヶ月一緒に住んできたじゃないか!?」
女性は悲しそうに微笑みながら言う。
「それは、私の神力が回復していなかったから、回復してしまったら私は貴方を殺してしまう。それだけは嫌だった、たった一月だったけど私の弟の様なものだったから。・・・・・・今日はたくさん動いたからね疲れてるでしょう?今は寝なさい、これからはもっと大変になるのだから」
女性は少年の額にキスをする。
「まって、もっといっぱい話たいことが・・・・・・・・」
だが、少年は疲れていたのかすぐに眠ってしまう。
寝てしまった少年に優しそうに微笑むと、
「そろそろ出てきてもいいのじゃない、パンドラ」
後ろに向かって言った。
すると後ろから甘く可憐な声がきこえてきた。
「邪魔をしちゃって良かったのですか、天照大御神様?」
「ええ、もうこの子に言うことはないわ」
「そう、わかりましたわ。この子が新しい子供ね、ふふ、苦しい?でもそれはあなたを最強の高みへと導く代償よ甘んじて受けるといいわ」
現れた少女、パンドラが言う。
「さあ、天照大御神様!祝福と憎悪をこの子に授けて頂戴!80年ぶりの神殺しーーーーーー新しい世代の神殺しになるこの子に聖なる言霊を授けて頂戴!」
「この子にあげる憎悪なんてないわ。ただ生きて、それがあなたに授ける祝福よ。だから今は寝なさい、私の可愛い弟、八重樫 命『やえがし みこと』」
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「・・・・・・・ここはどこ?・・・・はっ!!お姉さんは!?」
命が起きたところは女性—————天照大御神と別れた所だった。
慌てて周りを見るが、いたのは女性ではなく男性だった。体から力が溢れでてくる。まるで自分の仇敵を見つけたかのように。
「・・・・・・お兄さんは誰?」
命は警戒しながら聞く。
「よくぞ聞いた神殺しよ、俺の名は、火之迦具土である。同族の匂いがしたからここに来たのだが、人間風情に殺されるとは情けない、神の風上にも置けぬわ!」
そう男は馬鹿にしたように言う。
それは命に対して一番言ってはいけない言葉だった。
「お姉さんを・・・・・・お姉さんをバカにするな!!!」
直後、森の中から爆炎と少年の怒号が響いた。