仮面ライダーのバイクがウマ娘になったら   作:疾風の警備員

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どうも、疾風の警備員です。

だいぶ遅れてしまってすみません。最近、職場で異動があってスマホの電波が入りづらい所になってしまったのと、単純にスランプでした。

なので、少し文章が拙いですが良ければどうぞ。


第9話

ビートチェイサーが大阪杯を勝利して1週間後…

 

「やっと練習に復帰だぁーッ!!」

 

ビートは思いきり背伸びをしながらトレーナー室に向かっていた。実は彼女、大阪杯のウイニングライブの後にトレーナーから休養を言い渡されており、今日まで練習に参加できなかったのだ。だが、2000mの全力疾走から【領域】に入っての再加速……脚に負担が残らない訳がない。そのままトレーニングをすれば、骨折の可能性すらあった。これはそれを見越しての判断だったので、ビートも文句を言わずに従った。

 

「でも、皆の訓練をサポートするばっかりだと、やっぱり体がウズウズしちゃうし……ようやく体が動かせるよ!!」

 

「だからって、しばらくは軽めのメニューだからな?」

 

「うひゃあッ!?」

 

しかし、体を動かせない鬱憤は溜まっていたのか、張り切ろうとするビートを、いつの間にか後ろにいたトレーナーに窘められ、彼に気づかなかったビートは驚きで跳び跳ねた。

 

「び…ビックリさせないでよッ!?」

 

「今日はお前の脚の様子を見る為なんだ。全力なんて出すなよ?」

 

「わかってますぅ~!! ところで、ライズちゃん達のメイクデビューは何時か決まった?」

 

「ああ、次のメイクデビュー…来週のに出走させる。ライズもバジンもだ」

 

「おッ!! それは応援しないとだね♪」

 

「あんまり暴れるなよ?」

 

2人は重要だったり他愛もない話をしながら、トレーナー室に入った時だった…

 

「お? 遅かったな」(パチリ)

 

「「え…?」」

 

室内から聞き覚えのない声と、カメラのシャッター音が聞こえた。2人はその声の方を見ると、見知らぬウマ娘が作業机に座り、彼らへと2眼レフカメラを向けていた。

 

「あの、貴女は…?」

 

「オレは【マシンディケイダー】だ。覚えなくていい」

 

「なッ!?」

 

「? はあ…それで、マシンディケイダーさんはどんな用事で?」

 

彼女の名前を聞き、何故か驚いて固まるトレーナーに代わり、ビートが聞くと彼女は机から降り、一枚の写真を取り出す。

 

「先週の大阪杯では、面白いものを見せてもらった。そのご褒美を渡しに来たんだよ」

 

そう言って彼女はその写真をビートに手渡した。

 

「写真?……ってこれッ!?」

 

その写真に写っていたのは、勝負服を着て秋華賞のゴール版を通過するトライチェイサーだった。

 

「オレの秘蔵のコレクションの1枚だ。よく撮れてるだろ?」

 

「うわぁ~♪ 良いんですかッ!?」

 

「後はお前の好きにしろ。それともう1つプレゼントがあるんだが…」

 

そこで彼女は言葉を切り、ビートの脚へと視線を移す。

 

「? 私の脚がどうかしましたか?」

 

「いや、2つ目のプレゼントはまた今度な」

 

ビートがそれに気づくと、ディケイダーはすぐに顔を上げた。

 

「ええ~!?」

 

「そっちは近い内にやるから、それまで大人しくしておけ」

 

「はぁ~い…」

 

「んじゃ、オレの用は終わったから…またな…………ルドルフにキャンセルの連絡しとかねぇと…めんどくせぇ……後、この間にアイツにアレ借りとくか…」

 

そして用は済んだとばかりに、彼女はトレーナー室を出ていった。

 

「マシンディケイダーさんか……言葉づかいはちょっと偉そうだけど、いい人だった…ね……?」

 

大好きな従姉の写真を貰えてご満悦のビートだったが、隣にいるトレーナーの顔を見てどもってしまった。なぜなら彼の顔は警戒心がむき出しだったのだから…

 

「トレーナー? 一体どうしたの?」

 

「聞いたことがある……この学園には、あらゆるバ場・脚質・距離適性を持ち、1度見た相手の走りを完璧にものにしてしまう…そしてその才覚故に、レースの常識を悉く覆し、またそのウマ娘と走った者は、自身の努力を簡単に奪われた事に絶望し、心が折れてしまう……そんな話から【レースの破壊者】と呼ばれる最強のウマ娘がいると…」

 

「ひょっとして……今のウマ娘が?」

 

ビートの問いに、トレーナーは頷く。

 

「既にトゥインクルシリーズは引退していて、今はドリームトロフィーリーグで走っているが…その走りは未だ健在だ。気を付けろよ?」

 

「レースの破壊者…」

 

その言葉にビートは少しの違和感を覚えながら、彼女が出ていった扉を見つめていた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ライズside

 

「♪~♪~♪~」

 

私はビートさんが今日から練習に復帰するのを聞いて、ウキウキしながらトレーナー室に向かってた。

 

「なに? ご機嫌じゃん」

 

「あ、バジンちゃん!! バジンちゃんもトレーナー室に?」

 

「まぁね。一緒に行く?」

 

「うん♪」

 

その途中でバジンちゃんと会って、一緒にトレーナー室に向う事にした。

 

「それで、何でそんなにご機嫌なの?」

 

「今日からビート先輩が練習に復帰するから!!」

 

「アンタって、本当にビート先輩が好きね…」

 

「だって、私がチームカペラに入ろうと思ったのって、秋華賞でのビート先輩の走りを見たからなんだもん♪」

 

そんな話をしながらトレーナー室に着くと、ソファに座って笑顔で1枚の写真を見てるビート先輩と、パソコンで作業してるトレーナーさんがいた。

 

「こんにちわ~♪」

 

「どうも」

 

「あ、お疲れ~2人とも」

 

「お、来たか。それじゃ練習を始めるぞ」

 

私達を見たトレーナーさんは、パソコンを閉じて練習を準備を始めていくけど、部屋にはイル先輩にシグ先輩、デン先輩が来てなかった。

 

「え? でもイル先輩達がまだ…」

 

「ああ、あの3人ならイルが走る皐月賞に向けて,一緒に動いてるよ」

 

「え…?」

 

トレーナーさんの言葉に、バジンちゃんは心底あり得ないといった顔をする。

 

うん、私もチームに来て最初はそう思ったもん…

 

「イル先輩とデン先輩は分かるけど……イル先輩とシグ先輩が一緒に行動? いつも喧嘩ばかりしてるのに?」

 

普段は何かと騒動の中心で、よく喧嘩してる2人を思い浮かべたのか、バジンちゃんの反応にトレーナーさんとビート先輩は苦笑する。

 

「でもほら、よく言うじゃん? 【喧嘩するほど仲が良い】って♪」

 

「先輩、それ……本気で言ってる?」

 

「………………………………4割くらい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イルside

 

「よいしょ…と」

 

―ドン!!―

 

私は自分が次に走るレース【皐月賞】に勝つため、図書室に来ていた。そして机の上には、私が今持てるだけ持った皐月賞に関する資料が山積みされる。

 

「さて…それじゃ検索を始めましょうか」

 

そして資料を1つ1つ手にし、パラパラとページを捲りながら読んでいく。実は私、こう見えて速読が得意なのよね。

 

一冊を数十秒で読み進め、資料の中にあるバ場の状態や天候、そして私と同じ脚質を持つウマ娘の部分をノートに書き写し、勝因と敗因を見極めていく。

 

(レース時の天気予報は前日も含めて晴れ……ならバ場も良のはず…そしてこの風の強さと向き…追い込みを駆けるならやっぱり第三コーナーの中盤辺りかしら…)

 

そこから、当日の天気予報と照らし合わせてバ場を予想し、仕掛けるタイミングを推理する。だけど、この程度の下調べで勝てるほどG1レースは甘くない。勝つ為にはさらに調べないといけないものがあって、そっちはシグとデンに協力をお願いしてある。それは…

 

『こちらシグ…おーいイル、聞こえるかー?』

 

そう考えていた時に、耳に着けたイヤホンからシグの声が聞こえてくる。

 

「感度良好よ。見つけたの?」

 

『ああ、テイエムオペラオーだけど会長さんと併走してるな。順番はオペラオーが前で会長がその少し後ろを走ってる』

 

「ありがと、それだけで充分よ。次はアドマイヤベガを探してちょうだい」

 

『ああ、任せな!!』

 

『こちらデン。ドトウさんを発見しました。現在は彼女のトレーナーさんと一緒に、バーベルを持ち上げたりランニングマシンに乗ったりと、筋力トレーニングを中心にしているみたいです』

 

「分かったわ。もう少し見て、まだ筋力トレーニングを続けるようなら切り上げて、ナリタトップロードを探してちょうだい」

 

『わかりました』

 

シグとデンの内容を聞いてから、私はさらに指示を出す。

 

今の内容から分かると思うけど、私が2人に頼んだのはライバル達の調査。レースを目前に控えている今日、相手のトレーニングは本番を意識したものになっている。だからこそ、この時期の偵察はライバル達の動きを知る絶好の機会だ。

 

レース場の情報と対戦相手の情報……この2つの閲覧が終わった時、私に怖いものなんてない。

 

「ライバル達の情報が揃ったら、後はトレーナーに練習メニューを作ってもらうだけね。シグとデンにはお礼しないと…」

 

勘違いしてる人が多いと思うから一応言っておくけど、同じタイミングでチームに入った私達の仲は、それなりに良いと私は思ってる。

 

普段はシグがボケをかましているし、デンはその行動にあたふたするばかりだから私がツッコミ役をしてるけど、それは場の空気を読まないで動くシグへのお仕置きとしてで、別に彼女が嫌いな訳じゃない。むしろ、そんな行動に助けられた場面は何度もあった。

 

デンだってよく不幸な目にあうのに、それに対して多少の愚痴はあるも、それを理由にやりたい事を諦めるなんて事はなかった。それが彼女の心の強さを物語っていると私は思っている。まぁ…涙目の時の彼女は可愛く見えて、ついお世話しちゃうんだけど…

 

そんな2人がいるからこそ、私も素の自分でいられるし、レースに対して万全の備えができる。

 

そして二時間経った頃、シグ達の情報が纏め終わって私は一息つく。

 

「ただ……あの2人を羨むところは、トレーナーに対して気軽にスキンシップできる事ね…」

 

何であんな簡単にトレーナーに触れるのよッ!? 私なんてそんな事しようとしたら、心拍数がすごい上がるし頭もグルグル回って思考が定まらないし、何よりなんか急に恥ずかしくなって動きが止まっちゃうのに…!!

 

「ま、まぁそれは置いといて……そろそろトレーナーの所に行きますか」

 

借りてきた資料を戻し、図書委員の子に軽く挨拶してから部屋を出て練習コートに向かい、ライズ達の練習を見ていたトレーナーに資料を渡せば…

 

「明日の朝には完成させとく」

 

と言ってくれた。

 

いや、自分で言うのも何だけど……私の資料って結構小難しく出来てるみたいで、父さんからは「もう少し、要点を短く纏めるんだな」と言われ、父さんの相棒からは「君は言葉選びが下手過ぎる」と言われて、何度か直そうとしたけど上手くいかず、文才については諦めていたんだけど、トレーナーだけは初めて見た私の資料を読み解いて、私に必要なトレーニングを的確に指示してくれた。

 

この時に私は確信した。私の探偵としての能力と仲間との絆、そしてトレーナーの力があればトゥインクルシリーズを勝ち続ける事が出来ると…

 

「それが私のできる、トレーナーへの最大の恩返しだもの」

 

後はトレーナーのメニューで鍛え上げて、クラシック三冠を手にするわよ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして数日後、皐月賞当日…彼女の推理は冴え渡る。

 

『さあ!! クラシック三冠の一冠目となる皐月賞!! 最速の栄誉を手にするのはどのウマ娘かッ!? 今、ゲートが開いた!!』

 

スタート直後、5番人気となったハードボイルダーは最後方に位置取り、全体を見渡して流れを把握していく。

 

『第二コーナーを抜けて最初の直線、縦長の展開となりました。これはどうでしょう?』

 

『後ろの娘達が差せるか心配ですね』

 

そんな実況や解説者の言葉を気にせず、彼女は自身の推理とトレーナーの特訓を信じて走り続ける。そして第三コーナーに入ってすぐに、ターフに強い風が吹いた。

 

「うひゃッ!?」

 

「うわっととと!?」

 

「く…!!」

 

『おお~っと!! ここで強風がターフに吹き荒れる!! これは大丈夫かッ!?』

 

背後から来た風は、駆けるウマ娘達のバランスを一瞬崩す。しかし…

 

「ようやく来たわね…私の切り札がッ!!」

 

「ええッ!?」

 

「この風に…!?」

 

その中で1人、ハードボイルダーだけはその風を利用し一気に加速、それを見たアドマイヤベガとナリタトップロードが驚きつつも追い縋ろうと速度を上げるが、既に4バ身差となった彼女に、すぐには追いつけない。

 

これが彼女が見つけた切り札。気象情報にあった風向きと風速から、レース中に強い追い風が吹くのを知った彼女はこれを利用して体力を温存しつつ、いつも以上の速さを手にしたのだ。

 

『ここでハードボイルダーだ!! ハードボイルダーが風を纏って加速ッ!! 一気に順位を上げていく!!』

 

「はわわぁ~!?」

 

その加速は止まらず、メイショウドトウをも抜き、先頭を走るテイエムオペラオーを捉える。

 

「フ…どうやら、ボクと共にステージに立つのはキミのようだね!!」

 

「悪いけど、主役の座は貰ってくわよ!!」

 

『さあ運命の最終直線ッ!! 先頭を争うのはテイエムオペラオーとハードボイルダー!! 中山の直線は短いぞ!! 果たして勝利の女神はどちらに微笑むのかッ!!』

 

ほぼ横並びとなった2人は、勝利を掴むべく死力を尽くして走り続ける。そして残り200mの所でハードボイルダーが僅かに前に出が、すかさずテイエムオペラオーが追いつき並び立つ。

 

『ここでハードボイルダーが出た!! 僅かですがテイエムオペラオーの前に出る!! しかしテイエムオペラオーも負けじと食らいつく!! 再び横並びになった!!』

 

「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!」

 

「やあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!」

 

全力を振り絞って走る2人。そしてほぼ同時にゴール板を通過した。

 

『テイエムオペラオーとハードボイルダーが揃ってゴォォォォォォォォォォォルッ!!!! これより写真判定に移ります』

 

大型モニターに表示される写真映像。そこには、ほんの僅かの差で先にゴール板に届いているハードボイルダーの手が映っていた。

 

『決まったァァァァァァァァァァァァァァァッ!! ハナ差でハードボイルダーだ!! 疾風という切り札で、勝利を手にしたのはハードボイルダーだァッ!!』

 

「ヨッシャアッ!!!!」

 

その結果にハードボイルダーは右手を高く突き上げた。

 

「参ったね…まさかキミに主役の座を奪われてしまうとは…」

 

「当然でしょ? 私に解けない謎なんて無いんだから」

 

「ハァーハッハッハッ!! なるほど、キミがホームズが演じているのなら、ボクはキミに挑むモリアーティになろうじゃないか!!」

 

「上等よ。アンタがどんな難事件を持ってきても、必ず推理して上げるわ」

 

「でも、あのタイミングでよく追い風が吹く事が解ったね?」

 

「そりゃ決まってるじゃない」

 

テイエムオペラオーの疑問に、ハードボイルダーは頭にあるソフト帽の縁に触れる。

 

「何時だって切り札は……私の所に来るんだから♪」




いかがでしたか?

今回は、新しいキャラ紹介は無しです。

ですが、次回のライズとバジンのメイクデビュー戦で、数人のライダーバイクウマ娘を登場させますので、こうご期待ください。

では、次回でまた会いましょう。

どの組み合わせが見たい?

  • タキオン&ビルダー
  • マルゼンスキー&トライドロン
  • ゼンノロブロイ&ゴーストライカー
  • ドーベル&ディアゴスピーディー
  • アルダン&ブロンブースター
  • ライドチェイサー&ミホノブルボン
  • できたら全部見たい!!
  • 全部書け♪(威圧)
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