海賊大戦士 マスターコウジ 【序章】 光の子伝説 ~ロタ王国・支配編~ 作:マスターコウジ
※残酷な描写があります。ご注意ください。
地獄のような出来事が起こった日から一日が経ったある朝、晃司は岩の社の中で寝ていた。昨日の出来事が夢の中でも悪夢として蘇えり、うなされていたため寝ようにも寝付けなかった。けれど、背伸びをすると体の疲れが吹っ飛び、全快した。
その時、遠くから誰かの声が聞こえてきた。
トーマス:お~い!ちゃんと付いて来てるか~!!
ベン:ああ!ちゃんと付いて来てるよ!!だけどさぁ、本当にいるのかな?「晃司」というサルなんて。
ヘンリー:大丈夫だって!大人たちがいうには晃司ってのは森の中に逃げたって聞いてるし。ほら、道具だってちゃ~んと用意してあるよ!ほら!銃に斧に投げ縄!
晃司は扉のを少し開けるとその隙間から覗いてみた。そこには3人の少年たちがいた。どの少年も背中に大きなリュックサックを背負っている。その中の1人である黄色い服を着た少年は背中からリュックを下すと、なにやら狩りに使う道具や武器などをいくつか取り出した。
ヘンリー:へへっ!あの肉超うまかったよな!まさに神秘的な肉って感じだ!
ベン:だけどさぁ、僕が見た感じだとどうもあの肉、どうも動物の肉とは思えないんだよね。しかも父さんたちのあの様子、なんか変だったし
ヘンリー:それもそうだな・・・。すっごくうまい肉なのに食べたくないだなんて。でも俺の父ちゃんはうまそうに食ってたよ?
トーマス:まあ、考えたってなんも始まらねえ!晃司というもんがどういうもんなのか見てから考えようぜ!
トーマスたちの話の内容を聞いていた晃司は、身を隠しながら彼らの様子をじっと見つめていた。
赤い服を着たキザな少年・トーマス率いる3人の少年たちは光の子・コウジという珍獣を探しにトルガル森を訪れていた。彼らがここに来たのはある訳があった。それは晃司がヤクザたちに襲われてから少し経った頃に遡る・・・
―
ロタの貴族たちは大通りで店を開き晃司の体から無理矢理切り取った肉を焼いて道端の人たち提供していた。
貴族B:さあさあ、お立合い!寄ってらっしゃい見てらっしゃい!あの光の子・晃司から採れた最高級のお肉だよ!
ジョニー:いや、光の子ってたしか、トルガル村に落ちてきたあの神の子だろ?お前ら、もしかして殺したのか!
貴族A:いやいやいや、彼を殺したらこんなには取れないでしょう!
というと貴族は荷車にかぶせてある布を取る。
ポニー:うっ・・・!
ドク:こ、これは・・・!?
荷車を見た人たちは目を背けたり、口を手で押さえるなどして気味を悪がった。
それもそのはず、そこには切断された人間の子供の手足の肉が山のように大量に積み上げられていたのだから。
ヤクザA:やつの体は噂通り、何度傷を付けてもたちまち治っちまう。例え腕をぶった斬ったとしてもその切れ目から何度だって再生しやがった。これがその証拠さ!
ヤクザB:なかでもなかでも驚いたのはそのうまさだ!どうだ?一口食ってみろよ!
ヤクザは傍で見ていた肉屋のジョニーにその場で焼いた晃司のステーキを目の前に差し出す。
ジョニー:えぇ!?い、いいよ!
ヤクザB:いいから、食ってみなって!こいつの肉はびっくりするほどうめぇんだ!な、兄貴!
ヤクザA:ああ、しかも食った途端力が漲って体の疲れなんて一気に吹っ飛んじまうんだからな。
貴族A:騙されたと思って一回食ってみなって!
貴族たちに勧められたジョニーは半信半疑でヤクザが手に持っているサイコロステーキを受け取り、食べてみた。
ジョニー:(´~`)モグモグ・・・・・ Σ(゚₋゚)ん!!
う、うまい!!Σ(゚Д゚;)
口に入れた瞬間、ジョニーはあまりのうまさに衝撃を受けた。
ジョニー:(な、何だこのうまさは? まるで最高級の海獣・ヒダギュウ・・・いや、エレファントマグロ・・・?いやいやいや、この肉の旨さはそんなもんと比べ物になならないくらいうまい!)
貴族A:な?うめぇだろ?
ジョニー:うん、こんなうまいの初めて食べたよ!
ポニー:え?そんなにおいしいの?
ジョニー:うん!もうなんて表現していいかわからないくらいうまいよ!
ジョニーの言葉に感化された人々は貴族たちから渡された楊枝で肉を取り、試食してみる。
ポニー:あら、ホント!この肉すっごくおいしい!
ドク:うん、こんなおいしいの生まれて初めてだ!しかも肉を食べたらなんだか力が湧いてくる気がする!
道端の客たちもこの肉の魅力に取りつかれ始めていた。
貴族B:他にもたくさんあるから好きなだけ持って行ってくれ!
ジョニー率いる客たちはすぐさま荷車の肉に群がり、まるでバーゲンセールのように我が物顔でいくつか取り始めた。
ヤクザA:おっと!ここでお前らに耳より情報だ!その光の子がこのロタの街のどこかにいる。もし見つければこれよりも新鮮でもっとうまい肉が手に入るぞ?
その言葉を耳にした客たちは手が止まりヤクザの方を見た。
ポニー:え?それって本当なの?
貴族B:ああ、俺たちもさっき向こうの工場の隅で狩ってきたところさ。まだその辺にまだ潜んでいるんじゃねぇか?
ジョニー:よし!それなら早い者勝ちだ!真っ先に行って仕入れてこなくっちゃ!
そう言うとジョニーは手足肉を入れた袋を担ぐと、すぐさま駆け出した。
ポニー:ああっ!ちょっとずるいわよ!
馬屋のポニーと学者のドクもジョニーの背中を追いかけた。他の人たちも肉の袋を一旦家に置いとくため店を離れた。やがて、その噂もまたすぐにロタ王国中に広まっていきと兵士や少年らが剣や鋸などを持ち出しロタの街をうろつき始めた。街中で歩いていたトーマス、ベン、ヘンリーの3人は武器を持って探しているジョニーたちを見つけた。ちなみにこの少年たちはそれぞれポニー、ドク、ジョニーの息子である。トーマスは建物の隙間に隠れると後ろから様子を見ていた。
トーマス:何だありゃ?
ベン:まるでだれかを探しているみたいだな。
ヘンリー:泥棒でも現れたのかな?
ベン:でも警戒してるというより、何かを求めているって感じだなぁ・・・。
トーマス:ちょっと行ってみよう!
トーマスたちはジョニーたちのもとへ走って行った。
一方、ポニーたちは光の子を探しに街中を歩いていた。特にジョニーはやる気満々だった。
ジョニー:さぁて、光の子ちゃ~ん。ど~こにいるのかなぁ?
ポニー:あんた、その顔で包丁持って歩くとまるで殺人者よ?
ジョニー:変なこと言うなよ!でもあの肉、絶品だったよな!あれをあいつらに食わせてやりたいし、店に出せば儲かること間違いなし!
ドク:だが、見た目は違いなく人間の子供だ。そんな肉をあの子たちが見たらどう思うか・・・
ジョニー:そん時はそん時だ!今は珍獣・光の子を探すことだ。
ドク:珍獣なのか?
ジョニー&ポニー:珍獣です!
トーマス:珍獣って何?
ポニー:だから珍獣っていうのは・・・て、うわぁっ!?
ポニーたちの後ろにトーマス率いる息子たちが姿を現していた。
ポニー:あ、あ、あんたたちいつの間に!?
トーマス:いつの間にって、ずっとあそこから見てたけど?
トーマスは指ですぐ近くの建物の隅を指していった。
ベン:それにしても光の子って一体?
ジョニー:ああ、光の子っていうのはな、この前トルガル村に落ちてきたろ?あれがにんげ・・・
ドク:ジョニー!そういうことを子供たちの前で口にするものじゃない!
ジョニーはトーマスたちに説明しようとするが、ドクが彼の口を塞ぐ。
ベン:トルガル村に落ちてきたってあの夜のことか。
ドク:ああ、そうだ。
ドク:その光から猿が出てきてな。なんでもそのサルの肉は珍味と言われる旨いらしいんだ。
ドクは子供たちに光の子というものが人間であることを悟らせないように説明した。
ヘンリー:珍味!?(@▽@)!
ドク:しかもなんとそのサルの肉体は何度切り取っても再生みたいなんだ。
ベン:再生!?ということはそのサルからの肉は永遠に食べられるってことなの?
トーマス:すっげぇや!俺もそのサル見てみてぇや!
トーマスはドクの話を聞いて光の子に興味が湧いた。
ポニー:あぁ、でもそのお猿さんはトルガル村の方で暮らしているから、あの深い森に行かなくてはならないの。それにちょっと凶暴なんですって!
ヘンリー:え?凶暴!?
ポニー:ええ、だからあなたたちは家の所で待ってて!
トーマス:え?家の所って・・・付いて行っちゃダメなのか?
ポニー:ダメ!捕まえるのに何時間かかるかわからないんだから!おとなしく家にいて頂戴。
ポニーに釘を刺され、トーマスたちは渋々受け入れながら彼らから離れた。トーマスたちの背中を見送ったジョニーたちは光の子の探索を再開した。
そして少し経ったその時、・・・
ロタ住民:おい!いたぞ!光の子・晃司だ!
3人はふとその声を耳にするとその現場へと向かった。そこには貴族たちに地面に押さえつけられている3歳くらいの少年を見つけた。少年は必死に逃れようと抵抗をしていた。
ドク:あ、あれが光の子なのか・・・!?
ポニー:ちょっと!?どう見ても普通の子供じゃない!?
ジョニー:ああ、でもやつらの方はそうは見ていないようだ。見ろ!
ジョニーの指先を見ると、そこにはもう1人の貴族が少年に近づき、何か棒のようなものを上に振り上げていた。その棒の先には何か刃物のようなものが付いていた。
ポニー:え?ちょっと待って!?Σ(◎Д◎;) あれってまさか斧・・・!?
ドク:じょ、冗談だろう!?まさか本当に彼を・・・!?
貴族は斧を力任せに振り下ろした。
ザクッ!!
晃司:ぎゃあああ~~~~!!
腕はものの見事に切り落とされ、少年の悲鳴がロタ中に響き渡る。斬られた腕の切り口からは鮮明な血が勢いよく流れ出ており、少年はあまりの激痛に悶え泣き叫んだが、もがこうにも手足を数人に押さえつけられているために身動き取れないでいた。その光景はジョニーたちにとって見ていて気持ちの良いものではなく、彼らはあまりの残虐な光景に怪訝な表情になった。中でもポニーは思わず顔を手で覆っている。だがしばらく経つと腕の切り口の断面が黄金の光に染まったと思うと、みるみるうちに腕が再生されていった。
ドク:う、腕が再生された・・・!?
ジョニー:すげぇ・・・噂は本当だったんだ・・・。
ポニー:だけど、これは私には無理ね。だってあんな幼気な子供の体を無理矢理むしり取ろうなんて、いくら何でも人間のやることじゃ・・・
ドカッ!!
晃司:ぎゃあああ~~~!!
ポニー:えっ!?
ポニーが本音を語っていると突然、肉を切る音と鳴り響いた子供の叫び声に気付いた。見てみると貴族たちはそんな少年の声をよそに彼の体に斧や剣などで手足をいくつか斬っているのだ。
ポニー:ちょっとあいつら、何やってるの!?
ドク:どうもやつらはそんな事はお構いなしみたいだな。
ジョニー:まあ、あの肉の味が忘れられないんだろうけど。
ポニー:まさかあんた、あいつらと一緒にやろうっていうんじゃないでしょうね?
ジョニー:いや、いくら肉好きのオイラでも子供をいたぶるような事はしたくないよ。他の奴らだって・・・
コウジ:うわあああぁぁぁ~~~!
だがジョニーの理想はすぐに裏切られた。少年の悲鳴にふとその様子を見た3人は衝撃的な光景に愕然した。光の子・晃司の肉を求めていた男たちは、少年の腕が再生されるとすぐに斧や刀などで彼の手足をまるで薪割りのような感覚で斬り始めたのだ。少年は泣き叫ぶがそれとは裏腹に斬られた所からどんどん手足が瞬時に再生されていき、その度にどんどんその手や足を斬りまくっていく。少年の真下の地面には彼の血で赤く染まり、どんどん広がっていく。そのあまりに残虐で衝撃的な光景を目の当たりにした3人は硬直してしまい、しばらくの間空いた口が塞がらなかった。
ロタの兵士:なんか手足だけでは物足らんな!
そう言うと大剣で彼の胴体を真っ二つにした。
晃司:ぐはっ!
晃司は血を吐くと同時に腹の断面から内臓が零れ落ちた。
ジョニー&ポニー&ドク:うっ!!
それを見たジョニーたちは顔が引きつり、中でもポニーは思わず吐き気を催しそうになる。だがそれでも体は再生し、少年の下半身は瞬く間に復活した。
ロタ兵士:うぉっほ!こいつ、内臓なかまでも再生できるのか!
こりゃあ、いいや!
ロタ人:なら、心臓とかもいけるかな?
ロタ兵士:それはやめたほうがいいんじゃないのか?もしそれで死んでしまったら再生できなくなるだろう?
ロタ人:だけどお前が斬り落としたのって、普通の奴なら死んでた部位だぞ?
ロタ貴族:だったら、行ける所までやりゃあいいんじゃねぇのか?物は試し用だ!
ロタ人たちは今度はマグロの解体のような手付きで1人ずつ少年の胴体を真っ二つにし始めた。最初はへその辺りだったのだが、そこから上へ上へと位置を変えていき斬って行った。
ものすごい人だかりのためか遠く離れているジョニー達の方からは最初はへその辺りだったのだが、そこから上へ上へと位置を変えていき斬って行った。ものすごい人だかりのためか遠く離れているジョニー達の方からは何も見えなかったが、被害者である少年のただごとではないくらいの大絶叫の声は聴こえていた。
ドク:これ以上見ていられるか!
少年の人権を無視した彼らについに見ていられなくなったドクは彼らの近くに出ると少年をいたぶるロタ人たちに怒鳴った。
ドク:いい加減にしろ!お前ら!
ロタ人:ん?何だ?
ロタ人たちは一旦手を止め、ドクの方を見る。
ドク:お前ら、一体何をしてるのかわかってるのか!
ロタ人:え?何って光の子っていう珍獣の肉を・・・
ドク:それが珍獣か!?どう見ても人間の子供だろう!!
するとロタ貴族がドクの前に出る。
ロタ貴族:だけどよ、お前も見たろ?こいつ斬られても斬られても復活するんだぜ?見ろよ、これを!
ガッ!
そう言うとロタ貴族は斧で少年の首を容赦なく切断した。
ジョニー&ポニー:Σ(◎□◎;)!!
後ろで見ていたジョニー達はその光景に思わず手で口を覆った。ドクは少し顔が引きつるだけで動じることはなかった。すると頭部の首の断面が光ると体がまた元の状態へと復活した。
ロタ貴族:ほらな!このとおり普通じゃ死んでるレベルの所行っても復活しやがる!ちょっとやそっと切ったぐれぇでつべこべ言うなよ。
ポニー:あなた、子どもはいるの?
するといつの間にか前に出ていたポニーがそう問いかけた。
貴族:は?なんでそんなこと聞くんだよ?
ポニー:いいから!私の質問に答えて!
ロタ貴族:い、いるよ!それがどうした?
ポニー:じゃあもしその「光の子」があなたの子供だったとしたら、その子と同じように出来る?
ロタ貴族:な、何言ってんだ!?俺の子をこんな珍獣と一緒にすんな!こいつは神みたいなものなんだぞ!!
ドク:それが神の子だったらどうしてお前らはそんなにいたぶることが出来るんだ?
ロタ貴族:いたぶるって・・・お前、俺はちゃんとこいつに食う許可を・・・
ポニー:だったらその子は何であんな表情になってるのかしらね?
ロタの人たちは少年の表情を見ると我に返った。
ロタ貴族:うっ!?そ、それは・・・。
ロタの人たちもポニーの問いかけで少年の顔を見ると我に返った。少年の顔はあまりの恐怖で涙を流しながら引きつっている。
すると遠くで見ていたジョニーも民衆の前へ行くと口を開く。
ジョニー:たしかに僕たちもその肉の味に興味があって来てみたけど、まさかそれが人間の子供だったなんて知ったら普通出来ないよ。だってそれやってること人食いだもん。
ポニー:今あなたたちがやってること、傍から見て子供をいたぶってるにしか見えないわよ?
ジョニー達の指摘に言い返せる民衆の人々は誰一人いなかったが、貴族たちだけは違っていた。
ロタ貴族:うるせぇ!そんなこたぁ知るかよ!こんなうめえ肉を持ってる人間がどこにいるんだよ?こいつは人間じゃあない!珍獣だ!
ドク:お前・・・!いつか罰が当たるぞ!
ロタ貴族:ふん!でも、まあいい!これだけ採れたんだ。今日の所はこの辺にでもしておくか!よし!お前ら解散だ!
そう言うと貴族たちは切り取った肉を袋へと詰めると引き上げて行った。他の民衆たちも少年から離れると少年の肉片を持ってそそくさと逃げるように帰って行った。
街路は少年の血で赤く染まりその上に少年・晃司が全裸・無傷の姿で仰向けに横たわっている。息はあるが、突然の出来事で放心状態になっていた。
ジョニー:大丈夫か!?
ジョニーが晃司のもとへと駆け寄りそっと肩に手を置くが、少年はジョニーの手を振り払いのけるとすぐ後ずさり、ジョニーを警戒するような目で見る。
ジョニー:大丈夫だよ!僕たちあいつらと違ってお前を切ったりしないからさ。
そう言ってジョニーは彼に近付ろうとすると、少年は慌てて立ち上がりその場から逃げ出す。
ジョニー:あ、おい!ちょっと待てって!
ドク:行くな!ジョニー。あんな目に遭わされたんだ。今のあの子じゃ僕たちを警戒するのも無理ない。
ジョニー:だけど、このままじゃあいつは・・・!
ポニー:それよりもこの事、トーマスになんて言ったらいいかだわ
ドク:う~ん・・・、とりあえず、このことは内緒にして置くか・・・。だがなんて言えるわけないし・・・。
ジョニー:とりあえず、このことは内緒にしておくか。肉はうちの店の貴族たちから買い取った物でやればうまくごまかせるだろうし・・・。
ポニー:それよりもこの事、あの子たちにどう話せばいいかが問題よね・・・?
ドク:まあ、今、この事は内緒にしておこう。
ジョニー:それもそうだな。肉はうちの店の貴族たちから買い取った物でやればうまくごまかせるだろうし・・・。
ポニー:でもあの手足、どう見ても人間のそのものよ?
ジョニー:そんなもん下ごしらえでもしたらなんとかなるだろう!んじゃ、各自支度出来たらポニーの馬小屋の前で集合と!
さっそくジョニー達は一旦それぞれの自宅へと戻ると調理場に向かい、大きい袋から貴族たちの店から仕入れた手足の肉を全部取り出すと作業に取り掛かった。手順は、まず包丁で手首や足首を切り落とす。次に肉を捌き、中の骨を取り出す。そしてこの工程を全てし終えた肉を再び袋に詰め、ポニーの馬小屋の前へ行くというものだった。この作業を終え、最初に馬小屋に到着したのはジョニーだった。次にポニーが到着し、しばらく経ってドクが到着した。
ポニー:遅いわよ!ドク!
ジョニー:僕なんか1着だぞ!
ドク:しょうがないだろう?君たちとは違って僕の家は少し離れたところにあんだから。
ジョニー:んで、下ごしらえは済んだか?
ドク:ああ、もちろんさ!
ドクはジョニーに袋の中を見せた。
ポニー:私もよ!けど、肉の下ごしらえなんかやったことなかったから思ったより手間取っちゃったわ。
ジョニー:そうかい?僕は普通にできたけど?
ドク:そりゃあ、君が肉の扱いに慣れてるからだろう。んで、君が馬小屋に集合した理由ってもしかして・・・。
ドクは馬小屋の庭で用意されているものを見た。
ジョニー:うん、バーベキュー!
ドク:(⁻Д⁻;)アァ…、やっぱりか・・・。
ポニー:昔っから好きだったものね・・・。(⁻Д⁻;)
ドクとポニーは呆れていた。バーベキューコンロには既に火が入っておりすぐに焼ける状態だった。
ジョニー:そりゃあ、肉と言ったらバーベキューっしょ!(^曲^) さぁ!焼くべ焼くべ!
ジョニーはウキウキしながら、肉を焼き始める。しばらくするとトーマスたちがやって来た。
ヘンリー:父ちゃん!
ジョニー:おう!お前たち来たか!さあさあ、こっちに来て一緒に食べろ!
トーマス&ベン&ヘンリー:うん!
トーマスたちは椅子に座ると紙皿に置かれている肉を口に運んだ。
トーマス:ん!?・・・・
なんじゃこりゃあ!!!Σ(◎Д◎;)
トーマスはトーマスは食べた途端に顔色を変え絶叫した。
トーマス:う、うめぇ・・・!!な、何だ・・・このうまさは!!
ベン:うん!今まで食べてきたものよりもすごくおいしいよ!!
ヘンリー:これならご飯何倍でも行けるよ!
と言いながら肉を頬張るヘンリー。
ジョニー:おお!!そうか!!いや~、光の子を仕入れて来た甲斐があったよ~!
トーマス:ジョニー叔父さん、光の子捕まえて来たんだね!
ジョニー:え!?あ・・・いやぁ・・・実はすばしっこくて捕まえられなかったんだ。腕や足を切り落としたとしてもすぐに生えて来るしね・・・。アハハハハハ・・・(^▽^;) でもまあ、光の子の肉を売っている店で買ったものがあったから・・・ね・・・(^▽^;)
ジョニーはトーマスの問いにドギマギしながら答えた。
トーマス:ふ~ん、そんなにすばしっこいのか・・・。じゃあ今度は俺たちがそいつを捕まえてみるよ!
ジョニー:ええええぇぇぇぇ!!!!Σ(◎Д◎;) あ・・・、あ~ダメダメダメダメダメ!!いや~・・・絶対ムリ!絶対ムリ!!
トーマスの言葉を聞いてジョニーは仰天し、遮るように全力で拒否った。
トーマス:え?どうしてだよ!?
ジョニー:光の子・晃司ってのは本当にすばしっこくてな、お前たちじゃ到底捕まえられるものか!!!
トーマス:そんなの俺たち3人で行けばなんとかなるさ。
ジョニー;いんや!ダメダメダメ!!それにそいつはな、実はにんげ・・・
ドク:ジョニー!
ジョニーは子供たちに光の子の正体を話そうとするが、ドクがたしなめた。
ヘンリー:人間?
ジョニー:え?あ・・・、いや・・・つまり・・・やつはまるで人間みたいな動きをして俺たちを翻弄するんだ。
ベン:ふ~ん。あ、そうだ。ジョニー叔父さん、僕たち見て来たんだけどさあ。
ジョニー:ん?何だい?
ベン:あそこの大通りに血だまりみたいなものがあったんだけど何か事件でもあったの?
ジョニー&ドク&ポニー:ギク!!!?Σ(◎曲◎;)/Σ(◎-◎;)/Σ(◎Д◎;)
何気ないベンの問いに驚く大人たち。
ジョニー:さ、さあ・・・。お、お、大通りにそんなものがね・・・(;^ω^) さあさあ・・・そんなことよりもほら、もっと食え食え!
ジョニーはごまかしながらトーマスたちの皿に焼けた肉を配り差し出す。
一方、ドクとポニーは遠くの席に座りジョニー達の様子を眺めていた。
ポニー:よくあんなものを子供たちに食べさせられるわね・・・。
ドク:まあ、しかたないさ。どのみちあの肉を処分しなきゃならないし、こうでもしなきゃ子供たちに不審がられるだけだし。
ポニー:でもこのまま放っておいたら私たち人食いよ・・・?
ドク:いや、そうはさせないさ!僕はあいつらに光の子の正体について話すつもりだ。だが今はその時ではない。
ドクは真剣なまなざしで子供たちを眺めていた。
ベン:ジョニーさんは食べないの?
ジョニー:え?あ・・・そ、そりゃあ食べるよ!この肉大好物だし!(;'∀')
そう言うとパクパク食べ出す。
ジョニー:うん!うまい!
ヘンリー:まあ、俺の父ちゃん肉好きだからね。
トーマス:母さんたちは食べないのか?
ポニー:え!?ば、バカ言わないでよ!そんなもの食べられるわけないでしょう!!
トーマス:え!?
母親の予想外な言動にトーマスは一瞬戸惑った。
ドク:ポニー!
ポニー:へ?あ・・・あ、いや・・・その・・・ちょ、ちょっとその高級そうな肉はちょっと合わないかな~・・・なんて・・・アハハハ・・・(^▽^;)
我に返ったポニーは笑いながらごまかす。
その後もトーマス、ベン、ヘンリー、ジョニーの4人は腹いっぱいになるまで食べ続け、残りの肉を全て平らげた。だがドクとポニーだけはジョニーやトーマスたちが呼んでも「その肉だけは食べる気にならない」という理由でバーベキューの傍には近寄らなかった。しかし、さすがに見ているだけではお腹が空いたため家から作り置きしていた料理を取り出して食べたのだった。
トーマス:ふぅ~・・・、食った食った!こんな美味いの食ったの生まれて初めてだ!
トーマスは膨れたお腹を擦って言った。
ヘンリー:なあ、父ちゃん。今度その光の子の所へ連れて行ってよ。
ジョニー:え?あ、いや・・・その・・・だから・・・!!
ドク:いいだろう!
ジョニー:へ!?
トーマス:え?いいのか?
ドク:ただし、光の子はお前たち3人だけで行ってこい!!
トーマス&ベン&ヘンリー:え!?
ジョニー:え!?お、おい!ドク!?
ベン:え?で、でも光の子って素早いんじゃ?
ドク:ああ、だが普段はおとなしいらしいんだ。それに彼が逃げた場所はトルガル森だと聞いている。いつも遊びに行っているお前らなら出来るはずだ。なんなら明日にでも行ってくるといい。帰りは遅くなってもいいからその光の子を自分の目で確かめて来い。
トーマスたちはドクの言葉を聞いた途端に笑みがこぼれた。
トーマス:うん、わかった!よし!お前ら!明日の朝、光の子探しに出発だ!
ベン&ヘンリー:おー!!
こうして次の日、トーマスたち3人は光の子を探しにトルガル森へと向かったのだった。
トーマス:お~い!ちゃんと付いて来てるか~!!
ベン:ああ!ちゃんと付いて来てるよ!!だけどさぁ、本当にいるのかな?「晃司」という珍獣サルなんて。
ヘンリー:大丈夫だって!ドクさんたちが言うには晃司ってのは森の中に逃げたって聞いてるし。ほら、道具だってちゃ~んと用意してあるよ!ほら!
ヘンリーはリュックサックを下ろし、トーマスたちにリュックの中身をいくつか取り出して見せた。
ヘンリー:銃に斧に投げ縄、フォークにナイフ、テントにバーベキューセット・・・
トーマス:おいおい、バーベキューは昨日やったろ?
ヘンリー:だってハイキングって言ったらバーベキューが定番でしょ?あとは・・・
ヘンリーはリュックをひっくり返して残りの持ち物を取り出した。
ベン:これ、全部お菓子じゃないか!
ヘンリー:うん、だって俺にとってお菓子は必需品だから。
トーマス:お前ってやつは食うことに関しては一人前だな・・・。
ヘンリー:そりゃあ、俺にとって食うことは生きがいみたいなものだから!
ベン:いや・・・威張るとこじゃないと思うよ・・・。
ベンは得意げになるヘンリーに苦笑しながら言った。
ヘンリー:へへっ!でもあの肉超うまかったよな!まさに神秘的な肉って感じだ!
ヘンリーは自分の持ち物をリュックに詰め直しながら語った。
ベン:けど、父さんたちのあの様子、なんか変じゃない?それにあの肉・・・
ベンは昨日の夜、ごみ袋の中にあった足首の部分の肉のことを思い出した。ドクとポニーの言葉が気になったため、夜中にこっそりゴミ袋の中を調べたのだ。
トーマス:たしかにな・・・。あんなにうまい肉なのに食べたくないだなんて。
ヘンリー:でも俺の父ちゃんはすっごくうまそうに食ってたよ?
トーマス:まあ、考えたってなんも始まらねえ!晃司っていうもんがどういうもんなのか見てから考えようぜ!
しばらく行くとトーマスたちは岩の洞窟の前までたどり着いた。
ヘンリー:おっきい洞窟だなぁ!
ベン:これはたぶん岩の社の入り口みたいだな。
トーマス:岩の社?
ベン:ああ、たしか岩の洞窟の中に神社みたいなのがあるみたいなんだ。なんでも前の国王がトルガル村が無事に過ごせるようにという祈りを込めて造ったんだってさ。
トーマス:へぇ~、そうなのか。じゃあ、いっちょお参りでもしてくるか。
トーマスたちは岩の洞窟の中に入って行った。ライトで前を照らしながら進んで行くとその先に何かを見つけた。トーマスはライトで照らすとそこには少し大きめの社が見えた。
ベン:ここが、岩の社か・・・。
ヘンリー:少し小さいけどなんだか立派な神社だね。
トーマス:だけど、ここには賽銭も鈴も見当たらないな・・・。ん?
トーマスは何かに気付き、ライトで社の扉を照らす。
ベン:どうした?トーマス?
トーマス:ん?ああ、何か扉ン中になんかいんのかなと思ってさ!
ベン:扉の中に?お供え物かな?
ヘンリー:お供え物?お団子とか?
トーマス:お前ってやつは食うことばっかだな・・・!(-_-;)
ヘンリー:そりゃあもちろん、生涯食い物を愛する男だからな!
トーマス:生涯かよ・・・。でもまあ、俺もちょっと気になるかな?ちょっと覗いてみようぜ!
ベン:まあ、ちょっとだけなら・・・。でも見るだけだよ?例えそれがお供え物だったとしても取るのはないだよ?
トーマス:そんな罰当たりなことするかよ!な?ヘンリー!
ヘンリー:えぇ!?あ・・・も、もちろんだよ・・・!アハ・・・アハ・・・アハハハ・・・!
2人は思った・・・・・
こいつ/この人、本当にやる気だったんだな・・・。
トーマス:全く・・・、んじゃ、気を取り直して!
トーマスは社の扉に手をかける。
トーマス:心の準備はいいな?
ベンとヘンリーは唾をごくんと飲み込み、うなずく。
トーマス:よし!それじゃあ、ご対面~!
そう言うとトーマスは扉を開けた。