月の少年の降るFULL BLOOMING!   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
今回はリサちゃんの☆3エピソードを書いてみました。
少しオリジナル要素が入ってます。
楽しんでもらえると嬉しいです。

それではどうぞ。



第1.5話 彩とアタシのペース

「やっほー、紗夜(さよ)燐子(りんこ)! 待たせちゃったかな?」

 

スタジオ併設型ライブハウス『CiRCLE(サークル)』のカフェテリアにて。

リサは同じバンドメンバーの氷川紗夜(ひかわさよ)白金燐子(しろかねりんこ)に待たせてしまったかと訊ねる。

 

「いえ、問題ありません。先ほど到着したばかりですので」

「わたしも……今着いたばかり……です……」

「そっかそっか~。なら良かった!」

 

自分達も今着いたばかりだと言う紗夜と燐子に安心したリサ。

 

「いやー、それにしても今日は風あるし、この時期にしてはちょっと冷えるよねー」

「はい……。この風だと……せっかく綺麗に咲いた桜も……散ってしまいそう……ですね……」

「そうですね。そろそろ桜も見納めの時期でしょうか」

「あ~……そう、だよね~!! あはは……!! 桜も見納めかぁ……うん! 今からお花見っていうのも時期外れっていうかさ、ちょっと遅いって感じだよねー……!!」

 

桜という単語を聞いたリサが、苦笑いしながら答えた。

 

「……今井さん、何か気になる事でもあるんですか?」

 

リサの様子が妙におかしいと思った紗夜が訊ねた。

 

「え!? い、いや、何もないよ~! 紗夜ってば、いきなりどうしたの?」

「はぁ……自覚がないようですね……少なくとも今の今井さんは何もないという顔はしていません」

 

寧ろ、顔に出やすいのでは?と思った紗夜。

 

「……アタシそんなに顔に出てる?」

「はい……わたしにも……何か……気になるような事が……あるように見えました……」

 

燐子にもそう言われてしまい、リサは思ってた事を2人に話してみる事に。

 

「んー、実はさー……今度彩と花音、それから蘭と麻弥と悠里でお花見に行こうって話してるんだよね」

「それは……随分珍しい集まりですね?」

「でも……凄く楽しそう……ですね……」

 

ほんと偶々会ったメンバーで、お花見行こうって話になったんだよね~と話すリサ。

 

「まぁでも、そこまでは良かったんだけど、メンバーの都合上、彩と花音と悠里に幹事を任せる事になっちゃって」

 

で、その準備がちゃんと進んでいるのかなって、紗夜と燐子の話を聞いてたらすっごい気になっちゃってさーと苦笑い気味に話すリサ。

 

「なるほど……そういう事……なんですね……」

「彩と花音と悠里的には、マイペースに進めてはいるみたいなんだけど……桜の時期もあるから、ちょっと心配になっちゃって」

「確かに、そろそろ桜も散ってしまいますね。不安な気持ち、分かる気がします」

 

なるほど。そういう事かと納得した紗夜と燐子。

 

「それになんていうか、3()()()おっとりしてるところあるじゃん? 何か忘れてたりしないか心配で……」

「丸山さんは、その……少し、うっかりしているところがありますから……」

 

リサの言葉を聞いて、彩はどちらかと言うと、うっかりしてるところがあると言いにくそうに答える紗夜。

 

「2年生の時、出された宿題の存在を忘れていた、という事がありました」

「そ、そうだったんですね……少しだけ……心配になりますね……」

「だよねだよねっ! やっぱりちょっと心配になるよね!?」

 

その話を聞いたリサと燐子は少しだけ心配になるなと思った。

 

「でも、少し心配し過ぎかもしれませんね」

「えー、そうかな……?」

「松原さんとはクラスが同じになって間もないので、何とも言えませんが……丸山さんの場合は、最終的にはきっちりと提出を済ませていました」

「そうなんだ! ……っていうかそれ、逆に凄くない?」

「……きっと……最後には……上手くいくのではないでしょうか……」

 

まさかのオチを聞いて、驚くリサに燐子も最終的には上手くいくのではないかと言った。

 

「人には人のペースがあります。今井さんが心配しなくとも、しっかりと準備を進めているのではないかと」

「まぁ、そうだよね……そう考えると、確かに言うほど心配は……あーでも、悠里が心配だなー。この時期になると、おっとりの度を越して()()()()になるからさー……」

「「え?」」

 

リサの口から聞きなれない単語を聞いて顔を合わせる紗夜と燐子。

 

「あの……ぽやほわって……なんですか……?」

「え? あぁ、ぽやほわっていうのは、『ぽやぽやほわほわ』の略称で、毎年春になると……その、悠里がそうなるんだ。すっごく判りにくいんだけど」

 

普段の悠里を知ってる紗夜と燐子は、試しに想像してみる……が、全く想像がつかない。性格や意外な一面ならともかく、そんな悠里なんて見た事もない。

 

「仮に悠里さんが、そ、その……ぽやほわ?という状態になってたとして……具体的にどんな感じなんですか? この時期からなら、私は見た事ありませんよ?」

「わ、わたしも……ゆうりくんがそうなってるところは……見た事ないですね……」

「あー、でも……ぽやほわな悠里なら紗夜と燐子も見た事あるよ?」

「「えっ!?」」

 

それを聞いた紗夜と燐子は驚きの声を上げる。いつ? 何処で? 思い返してみるが、全く心当たりがなかった。しかしリサは見た事はあると言う。

 

「最近だと、そうだなぁ……あ! 練習の休憩の時に、テーブルに向かってのぺーってしてた時あったでしょ? それでやたらとアタシ達の名前呼んでたじゃん? あれがそう」

「あ、あの時ですか!?」

「あ、あれが……そう、だったんだんですね……」

 

ね、判りにくいでしょ?とリサが言った。

それを聞いた紗夜と燐子は、ようやく納得した。

確かに練習の休憩の時に、リサの事を『リサちゃー、リサにゃー』とか、紗夜の事を『さよちゃー、さーちゃん』とか、燐子の事を『りんこちゃー、りんりんー』等々……悠里がぶっ壊れた事があった。

 

主な被害者は、ここにいる3人とボーカルの湊友希那(みなとゆきな)の4人のみ。ちなみにその後の練習は中止になったのは余談である。

 

ちなみに友希那の場合は『ゆきなーちゃー、ゆきちゃー、ゆきちゃーん、ゆきにゃー』だった。

最後の語呂が気に入ったのか分からないが、悠里がにへら~とした表情で友希那の事を『ゆきにゃー♪ ゆきにゃー♪』なんて連呼するようなものだから、友希那のライフを0にするには充分だった。

 

なるほど。あれがリサの言ってた『ぽやほわな悠里』だったのか。

 

「あー、心配だなー……アタシはちょっとだけ耐性が付いてるからいいけど、悠里の事だからなぁー……」

「「…………((お花見の時、今井さん……大丈夫かしら(かな)?))」」

 

そんなリサを見て、少し心配になる紗夜と燐子なのであった。




読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
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