月の少年の降るFULL BLOOMING!   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
今回で最終回になります。少しオリジナルになってます。

そういえば今日は、燐子ちゃんの誕生日ですね。おめでとう。

それではどうぞ。


第6話 お花見当日!

そして迎えた、お花見当日。公園にて。

 

「それじゃあみんなー! いくよ! せーのっ! かんぱーい!」

「「「カンパーイ!」」」

「「乾杯……」」

 

彩の合図で6人は乾杯をした。

 

「んー! このサンドイッチ美味しー! サーモンとアボカドのサラダサンドだ!」

「見た目も凄く可愛いですよね。この前の画像よりも、華やかになった気がします」

 

美味しそうに食べるリサ。サンドイッチの見た目が色んな種類がある事に気づく麻弥。

 

「あ、気づいてくれた? 型の種類もたくさんあった方が楽しいかなと思って、あのあと彩ちゃんと悠里くんの3人で買いに行ったんだ」

「犬とイルカと猫……なんか、彩さんと松原さんと悠里さんチョイスって感じする」

「ロールケーキみたいなやつもいいよね~☆ アタシもこれ、今度作ってみよっかな」

「えへへ。簡単に作れて見栄えもいいから、超おすすめだよ♪」

 

特にロールケーキ型のサンドイッチを気に入ったリサは、今度Roselia(ロゼリア)のみんなにも作ってあげようかなと思っていた。

 

「ちなみに~……じゃ~ん! 実はアタシもちょっとした料理を持って来たんだ~。玉子焼きとか唐揚げとか定番の物しかないけど、良かったらこっちもつまんでね!」

()()()()()の手作り玉子焼き~、甘くてトロトロ~」

「「「「リ、リサちゃー……?」」」」

 

玉子焼きをつまみ始めた悠里の様子が若干おかしい事に驚くリサ以外の4人。一方でリサは4人に、ぽやほわ状態の悠里について説明した。顔を少しだけ赤くしながら。

 

「じ、実はあたしも……その、料理ってあんまり得意じゃないんでコンビニでお菓子買ってきただけですけど」

「ジブンもひと品持ってきました! 野菜スティックです」

 

お菓子を取り出した蘭。そして何故かドヤ顔で野菜スティックを取り出した麻弥。

 

「や、野菜スティック……?」

「いやいや、これが結構美味しいんですよ? 何より野菜は体にもいいですし!」

「確かに、サラダより手軽に食べられるしお花見にもピッタリかも……?」

 

麻弥の説明を聞いた蘭は確かにサラダよりかは手軽に食べられるなと思った。お花見にピッタリかは別として。

 

「そうなんですよ! 流石は美竹さん! 遠慮せずに1本どうぞ! 松原さんも!」

「どうも」

「ふふっ。ありがとう、麻弥ちゃん」

 

せっかくなので、麻弥から野菜スティックを1本貰う蘭と花音。

 

「ちなみに実は~……じゃじゃーん。僕も()()()()()()()()()()()料理とデザートを作って持って来たんだ~」

「「「「「……(((((重箱!?)))))」」」」」

 

いっぱい食べてね~?と悠里はぽや~とした表情で5人にそう言うが、5人は彼がその重箱で持って来た事に驚いてた。

 

「(いやいやいや!? なんで重箱で持って来たの!? しかもこれ、小さい頃に友希那の家族と一緒に使ってた悠里の家の秘伝の重箱じゃん!! て事は……)」

「(ふえぇ~!? 悠里くんの家の秘伝の重箱だ……も、もしかして……)」

 

その独特な重箱を見た事があるリサと花音は、自分達の記憶が正しければ、この重箱の中身は……

 

「みんなが好きそうな料理を作ってきたから、たくさん食べてね~」

「「「これ手料理((ですか))!?」」」

「「や、やっぱり……((悠里(くん)特製の()()()()()()()()()だ……))」」

 

彩、麻弥、蘭がややドン引きな表情に対し、リサと花音は予想通りだったのか軽く肩を落としながら項垂れていた……

 

「桜肉はもうちょっとだけ待っててね? ()()()()()()()()みたいだから」

「持ってきてくれるって……誰が?」

「彩ちゃんと花音ちゃんが言ってたじゃん。リサちゃんに双子の妹云々のアレ」

 

意味深な表情で5人にそう言う悠里。

首を傾げながら訊く彩に悠里は、リサの双子の妹説云々のアレと言った。

 

結局その答えは、お花見の当日……つまり今日教えてくれると本人に聞かされたのだが。

 

「えっとね……あ。ちょうど来たみたい」

 

5人に説明しようとした時、何かを見つけ、ほら。と指を差す悠里。

 

「え? 何……あのいかにも高級そうな車……」

「なんか危なそうな人達が降りてきたんですけど……!?」

 

リサと蘭が言った。

公園の入口付近に、明らかに似つかわしくない黒色の高級車が一台、停まっていたのだ。

しかも数人の黒服が車から降りてきたではないか。黒服の1人が後部座席のドアを開けると、リサと同じ158cmの少女が車から降りてきた。

 

少女は赤のワンピースに白い帽子を深く被ったその少女は、表情こそ見えないが、キョロキョロと辺りを見渡していた。どうやら誰かを捜してる様子。

 

「もしかして、誰かを……捜してるのかな?」

「そうみたいですね。あっ、なんかジブン達を見てませんか?」

 

少女の様子を見ながら呟く花音と麻弥。すると少女と目が合った……気がした。

 

「お~い、サリア~。こっちこっち~」

「!!」

 

すると悠里がのほほんとした表情で、手を振りながら少女の名前を呼んだ。サリアと呼ばれた少女は悠里の姿を見つけるや否や……

 

「……ごふっ!?」

 

真っ先に悠里に抱きついてきた。いや、飛びついてきたという表現が正しいだろう。余りの勢いに変な声を出してしまう悠里。

 

()()! お気持ちはお察しますが、悠里様が怪我でもしたらどうするんですか! 悠里様、お怪我はありませんか?」

「い、生きてるよ~……」

「「「「「え? 姫様? 悠里様?」」」」」

 

その光景を見てた黒服の1人が慌てて近づいてきて、悠里の心配と自分の主を注意する。そして5人は気になる単語を聞いて首を傾げた。

 

「…けほっ。こ、答え合わせの時間です。この子が彩ちゃんと花音ちゃんが言ってた例の正体です。……何? サリア?」

「────! ────!!」

「……あー、やっぱり? その事については今日の夜にでも。とりあえずみんな驚かないでね? 特にリサちゃん」

「え? アタシ? う、うん……分かった。何言われるか怖いけど……」

 

この場に居る全員が驚きそう……特にリサはと思った悠里は、予め確認をした。

 

「サリア、帽子を脱いでもらってもいい?」

「……」

「「「「「!!」」」」」

 

悠里がそう言うと、サリアと呼ばれた少女が深く被っていた帽子をゆっくりと脱いだ。その正体を見た5人……特にリサは驚愕の表情になった。

 

何故なら、彼女は()()()()()()()()()()()()()()()だったのだから。

 

「リ、リサちゃんが……」

「ふ、2人……!?」

「全然見分けがつかない……」

「そっくりというより、完全に瓜二つですね……」

「……」

 

彩、花音、蘭、麻弥がサリアを見て呟く。

状況整理ができていないのか、リサはポカーンとした表情でサリアを見ていた。

 

「彩ちゃんと花音ちゃんに半分正解で半分ハズレって言ったのは、こういう事だよ。……リサちゃん、ごめんね? なんか怖い思いさせちゃって」

「あ、あはは……まぁ、正直びっくりはしたけどさ……うん……」

「せっかくのお花見なんだからさ? みんな好きなのつまんで食べて? サリアは何か食べたいのある?」

「アタシ、それ食べたい! ねえ~、ユーリ~、アタシに食べさせてよ~?」

「…しょうがないな。はい、あーん……」

「あーん♪ んー! この玉子焼きやっぱり美味しー!」

「「「「「!?」」」」」

 

なんと声もリサと同じだった。リサから見れば、自分のそっくりさんが悠里にお花見弁当を食べさせてもらってる光景を見せつけられるという、リサからしたら軽い公開処刑である。

 

ちなみに彩と花音は顔を真っ赤にしながらもガッツリ見ていたが……

 

「はい、リサちゃんも。はい、あーん……」

「!? あ、あーん……(もう~~!! 悠里、そんな表情でやるなんてズルじゃ~ん!!)」

 

ぽやほわ状態なのか、いつもよりほんわかした笑顔でリサに料理を食べさせる悠里。その表情を直視してしまったリサは何も言えず、されるがままだった。

 

「ユーリ。ハンバーガーはないの?」

「ハンバー……あっ! ハンバーガーといえば~……彩ちゃんが言ってた、ハンガー……」

「ゆ、悠里くんダメだって! あれはそっとしておいて~!」

 

悠里がこれから何を話そうとしたのかを察した彩は、慌てて悠里を止めるのであった。




最後まで読んでいただきありがとうございます。
ここまで出来たのも、読者の皆様のお陰です。
気が向いたら、また何か息抜きに書くかもしれません。

それではまたいつかどこかでお会いしましょう。
ありがとうございました。

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