遊☆戯☆王 NEXT   作:せなぁ

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『M-W 機械工兵 シードライバー』地
             ☆☆☆☆
【機械賊/効果】
 このカードを装備している機械族
モンスターは、相手のモンスター一
体に二回攻撃できる。
_________________________________
        ATK/1500 DEF/1600


模索する進化の術 後編

「天駆ける白馬よ、今神風を巻き起こし、その翼を翻せ!エヴォル召喚!!」

 

 螺旋を描き飛び上がる二体のモンスター。

 巻き起こる光の大爆発。大宇宙の誕生を連想させるその中から現れしエヴォルモンスター。

 

「現れよ!初期レベル4!!

 星絵神馬 ハイウィンド・ペガシス!!」

 

 星絵神馬 ハイウィンド・ペガシス レベル4 ATK/1600

 (せいかいしんば ハイウィンド・ペガシス)

 

「エヴォル...モンスター...!」

「ひ、ひぃぃぃ!あいつだ、あいつが俺を俺のモンスターを!!」

「はっはっは!さぁ、見せてあげるよ。

 エヴォルモンスターの力を!!」

 

 白鳥が如き翼を携えた白馬。

 倉素を完封無きまでに叩き潰したそのモンスターが。

 嘶く声を上げ今海王の前に現れ出でた。

 

「来るなら来い!」

「エヴォルモンスター専用マジック!

 エヴォリューション・ブレイク発動!」

「エヴォリューション・ブレイク!?」

「1ターンに一度、エヴォルモンスター一体のレベルを1アップする事で。

 相手フィールドのモンスター一体を破壊する!」

 

 星絵神馬 ハイウィンド・ペガシス レベル5 ATK/1600

 

「なんだって!?」

 

 新たなエヴォルモンスター専用マジック。

 それは擬似的にレベルアップエフェクトを追加する効果。

 エヴォルモンスターのレベルをアップする事で、強力な効果を発動するカード。

 

「ブースト・ソードマンを...破壊!」

 

 ハイウィンド・ペガシスが起こす旋風に切り裂かれ。

 ブースト・ソードマンはスクラップと化してしまった。

 

「グォォ!!」

 

 M-W 機械剣士 ブースト・ソードマン、破壊

 

「ブースト・ソードマン!」

「そして、ハイウィンド・ペガシスでダイレクトアタック!

 ハイウィンド・ストーム!!」

 

 嘶きと共に再び旋風を巻き起こすハイウィンド・ペガシス。

 この直接攻撃を受ければ海王のライフポイントは2050-1600=450で残りが450となってしまう。

 この攻撃は受けられない。

 

「トラップ発動!ブレイク・ブロック・ウォール!

 俺のモンスターが効果で破壊されたこのターン、お前のモンスターはダイレクトアタックを行えない!」

 

 海王はトラップで張り巡らされるバリアーで、ハイウィンド・ペガシスの攻撃を防御する。

 ライフが削れる事だけは避ける事が出来た。

 

「漸くまともに伏せカードを使ったね。

 君も完全なるバカでは無いって事か」

「へっ、言ってろ。俺様の逆転劇はここからだ!」

「僕はこれで、ターンエンド」

 

『創奇 海王』

 手札

三枚

 モンスターゾーン

無し

 魔法、罠ゾーン

無し

 ライフ

2050

『風流胤 天馬』

 手札

二枚

 モンスターゾーン

星絵神馬 ハイウィンド・ペガシス レベル5 ATK/1600

 魔法、罠ゾーン

セットカード

 ライフ

4000

 

「俺のターン、ドロー!」

 

 海王の引いたドローカードは。

 

「来た!」

 

 マジックカード、死者蘇生。

 互いの墓地のモンスターから一体を自分フィールドに特殊召喚するカードだ。

 

「お前がエヴォルモンスターを出すってんなら、俺もエヴォルモンスターを出すまでだ!」

「な、なに!?」

「マジックカード、死者蘇生を発動!

 このこのカードにより、墓地のモンスター一体を特殊召喚!!」

 

 M-W 機械剣士 ブースト・ソードマン レベル6 ATK/2300

 (メタルウォリアー きかいけんし ブースト・ソードマン)

「ハァァ!!」

 

 選択されたモンスターはレベル6モンスター、ブースト・ソードマン。

 

「レベル6!?海王君一体なにを!?」

「俺は、M-W 機械装甲 メタアームドを召喚!」

 

 M-W 機械装甲 メタアームド レベル3 ATK/1000

 (メタルウォリアー きかいそうこう メタアームド)

 

「レベル3とレベル6、異なるレベルのモンスターが二体、フィールドに揃った!」

 

 レベルの異なるモンスター、エヴォル召喚の条件を満たして。

 

「俺はこの二体のモンスターで、エクスポネンシャルを取得!」

 

 二体のモンスターは螺旋を描き飛び上がり。

 

『エラーです、エラーです』

「は?」

 

 満たしていない、飛び上がりもしない。

 エヴォル召喚の条件は満たして居ないのだ。

 

「ま、ま、またかよぉぉ!なんでエヴォル召喚できねぇんだ!!」

「海王、なにやってるのよ!」

「海王君ったら!」

 

 昼の授業と同様エヴォル召喚に失敗する海王に、遊英と愛結は焦る。

 よりによって今、エヴォルモンスター使いを相手にしているこの状況で。

 エヴォル召喚に失敗してしまったのだ。

 

「お、驚かせてくれるね、エヴォル召喚をできていないじゃないか!」

「ち、違う違う、これはその...な、なんでだよ!!」

 

 海王は焦る。死者蘇生と言う強力なカードを使ってまで行おうとしたエヴォル召喚の失敗に。

 低攻撃力のメタアームドを攻撃表示で出してしまったこの現状に。

 

「くそ、だったらブースト・ソードマンで攻撃するまでだ!

 行け!ブーストソードスラッシュ!!」

 

 背中のブースターを翼の様に点火、そして剣のブースターも点火して攻撃を仕掛ける。

 

「無駄だよ!トラップ発動!

 天翼の盾-ヘヴン・シールド-!」

 

 発動されるトラップ、

 天翼の盾-ヘヴン・シールド-

 (てんよくのたて ヘヴン・シールド)。

 ハイウィンド・ペガシスを守るバリアーに阻まれ、ブースト・ソードマンの剣は弾かれる。

 天翼の盾-ヘヴン・シールド-が発動された事で、ブースト・ソードマンの攻撃が防がれてしまったのだ。

 

「このカードは、攻撃表示のモンスターにのみ装備が可能なトラップカード。

 装備モンスターが戦闘で破壊される時、その破壊を無効にして戦闘ダメージを0にする!」

「な、なんだって!?」

「破壊とダメージが無効...なんて強力なトラップなんだ...海王君!」

「そうさ、こいつは強力なトラップだ、だからデメリットは存在する。

 このカードの効果でモンスターを守った時、僕は1000ポイントのダメージを受けてしまう...」

 

 強力な効果のカードにはデメリットは付き物。

 そしてこのカードの場合、初期ライフの四分の一の数値の効果ダメージ。

 体を突き刺すような強い電撃が走り天馬を襲い、ライフポイントにダメージを与えた。

 

「ぐ、うわぁぁぁぁぁ!!」

 

 天馬ライフポイント、4000-1000=3000

 

 漸く海王は天馬にダメージを与える事が出来たが...。

 エヴォルモンスターは、ハイウィンド・ペガシスはフィールドに残ったまま。

 ここからどうなるのか、分かったものではなかった。

 

「お、俺はこれで、ターンエンドだ!」

 

『創奇 海王』

 手札

二枚

 モンスターゾーン

M-W 機械装甲 メタアームド レベル3 ATK/1000

M-W 機械剣士 ブースト・ソードマン レベル6 ATK/2300

 魔法、罠ゾーン

無し

 ライフ

2050

『風流胤 天馬』

 手札

二枚

 モンスターゾーン

星絵神馬 ハイウィンド・ペガシス レベル5 ATK/1600

 魔法、罠ゾーン

天翼の盾-ヘヴン・シールド-

 ライフ

3000

 

「僕のターン、ドロー!」

「君は今、死者蘇生によりブースト・ソードマンを“特殊召喚”した」

「だ、だからなんだよ」

「見せてあげるよ、これがハイウィンド・ペガシスの効果だ!

 ハイウィンド・ペガシスの、レベルアップエフェクト発動!!

 ハイウィンド・ペガシスは1ターンに一度、自身のレベルを1アップする事で。

 相手フィールドの特殊召喚されたモンスター全ての攻撃力を、ターン終了時まで半分になるまでダウンし。

 ダウンしただけのその数値の攻撃力を得る!!」

「な、なんだと!?」

 

 ハイウィンド・ペガシスの嘶きと共に、ブースト・ソードマンを星屑の光が包み込む。

 ブースト・ソードマンボディに組み込まれるライトの光が薄れて行く。

 吸われているのだ、ブースト・ソードマンの力が。

 

「スターライト・ゲイン!!」

 

 M-W 機械剣士 ブースト・ソードマン レベル6 ATK/1150

 (メタルウォリアー きかいけんし ブースト・ソードマン)

 星絵神馬 ハイウィンド・ペガシス レベル6 ATK/2750

 

「こ、攻撃力2750だとぉ!?」

「はっはっはっは!これが僕のペガシスの力!

 さぁ行け、ハイウィンド・ペガシス!

 ハイウィンド・ストーム!!」

 

 天馬が選んだ標的はメタアームド。

 攻撃力1000のメタアームドに攻撃を与えれば、海王のライフは2750-1000=1750、更に2050-1750=300で、残りライフポイントはたったの300となってしまう。

 

「ぐわぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 M-W 機械装甲 メタアームド、破壊

 海王ライフポイント、2050-1750=300

 

 防御手段は無い、防ぐ事はできない。

 もう攻撃を受けることができなく成る程の大ダメージだ。

 

「海王!」

「海王君!!」

「まだだよ!速攻魔法、ティンクルスター・ライン!!

 星絵モンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した時、相手フィールドのモンスター一体を破壊する!」

「な、なにぃ!?」

 

 残る海王のモンスターは、ブースト・ソードマンのみ。

 だがそのブースト・ソードマンも。

 

 M-W 機械剣士 ブースト・ソードマン、破壊。

 

 破壊されてしまった。

 

「僕はこれでターンエンド!」

 

 この瞬間、ハイウィンド・ペガシスの攻撃力は元に戻る。

 

 星絵神馬 ハイウィンド・ペガシス レベル6 ATK/1600

 

『創奇 海王』

 手札

二枚

 モンスターゾーン

無し

 魔法、罠ゾーン

無し

 ライフ

300

『風流胤 天馬』

 手札

二枚

 モンスターゾーン

星絵神馬 ハイウィンド・ペガシス レベル6 ATK/1600

 魔法、罠ゾーン

天翼の盾-ヘヴン・シールド-

 ライフ

3000

 

 残りライフはたったの300、天馬のライフポイント3000と、天と地の差がある。

 追撃のモンスターが来た時点で海王の負けは確定する。

 もう後が無い。

 このターンだ、このターンが、ラストターンと言っても過言ではないのだ。

 

「お、俺のターン...」

「海王君...!」

「海王...」

「も、もうだめだ...海王の負けだ...」

 

 遊英に見守られ、愛結に祈られ、倉素が海王の負けだと諦める中海王は考えた。

 なぜエヴォル召喚に失敗したのかを。

 なぜ天馬がエヴォル召喚を行う中、自分だけエヴォル召喚を行えないのか。

 

 異なるレベルのモンスター。

 ふと海王は、エヴォルモンスターのカードテキストを思い出す。

 レベル3~4モンスター。

 エヴォルモンスターのカードには、そう書かれていた。

 

 それを思い出したその時、海王の頭に電光が走る。

 レベル3~4、異なるレベルのモンスター。

 そう、エヴォル召喚の条件は、数字の並びだ。

 数字の並びの順に揃えられた、異なるレベルのモンスター。

 それがエヴォルモンスターの条件。

 

 漸く気付いたエヴォル召喚の正しい条件。

 切り札を召喚する方法。

 このターンで決着をつけねば、ほぼほぼ後の無い海王だが。

 海王のデッキには、今の手札でこの状況を覆すカードが一枚だけ眠っている。

 

 全てを掛けたラストドロー。

 呼吸を整え、気持ちを落ち着け。

 祈り、願い、そして海王は、カードを引く。

 

「ドロォーーー!」

 

 ドローカードを確認、そのカードを見て海王は、思わず笑みを溢した。

 

「......っ!!」

「海王君!」

「海王!」

「......っへへ。これだからデュエルはやめらんねぇ...」

「な、何を引いた...?」

「来たぜ、逆転のキーカードが...」

 

 逆転のキーカード、それは。

 

「俺は、M-W 機械軍師 カナメモチを召喚!!」

 

 M-W 機械軍師 カナメモチ レベル4 ATK/1000

 

「そのカードは...!海王君!」

「おう!いっくぜぇ!

 俺は機械軍師 カナメモチのモンスター効果を発動!!」

「なに!?」

「このモンスターの召喚に成功した時、墓地のレベル3以下のM-Wモンスター一体を、効果を無効にして特殊召喚できる!

 甦れ!メタアームド!!」

 

 M-W 機械装甲 メタアームド レベル3 ATK/1000

 

「レベル3から4、異なるレベルのモンスターがフィールドに揃った!」

 

 M-W 機械軍師 カナメモチ レベル4 ATK/1000

 M-W 機械装甲 メタアームド レベル3 ATK/1000

 

 数字の並びの順に揃えられた異なるレベルのモンスターが、海王のフィールドに揃った。

 

「この布陣、まさか!?」

「俺はレベル3から4の異なるレベルのモンスターで、エクスポネンシャルを取得!」

 

 漸く揃えられたモンスター、完璧に整った条件。

 螺旋を描き飛び上がるモンスター。

 迸る稲妻と共に光は収束し、二つの力を一つにする。

 

「エヴォル召喚!!」

 

 巻き起こる光の大爆発。大宇宙の誕生を連想させるその中から現れし海王のエヴォルモンスター、その名は。

 

「発進だ!初期レベル5!

 M-W 機械竜騎士 ドラゴン・アッシュ!!」

 

 M-W 機械竜騎士 ドラゴン・アッシュ レベル5 ATK/2000

 (メタルウォリアー きかいりゅうきし ドラゴン・アッシュ)

 

「ウォォォアァァーー!」

 

 二本の槍を携え、鋼の装甲を身に纏う機械竜騎士。

 そしてそれを背に乗せ空を舞う鋼鉄の機械飛竜。

 海王の切り札、海王のエースモンスター。

 この戦いの決着を告げるべく今後輪した。

 

「出たわ、海王のエヴォルモンスターが!」

「その手札なら、このターンで勝負を決められる!行け、海王君!」

「エヴォルモンスター!?

 ハッタリじゃない...君もエヴォルモンスターを...そ、そんな!?」

「いっくぜぇ!俺は機械竜騎士 ドラゴン・アッシュのレベルアップエフェクト発動!

 1ターンに一度、自身のレベルをアップする事で、自分墓地の機械族モンスター一体を装備できる!」

 

 墓地の機械族モンスターを装備する事のできるレベルアップエフェクト。

 海王が選択する装備カードとなるモンスターは。

 

「俺はM-W 機械工兵 シードライバーをドラゴン・アッシュに装備する!」

 

 選択されたモンスターは、機械工兵 シードライバー。

 ドラゴン・アッシュの起こす電磁力で墓地より再び姿を見せる。

 変形するシードライバー、ドラゴン・アッシュの乗る機械飛竜と合体。

 シードライバーが車輪となり、機械飛竜を装甲車へと姿を変えさせた。

 

「ドラゴン・アッシュの攻撃力は、こいつに装備している機械族モンスターのレベル×100ポイントアップする!」

 

 装備されたM-W 機械工兵 シードライバーのレベルは4、よってそのレベル×100ポイントの数値の400。

 ドラゴン・アッシュの攻撃力はアップする。

 

 M-W 機械竜騎士 ドラゴン・アッシュ レベル6 ATK/2400

 

「そしてシードライバーを装備しているM-Wエヴォルモンスターは、二回の攻撃を行える!」

「な、なに!?」

「ドラゴン・アッシュで攻撃!

 ダブルドライブ・スティンガー!」

 

 角のように槍を構え急発進するドラゴン・アッシュ。

 そのスピードはスーパースポーツカーの比ではない。

 

「天翼の盾-ヘヴン・シールド-の効果を発動!

 戦闘による装備モンスターの破壊と戦闘ダメージを無効にし、僕は1000ポイントのダメージを受ける!」

「そうだ、ドラゴン・アッシュを相手にしてはエヴォルモンスターを手放せない!

 天馬君は、その効果を発動せざるを得ない!」

「二回攻撃だぜ!2000ポイントのダメージを喰らいな!」

「うわぁぁぁぁぁ!!」

 

 天馬ライフポイント、3000-2000=1000

 

「だが、まだ僕のライフは1000ポイント残っている!

 次のターン、ペガシスの効果によりドラゴン・アッシュを君諸とも葬り去る!君に勝ち目は無い!」

「そうでもないさ!マジックカード、パージボムを発動!」

「パージボム!?」

「自分フィールドの装備カード一枚を墓地へ送り、そのカードを装備していたモンスターの元々の攻撃力の半分の数値のダメージを、相手に与える!」

「な、なんだって!?君のフィールドには、装備カードとなっているシードライバーが...」

「そしてドラゴン・アッシュの元々の攻撃力は2000ポイント!」

「その半分で...じゃ、ジャスト1000ポイント...!!?」

 

 最後の最後で発動された、大きな効果ダメージを与える海王のマジックカード。

 その数値は、ジャスト1000ポイント。

 

「これで終わりだ、いっけぇぇぇぇぇ!!」

 

 ドラゴン・アッシュから分離するシードライバーは、天馬目掛けて突撃し。

 大破による大爆発を起こしてダメージを与え。

 

 天馬ライフポイント、1000-1000=0

 

「うぅぅわぁぁぁぁぁ!!」

 

 そのライフポイントを、0にした。

 

 海王、勝利。

 

 デュエルは海王の勝利で終わった。

 

「すげぇ...海王が...」

「海王がやったわ、遊英!」

「うん!海王君!」

 

 奇跡の大逆転に唖然とする倉素、そして海王の勝利に喜び勇む遊英と愛結。

 二人は倉素を放って海王に駆け寄った。

 

「海王君!」

「やったわね!」

「あぁ!やったぜ遊英、俺の勝ちだ!」

 

 顔を合わせ笑う三人を尻目に、デュエルに敗北し倒れていた天馬が身を起こした。

 

「うっ...」

 

 それに気付いた海王、天馬にゆっくりと歩み寄る。

 

「あっ...その、えっと、ご、ごめんなさい...!!

 僕はただ、デュエルに勝てるのが楽しくて楽しくて...僕、本当は臆病で...弱くて...。

 だから、強力なエヴォルモンスターを手にいれてつい...」

 

 座り込み、長々と言い訳を重ねる天馬に、海王は手を差し出した。

 

「へ?」

「お前、めちゃくちゃ強ええな!」

 

 満面の笑みで手を差し出す海王に天馬は目を丸くした。

 散々見下してバカにしていた筈の海王が、清々しい様子で手を差しのべているのだから。

 

「今のデュエル、超楽しかったぜ!またやろうぜ!」

 

 半信半疑で海王の手と顔を交互に見る天馬。

 びくついた動きで、恐る恐る海王に手を伸ばす。

 

「僕を...許してくれるのかい...?」

 

 海王は伸ばされた天馬の手を迎え、握り繋いだ。

 

「あったりまえよ!過ぎたことは過ぎたことだ」

 

 天馬は海王に引かれるままに起き上がる。

 二人は向かい合い微笑み、繋がれたてをより強く握り。

 その手を握手とした。

 激闘の末に和解する二人を見て遊英はふと思う。

 

(今日もまた、新たなエヴォルモンスターが...。

なぜエヴォルモンスター使いは邪悪な心に染まるんだ...。

果たして本当に染められているのか?

それとも人の心に宿る心の闇を増幅させられているのか...?

僕と海王君が平気な理由も分からない...しっかり僕が海王君と雲堂さんを守る為に、今後も警戒しなければ...)

 

 と。

 

---

 

 天馬と海王が戦ったその後日の事だ。

 海王と遊英はチャイム音と共に教室に滑り込む。

 遅刻ギリギリか、ギリギリ遅刻か、二人は教室の地面にへたり混む。

 

「ぎ、ギリギリセーフ、セーフ...だよな...遊英?」

「ぼ、僕に聞かないで...はぁ...もう、起こしたら起きてよ...はぁ...」

「残念、今のラインは遅刻だよ」

 

 息も絶え絶えな遊英と海王に遅刻を告げるのは。

 

「て、天馬...!?」

 

 風流胤 天馬だ、彼はこのクラスのクラス委員長。

 臆病ながらもきっちりした性格故に、担任にクラス委員長に抜擢されていたのだ。

 

「チャイムと共に滑り込むのは遅刻。

 よって二人は、一限目は欠席となります、いいね」

「えぇー!?」

「天馬ぁ~、頼むよぉ~デュエルで語り合った仲だろぉぉ~!」

「だーめ、遅刻は遅刻、先生に確りと報告するからね」

「「そ、そんなぁ~...!」」

 

 無慈悲な欠席宣告、声を揃えて嘆く海王と遊英は。

 天馬の脚にしがみついてギリギリセーフにしてくれとごねた。

 

「はぁ...海王が海王なら一緒になってる遊英も、ほんとバカなんだから...」

 

 今日も愛結に呆れられ、遅刻から始まる一日が流れて行くのだった。

 

「エヴォルモンスター...か...私にも、そんな力があればな...」

 




『星絵神馬 ハイウィンド・ペガシス』風
                  ☆☆☆☆
【獣属/エヴォル/効果】
①:1ターンに一度、このカードのレベルを1アップする事で発動できる。
 ターン終了時まで、相手フィールドの特殊召喚されたモンスター全ての攻撃力を半分にし、その数値分このカードの攻撃力をアップする。
②:1ターンに一度、自分フィールドのモンスター一体を選択して発動できる。
 そのモンスターのレベルを任意の数ダウンさせ、このカードの攻撃力をダウンさせた数×300ポイントダウンする。
____________________________________________
             ATK/1600 DEF/1000
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