遊☆戯☆王 NEXT   作:せなぁ

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『クロック・アップ・エヴォリューション』通常魔法
 自分フィールドのエヴォルモンスター一体を選択して発動できる。
 このターン選択したモンスターは、そのモンスターのエヴォル素材となったモンスターの数だけ攻撃できる。
 このカードを発動するターン、選択されたエヴォルモンスター以外のモンスターは攻撃できない。


闇に潜む怪しき影

 禍々しい力に満ちた薄暗い空間。

 怪しき影の元へと歩み進む一人の男が居た。

 

「戻ったか...名栗 貫太郎よ」

 

 影の中に潜む者、影の者とでも呼ぼうか。

 影の者の元へ行くその男の名は名栗 貫太郎。

 以前に海王とデュエルを行い敗北を喫したエヴォルモンスター使いだ。

 

「言われた通り、各地に闇の力をばら蒔いてきた。これで文句は無いな?」

「あぁ、無いさ。今のところはな」

「ならば約束の金を寄越せ」

 

 約束の金とやらを要求する名栗。

 影の者を急かす名栗だが、影の者はそんな名栗を止め話を始めた。

 

「まぁ待て、その前に話がある」

「話だと...?」

「名栗よ、この花を知っているか?」

 

 悪魔の様な鋭い爪の伸びる手腕は、一輪の花を摘まんでいた。

 差し出されたその花の名を名栗は知らない。

 

「なんだそれは」

「グラジオラス、勝利の花と人は呼ぶ」

 

 今にも萎れ枯れてしまいそうな程弱々しい花の名はグラジオラス。

 

「勝利の花...縁起物か、御守代わりに持てとでも言うつもりか?」

「花は弱い、どれほど気高き名を持つ花でも、所詮英雄にはなれない」

 

 影の者の体から霧のように滲み出る禍々しき闇がグラジオラスの花を包む。

 闇が晴れた時、グラジオラスの姿はそこには無かった。

 そこにあったのは、灰と成り行く見る影もない残りカスのみ。

 

「何が言いたい...?」

「フッフッフッフッフッハッハッハッハッハ......!!」

 

---

 

 場面は変わり遊英の家。本日は休日なので、海王と遊英は二人でお出かけに行く準備の途中だ。

 洗面所で顔を洗う海王と、朝食を用意する遊英を見て。二人の父、白妙は、少し不思議そうに声をかけた。

 

「海王君に遊英君、今日は学校お休みなのに早起きだね」

「おはようお父さん、今日は学校の友達にデュエルに誘われてね」

「これから遊英と一瞬に出掛けるんだ」

 

 海王と遊英は、天馬の誘いでデュエルをする約束がある。なんやかんやあって、愛結も着いてくる事となってもいた。

 

「二人とも、早速良いお友達が出来たんですね」

「おう!片方とは一度だけ戦ったけど、めちゃめちゃつええんだぜ!」

「楽しそうで良かったです。僕はもう仕事に出るけれど、二人とも遅くなりすぎない様にするんですよ」

「はーい」

 

 仕事へ出掛ける白妙を見送る遊英。足元に冷たい違和感を感じて見ると、突然の惨事。

 

「わーーーー!海王君ちゃんと顔拭いてから来てよ!!」

 

 ろくに顔を拭かずに白妙を見送りに来た海王のせいで、廊下はびしゃびしゃの石鹸の泡まみれだった。

 

 色々とあって二人は家を出て待ち合わせの駅へ向かう。

 今日は十時頃から駅前の広場でデュエルをして。近くのカフェで昼食を食べた後に愛結の買い物に付き合い、ついでにカードショップを見る予定だ。

 

「なぁ遊英、そんなに起こんないでくれよ~」

「結局掃除したの僕だからね、一人呑気に朝ご飯食べて」

「だから悪かったって、今度からは掃除手伝うからさ」

「そう言う問題じゃなーい!」

 

 的外れの謝罪をする海王に怒る遊英。そんな二人の元へと愛結が合流する。

 

「遊英ー、海王ー!」

「雲堂さん、おはよう」

「よう、愛結」

「二人ともどうしたの?なんだか喧嘩してたみたいだったけれど」

 

 遠目に見ても分かる立腹の遊英の様子の理由を愛結は問う。彼女の問いに歩きながら答える遊英。その訳を聞き愛結は言った。

 

「海王何してるの...遊英も怒る筈よ」

「だって父さんが出かけるんだから、見送らないとだろ?」

「時と場合と状況を考えてよ!

 次やっても、僕掃除しないからね」

「だから悪かったって~」

 

 他愛も無いことを話しつつ三人で駅前広場に到着。天馬が広場のベンチに座り、デッキを確認していた。四人はエヴォルモンスターを使う事で何が起こるかまだはっきりとしていない手前。遊英の提案でエヴォル召喚を封じた上で、くじ引きで順番を決めてデュエルを行った。

 

 愛結と海王がデュエルを行いブースト・ソードマンもろともライフを削り切られ海王の敗北。

 遊英と天馬が戦い、天馬の戦術を見事にいなし遊英の勝利。

 遊英と海王が戦い、海王は手も足も出せずに遊英に敗北。

 愛結と天馬が戦い、ギリギリの勝負で愛結が勝り。

 天馬と海王が戦い、先日とは違い天馬が勝利。

 

 それからも何度もデュエルを行った遊英達だが、今日のデュエルで一つはっきりした。

 この四人の強弱関係は。

 遊英>愛結>天馬>海王、となる様だ。

 遊英と愛結に比べて戦術の安定しない天馬と海王だが。

 その中でも海王は下の下。最早驚く事ですら無い程に負ける海王は、今日も今日とて一勝もしていない。

 

「ついこの前僕とデュエルした時は、ギリギリの所で僕が負けたって言うのに。今日は随分と弱いね、海王君」

「くっそぉ...、何でだ~?。遊英にはそうそう勝てた試しはねぇが、愛結にも天馬にも一回も勝てねぇなんて」

「もう驚きもしないわ、海王あんた弱いのよ」

 

 悪気のない天馬のちくちく言葉と悪気しかない愛結のちくちく言葉は海王に刺さる。二本の矢に刺され海王のメンタルは満身創痍だ。

 

「お、お前ら...」

「ふ、二人ともそこまで言わなくても!」

 

 見るに耐えない様子に見かねた遊英がフォローに回る。

 

「遊英~、やっぱりお前は俺の味方だぁ~...」

「海王君も頑張ってるし、本当に時々だけど。一矢報えそうでそうでもない時あるじゃない?まだまだこれから強くなるよ!きっと!」

 

 海王は死んだ。フォローしているつもりの遊英だが、まったくフォローになっていない。寧ろ止めを刺され海王は死んだ。精神的に。

 

「遊英、海王君が死んでるよ」

「うわーー!ご、ごめん海王君、悪気は無かったんだ!」

「いや、無意識下で悪気はあったわね。これはきっと朝の仕返しよ」

「も...いや...倍返し...」

「お、お昼食べよお昼!僕が海王君の分奢ってあげるからさ!」

 

 地に額を着けて落ち込む海王を引きずり、遊英達はファミリーレストランへ向かった。

 顔面を削るように引きずられる海王を尻目に愛結は遊英に言う。

 

「遊英、ちょっとエヴォルモンスターに対して慎重すぎやしない?

 天馬と海王がデュエルしてお互いに大丈夫だったんだから。

 エヴォルモンスターの謎を解明するためにも、そろそろ貴方達のエヴォルモンスター同士で戦ってみてもいいと思うの」

 

 愛結の言葉に遊英は足を止め、俯いた。

 

「うん...僕自信少し慎重だとは思うけれど。

 でも万が一海王君や雲堂さん、風流胤君に何かあったら大変だ、もう少しだけ慎重でありたい。

 せめて、柳君と話し合いをしないと...」

 

 海王達を守るために少しでも慎重でありたい遊英。

 せめて柳との話し合いの後にエヴォルモンスターの日常的な使用を考えたい所。

 そう思い、ふとレストランで電話を掛けてみようかと思ったその時。

 何人もの男達が突然遊英達を取り囲んだ。

 

「ちょ、ちょっと、なんですか!」

 

 突然の出来事に驚く愛結、遊英に身を寄せて携帯に手を掛ける。

 

「へへへ...女、お前可愛いな、何て名前だよ」

「な、なんなの...この人達...」

「な、ナンパかい...?海王君起きて!起きて!」

 

 自分達を囲む柄の悪い男達に怯える天馬、海王を起こしつつ、盾にするように隠れた。

 躊躇い無く海王を盾にする天馬の様子に笑いつつも、男が一人遊英を指さした。

 

「ナンパもいいが、今俺達が用があるのはお前だ」

 

 遊英は眉をひそめる。

 

「僕に...?」

「あぁ、お前だ花道 遊英」

「なぜ、僕の名前を知ってる」

「俺達の中じゃお前はちょっとした有名人なんだよ。

 何せ俺達不良の中じゃ最強と名高い、あの間牛鉄也を倒した男だからなお前は」

 

 広く開かれた手を広げ、肩を竦め、おどけたように男は笑う。

 

「ちょっと面貸せや」

「...」

 

 遊英は海王を盾に怯える天馬、すぐに警察を呼べるようにしているが内心怯えているであろう愛結、状況を掴めていないがとりあえず眉をひそめている海王達を見て、男へ言った。

 

「いいよ、でも、着いていくのは僕だけだ、海王君達は巻き込まないで欲しい」

「...いいぜ、用があるのはお前だけだからな」

 

 そう言い男が手を肩ほどに上げると。

 他の不良達が乱暴に愛結の体を掴み拘束した。

 

「うお!」

「きゃ!」

「ひぃぃ!」

「皆!」

 

 いいぜと言われた矢先の不良達の行動に驚き遊英は男を睨み付けた。

 

「皆は解放してくれるんだろう!」

「解放するなんて行ってねぇよ、今警察を呼ばれちゃ敵わねぇしな。」

「まぁ安心しな、そう悪くはしねぇよ、暫くしたら解放してやるさ...連れてけ!」

 

 乱暴に引かれ連れていかれる遊英。拘束される海王と愛結は、遊英を助けるべく。必死に不良達の手を振りほどこうと暴れていた。

 

「遊英!」

「ゆ、遊英!」

「海王君!雲堂さん!風流胤君!」

 

 そのまま遊英は車に投げ入れられ、どこかへと連れていかれてしまった。

 

---

 

 ある廃屋、椅子に座りカードを手に見つめる一人の男が居た。

 禍々しい闇の力を放つカード。

 それはエヴォルモンスターカードだ。

 

「クックックック...このモンスターさえあれば俺は無敵だ...。それだけじゃねぇ、間牛を倒したとか言う奴のエヴォルモンスターも俺が奪ってやる...。そうすれば俺こそが真に最強のデュエリストになる...クックックック...フフフハハハ」

 

 三つの蛇の首を持つ竜の様な形をしたエヴォルモンスター。そのエヴォルモンスターから発せられる闇に男の目が染まった時。

 廃屋の奥から、コツン...コツンと足音が聞こえてきた。

 

「蛇谷 主(へびたに かず)...」

「...あん......?」

 

 足音は徐々に男へと近付いて来る。

 ゆっくり、ゆっくりと、迫り来る様に。

 

「邪悪に堕ちし愚かなデュエリストよ...」

「誰だ!」

 

 暗い廊下から現れる一人の男は...。

 

「貴様のカードのその闇の力...俺が回収させて貰おう」

 

---

 

 遊英は今、車でどこかへと連れていかれている。

 海王達の事と心配でどうしたら良いのかわからず何も出来ずにいる遊英を乗せた車は、ある廃屋の前で止められた。

 

「出ろ」

 

 車から投げられる様に出された遊英は、そのまま廃屋の中へと連れていかれた。

 

「俺達のボスがな、お前のあるカードを欲しがってんだ」

「あるカード...?」

「とぼけんなよ、持ってんだろ?エヴォルモンスター」

「なっ...!?」

 

 この男達、エヴォルモンスターの存在を認知している。

 遊英は、間牛との戦い以来エヴォルモンスターを使っていない筈だ。

 だがなぜか男達は知っている。

 アカデミア内では海王と愛結と柳、そして間牛と天馬しか知らないであろう遊英のエヴォルモンスターを。

 

「なぜ...僕のエヴォルモンスターを...?」

「フフフ...さあな...」

 

 遊英の問いをはぐらかす様に。男はゆっくりと振り向き、不適な笑みを浮かべた。

 廃屋の奥へと進み、ひとつの広い部屋へと入ったその時。

 

「ボス!連れてきましたぜ!」

 

 大きな揺れと共に、部屋の中から耳を聾するほどの炸裂音が鳴り響いた。

 

「うおお!」

「な、なに!?」

 

 揺れに耐えつつも音の鳴る方へ顔を上げる遊英は、目の前に広がる光景に目を疑った。

 そこに見える光景は、二体のモンスターが対峙する光景だ。

 

 三つの首を持つ竜の様な姿をした巨大なモンスター。

 そして、マントの様に翼を靡かせ、禍々しくも雄々しく、そして荒々しくも美しい槍を手に携えた巨大な悪魔のモンスター。

 

 一見すると普通のデュエルの光景。

 だが、遊英にはわかる、このモンスターは。二体ともエヴォルモンスターだ。

 

 そこに存在するだけで思わずたじろぎそうになる程の存在感と禍々しき力を放つモンスターが二体も。

 遊英の目の前に居ると言うのだ。

 

「な、なんなんだお前は...なんなんだよぉぉぉ!!」

「貴様のエヴォルモンスター、この程度の力か...期待外れも良い所だ」

 

 それぞれのモンスターを従えるデュエリスト達。

 彼等の姿を見て、遊英は再び目を疑った。

 ガタガタと震え叫ぶ男に対し、冷たい眼を向ける男は。

 遊英の目に写るデュエリストは、柳だった。

 

「終いとしようか...やれ、アスラ」

 

 マントが如き翼を靡かせる悪魔は。柳の命令のままに槍を回し、振りかぶる様に掲げ、その槍に赤黒い闇の力を纏わせる。

 

「デモンズ...ランス!!」

 

 柳の宣言と共に悪魔の槍は投擲される。

 肌を突き刺す気迫のままに放たれた槍は、いとも容易く蛇のモンスターの腹を貫き。

 そのモンスターを従えたデュエリストごと、モンスターを破壊した。

 

「ぐうわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 貫かれた腹から、モンスターは爆発四散する。

 これはソリッドビジョンのエフェクトだ。

 エフェクトの筈なのだが、男は爆発に巻き込まれ、派手に吹き飛び壁に叩き付けられた。

 ソリッドビジョンには設定さえすれば映像化された衝撃を体感できるシステムがある。

 だが体感できる衝撃はデュエリストが大怪我をしないように抑えられている。普通ならばここまで派手に吹き飛びはしない。

 

「ぐふぁっ...!」

「フン」

 

 背中から叩き付けられ倒れる蛇谷はゲロを吐き出す。

 道路を横断する虫を見るような目で柳に見下ろされる蛇谷。

 蛇谷のライフポイントは0となり、このデュエルは柳の勝利となった。

 

「ボス!」

 

 倒れる蛇谷に駆け寄る取り巻きの男。

 

「ボス!大丈夫ですか!?」

 

 取り巻きの男は意識が朦朧としている蛇谷の体を揺する。

 蛇谷は、意識こそあるが起き上がろうにも起き上がれない様子だ。

 

「俺の勝ちだ。その闇の力、回収させて貰う」

 

 倒れる蛇谷へ向けて柳がエヴォルモンスターカードを掲げると。

 柳のエヴォルモンスターカードから闇の力に類似した物が蛇谷へ向けて放たれた。

 

「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

 稲妻に撃たれた様に悶絶する蛇谷。そうして蛇谷の体から漏れ出た蛇谷の闇の力が柳のカードに吸われ、蛇谷は意識を失った。

 

「フン」

「ボ、ボスー!」

「柳君...君は...!?」

 

 柳の視線は遊英へと移る。

 

「お前もエヴォルモンスター使いだったな」

 

 そう言うと柳はデュエルディスクを構えた。

 

「デュエルは...しないよ」

 

 デュエルを断った遊英だが。それを聞いた柳が指をパチンと鳴らすと、部屋から繋がる廊下への道がすべてシャッターで塞がれた。

 

「デュエルをしなければ、ここからは出られんな」

「くっ...!」

「さあデュエルだ遊英!」

 

 デュエルをしなければここからは出してもらえない。

 やむを得ず遊英スマホを腕のリングにセットする。

 

 忽ち形を変えるスマートフォン。

 五つのモンスターゾーン。

 五つの魔法、罠ゾーン。

 フィールド魔法ゾーン、墓地。

 デッキセットゾーン。

 

 物の数秒でスマートフォンは。近代的なデュエルディスクへと姿を変えた。

 

「デュエルディスク!セット完了!」

 

 腰のケースからデッキを手にする遊英。

 

「ソリッドビジョンシステム!起動!」

 

 勢いよくディスクにデッキを差し込む。

 

「デュエルオポーネント!リンク完了!」

 

 ディスクにより自動シャッフルされる互いのデッキ。

 

 デュエルの準備が、完了した。

 

「「決闘!!」」

 

 二人の掛け声と共に、ソリッドビジョンにより辺り一帯の風景にサイバネティックなエフェクトが広がった。

 

 互いにデッキからカードを五枚ドロー。

 デュエルの幕が開けられた。

 

『花道 遊英』

 手札

五枚

 モンスターゾーン

無し

 魔法、罠ゾーン

無し

 ライフ

4000

『柳 佞紋』

 手札

五枚

 モンスターゾーン

無し

 魔法、罠ゾーン

無し

 ライフ

4000

 

 「僕の先行!ドロー!」

 

 先行は遊英。

 

「手札のモンスター二体を墓地へ捨てて、このモンスターを特殊召喚する!。

 守護結界の魔剣士!!」

 

 早速発動されたモンスターの特殊効果。光の剣を携えた魔法剣士が現れる。

 

 守護結界の魔剣士 レベル7 DEF/2400

 

「更にカードを一枚伏せて、僕はターンを終了させる!」

 

『花道 遊英』

 手札

三枚

 モンスターゾーン

守護結界の魔剣士 レベル7 DEF/2400

 魔法、罠ゾーン

セットカード一枚

 ライフ

4000

『柳 佞紋』

 手札

五枚

 モンスターゾーン

無し

 魔法、罠ゾーン

無し

 ライフ

4000

 

「俺のターン、ドロー」

 

「1ターン目から最上級モンスターを召喚してくるとは、流石と誉めてやろう」 

 

「俺はモンスターとカードを一枚ずつセットしてターンエンドだ」

 

『花道 遊英』

 手札

三枚

 モンスターゾーン

守護結界の魔剣士 レベル7 DEF/2400

 魔法、罠ゾーン

セットカード一枚

 ライフ

4000

『柳 佞紋』

 手札

四枚

 モンスターゾーン

セットモンスター

 魔法、罠ゾーン

セットカード一枚

 ライフ

4000

 

「僕のターン、ドロー!」

 

 立ち上がりは静か、最上級モンスターを携え先にフィールドを制圧したのは遊英だ。

 ここは攻めるしか無い。

 

「守護結界の魔剣士の表示形式を攻撃表示に変更!」

 

守護結界の魔剣士 レベル7 ATK/2000

 

「守護結界の魔剣士で攻撃だ!護・封・剣!!」

「速攻魔法、自爆特攻を発動!互いのフィールドのモンスターを一体ずつ破壊する!」

「な、なに!?」

 

 柳セットモンスターはダメージ・キャンセラー。

 ダメージ・キャンセラーは守護結界の魔剣士に突撃し爆発、道連れの形で自らを破壊した。

 

 守護結界の魔剣士、破壊

 ダメージ・キャンセラー、破壊

 

「この瞬間、手札の異界の棘紫竜の効果を発動!

 俺のフィールドのモンスターが戦闘、効果で破壊された時、このモンスターを手札から特殊召喚する!」

 

 異界の棘紫竜 レベル5 ATK/2200

 

「コンボ攻撃!?」

 

 守護結界の魔剣士は、戦闘で破壊される時自分フィールドのカードを墓地へ送る事で。そのターンの守護結界の魔剣士の戦闘による破壊を無効にする効果がある。

 だが、効果破壊に対する耐性は無い。

 そんな守護結界の魔剣士を耐性の無い効果で破壊しつつ、異界の棘紫竜の効果の発動条件を整える。

 巧みのカードコンボだ。

 

「くっ...僕はモンスターをセットしてターンを終了させる...」

 

『花道 遊英』

 手札

三枚

 モンスターゾーン

セットモンスター

 魔法、罠ゾーン

セットカード一枚

 ライフ

4000

『柳 佞紋』

 手札

三枚

 モンスターゾーン

異界の棘紫竜 レベル5 ATK/2200

 魔法、罠ゾーン

無し

 ライフ

4000

 

「俺ターン、ドロー」

 

「装備魔法、ビッグバン・シュートを異界の棘紫竜に装備!これにより異界の棘紫竜の攻撃力は400ポイントアップする!」

 

 異界の棘紫竜 レベル5 ATK/2600

 

 上級モンスターに装備魔法を装備させる事で、その攻撃力を最上級モンスターと同等とする装備魔法戦術。

 初手で守護結界の魔剣士を出し遊英が制圧をした筈のフィールドは、既に返され。攻撃力2600と言う高攻撃力モンスターにより、逆に制圧されてしまった。

 

「...異界の棘紫竜で攻撃を行う。棘毒牙(ポイズン・ソーン・バイト)!!」

「くっ...!」

 

 セットモンスターは守備力500、逆境の花 カモミール。

 異界の棘紫竜の攻撃力との差は2600-500=2100の2100ポイントだ。

 

「ビッグバン・シュートを装備したモンスターが守備モンスターを攻撃する時、その攻撃力が守備力を越えた分の貫通ダメージを与える!」

「なにっ!?」

 

 異界の棘紫竜は己の胃酸を逆流させ牙を濡らし、逆境の花 カモミールに噛みつく。

 破壊されるカモミール、攻撃の余波として遊英に毒の飛沫が吹きかかる。

 

「ぐ...うわぁぁぁぁぁ!!!」

 

 遊英ライフポイント、4000-2100=1900。

 

 予期せぬ貫通ダメージ。2100分のダメージを受ける遊英、4000-2100=1900で残りライフは1900となってしまった。

 

「か、体が...焼けるようだ...い、痛い...」

 

 全身に吹きかかる胃酸に遊英の肌は焼かれ、服は穴だらけに溶かされた。

 おかしい。衝撃体感システムのあるソリッドビジョンと言えど、肌を焼き服を溶かす程の威力は持たない。

 遊英は気付いた。

 

「ダメージが...現実になってる...!?」

 

 ソリッドビジョンで写し出された映像が、本物となり遊英に襲い掛かっているのだ。

 

「...フン」

「う、うぅ...こ、こんな事って...」

 

 あり得ない、普通ならばあり得ない。

 だが相手はエヴォルモンスター使い、そしてデュエルの直前に見た光景。

 何らかの力で禍々しい力を吸いとられたであろう蛇谷の様子。

 悶絶し気絶した彼の事を思い出せば、今は普通じゃない事は明白だった。

 

「くっ...」

「俺はカードを一枚セットして、ターンエンド」

 

『花道 遊英』

 手札

三枚

 モンスターゾーン

無し

 魔法、罠ゾーン

セットカード一枚

 ライフ

1900

『柳 佞紋』

 手札

二枚

 モンスターゾーン

異界の棘紫竜 レベル5 ATK/2600(ビッグバン・シュート装備)

 魔法、罠ゾーン

ビッグバン・シュート(異界の棘紫竜に装備)

セットカード一枚

 ライフ

4000




 次回に続きます。

『守護結界の魔剣士』       光
           ☆☆☆☆☆☆☆
【魔法使い族/効果】
 ①:手札のモンスター二体を墓地へ捨てる事で手札から特殊召喚できる、この効果によりこのモンスターを特殊召喚するターン、自分は通常召喚できない。
 この効果は相手ターン中にも発動できる。
 ②:1ターンに一度、自分フィールドの魔法、罠を墓地へ送る事で、このターンこのモンスターは戦闘では破壊されない。
 ③:このモンスターがフィールドに存在する限り、相手は他のモンスターを攻撃対象にできず、直接攻撃ができない。
_______________________________________
         ATK/2000 DEF/2400
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