ツインターボ「……師匠!師匠!!師匠ーーー!!!」(連載中)   作:ゆきたか

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話の区切り的に、今回は短めとなっております。


第2話:師匠と弟子

「えっ! カブちゃん師匠はターボの事知ってるのか!?」

 

「ええ、昨年の七夕賞とオールカマーでの走りは本当見事だったわ。ところで、師匠って私の事?」

 

「うん!! さっきの超逃げ! 本当に本当に本当に凄かった!! あんなに凄い逃げ初めて見た!!! だからカブちゃんはターボにとっての師匠!」

 

「褒めてくれてありがとう、嬉しいわ♪」

 

 生徒ウマ娘達が各々に帰路につきすっかり静かになったレース場で、ツインターボとカブラヤオーはその場に座り込み2人だけの会話を楽しんでいた。

(主にツインターボが喋り、カブラヤオーは聞き役)

 

 ──元々、府中ウマ娘レース教室の生徒だった事

 ──そこからトレセン学園に入った事

 ──ずっと一番がいいから大逃げをしている事

 

 ──でもここ最近、めっきり結果が出ない事……

 

 気づけばツインターボは、心の奥底で日々膨張していた『結果が出ない悩み』をカブラヤオーに打ち明けていた。

 

 ツインターボはこれまで、誰かに悩みを話すと言う事は全くしてこなかった。

 上手く説明出来ないのだがとても気恥ずかしくて、それに自分の弱いところをさらけ出すのはとても怖くて……特にトレセン学園の仲間達には。仲が良いはずなのに……いや、仲が良いからこそだろうか。だけど初対面のカブラヤオーには素直に打ち明けられた。それは同じ大逃げバでかつ尊敬できる相手だからか、それともカブラヤオーが今は亡き母親に似ているからか。

 

「ターボにはトウカイテイオーっていう、宿命のライバルがいるんだ! ターボ、テイオーには負けたくない! 絶対に!! 妥当テイオー!!」

 

 一呼吸置き、意を決したような面持ちでツインターボが更なる言葉を紡ぐ。

 

「……だから一生のお願い!! 師匠に……師匠にターボを鍛えてほしい!!!」

「えっ、私がターボちゃんを?」

「師匠の走り、本当に凄かった!! ターボもあんな風に超逃げしてテイオーに……テイオーだけじゃなく、みんなに負けたくない!!」

 

 気づけばツインターボは土下座をしてカブラヤオーに頼み込んでいた。

 

「ターボちゃん! 土下座なんてしなくたって……!」

 

「本気で謝る時と本気でお願いする時は土下座をするってテイオーに教わった! ターボ、強くなりたい! テイオーに並べるターボでいたい!!」

 

 ──負けたくない

 ──並べるターボでいたい

 

 ツインターボの言葉の節々を噛み締めた上で考え込むカブラヤオー。無言の時間が1分は続いただろうか……1分と言う時間がこんなにも長いとは。徐々に不安に(さいな)まれたツインターボの表情は、今にも泣きそうだ。

 

 その表情を見たカブラヤオーは決意し、そして言葉を発した。

 

「ターボちゃん…………ここで生徒のみんなを教えるのもあるから毎日は無理だけど、週に1回くらいなら大丈夫よ」

「ほ……ほんとに!? ……ししょーーーーーーーー!!!!!」

 

 カブラヤオーとはさっき出会ったばかり、話をし始めてまだ30分足らずだ。正直言って断られても全然おかしくない……普通は断られて当たり前だ。それが了承してくれるとは、しかも真剣に考えてくれた上で……ツインターボは嬉しさのあまりカブラヤオーに抱きついた。

 

「あらあら、まさかそんなに喜んでもらえるなんて。でも……この事、生徒会長さんやトレーナーさん達に話して許可もらわなきゃいけないわよね?」

 

「……あっ」

 

 カブラヤオーに言われて、ツインターボは我に返った。南坂(みなみざか)トレーナーは多分大丈夫だ! ターボの気持ちをしっかり伝えてお願いしたら聞いてくれるはず! でも会長……シンボリルドルフはどうだろうか。それに理事長の許可も……

 

「時間も遅くなってきたし、ターボちゃんを送るついでに私も久しぶりにトレセン学園に行こうかしら。まずは生徒会長さんに、一緒にお願いしてみましょう」

 

「師匠来てくれるの!? わーい! 師匠も一緒ならあんし……師匠ってトレセン学園に行った事あるの?」

 

「そう言えば言ってなかったわね。私元々、トレセン学園に通っていたのよ」

 

「……えーーーっ!?」

 

 夕陽も落ちすっかり暗くなったレース場に、ツインターボの驚きの声がこだました。




※ツインターボの亡き母親にカブラヤオーが似ているというのは、オリジナル設定です。
※「妥当テイオー」アニメになぞっての誤字です。
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