大人気バンドの人見知りなキーボード担当と俺の秘密の日常~冬真と燐子のシークレットカップルライフ~ 作:小説家やっさん
...え?rinrinさんがあの白金燐子?おいちょっと待てよ、あり得ないってそんな漫画みたいなこと。これは夢だ絶対夢だ!
「あ...あの~?『トーマ』さんですよね...?」
「え、あ、はい『トーマ』です...」
「えっ....と『rinrin』です....リアルで会うのは初めて....ですね」
「あはは....そうですね.....チャットでしか話したことなかったので女の子とは思いませんでした....」
いかん!普通の女の子ならともかく相手があの白金燐子だと上手く話ができねぇ!
どうしようかと頭を抱え込んでるその時、彼女のスマホに通知が入ったようで、彼女は通知を確認するなり、血の気が引いたように青白くなっていた。
「rinrinさん?どうかしました?」
「い、いえ....じ、実はチャットで一緒に行こうと約束していた友達が2人とも用事で来れなくなっちゃって.....」
......え?ええええええええええ!?う、嘘だろ!?まさかの2人きり!?どうすんだよ!?これじゃあまるでデートじゃねぇかよ!一応俺達初対面だよ!?
「じゃ、じゃあどう....します?2人だけで行ってもしょうがないですし解散します?」
「い、いえ....行きましょう....来れなくなった2人に申し訳ないですし...それに貰えるシリアルコードが今週は私の職業に使えるものなので...」
なんか...オドオドしてるというか内気に見えるというかこの間ステージでみた姿と全然違うな。これが彼女の本来の姿なのか?
コラボカフェに到着したがさすがは大人気ゲーム「NFO」のコラボなだけではある。2時間待ちだ。さて、2時間どうやって待つかな。と考えながら横の彼女をチラ見すると何処から取り出したのかワンタッチテントを張ってその中に隠れていた。
「あの~?rinrinさん?どうしたんですかそれ...」
少々苦笑気味に聞いてみると、テントの入り口からヒョイと顔を出し、申し訳なさそうに彼女は答えた。
「す、すみません...わたし、あまり人混みは得意じゃなくて...やむを得ず人混みに行くときはこれを持ってきて人目につかないようにしているんです...」
...それテントに籠っているほうが人目につかれるんじゃないのか?でもいいかなんかかわいいし。
そんなやり取りをしていたらあっという間に俺たちの番がやってきた。酒場の娘風の格好をした店員に案内され店内に入るとそこはまるでカフェというよりファンタジーものでよく見る酒場そのものだった。
「す、すごい...『NFO』のギルドの中そっくり...」
席に案内されると彼女は少し興奮した様子でキョロキョロと店内の内装を見回していた。さっきまでの彼女を見ていた分、今の彼女は普通の女の子らしくて見ていて可愛らしかった。というかホントに再現度高いな。
メニューを注文し終えた後、俺と彼女は料理とドリンクが来るまでの間「NFO」談議に興じた。俺より少し早く「NFO」を始めていた彼女は俺が始めていなかった頃に今回来れなかった友達との出会いのこと、ゲーム未経験の知り合いと一緒にとあるクエストに挑んだことなど様々な思い出を俺に話してくれた。
たくさんの「NFO」話をし、俺と彼女はコラボカフェを後にした。因みに特典でもらった限定シリアルはドリンク2つと料理3つ注文したことで5枚貰い、その内の3枚は彼女が目当てにしていた魔法使い職限定アイテムだった。
「コラボカフェに行くって目標も達成しちゃいましたね....今日はありがとうございました。rinrinさんとお話できて楽しかったです。また今度エンカしましょうね」
「は、はい.....私も楽しかったです....あ、あのよかったら連絡先交換しませんか....?」
「もちろんですよ!これが僕の連絡先です。他愛もないことでもなんでも気軽に連絡してきて構いませんから。」
と俺は彼女にQRコードを見せる。
「あ...ありがとうございます...ふふっ男の子の連絡先貰うのなんて始めて...だな」
そう微笑む彼女を見て俺は高鳴る心臓の鼓動を押さえられなかった。くそっ!あの顔は反則だろ!
こうして、俺はrinrinさん....いや、白金燐子さんと別れ、帰路についた。
『ごめんね~りんりん急に行けなくなっちゃって~課題終わってないこと紗夜さんにバレちゃって紗夜さんに見られながらずっーと課題してたんだ~大変だったよ~』
と彼女のパソコンのチャット画面に彼女の親友であり、バンド仲間の宇田川あこからチャットが入る。
『もう、あこちゃんたら....次は気をつけてね....?』
『はい....気を付けます....ところでりんりん、エンカする予定の人と2人きりだったんでしょ?どうだったの?』
『カフェも良いところだったし会った人も優しい人だったよ』
『へぇーあこも行ってみたかったなー。ねぇ!今度リサ姉達も連れてRoseliaで行こうよ!』
『そうだね....今度今井さん達も誘って一緒に行こっか...』
『うわーい!楽しみだなー!あ、りんりん!あこもう寝るね!』
『そう....おやすみあこちゃん...』
「あの人にも連絡しなくちゃ....」
帰ってきてから昼間の事が夢のような時間だったと思ってしまう。嘘みたいな時間を過ごせたことに満足しすぎて家に帰ってきた時うわのそらになってたようで妹である千春に『おにい、ボケーッとしててなんかキモい』と言われてしまった。千春さん、兄ちゃん地味にダメージ食らうからその事を言うのはやめてくれ。
とまぁさておき、俺は非常に今悩んでる。彼女に連絡してみるかどうかという、とてもどうでもいいことにだ。
「な、何を送ったほうが女の子に好印象持てるんだろうか...くそっこんなことになるなら彼女でも作っとけばよかった!」
そう頭を抱えていると俺の気持ちを察したかのように彼女から連絡が入った。恐る恐る通知を開くとそこには予想もしなかったことが書かれていた。
『今日はありがとうございました。とても楽しかったです。それでご相談なんですけど....来週の日曜日またお会い出来ませんか?』
これってまさか....デートのお誘い!?
というわけで第2話でした。
いかがでしたでしょうか?
さて、次回3話はいよいよ2人が秘密の恋人として結ばれることとなります。
次回更新をお待ちください。感想もお待ちしております。