大人気バンドの人見知りなキーボード担当と俺の秘密の日常~冬真と燐子のシークレットカップルライフ~ 作:小説家やっさん
プロローグ編完結です。
rinrinさんいや、白金燐子からお誘いを貰って数日後、ついに約束の日がやってきた。待ち合わせ場所は駅前の噴水広場だ。
この約束をする前に優にゲーセン行こうと誘われていたが、正体を伏せた上でゲーマーの女友達と出かけるからと断ったら、『俺との友情よりたかだか一回あっただけのネ友とお出かけだと!しかも女の子と!ふざけんな!〇ね!』と返信がきていた。....すまん優。あとで埋め合わせしてやるからな。
「しかしなんで彼女は俺とまた会おうなんて言ってきたんだろ?まさか一目惚れ?いやないない。俺なんてイケメンと言われるほどカッコいい顔じゃないし女の子にモテるような甲斐性もないし...」
と、呼ばれた理由を考えていると駅の出口から彼女が慌てた様子でこちらに走ってきた。
「す、すみません......遅くなってしまって....あの.....待たせてしまいましたか?」
「いえ、全然大丈夫です。俺も今来たところなんで」
これ1回は言ってみたかったんだよな。
彼女の服装をよく見てみると先日あった時の白のブラウスに黒のスカートというシンプルな組み合わせだったのに対し、花柄のワンピースとシンプルながらも彼女にとても似合う可愛らしい服装だった。まるで誰かにコーディネートされたように。
「じゃあ行きましょうか。といっても何処に行くのか全然知りませんけど。」
「あ...き、今日はわ、わたしが案内....します」
燐子さんが?なんか.....意外だな.....この間の姿を見ていても引っ込み思案なイメージがあるだけに。
燐子さんの案内でやってきたのは動物園に植物園、遊園地など様々な施設が入った街有数のレジャーランドだ。コラボカフェに行った時の姿を見ていた分、多くの人で賑わうような所に連れてこられたのは少々意外だった。
「ここ...一度この間来られなかった友達と一緒に来たことあるんです...もしかしてこういうところ苦手でした?」
「いえ、全然大丈夫です。子供の頃、ここにはよく連れてきて貰ってましたから。」
....そういやここってどっかのエリアにあるらしい鐘のある丘で告白すると恋が成就するとか 前に千春が言っていたような.....
....いや、まさかなぁ?だってまだ2回目だよ?流石に俺とあの娘じゃ不釣り合いというかもうちょっといい男と結ばれたほうがいいはずだよ?
「ここ、結構広いですけどどこ行きます?エリアによってはここからかなり距離がありますし.....」
「じゃ、じゃあ遊園地エリアに行きましょう....あそこならここからすぐですし....」
まずやって来たのは入り口から歩いてすぐの遊園地エリア。このレジャーランドの開業当初からあるという古いエリアなので観覧車やお化け屋敷、メリーゴーランドといった定番アトラクションがほとんどであるため、目新しいアトラクションはほとんどない。それはそれで味があると俺は思うが。
「やっぱり最初はジェットコースターですかね?rinrinさんはジェットコースターとかって平気なほうですか?」
「あっ....はい....人並みには...」
なら安心だ。苦手なモノに無理に連れてく意味もないし。でもちょっとどんな反応するか楽しみだな。
ジェットコースターの受付にやって来た俺たちだったが何故か人がいない。何故だろうと辺りを見回していると燐子さんが何かを見つけたようでこっちへ手招きしていた。
近寄るとあったのは1つの大きな立看板。よく見てみるとそこにはこう書かれてあった。
『老朽化による事故防止のための改修工事を行うためしばらくの間稼働を停止致します。』と。
えぇ.....(困惑)そんなことある?いくらなんでもタイミングが良すぎるだろ.....
「ま、まぁこういうこともありますよね....()お化け屋敷の方にでも行きましょうか()」
燐子さんも納得したようでこくっと頷き、俺たちは動かないジェットコースターを後にした。
で、今はお化け屋敷に来て中に入っているのだが、今は別の意味でピンチになっている。どういうことかというと彼女の、燐子さんの2つの大きな桃が俺の腕に当たっているのだ。
男子諸君なら今の状況がどういうことかお分かりだろう。そう、燐子さんは今俺の腕にピッタリとくっついているのだ。
「あの~?そんなにくっつかれるとこっちも緊張しちゃうというか....」
「あぁっす、すみません....」
柔らかかったな....ということしか考えられないまま、あっという間に出口にたどり着き、お化け屋敷を後にした。
時刻は12時。そろそろお腹も空いてくる時間だ。
「お昼どうします?売店らしきもの見当たりませんけど...」
「な、なら動物園エリアに行ってみませんか....?あそこなら確かレストランがあったはずなので....」
というわけで彼女の提案で動物園エリア、通称「ZOOランド」に向かうことになった。このエリアは動物園とは行ってもメジャー動物が何種かいるのと触れ合い広場メインの小さな所でここ目的に来る人はそんなにいないらしい。
ZOOランドの中心部にあるレストランにやって来た俺たちはランチメニューであるホットサンドセットを頼み、ドリンクバーで一息ついているところだ。
「いや~午前中だけでも結構歩いて疲れましたね~この後はどうします?」
「な、なら....少しだけここの触れ合い広場に行きませんか?」
「それいいですね!食べ終わったら行ってみましょうか」
ということで昼を済ませ、レストランを後にした俺たちは触れ合い広場に向かった。触れ合い広場にはヤギやヒツジ、ハムスターなど、様々な動物たちがおり、小さい子ども達を中心に賑わいをみせていた。
俺と燐子さんが触らせてもらったのはハムスター。ずっと人と触れ合ってきたのか、とても人懐っこく可愛らしい。燐子さんの手のひらに乗るなり腕を伝って肩まで登ってきていた。
「ふふっ....可愛い...ですね」
肩に乗ったままのハムスターにエサを与えるとハムスターは嬉しそうにかじりついていた。なんだこのかわいいとかわいいの集合体は惚れてしまうだろ。
この後色々とエリアを周り、あっという間に時間が過ぎていき、時刻は5時を回っていた。
「そろそろ帰りますか。rinrinさん、楽しかったですね」
「そう....ですね....でも最後に1箇所だけ寄りたい場所があるんですけど....いいですか?」
「寄りたい場所ですか?別に大丈夫ですけど」
彼女の案内でやって来たのは植物園エリアにある丘。そこには鐘があって.....ってあれ?鐘のある丘だって?ま、まさか!?
「この丘で告白をすると恋が成就するらしいって友達から聞いたんです....どういうことか分かりますよね?」
「え、えぇ....何となく....」
「単刀直入にお話します...私...あなたのことが好きです...付き合って頂けますか?」
やっぱりそうきたかー!やっぱり惚れてたのね俺に!
「....分かりました。こちらこそよろしくお願いします。」
「ふふっ...嬉しいな...あっそういえば彼女になった以上名前を教えなくちゃですよね....白金燐子です...Roseliaってバンドでキーボードをやっています...」
「柊木冬真です。燐子さん、俺絶対に幸せにしてみせます!」
「冬真くん...それで少しお願いがあるんですけど....私達が恋人であることを隠して頂けませんか?」
「え?どうしてです?」
「実は私、高校では生徒会長という立場という関係上生徒の見本となるために恋愛をしにくい状態なんです...だから、私達のこの関係を友達もしくは顔見知りということにして欲しいんです.....」
な、なんだってー!まさかの秘密の関係というやつですか!?
「わ、分かりました。絶対守ります...」
「後、敬語禁止ですからね....?」
「分かったよ。改めてよろしくな燐子.....ちゃん?」
「はい♪よろしくね冬真くん♪」
こうして俺の...いや、俺と燐子ちゃんの秘密の恋人としての日常が幕を開けるのだった。
次回からついに本編へと突入します。冬真とりんりん、そして2人を取り巻く環境を楽しく描けていければと思っております。
次回更新をお待ちください。