題名の無い物語   作:扶桑畝傍

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第3話

足跡が増えていく

(洞窟?)

足跡はそのまま中へ続いていた

(石斧、持って来て正解だな)

枝を切るのに作った斧だ

切れ味は所詮石なので御察しレベルだが

(話し声?)

「なぁ?なんだあの服のガキ?

 脱がせねぇんだが?」

「だけどよ?アレ事売ればいい値段になるだろ?

 それまでは殺すなよ?」

(脱がせない?ファスナーの技術が無いのか?)

「そんじゃ、見回りいってくらぁ。」

「おぅ、一応な。」

(出て来た)

洞窟の隙間に身体を埋め

見張りに出て来た一人の後ろに回り込む

「ったく、面倒だが

 見張りしとかねぇと、

 『魔物』が居るからな~。」

(魔物、か、

 ま、俺もお前を狙ってるんだけどな?)

全力で頭に石斧を叩きこむ

「くぺっ?!」

ぐしゃ、ぐしゃ、ぐしゃ

よし、動かなくなったな

取り敢えず草むらに死体を隠し

腰についていたショートソードと

胸当てを奪う

(ひと、殺したな、

 あの子を攫ったんだ、

 こうなる事も覚悟の上だろ?)

「うし、後何人だ?」

洞窟を見ると見回りの代わりが出て来た

(ちっ、警戒するか)

「くそ、魔物にやられたか、

 引きずった跡がありやがる、

 お前、カシラに伝えて来い、

 俺がここを見てるから。」

「へい。」

(ん?ツーマンセルを取らない?)

手ごろな石を見張りに向かって投げつける

「がっ!?いしっ!?」

(首を刺す)

前かがみから上体を起こす瞬間を狙う

「てめ?!」

水平に突き刺す

縦に刺すと首の骨に引っ掛かるからね

勢いがついてたのか、岩壁にそのまま突き刺してしまった

もう一度、死体を引きずり、隠す

(ナイフ?短剣か、これも必要だな)

ショートソードに短剣2本

(次は何人だ?)

「あ、アイツも食われたのか!?

 カシラ!!魔物がウロウロしてますぜ!!」

「なっ?!

 不味いぞ、中の二人も呼んで来い!!

 4人で魔物を相手すりゃ倒せるだろ!」

「カシラが残るんすか!?」

「いいから呼んで来い!!

 魔法使えるのはアイツしかいないんだから!!」

(魔法か、なにを使えるのやら?)

(また、一人になったな)

石を投げる

「だっ!?誰だ!!石を投げた奴は!?」

動かない

「くそ、魔物じゃ無いって事か、

 暗殺者?いや、この引きずった感じじゃ、

 その線はねぇか。」

(不味い、4対1じゃ勝ち目は無い

 中の奴が戻って来るまでに

 カシラを潰さなきゃ)

ぐるるる

(お?この声は)

「来やがったな、オオカミ野郎!!」

「カシラ!!全員来たぜぇっ!?

 オオカミ型っ!?」

「カシラ、不味いぞ、3体居やがる。」

(ん?3対4で苦戦するのか?)

「回復なんか使えねぇぞ!!

 こんなになるなら『依頼』を

 受けるんじゃ無かったぜ!!」

(ほぅ、魔法使いに回復専用が居るのか)

どう言う訳か、オオカミは俺を狙わない

(なんでだ?

 カシラを含め、4人共倒されて、

 引きずって行った)

「なぜだ?」

〈火、おまえ、つかう〉

「なっ?!喋れるのか!?」

〈ことば、ちがう、ねんわ〉

「念話、か、すまない、興奮してしまった。」

〈血、匂い、強すぎ、

 たべれない、こわい、たね、つぶして

 『たべた』〉

「種?」

(まさか、あの焼いたアレか?)

〈えいち、実、ふつう、たべない、

 てきごう、むり、しないと、しぬ〉

(うぉ~!?まじかっ!?)

「って事は、あの子も適合者って事か。」

〈魔盲、運、しだい、適合者すると、きけん〉

「・・・魔法の使い方は?」

〈つよく、おもう、心に、魔力、

 答えてくれる〉

「そうか、ありがとう、キミらはもう?」

〈えさ、確保した、かえる〉

「また、どこかでな。」

〈えいち、適合者、こわい、

 でも、お前、へん〉

「変?」

〈かんしゃ、言葉、しってる〉

「・・・今度、良い肉が手に入ったら

 奢ってやるよ。」

〈・・・ここ、なわばり、

 これ、つかえ、きこえる〉

「牙?お前のか?」

〈なか、空洞、俺達しか、きこえない〉

「わかった、その時にまた来るよ。」

〈さらば、異界の人よ〉

 

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