洞窟を進むと
「あ。」
「はぁ、無事か。」
「ふく、まもってくれた。」
「そうか、しかし、
その作業着の上着にそんな効果があったのか?」
「わかんない、
いたいのやだって、つよくおもったら、
ふくがとれなくて、だれもイタイ事しなかった。」
(確か、適合者は危険とか言ってたな、
それに、魔力は心に答えてくれる・・・ん?)
「なぁ?もしかして、
魔法使えるようになって無いか?」
「え?」
「松明が心もとないから、
必要な物だけ取ってここから出るぞ?」
「うん、わかった。」
▽
焚火を山盛りにした仮拠点に戻って来た
適当な布と『食べれそうな食糧』
「なぁ、『ベビーファイヤ』って、
火を思いながら『かまどに向けて使って見て?』」
「ん~、やってみる。」
ベビーファイヤ!
(はぁ~、手のひらから
10cm程度の火の玉が漂って)
「あ、点いた。」
「お~、ついた。」ぐ~
「おなかすいた~。」
「はいはい、また焼いたげるから、待ってなさい。」
「は~い。」
(魔法を使うと腹が減るのか、
一つわかったな、
小麦粉モドキもまた焼くか)
▽
パクって来た食材に『砂糖』があったのは
地獄の仏とも思えた
(さて、持病の痛風はどうなるかな?)
「どうだ?少しは甘くなったか?」
砂糖の壺は精々の握り拳サイズ
相当貴重品だと推測できる
「あま~///」
「そうか、俺も食うか。」
(おぉ!!軽くまぶしただけで
ここまで甘く感じれるのか!!)
瞬く間に10枚を平らげるこの子は
大丈夫なのか?適合者とか言う案件は・・・
「街に行ってみるか?」
「え?」
「なんだ?嫌なのか?」
「お金、ない。」
「ぁ~、ギルドとかあるんだっけ。」
「ぼうけんしゃギルド、いくの?」
「あぁ、そこで『依頼を受けてお金を稼がなきゃ』」
「イタイ事、してきた人、いる。」
「顔、覚えているか?」
「ひっ!?」
(・・・あぁ、怒ってるのか、俺)
「名前、決めないとな。」
「なまえ?」
「フレアナビット、
逆潮(さかしお)波濤(はとう)の『娘』として、
サカシオ・F・ナビットと名乗れ、
俺は、サカシオ・F・ハトウと名乗る。」
「サカシオ・F・ナビット、
私、ナビット?」
「あぁ、ナビット、よろしくな。」
(ぶっちゃけ、あのデス〇トップ〇ーミーに
そっくりな顔立ちで、背格好も近いしな)
「ハトウ、ぼうけんしゃギルド、
やっぱりいくの?」
「あぁ、『ナビットに痛い事したお礼をしなきゃね』」
「ひっ?!」
「ん?どうした?」
「ハトウ、こわい。」
「アハハ、ごめんごめん、
明日行こう、山も下りなきゃいけないから。」
「ぁ、はい、ハトウ、さま。」
「様はいらんよ、ハトウでいい。」
「ん~・・・ぱぱ?」
「・・・ひ、必要な時以外は、
ハトウで呼んでくれ。」
「なんで~?」
(い、色々ヤバイ)
「あ、そうだ、〈オオカミ〉と
話をしてな、それで『現金』が必要なんだよ、
『お肉を御馳走する約束をしたからな』」
「おにくっ!?」
「うぉ!?」
「おにくたべたい!!」
「・・・ギルドで依頼こなしてからな。」
「は~い!」
▽
「っ・・・朝、か。」
朝露が顔に当たり目が覚める
胸元には彼女が居た
「ん・・・ぱぱ?」
「・・・ぉう、起きたか、
ナビット、起きれるか?」
「おきる。」
「おう、朝飯作るか。」
「つくる。」
小麦粉モドキをコネコネ
砂糖を今度は最初から練り込む
「つくりかた、ちがう?」
「あぁ、ちょっと試して見たくてな。」
振りかけてアレだけ甘かったのだ
なら、一つまみだけ混ぜて、
焼いて見たらどうなるのだろうと
『向こうとこっちでどう違うのか』
気になっていた
あと、『この英知の実』は食べ続けて平気なのか?
それも気になった
じゅうじゅうと香ばしい香りが立ち始める
「はわ~。」
こらこら、涎は拭きなさい
まぁ、滅茶苦茶いい匂いがするのだ
「ほれ、焼き立て、食べるか?」
「・・・いっしょにたべる。」
「はいよ。」
ま、頑なに一緒に食べようとこの子は譲らない
10枚ほど焼き上がり、朝飯分は出来た。
二人「うまっ!」
追加で更に10枚追加で焼いて食べてしまった
「消費を抑えつつ美味くていいな。」
「うん、まいにちたべたい。」
「ま、毎日は不味くないか?
この辺でしか実がなって無いから、
取りつくすのは不味いだろ?」
「あ。」
「ほれ、降りてギルドに行くぞ?」
「ぁう、そうだった。」
▽
石斧で太目の枝に切り込みを入れて行く
「なにつくってるの?」
「背負子。」
「しょいこ?」
俺は靴を履いたままだが、
ナビットは『靴なんて履いてない』
流石に草履を知っていても
この辺のツタがそれに適してるのかわからなかったし
下手に使うと
かぶれたりするだろうから使えなかった
洞窟からパクった布地を座る所と背もたれに巻き付ける
「お~。」
靴下を洗って履かせてみたけど
ぶかぶかで納まりが悪かった
「どうするの~?」
「ほれ、これに座れ。」
「は~い。」
ナビット事背負う
「ぅおぉ~。」
「ほれ、これなら歩かなくていいだろ?」
「でも、いいの~?」
「帰りは歩けよ~。」
「え~。」
「ギルドで依頼を受けて、小遣い程度手に入ったら、
先ずは靴だな、それから
幾つか依頼をこなして『お肉』買おうか。」
「お肉!!」
「おぃっ!?大人しく乗ってろよ!!」
おっこどしたらヤバいからな
「おにく!おにく!」
「はいはい。」