題名の無い物語   作:扶桑畝傍

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第7話

「さてと、どこに加入するかね。」

「ぱぱ?おでかけ?」

「ぁ~・・・そうだな、

 ダンジョンギルドか、その方がよさそうだな、

 門番さん、この街にダンジョンギルドは?」

「ぁ~、ありますけど、

 この街のは・・・あんまり。」

「ぁ~、旦那、俺もお勧めはしねぇな。」

「どうして?」

二人「偏屈の塊だから。」

「ま、会わなけりゃわからんな。

「ぱ~ぱ?」

「うし、ナビット、行ってみよう。」

「は~い。」

「ウェイトレスさん、おあいそ、

 はい、これは『おまけ』」

更に銀貨を1枚隠して渡す

「お客さん、次もぜひ家に来て下さいね?」

(はい、これ情報です)

(お、手際いいっすね)

(文字・・・どうしてかな、読める)

・門番とそのお兄さんは白

・ここで一番マシなギルドはダンジョンギルド

・ほんとに、また来てよ?

「はいはい。」

プチファイヤで紙を燃やして隠滅

「ぱ~ぱ?なに燃やしたの?」

「羽虫~。」

「はむし~?」

「そ、虫は好きじゃないからね、

 よっぽどの『意思疎通の出来る昆虫は別だけどな』」

「いるの?」

「さぁ?いるかもな~。」

いるのだがねぇ?

二人「え?」

 

二人「ひぃやぁああああっ?!」

レンガ造りの屋根から覗く

『超巨大芋虫』が喋りかけて来た

〔おや、驚かせたみたいだね、

 流石に『紙』を羽虫と表現したのは

 頂けないからねぇ、声を掛けさせて貰ったよ〕

「・・・念話ですか、出来るなら

 大通りで声は掛けて欲しく無かったですね。」

〔おや、それは失礼したよ、

 しかしだね、なぜ『羽虫』と表現したのかね?

 異界の人間?〕

「ぁ~、向こうだと、

 その羽虫が『疫病を蔓延させる原因』で、

 かなり厄介なんですよ、

 正直、貴女でも嫌になる羽虫ですよ?」

〔おや?どうして私を『メス』と?〕

「・・・せめてどこか話しやすい所へ

 移動したいのですが?」

ナビットが固まってよろしくないからな

「で?」

〔なんだね?キミらの話声から

 ダンジョンギルドで話した方が楽だろうと思ってな〕

「あ、ギルド長、お帰りなさい。」

「え゛?この巨大芋虫が?」

「えぇ、そうですよ?

 ダンジョンギルド最古のギルド長、

 『オーバーワーム』ギルド長ですよ?」

(あぁ、あの二人が

 良い顔しなかった訳がこれかぁ~)

〔うむ、今、人化する〕

「人化?」(後ろ向いとこ)

〔おや、なぜ後ろを向いているのかね?〕

「ぁ~、ギルド長、服着て下さい、服。」

〔あぁ、そうだったね、今着るよ〕

受付さんから服を受け取ったらしい

「っても、巻くぐらいしか、

 この〔ひと〕服を着ないんですよね。」

「ぁ~・・・お疲れ様です。」

緑色の大きなタオルに身を包んだギルド長は

芋虫の被り物を頭にかぶり、顔の半分は隠れていた

「なんだ?そんなに不思議か?」

「あ、人化してると普通に話せるんですね。」

「あぁ、この方が、『子育ても楽だからな』

 手先も器用に使えるからのぅ。」

「楽、なんですか?」

「うむ、子は基本ヒトツしか産まぬ、

 故にあの巨躯は邪魔になるうえ、

 気を付けねば『我が子を潰す事もある故に』」

「・・・よく、種族維持出来てますね。」

「ほぉ、確かにそうだねぇ、

 私の種族『オーバーワーム』の

 種に興味があるのかね?

 なんなら『子種』を頂けるのかね?

 最近、ギルド長以外の仕事をしておらぬ故、

 子育ても久しくしておらんからのぅ。」

「止めておいた方が良いのでは?」

「なぜ?」

「異世界人の血を混ぜるのは

 『種族から弾かれるのでは?』」

「ほぉ、私が種族から弾かれるのを避けるべき、と?」

「それに、そう言う血は

 後の世に忌むべき騒乱を残しかねませんよね?」

「ほぉ、よくわかっておる、が、

 なにせ、我ら『オーバーワーム』事体が

 『忌むべき血の末裔なのだよ』」

「・・・他の世界の『異世界人』ですか。」

「うむ、貴殿とは違う世界の名残でな、

 もぅ・・・何年前かのぅ。」

「ギルド長、貴女は今年で『2万4千921歳って』

 散々言ってたじゃないですか。」

「にま・・・そんな長命で、良く

 『姿を維持出来ますね?』」

「・・・鋭いわね、

 千年周期で『人間も食べるわよ?』

 行き倒れとか、ちゃんと同意を得て食べてるのよ?」

「はぁ~・・・俺は駄目ですからね?」

「あら?」

「んな涎垂らしながら言わんで下さい。」

「ぱ・・・ぱぱ?」

二人「ぱぱ?」

「俺が拾って家族にした、『死者の森』でな、

 あ゛?なんか文句あんのか?」

変な目で見られていい気分になる訳が無い

「よ、よく、生きて出て来れたな。」

「そうですよ?普通、

 死者の森で生きられるのは

 三日が良い所で『シルヴァリオンオオカミ』の縄張りで、

 3体も現れれば『護衛ギルドすら逃げ出す』

 そう言う『事実』で、知れ渡っているのですよ?」

「そぅか、

 あの時の『依頼を受けるんじゃ無かった』は、

 何れかのギルド員だったのか。」

「おや?何れかのギルド員に知り合いでも?」

「いえ、

 ナビットを攫った盗賊・・・かと思いますが、

 その時に『魔法』を使おうとして、

 『シルヴァリオンオオカミ』に

 喰われてましたけどね。」

「・・・貴方は、そこから生きて帰って来たの?」

「現にここに居ますが?

 それと、『上質な肉』を売ってるお店を知りませんか?」

「肉か、受付ちゃん、

 確か通りの外れに『美味しい肉を売っている』

 変わり者がいたよね?」

「い、居ますけど、

 あの方をご紹介するのですか?」

「公国通貨で大丈夫ですか?」

「えぇ、あのお店は分け隔ては!!

 無いのですけど、人を選ぶんですよ。」

「それって、選ぶのと変わらないですよね?」

っと、ナビット?

「ぱぱ・・・ねむい。」

ま、そうだよな、延々と話ばかり、

小さい子に酷だよな

「ギルド長、ここに宿舎は?」

「あるよ~、ギルド員ならタダだよ~。」

「受付さん、登録お願いします、

 サカシオ・F・ハトウと、

 サカシオ・F・ナビットで。」

「え?あ、はい、わかりました。」

「良いのかい?サカシオ?」

「ハトウで、お願いします、

 ギルド長、依頼は明日からで?」

「まぁ、そこまで急ぎは無いし、

 基本、ダンジョンギルドは日数が掛かる物だ、

 半分の依頼は

 『依頼を出した本人が忘れてたりするから』

 依頼取り消しかそのまま受理で良いのか、

 確認も一つの仕事だ、

 時間はある、安心してくれ、

 『ここの護りは私が護る』

 何人もここには入らせないよ。」

「ありがとうございます。」

(ギルド長、血でも子供は?)

(おや、それにも気づいたのかね)

(依頼なら、多少はいいですよ?)

「・・・い、いいのかい?」

「なぜです?依頼なら、と

 俺は言いましたよ?」

「か、考えて置く。」

眠るナビットを眺めつつ

「さて、『魔法は心で強く願う』だったな。」

 

「うし、上空からの視点も見れる。」

(流石に人工衛星まで管理したくは無いけど、

 何時かは必要になるな)

ダンジョンギルド周囲は民家もある

(ん?

 そう言えば、ギルド長さんはどこにいるんだ?)

〔甘く見るな、

 姿を見えなくする程度簡単だ〕

(うぉっ!?)

〔まったく、

 今度の異世界人は随分用心深いのだな〕

(まぁ、簡単に人・・・人を

 信用するとか、頼るのは怖いんですよ)

〔しなくてよいだろう?〕

(おっと?)

〔私とて人の中に紛れて生きて来た、

 そうした失敗も経験したよ〕

(それでも?)

〔まぁ、人は時に面白い事や物を創るからなぁ、

 それを少しでも見ておきたいのだよ〕

(それで2万年も?)

〔あはは、私も不思議でな、

 人をついつい見ているのだ、

 滅びかけそうになると、また増える、

 その波は・・・まぁ、3~4千年程度で繰り返す、

 その時が一番面白い事をするのだ〕

(ん?ギルド長)

〔あぁ、貴殿らを気に入らぬヤツ等がおるようだな〕

(って、はやっ!?)

〔なんだ?見ているのか?〕

(まぁ、色々)

〔ふむ、貴殿の世界を知りたい〕

(知っても、あんまり面白い歴史は

 持って無いですよ?)

〔ふむ、どのような物かね?〕

(・・・魔法は、便利ですね)

いとも簡単にこちらの歴史、文化を伝えられる

〔こ、これは・・・末恐ろしき、

 血にまみれた歴史よのぉ〕

(それで?)

〔モン娘は羨ましいのぉ〕

「ぶはっ!?なんでソコに目が行くんですかっ!?」

「ふぇ?ぱぱ?どうしたの?」

「あ、あぁ、ナビットは寝てていいんだよ?

 今日はもうお休みだから。」

「ぁ~ぃ・・・。」

あの後、延々と襲撃者を

『粘着糸で捕らえつつ』

異種族間の同人誌について延々と根掘り葉掘り聞かれた

 

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