新「艦娘」グラフティ5(第16部)   作:しろっこ

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右往左往しつつも徐々に方向性が固まる「作戦」だった。


第10話<コンテンツという武装>

「締め切りも迫っていますからね」

 

--みほちん------------

新「艦娘」グラフティ5

第10話<コンテンツという武装>

---------(第16部)---

 

「風雲のメモでチラッと見たんだけどさぁ」

秋雲は私たちを見て軽く指を立てる。

 

「ファンタジーには想像力が要るんだ」

 

創作経験がある私は腕を組んだ。

「まぁ確かに、そうだな」

 

だが秋雲の発言に大淀さんと風雲はポカンとしていた。

 

気付いた私は大淀さんに説明する。

「風雲のメモは大きく分けてファンタジーとリアル鎮守府の内容に大別される」

「はい」

 

不思議そうに頷いて机上のメモ帳をめくる軽巡洋艦。私の発言が手掛かりになったようで彼女は納得したように言った。

「仰る通り、ですね」

 

私はホッとした。

だが大淀さんは私に問い掛けた。

「でもリアルを生きる風雲ちゃんに突然『夢を見ろ』というのは難しいのではないでしょうか?」

 

「まぁ……確かに」

思わず怯(ひる)んだ。私は苦し紛れに頭に手をやった。名指しされた風雲は硬直している。

 

ここで笑顔の青葉。

「締め切りも迫っていますからね」

 

この爆弾発言には私の方がドキドキした。

 

「それを言うな」

冷や汗が出る。

 

すると秋雲が片眼を瞑(つぶ)って得意な顔になる。

「そこでメモにあった『艦娘の日常』的なストーリーなら直ぐにでも、お話が出来ますよ」

 

「フム」

なるほど、そう来るか。ちょっと光明が見えてきた。

 

「意見具申」

ドヤ顔になる秋雲。 

 

「なんだ」

「提督には風雲から上がってきたプロットのチェックをお願いします」

艦娘の作品とはいえ軍から外部に出すコンテンツだ。

 

「ウム、そうだな」

検閲は必要だろう。

 

私の返事と同時に青葉が突っ込んで来る。

「そうですねぇ、陸軍みたいに検閲し過ぎて黒ベタだらけにならないよう、お願いします」

 

「余計なお世話だ」

私の反撃に、えへっと舌を出す重巡洋艦。

 

ここで大淀さんが挙手をする。

「意見具申、宜しいでしょうか」

「ウム」

 

「前段階として私の方で最初に上がったアイデアはチェックを入れましょうか」

「ほう」

ちょっと意外な発言だが、これは助かる。

 

「そうだな、それは任せる」

何となくまとまった。

 

出撃予定や細かい調整管理も含めて彼女に一任することで、その場は解散になった。

 

執務室に戻った私は、どっとソファーに沈み込んだ。

「やれやれ」

 

そこに副司令の祥高さんが戻ってきた。

「戻りました……司令、お疲れですか」

「あ、いや」

 

私は上体を起こして答えた。

「例の駆逐艦にコンテンツを創らせる案件が、ようやく動きそうだ」

 

すると頷く彼女。

「はい、大淀さんからも報告を受けています」

「うむ」

 

そう答えながら駆逐艦を束ねる大淀さんを巻き込んだのは正解だったと安堵した。

 

「最初は藁をも掴むような心地だったが、ようやく動き出した感じだ」

思わず本音が出た。

 

自席で資料をまとめながら祥高さんは言った。

「軍隊らしからぬコンテンツ制作というのも案外、有効な武器になるかも知れませんね」

 

「そうだな」

答えつつ、今まで私は目の前の壁を越えるのが精一杯で、そこまで考えが回らなかったことに気付いた。

 

特に、この美保鎮守府の位置は特殊だ。

 

「コンテンツという武装か」

呟いた私は、それも一理あるかも知れないなと思うのだった。

 

 

以下魔除け

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※これは「艦これ」の二次創作です。
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PS:「みほちん」とは
「美保鎮守府」の略称です。
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