「重要な使命を受諾しております」
--みほちん------------
新「艦娘」グラフティ5
第14話<分岐>
---------(第16部)---
「感傷に浸っている暇は無い、本題だ」
大臣は急に真面目な顔になる。
「主要鎮守府は目立つからな。おいそれと勝手な真似は出来ない」
「はぁ」
何となく生返事をする私。構わず彼は続ける。
「中央の干渉もあるが軍令部だけじゃない。海軍省、ひいては政府の目も光っている」
「確かに、そうでしょう」
相槌を打ちながら私は治外法権的なブルネイを連想していた。あれが国内にあったらタダじゃ済まないだろう。
「僻地だからこそ、意図的にオリジナル艦娘を集めたり様々な実験が可能だ」
「おかげ様で私も、近頃では人事になりませんね」
冗談半分で応えた。
「そこだ」
急に指を指された。
(ビックリするなあ)
私は、これ見よがしに嫌な顔をしたが、彼は無視している。
「そもそも、君を美保に推薦したのは誰か知っているか?」
「先代の元帥閣下のハズですが、艦娘たちの推挙が有ったとも言われてますね」
この回答に、珍しく彼は頷いた。
「そうだ。概ね間違いない」
斜め向かいの席の羽黒が真面目に聞いているので、私も姿勢を正した。
「国内の主要鎮守府では中央との癒着を防いだり艦娘との馴れ合いを回避するため定期的な人事がある」
「はい」
「君は艦娘とケッコンしている上に出生の事情も鑑みて人事については上の連中も何も言わない仕掛けになっている」
「はぁ?」
私の反応に対して彼は身を乗り出してニヤリとした。
「おい、そもそも癒着のどこが悪い? オレは、そう思うが」
「そうですか」
何となく彼の十八番(おはこ)の暴論の気配を感じて、つい苦笑した。
当然のように大臣は自信を持って言った。
「理想的な癒着は、むしろ組織を強くする」
その言葉に私は、普段あまり他の鎮守府を意識していないことに気づいた。彼は続ける。
「美保にブルネイ。提督がほぼ固定化されている鎮守府の戦果は案外優秀なんだ」
「……」
無言の私を見て大臣は、話を艦娘に振った。
「そうだろう? 羽黒」
「はい。最近、主要鎮守府の戦果が低下しています。そのため帝国の経済も滞り気味です」
真面目な彼女は、きちんと応えた。
恥ずかしくなった私は詫びた。
「失礼しました。あまり世情に関心が薄かったもので」
「いや、現場の指揮官はそれでも構わんさ」
彼は再びソファーに背中を沈めると日本海を見つめた。
「最近けったいな人民平等化運動が蔓延(はびこ)った影響で、中央と地方、政府と軍部の分断を図る怪しからん一般市民が増えている」
「それは初耳です」
正直、政府や一般市民のことは分かり難い。ましてやココは地方だから、のんびりしている。
そんな私の顔を見た彼は言った。
「単純に海軍や艦娘を後退させて、深海棲艦と和解せよという下らん平和運動も起きつつあるのさ」
「本当ですか? それは!」
私は思わず立ち上がる。
「そんなことは聞いて無い!」
「まぁ、まぁ」
初めて大臣に窘(たしな)められた。
だが彼は何度も頷く。
「それ、その反応いいねえ。出雲や石見にも見せてやりたかったな」
つい感情的になってしまった私はバツが悪くて赤面した。
「お見苦しい所をお見せしました」
顔が火照るのを感じながら座り直した。
「良いんだよ、それでこそ指揮官だ」
そう言いつつ彼は大人しく控えていた重巡洋艦に声を掛けた。
「羽黒」
「はい」
彼女は立ち上がると、いきなり私に敬礼した。
「重巡、羽黒。本日付で美保鎮守府への配属となります」
「はい?」
突然の報告に、素っ頓狂な声を出した私。
「とても意義深い、重要な使命を受諾しております」
割と感情は見せない彼女が珍しく、ニコニコと微笑んでいた。
(堅実な彼女だから変なことはしないとは思うが)
それでも、胸騒ぎを覚えた。
以下魔除け
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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PS:「みほちん」とは
「美保鎮守府」の略称です。