「……まぁ、そうなるな」
--みほちん------------
新「艦娘」グラフティ5
第4話<風雲の出帆準備>
---------(第16部)---
「まぁ、そう固くなるな」
風雲に声を掛けつつ改めてメモ帳とカレンダーを見比べる。
「うーむ、やっぱり時間が足りないかなあ」
既に何十年もマンガ原稿を描いたことがないからイマイチ感覚が掴めない。
苦し紛れに机上のメモ帳にサラサラと落書きをしてみたらピカッと閃(ひらめ)いた。
「秋雲の描画技術を、お前にコピー出来ないのか? 砲雷撃スキルみたいに」
「……」
風雲は複雑な表情を見せた。ダメなのか?
そこに大淀さんが来た。
「秋雲と風雲は同じ駆逐艦で世代も近いから基本的な親和性は高いのですが……」
続けてポツポツと風雲。
「艦娘本来の砲雷撃スキルでないと難しくて。芸術スキルは上手く移行出来ないようです」
「そこはテスト済みだったかぁ……まぁ、そうなるな」
現実は甘くなかった。
彼女と一緒に悩んでいたら、だんだんムキになってきた。
「こうなったら不戦敗は何としても回避だ。クオリティは追わず、とにかく1本仕上げるぞ!」
「はい!」
なぜか大淀さんが返事をした。
「……ハイ」
やや遅れて風雲が反応。
すると大淀さんが恥ずかしそうに言う。
「あの、私も全力でサポートしますから」
「あ、ああ」
駆逐艦隊のまとめ役とはいえ妙に乗り気だな。
「まずは」
改めて風雲に向き直った私。
「絵の技術向上のために課題を出そう」
「それは訓練でしょうか?」
「ん、そうだな。絵の訓練ってとこだ」
「はっ」
訓練と聞いて急に背筋を伸ばしてシャキッとする。生真面目ちゃん。
「具体的な方法は追って指示するが、トレース練習を日課にしよう」
「ハイ」
ン? ……単語を聞き返さない。彼女、トレースの概念は分かるんだな。
「あと平行して話も考える」
「ハナシ?」
キョトンとした風雲。
「ストーリーの内容とか構成を決めることよ」
上手に説明してくれる大淀さん、マトを得ているなあ。
「私、内容を決めたことがないので分かりませんが」
不安そうな風雲。
「えっと、秋雲の作品は読んだことはあるか?」
私の質問に思案する彼女。
「チラッとですが」
「ざっくり、それと同じ感じだよ」
「え?」
腑に落ちない顔だな。
「秋雲の作品読んだ印象は? 泣いた? 笑った?」
「えっと笑い有り、涙有りでした」
う……秋雲め。予想外に高度な内容だな。
(かくいう私も読んだことはないのだが)
ちょっと反省した。
そんな私の心を見透かしたように苦笑する大淀さん。
「提督」
「あ、ああ」
落ち込んでいる暇(いとま)はないんだ。
気を取り直して風雲に指示する。
「これは私の想像だが、そのマンガの内容はいつもの鎮守府生活っぽい感じだろう?」
「そうですね。『艦娘あるある』的なネタが多いです」
応える風雲は少女らしいあどけない表情を見せた。
そこで間髪を入れず突っ込む。
「それそれ、そんな感じで良いから」
「は?」
「ネタ帳ってかメモ帳を持って、お前の毎日の出来事を記録していくんだ」
言いながら頭がハイになってきた。
「秋雲とか青葉って、いつもメモ帳を持ち歩いてるだろう?」
暫し考え、大きく頷く風雲。
「あ、なるほど」
その勢いで大淀さんを見上げた。だが彼女の反応は私が指示するより速かった。即、敬礼をして言う。
「では大淀は、ただ今より秋雲・風雲両名を中心に『冬ポミ上陸作戦』を立案致します」
「ウム」
敬礼を解いた彼女。何だか嬉しそうだな。
以下魔除け
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