「何事も順番だ」
--みほちん------------
新「艦娘」グラフティ5
第5話<提督の永い午後>
---------(第16部)---
「では失礼致します」
その後、二人は退室した。
妙に乗り気の大淀さん。
そして何かが吹っ切れたように明るい表情になった風雲が印象的だった。
二人と入れ替りで午前中のスタッフ会議を終えた副司令、祥高さんが戻ってきた。小脇に資料を抱えたまま敬礼をする。
「ただ今戻りました」
「あ、ああ」
生返事をした私の表情を見た彼女は言った。
「司令、お疲れのようですが」
「む……」
さすがの副司令である。私は彼女に午前中の内容を大まかに説明した。そして、ついボヤいた。
「久しぶりに私の<マンガ脳>を使ったから疲れたなぁ」
書類を置いた副司令。
「こちらに午前中の決裁書がありますが、一旦お休みになられてから確認されますか? 込み入った内容もありますし」
「あぁ、稟議は上に出す急ぎのモノだからな。そうさせて貰うか」
午後の一般業務は祥高さんに任せて私は仮眠室で休むことにした。
<ピピピ>
目覚ましの音で目が覚めた。窓の外は、まだ明るい。当たり前だが、ちょっと残念。
そのまま執務室へ向かうと大淀さんが作戦計画書の素案を持参していた。敬礼する彼女。
「大淀、計画書を持参しました」
「ウム、ご苦労」
つい(早いな)と言い掛けて口をつぐんだ。
「では失礼致します」
黒髪を翻してサッと退室する大淀さん。その立ち振舞いから<早々のお目通しを!>というプレッシャーを感じた。
だが目の前の<作戦計画書>を手にした瞬間、隣の席にいる副司令からも<稟議を早く!>という圧を感じたのも事実。
「何事も順番だ」
呟いた私は先ず午前中の会議で提出された鎮守府の決裁書から始めることにした。
「司令、地方総監からお電話です」
「朝潮、入ります」
小規模とはいえ<小さな軍隊>たる艦娘を百人近く抱える鎮守府だ。
書類を処理しながらも電話やら、艦娘の報告など雑務も少なくない。
(はぁ)
前線に出るよりは事務作業向きの性格だと自覚している。
とはいえ結局、何だかんだで決裁書が片付く頃には夕方になっていた。
「こりゃヤバイな」
沈む太陽を眺めながら呟いた。
そもそも今回の<冬ポミ>作戦そのものが突発的なものだ。後手後手に回るのは仕方が無い。
(と言い訳をする)
その時、内線が告げる。
<司令、お食事の準備が整いました>
「分かった」
反射的に応えた。
だが、このまま食堂に行くと確実に大淀さんに出会いそうだ。
それに、まだ書類が手付かずだ。
(何となく後ろめたいな)
私は予防線を張るように書類を抱えて食堂へ向かった。
入室するなり声が響いた。
「あ、提督だ!」
相変わらず発見するのは速い島風。
私は毎回、彼女に索敵されるたびに心の中で
(いちいち指差し呼称をするな!)と叫んでいる。
そのウルサイ島風とは真逆の朝潮が、サッと近づいて敬礼をした。
「司令! 何か、お手伝い致しましょうか?」
反射的に書類を隠すような体勢を取った私。
「いや。大丈夫だ」
朝潮はチョッと首をかしげた。
「はっ、失礼致しました」
敬礼をして立ち去る彼女。
(冷や汗が出そうだ)
どうも調子が狂う。我ながら情けない。
(やっぱ食堂で作業をするのが間違ってたかなぁ)
そう思いながら自分の席に着く。
それを見た鳳翔さんが遠くから会釈をした。
これも私が食事を摂る合図だ。それが二人の間の暗黙の了解になっていた。
「ふう」
彼女とやり取りをした効果か少し落ち着いてきた。
(さすが鳳翔さん)
そんなことを考えて書類をテーブルに置く。
「提督」
突然、背後からの一言。口から心臓が出そうになった。
以下魔除け
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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PS:「みほちん」とは
「美保鎮守府」の略称です。