「ネタは出たのかな?」
--みほちん------------
新「艦娘」グラフティ5
第8話<殴り書き>
---------(第16部)---
大淀さんは風雲に声を掛けた。
「風雲さん、差し支えなければ、こちらで……」
「あ、ハイツ」
最後まで言わずとも大淀さんの意図は伝わったようだ。風雲はトレーを抱えたまま直立すると会釈して近寄って来た。
「急に済まない」
取り繕う私に駆逐艦娘はトレーを置いて改めて敬礼する。
「いえ、貴重な時間を頂き感謝します」
「……」
正直、的確なアドバイスや指示が出来るのかは不安だが。
それは言うまい。
気が付けば不思議な組み合わせのテーブルが出現している。食堂に居る金剛や島風辺りは興味津々といった感じで、チラ見しているぞ。
幸いに、このメンバーは人目を気にしない面々だ……私を除いて。
「大淀にも話したが」
着席した風雲に伝える。
「今回の冬ポミ作戦は鎮守府の存亡に関わるモノではない」
ここで勿体ぶって間をおく。
「だが広報を兼ねた展開も想定される。心して掛かろう」
いわゆる口から出任せで大言壮語した。
「ハイッ」
この素直さは風雲の真面目ちゃん威力発揮である。
「何か書きたいモノは浮かんだかしら?」
大淀さんが、さりげなく確認している。
「はい。なかなか難しい課題でした」
風雲はメモ帳を取り出す。
私の視線を感じてハッとする大淀さん。
「スミマセン、僭越ながらストーリーを作る前段階で、風雲にネタ出しするよう指示していました」
「いや構わない。むしろ的確な指示だ」
「恐縮です」
応えながら私は次第に自分が編集者になった気分になる。
そして風雲のメモ帳が気になった。
「そのネタは出たのかな?」
「ハッ」
彼女は躊躇なく数冊の帳面を机に並べた。
「どれどれ」
私と大淀さんは各々、手近な一冊を取り上げた。パラパラと開くと中には鉛筆で走り書きをしたイラストやメモがあった。
「……」
「……」
私と大淀さんは無言になる。当然だろう。既に清書され、まとめられた報告書と違って、これは風雲のメモ帳だ。脈絡も何もない。
おまけに、ほとんどが殴り書きだから解読が必要だ。
私達は一瞬、顔を見合わせて苦笑すると、そのまま手帳を机に戻した。
「……これは他人が見ても分からないね」
「そうですね」
緊張する面持ちの風雲に私は言う。
「これはネタ帳で人に見せても分からない。あくまでも君が活用するツールだな」
「はぁ」
肩すかしを食らったような顔をしている。
「……今は食事を摂りたまえ」
取り敢えず私は、お茶を濁した。
「ハッ」
軽く手を合わせ食事を始める風雲。
「ウーン」
だが私は正直、悩んでしまう。
そして再び手帳をパラパラめくる。
「この作業は続けてもらうとして……トレースは始めているのかな?」
「はい」
意外にも即答だった。ここは生真面目ちゃんで助かる。
「ストーリーか4コマの、どちらになるかは分からないが、今はトレースとネタ出しを続けて貰って……」
ここで私は頭を掻いた。
「君が表現したい何かを見つけて貰おう」
「……」
当然、また不思議そうな顔をする風雲。
「えっと」
私は再び勿体を付ける。
「艦娘は基本的に命令を受けて行動する」
「……」
「しかし創作とは自発的に何かを生み出す。時には反抗心も必要だ」
「……」
嗚呼。
こう言いながらも、つくづく思う。
(この場にいる艦娘達には、そぐわない話だなぁ)
そこで、別の表現を探す。
「秋雲や青葉を思い出したら分かるだろう。何となく私に反発しそうだぞ」
この言葉に食事しながら苦笑している二人。
私は秋雲がいつも、人を煙に巻くような行動をとる理由が、何となく分かるような気がした。
そしてその時、私は妙なことを考え付いた。
(金剛や島風がストーリーを考えたら面白いモノが書けるんじゃないか?)
だが直ぐに否定した。
(いや、止めておこう)
そんなことをしたら最後。余計、ややこしくなるに違いない。
※参考情報
漫画制作の流れ:MediBangサイトより
初心者マンガ講座01①企画
以下魔除け
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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PS:「みほちん」とは
「美保鎮守府」の略称です。