ウマ娘 プリティーダービー リバイバルダービー 作:果てなき狂喜
ライスシャワーをスカウトしたことを、秋川やよい理事長に伝え、契約書を書き、正式にライスシャワーを担当ウマ娘として登録し、早速トレーニングを始めようとした。まずは、ライスシャワーがどんな適正、どんな距離が得意なのか、作戦は主にどんな走り方が似合っているかを見極めなければならない。いろいろな資料を確かめていき、時間は放課後へと移り変わる。その放課後、トレーニング用トラックで、ライスシャワーを待っていると、パンパンに膨らんだ巨大なリュックを引きずりながら、ライスシャワーがトラックへと来た。
「うんしょ、うんしょ……」
「(え…何…あの巨大なリュック…何が入ってるんだろう…?)」
そのコースの地面に膨らんだ巨大なリュックをコース脇へと下ろし、駆け寄ってきた。
「はぁ…はぁ…ま、待たせてごめんなさい!トレーニング、よろしくお願いしますっ……!!」
「…まず、トレーニングを始める前に、聞いてもいいかな?」
「う、うん…」
「あの、巨大なリュックは…何…?」
「あっ、えっと…色々、良くない事が起きた時のために、準備してきたの…転んだ時の絆創膏とか、テーピングとか、急な時に使う傘とか、着替えとか、帰り道で遭難しちゃった時のためのマヨネーズとか…!」
「…う~ん…備えあれば患いなしってことわざ通りだね…でも、重くなかったかい?」
「うん…重くなかったよ?それにね?は、初めてのトレーニングだから、迷惑かけないようにしようって、思ってたんだけど…」
「め、迷惑?」
「うん…ライスね?小さい頃からずっと、不幸な事ばかり起こしちゃうの…一緒にいる子が転んだり、靴紐切っちゃったり…酷い時は、鳥さんのフンを頭に落っことされちゃって…ライスは、いつもいつも…みんなに迷惑かけちゃうダメな子なの…」
「…(ただの不幸な偶然たと、思うんだけど…でも、気を遣わずにはいられないんだね…とても心の優しい子なんだね…ライスシャワーは…)」
「はわ……!!お、お喋りしすぎちゃった……!!ごめんなさいごめんなさいっ!!」
「…そうだね…まずは、君の得意なコースや適性を調べるために、今から芝とダートを軽く走ってくれないかい?」
「は、はい!よーし!頑張るぞー…!」
こうして、ライスシャワーとのトレーニングが始まった。まず最初に芝のコースをあらかた軽く走ってもらった。結果、分かった事は短距離は苦手だが、そのほかの距離は適性があっている。ただ、ダートの方はタイムが芝とは圧倒的に遅いため、距離と馬場適正は、芝とマイルから長距離までだというのが分かった。その後、指示したメニューを懸命にこなしていた。
「はぁ…はぁ…えっと、どうだった…?」
「うん。ライスシャワーは、ダートより芝の方がタイムが速いと思う。だから、これからは芝を主にしたレースに出したいと思う。いいかい?」
「うん…ライスも、芝の方が走りやすいって思います…」
「それに、ライスシャワーは、距離が長くなるにつれて速くなってきているからね。当分は、デビュー戦を果たしたら、クラシック三冠を目指そうと思ってる。辛いかもしれないけど、いいかな?」
「ライス、桑原さんが言うなら、頑張ります!あ、あのね?わがままになっちゃうけど…もう一度走ってきてもいい?ら、ライスはまだ、全然元気だよ?走れるよ!それに、さっき教えてもらったカーブのコツを、確かめておきたくって…だんだんとピッチを速める感覚も、わかってきたから…!!だ、駄目…ですか…?」
「うん、もちろん走ってきてもいいけど、怪我だけはしないでね?」
「ほんと!!うん!!怪我に気を付けて走ってくるね!」
「(うん…素直で利発もある…このままいい調子でトレーニングを続けていけるかもしれない…)」
トレーニングを続けていくと、時間が過ぎていき、あっという間に夕方になっていた。そんな中、ライスシャワーは気付かずに走り続けていた。ふと、太陽を見ていると、日が暮れていることに気が付いた。
「あ…も、もうお日さま沈んじゃいそう…全然気づかなかった…ライス、ずっとわくわくしながら走ってたから…」
「大丈夫。その様子じゃ、トレーニングが楽しかったって無意識に感じたんだと思うよ。それに、楽しくトレーニングできたのなら、良かった。」
「う、うんっ!!楽しかったよ、すっごく!桑原さん優しいし…やっぱり…お兄様みたいで―――」
すると、ライスシャワーのお腹から、くぅ~~……と可愛らしい音が聞こえた。
「あれ?もしかして、ライスシャワー…君、お腹がすいたの?」
「ひゃあ!?あっ、あっあわわわ、ごめんなさいっ!!お腹さん、しーっだよ、しーっ…!!」
「あはは!…うん、そうだ!今日から初のトレーニングとスカウト記念に、何か美味しいものを食べに行こうか!」
「え…?ほ、ほんと!?やった~!!」
「うん。何でも好きなものを食べていいからね?」
その後、商店街へと趣き、いろんな飲食店を探していた。
「あの…桑原さん…何でも好きなもの食べていいって…ほんとに…?」
「もちろん!ただ…高級店だけはごめんだけど、避けていいかな?」
「そ、それはそうだよね!…でも…なんでも…なんでも…かぁ……。」
すると、ライスシャワーの視線は、ラーメン屋に向かっているみたいだ。どうやら、期間限定の爆盛メガDXラーメンののぼりが気になっていたらしい。
「じゃあ、ラーメンにしようか。」
「うん!!」
「爆盛メガ、本日分ラスト1杯、終了いたしました!!!またのお越しをお待ちしておりま~す!」
「あ……はぅ……」
「…まぁ…爆盛メガは、残念だったけど…でも、トッピングなら、好きなだけ頼んでいいからね?」
「…!!い、いいの!?わーい!!!」
「(まぁ…小柄な体型だし…ウマ娘でも小食かもしれないしね…)」
だが、その予想を遥かに上回っていた。そのことを思うことになろうとは。
「えっと、ネギマシ、ゆで卵多め、メンマ、チャーシュー6枚、海苔5枚、固めん面お願いしますっ!!」
「(え…し、知らない頼み方が多い…それに、い、意外にも大食いなのかな…?)え、えっと…自分はとんこつ固めんでお願いします…」
「はいよ~、ネギマシ卵メンマチャーシュー海苔固めん一丁、とんこつ固めん一丁!」
数分後、自分達が頼んだラーメンが完成し、台の上に置かれた。
「へい!ネギマシ卵メンマチャーシュー海苔固めん、とんこつ固めんお待ち!!」
「ありがとうございます!…(お、多いなぁ…さ、流石はウマ娘…)」
「わぁ~美味しそう~…い、いただきますっ!!」
「い、いただきます…」
「はむっ!!……っ!ん~!!美味しい~!!」
「…ふふっ…(美味しそうに食べるね…幸せそうでよかった…)」
この日の夕ご飯は、ライスシャワーと共にラーメンを食べ、トレセン学園へと戻り、ライスシャワーを美穂寮まで送り届け、自室へと帰り、仕事を終えた。