ウマ娘 プリティーダービー リバイバルダービー 作:果てなき狂喜
今日がライスシャワーのデビュー戦当日の日、だが、待っていても、ライスシャワーが来ることがなかった。
「(ライスシャワー…どうしたんだろうか…まさか…緊張しすぎて寝坊しちゃったとか…?でも、ライスシャワーに限って、それはないと思いたい…って、あれ…誰か来る?)」
すると、ピンク色の髪色のショートカット、目には桜が特徴的な活発なウマ娘がやってきた。
「ライスちゃ~ん!!!どこ~??…あっ!!ねぇ、ライスちゃんのトレーナーさんだよね!!」
「う、うん。ライスシャワーを担当する、桑原智也です。」
「私!ハルウララ!よろしくね!!!」
「よろしくね?ハルウララさん。」
「よ~しっ!それじゃあ、美穂寮に向けて、しゅっぱ~つ!!!」
「…あの、どういう事かな…?」
「う~んとね…?ライスちゃん、朝から美穂寮のみんなとず~っとかくれんぼしてるの!!ヒシアマさんもバクシンオーさんも、み~んな探してたんだよ!おもしろそ~だったから、私も参加してきたんだ~!」
「そ、そうなんだね…」
「うん!でね?ここかな~?って、隅っこの空き部屋覗いたらね、ライスちゃんを見つけたんだけど―――ちっちゃな声で「桑原さん…」って、言ってるのが聞こえたの!!多分、ライスちゃん桑原さんにみ~っけ!って、してもらいたいんじゃないかな?」
「(まさか…ライスシャワー!!!)」
「うん!だからね、一緒に行こ!!ウララが案内するよ!」
すぐさまライスシャワーのいる美穂寮まで、向かうと、褐色肌に、青い髪のロングヘア―が特徴のウマ娘が、声をかけて立ち止まらせた。
「おっ、ウララ!ライスは見つかっ―――って、おい!!なんでトレーナーを連れてきてんだよ!?…まさか、中に入れるつもりじゃないだろうね!?ウマ娘寮に、トレーナーは男女共に立ち入り厳禁だよ!!」
「うひゃ~!?ごめんなさ~い!!でも、でもね?ライスちゃんが桑原さんを呼んでたから……」
「…~~!!!あぁ~っもう!!!しょうがないねぇ!!!今だけは特別だぞ!!寮長権限って事で許可しとくから、とっとと行きな!!!!」
「うんっ!ヒシアマさん!ありがと~!!桑原さん!こっちだよ!!!」
ハルウララに連れられたまま、ライスシャワーのいる空き部屋の扉の前まで辿り着いた。
「え~っと、こんこんこん!ライスちゃ~ん!」
「っ!?う、ウララちゃん…どうしてここが…!?」
「あのね?ライスちゃんが呼んでたから、桑原さん連れてきたよ~!!!」
「…ライスシャワー、そこにいるんだよね…話をしないかい?」
「く、桑原さん…!」
そのままライスシャワーがいる空き部屋へと入る。すると、ライスシャワーは部屋の隅っこで、泣きながら蹲っていた。
「はうぅ……桑原さん……」
「今日のデビュー戦…出られそうにない…かな?」
「……っ!ご、ごめんなさい…ごめんなさい、ごめんなさい……!ライス…ライスはっ……うぅ、ごめんなさい………!」
「ライスシャワー…別に、謝らなくてもいいんだよ。」
「どうして…?どうして、桑原さんは、そんなに優しいの…?ライス…ライスは、こんなにダメな子なのに…」
「ライスシャワーは、ダメな子なんかじゃないよ…」
「だめだよっ!!!ライスはっ……ライスは、だめだめの、ダメっ子だよ!!…っ…変わろうとしたんだよ?何回も…何回も…お母様と離れ離れは嫌だったけど…トレセン学園まで来たよ…でもね…ダメなの…レースに出るって考ええると、どうしても怖くなっちゃうの……選抜レースの時も、今も……!!」
「ライスシャワー…何が怖いんだい?教えてほしい…」
「…青いバラには絶対なれないって、分かっちゃう事…ライスなんかがレースに出ても、誰も幸せにできないって、分かっちゃう事…レースに出たら、ほんとの事が分かっちゃう…この先ずうっと…ダメな子だって、分かっちゃうかもしれない……そう考えたら、怖くて…怖くて…震えが止まらないの……!っ…ごめんなさい…桑原さん…もう、ライスの事なんか…こんなダメな子なんか、諦めて、他のウマ娘の子の方が絶対にいいから……!」
「ライスシャワーは…それだけ変わりたいんだね?」
「え……?」
「怖いってのは、つまり変わりたい事なんだね?」
「そ、それは…でも…」
「ライスシャワーが諦めない限り、僕も絶対に、ライスシャワーをあきらめたりしない…」
「っ……!桑原、さん…諦めないで、いてくれるの…?ライスは変われるって…信じて、くれるの……?」
「それじゃあ…ライスシャワー…レース場に先に行ってるから…いつまでも君を待つよ…」
「あ……!」
そう言い残し、空き部屋を出て、ライスのデビュー戦のレース場へと向かった。そして、桑原がレース場へ向かった数秒後、ライスシャワーが空き部屋から出てきた。
「がんばれ、頑張れ、ライス…頑張れ…!」
「あっ!!ライスちゃん!!ライスちゃん出てきた~!!!」
「あ、っ……ウララちゃん、待ってて、くれたの……?」
「うん!ライスちゃん、頑張るの?じゃあ、ウララも応援するね!!がんばれ~!ライスちゃ~ん!!」
「ウララちゃん……!うんっ!ありがとう……。頑張るぞ、お~…!!!」
桑原は、レース場で、ライスシャワーが来るまで待っていて、頃合いだと思い、パドック前へと向かった。
「はぁ、っ…(脚も…手も…まだ震えてる…指が、凄く冷たい……!でも……!!)」
「お~い!ライスシャワー!!」
「桑原さん……!!あのっ……あの、あのね、私…!!」
「ライスシャワー…大丈夫。絶対に青いバラのように、綺麗に咲く!!」
「…!!うんっ、いって…きます!!!」
ようやく、ライスシャワーが初めての、ウマ娘として活躍するための、デビュー戦が始まる。パドックでは、気合十分で、緊張はしていたものの、肩にかけたジャージを脱ぎ、仕上がりを観客席の人達に見せつけた。
「う~ん…良いトモをしている…それに、いい仕上がりだ…」
「あの子、なんか調子よくない?期待できるかも!」
と、観客やベテラントレーナー達から高評価が出ていた。そして、パドックを終え、いよいよレースが始まろうとしていた。
「さぁ、続きましてのレースは、第3レース。メイクデビュー。芝の短距離1000。馬場状態は良と発表されており、天候は晴れ。出走するウマ娘は9人となっております!どのウマ娘が勝ってもおかしくはありません!1番人気のダイイチリユモンが勝つのでしょうか、それともが逃げ切るのか!!はたまた、3番人気のギャロップリーダーが、差し切るのか!2番人気のライスシャワーもいます!実況はわたくし、赤坂がお送ります!解説はもちろんこの方、細江さん、よろしくお願いします。」
「よろしくお願いします。」
「細江さん、このデビュー戦、どのウマ娘が勝つのでしょうか。」
「そうですね…やはり、スタート次第といったところでしょう。予定通り、逃げウマ娘達が先手を打ち、先行争いに勝利する事が勝負の分け目かもしれませんね。」
「なるほど、確かに、逃げを選ぶウマ娘達にとって、大事なことですね。それでは、お待たせしました!!!ゲートイン完了、出走の準備が整いました!」
「(私は、私の事が嫌い…迷惑かけてばかり、みんなを不幸にしてばかりのダメな子だから…ずっと、ずっと大っ嫌いだった…だけど―――!!)」
「さぁ、各ウマ娘、綺麗なスタートを切りました!」
「綺麗なスタートですね。」
「まず1番フジノプロミスが立ち遅れて、7番セノエオリオンも後ろからです!先行争いは、好スタートを見せた8番ライスシャワーですが、内側からは5番アイネストキオが先頭しかし、その真ん中をついて9番ダイイチリユモン。そして並びかけていったのは、10番アイネスブレーブ!わずかに1馬身差をつけ、大きくリードしました!第3コーナーカーブして3番手の位置に8番ライスシャワーがいて、後ろはバラバラです。」
「好スタートをしたと思いましたが、後方はあまりよろしくないですね、混戦が起きそうです。」
「5番のアイネストキオ4番手に下がりまして、外をついて6番のシーザースキットが上がっていく!さらにこの集団に、3番ホコタスマイルもいます。その後方は、さらに離れまして4番のギャロップリーダー、1番フジノプロミス、6番シーザースキッド、2番ダイセイリュウといます。さぁ、先頭早くも
400という標識を通過して最後の直線に差し掛かりました!」
「はぁ…はぁ…はぁ…はあ…(変わりたい!諦めたくない!ダメな子のままじゃ嫌っ!!ライスだって…みんなを幸せにできる、青いバラに…!)」
「さぁ、先頭は10番アイネスブレーブですが、外から9番ダイイチリユモン!おっとここで上がってきたぞ8番ライスシャワー!!」
「私はっ…なりたい私に、なるんだぁぁぁぁあああ!!!」
「ここで先頭に立ったのは、8番ライスシャワー!9番のダイイチリユモンとのリードを大きく広げ、ライスシャワーが今、ゴォォォォオオール!!!!デビュー戦を制し、最後の意地を見せたのは、8番ライスシャワー!!ライスシャワーだぁぁぁ!!!」
「いやぁ、素晴らしいレースでしたねぇ。最後の直線でのデッドヒートが会場を盛り上げてくれましたね。」
1着になったライスシャワーを祝福するように、観客席から、歓声の声が沸き上がった。
「いいぞ、ライスシャワー!!!素晴らしいレースだったぞ~!!」
「わくわくしちゃった!!ライスシャワー!!次も見に行くからねーっ!!」
そんなライスシャワーは、歓声を受けて、微笑んでいた。
「わぁ、っ……!!」
「1着おめでとう、ライスシャワー。」
「っ……!桑原さん、ありがとうございます!!…あのね…その…わがまま、言ってもいい??」
「わがまま?いいけど…」
「うん。あの、あのね…?桑原さんの事…その…お、お兄様って呼びたいの!!あと、ライスの事は、ライスシャワーじゃなくって、ライスって呼び捨てで呼んでほしいの!!…駄目…かな…?」
「うん、いいよ。ライスがそう呼びたいのなら。」
「いいの!?じゃ、じゃあ……これからもよろしくお願いします!!…お兄様!!」
「あと…これからは、あらゆるレースでは、1着を目指していこう!」
「うん!ライスも、頑張るねっ!!」
こうして、ライスシャワーと共に1着を取ることを目標にして頑張ることにした。