日本皇国浪漫録   作:エヴァで3万負けました

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第6話「領空侵犯」

1月15日

NATOはゴッターライヒ第四帝国への宣戦布告を宣言。ポータルへの突入を決意した。調査機関を設立させポータルを研究、調査した。

結果現時点では何も分からずじまいだった。何せ地球に存在しない未知の物資が全体の99.85%を占めており、残りの0.15%が炭素で構成されていた。また、小型の民生ドローンから大型の軍用偵察ドローンでポータルに突入する。

突入後、光のようなものに包まれ6秒後、海が広がっていた。そこは地球と大差のない海だった。しかし、違った部分がいくつかある。

1つは地球より惑星が大きいこと。ドローンからの映像で調査し、科学者、研究者らが解明させた。そしてもう1つ。それは無人機のレーダーに不明の艦船らしきものが多数映った。

敵艦隊なのかはわからないが警戒しておくべき情報だ。

現時点でわかっているのはゴッターライヒ軍は我々と同等の技術、ドクトリンは違うがあながち我々に通用する。激戦になることは間違いない。

また自由主義による反抗同盟とそのトップのエストポリア共和国との協力関係になることも重要だ。

NATOはそれらを目標に計画を練った。

 

1月18日午前6時00分

オーストラリアのパース沖で連合軍の艦隊が集結。

まず先に4隻のアメリカ海軍第七艦隊所属の駆逐艦が単横陣で突入した。ポータルの中に入り光に包まれる。

その2分後続いてアメリカ海軍の空母機動部隊が突入した。先行した駆逐艦から連絡が入る。

「こちら先行部隊。異世界に突入。被害なし。しかしレーダーに識別不明の艦を発見。東85km地点です。」

「了解した。対潜、対空警戒。」

空母機動部隊もポータルを抜け、異世界の海に到着する。空母はすぐにスーパーホーネットを発艦させ、偵察に向かわせる。

「アローン1。発艦。」

「アローン2。発艦。」

2機のスーパーホーネットが空母から発艦し編隊を組む。

そのまま2機はレーダーに反応があった地点まで飛行した。

「こちらアローン1。無線のようなものが入っている。」

アローン1に正体不明の無線が入る。

「こちら司令部。無線?応答を許可する。」

「アローン1了解。」

アローン1が正体不明の無線に応答する。

「こちらエストポリア共和国海軍の哨戒艦である。貴機らはエストポリア共和国領空を侵犯しつつある。今すぐ引き返したまへ。繰り返す、こちらエストポリア共和国海軍の哨戒艦である。貴機らはエストポリア共和国領空を侵犯しつつある。今すぐ引き返したまへ。」

英語でエストポリア共和国海軍から警告されたのである。

「こちらはエストポリア共和国海軍。貴機らの目的を聞きたい。」

「こちらはアメリカ合衆国海軍所属の航空部隊だ。目的は偵察であるが我が国アメリカ合衆国は貴国と関係を持ちたがっている。」

「アメリカ合衆国だと?そんな国聞いたことがないぞ。それに外交を望むのか?」

「そうだ。我々はゴッターライヒ第四帝国が開けたポータルの世界からやってきた。」

「……了解した。上に報告する。しかし、今すぐ領空から引き返したまへ。さもなくは撃墜する。」

「了解。今引き返す。」

2機のパイロット達はまさかの展開に驚いた。無線に出たのはエストポリア共和国であったからだ。そして言語も英語である。

その後、2機のパイロット達はこの事を司令官に報告。すぐに外交使節団が送れることになった。

そして5時間後、レーダーに新たに反応があった。

2隻の駆逐艦らしき艦影と1隻の中型船の艦影が映った。空母艦隊は警戒態勢に入る。

しかし空母に無線が入る。

「司令官。無線が…。」

「繋げ。」

「了解。」

「こちらはアメリカ合衆国第七艦隊司令官である。貴艦らは?」

「こちらはエストポリア共和国海軍である。貴官らが外交を望んでいると聞いて外交船を連れてきた。外交使節はいるのか?」

「貴国らのお気遣いに感謝する。しかし、今は安全上の問題から外交使節はいない。代わりに私と副司令、護衛が外交船に乗る。それでよいか?」

「構わない。30分後、到着する。」

「了解した。空母に横付けしてくれ。」

30分後、外交船が空母に横付けし、橋をかける。そこに2名の護衛と司令官、副司令などが乗った。

外交船は豪華で煌びやかだった。この船で外交官と会議した。

「私はエストポリア共和国外交省の外交官です。」

「私はアメリカ合衆国第七艦隊司令官だ。よろしく頼む。」

「今回はどのようなご要件で。」

「あぁそうだな。説明する。副司令、説明を。」

「了解。まず我々はゴッターライヒ第四帝国と戦争中です。あの国が我々がポータルと呼ぶものから突如として現れては我々の世界の同盟国を攻撃したのです。なんとか撃破しましたがこちらも損害が大きいです。捕虜からの話でエストポリア共和国を知り、そしてあなた方と我々が同盟を組めばゴッターライヒ第四帝国を撃破できるのでは。と、我々は考えています。近いうちにアメリカ合衆国の外交使節団も来ます。」

「なるほど…。つまりあなた方は我々と共にゴッターライヒ第四帝国を倒したいと。」

「そうです。あなた方の軍事技術を見る限り、我々とあまり差異は感じられません。」

「了解しました。少し聞きますがあなた方の世界は何でできています?」

「どういう事でしょう?」

「つまり、科学でできているのか。魔科学でできているのかということです。」

「………我々は科学文明ですが…。」

「この世界は科学文明と魔科学文明でできています。ゴッターライヒ第四帝国は科学文明だが我々エストポリア共和国は魔科学文明です。」

「魔科学文明とは何の事だ?魔法ということか?」

「まぁ、そういう事です。正確に言うと魔法と科学を混ぜたようなものです。科学文明では石油などで機械が動いていると思いますが我々魔科学文明では魔導油というもので機械が動いています。だから我々ら石油は要らないのです。」

「そういうことか。この事は上に伝えておこう。」

「えぇ、よろしく頼みます。」

こうして簡単な外交は終わり、エストポリア共和国の外交官は帰っていった。

そしてアメリカ海軍の遠征任務も終了し、ポータルに入り帰投した。しかし疑問点が残る。何故ゴッターライヒ第四帝国軍がいないのかだった。普通ここをまた利用し、占領するはずだ。それには理由があった。

 

7ヶ月前

ポータルに向かうため、ゴッターライヒ第四帝国海軍の艦隊は空母を中心に揚陸艦や、戦艦の構成で突入しようした。しかし、スパイの情報で艦隊の位置を手に入れていたエストポリア共和国海軍とカナリアス王国海軍と共に待ち伏せし、対艦ミサイルによる攻撃で艦隊を撃滅。制海権を確保した。これで米海軍の第七艦隊は安全に出れた訳だ。そしてエストポリア共和国海軍もポータルの向こうに行こうと検討したが相手がどういうものなのか不明なため監視するだけにしたという。

 

そして現在、向こうの世界の国からこっちに来てくれたので助かったという。

4日後、米日英仏独の外交使節団がポータルの向こうの世界に到着。船でエストポリア共和国首都カルカの港に到着した。ここはエストポリア共和国最大の港で軍艦なども停泊していた。

外交使節団は船から降り、車に乗る。ニューヨークを彷彿とさせるような高層ビル群に天まで届きそうな建築物。(例えると軌道エレベーター)

30分車を走らせるとエストポリア共和国の外交省の本省に到着した。

そして本省の中に入り12階の部屋のエストポリア共和国外交官とテーブルの席につく。

「エストポリア共和国外交省の外交官エルフィアです。」

「アメリカ合衆国外務省の外交官サンダースです。」

「私は日本皇国外交省の中村です。」

5カ国の外交官達がエストポリア共和国外交官エルフィアに挨拶と握手をする。

「では、話し合いましょう。さぁさぁ席におかけ下さい。」

外交官達は椅子に座る。

「この飲み物はエストポリア共和国原産の葉っぱで作られた紅茶です。どうぞ、お飲みになってください。」

「うむ……これは中々いいものですな…。」

英国の外交官が嗜む。さすが紅茶の本場の国だ。

「我が国は紅茶が人気だ。是非、我が国と紅茶を貿易しないか?」

「それはいいですね。さて、本題に入りましょう。」

「待て、少し聞きたいことがある。」

フランスの外交官が質問する。

「先程、市民やここの職員の会話が聞こえたが少なくとも英語を話してるようには聞こえなかったんだ。なのに何故君は英語を話せるのだ?」

「…そうですか。それはこの世界の共通言語はあなた方の言う英語なんです。軍隊でも採用されてます。そしてあなたが聞いた言語はエストポリア語です。我が国を含め16カ国が公用語として使っています。英語が公用語なのは41カ国。そして共通言語となったのはタルバン連邦国という我々と同じ大国が決めたからです。これは国際軍事技術共同体同盟で採択されて、以降英語が共通言語になったのです。」

「そういうことですか。タルバン連邦とはどういう関係で?」

ドイツの外交官が質問する。

「タルバン連邦とは良好な関係を保っています。国際軍事技術共同体同盟、自由民主主義反抗同盟などの軍事同盟でゴッターライヒ第四帝国を協力して打倒しようとしています。」

「了解しました。我々はNATO、北大西洋条約機構という軍事同盟の名の元に集まっています。今回ゴッターライヒ第四帝国が同盟国である日本皇国、オーストラリアという国を攻撃したことにより集団自衛権という権限によりゴッターライヒ第四帝国と戦争しています。」

「なるほど…。事情はよくわかりました。お互いこれから協力体制になりましょう。」

「その事なんですが、実はこんな提案を持って来たんですが…。」

「提案とは?」

「まぁまずはこの書類を見てください。」

皇国外交官が書類を出す。

「なるほど…。そういう事ですか。いいでしょう。これは各同盟国にシェアしましょうか?」

「はい。お願いします。」

「了解しました。」

会談は2時間に渡って行われ、最終的にエストポリア共和国とは同盟関係になった。

特に興味深かったのはこの世界の説明でエストポリア共和国があるレーニア大陸を中心に西にクルーヴァー大陸、東にマーテラス小大陸、南にアメランタ大陸、北にポリタリア大諸島群。

レーニア大陸は東に共産圏(5カ国)、西に資本圏の国々(14カ国)がある。33年前のレーニア大陸大戦で資本圏が勝利したため共産圏の数カ国が資本圏に寝返った。そしてクルーヴァー大陸はゴッターライヒ帝国が全領域を支配した。アメランタ大陸はゴッターライヒ帝国との同盟関係の国が多く、またその他もゴッターライヒ帝国の統治下にある。マーテラス小大陸はいわゆる魔物の巣窟であり知能の低い魔物から知能、戦闘力も高い魔物が存在している。そして小大陸のほとんどを掌握しているのがタルス魔帝国で魔王と呼ばれている者が統治しており、ゴッターライヒ帝国とも協力関係にある。最後にポリタリア大諸島群。4カ国が存在しており巨大生物が存在しているという伝承がある。なお古代の遺跡や文献にはその存在が確認されているが今は何らかの信仰対象という見解になっている。

 

1月22日

日本皇国海軍はエストポリア共和国首都カルカの港に停泊。補給の後、遠征に向かうことになった。エストポリア共和国から友好の証として海図、航路、安全なルートなどが渡された。

これは非常に助かった。そして、2日の遠征で無人島群を発見した。ここの島々は比較的平地で多くかつイタリアのシチリア島並の大きさだった。

エストポリア共和国に問い合わせてもここはどこの国の領土ではないことが確認され、NATOの管轄になった。ここはNATOと同盟関係にある国全てが停泊できる港、軍事基地にする予定だ。

しかし、建設が終わるまでしばらくはエストポリア共和国首都カルカの港を利用することになるだろう。

 

1月30日

無人島での基地建設が終了し、各国の軍艦、輸送船が入港し物資を揚陸している。

全長4kmに及ぶ6本の滑走路、1個のロケット発射台、50基の地対空ミサイル、各国の主力艦隊が丸々入る程の軍港、地下施設。莫大な予算と各国の工兵部隊の尽力でできた賜物だ。

 

2月11日

空軍の戦闘機や、陸軍の戦闘車両が完全に配備された。しかし奇妙なことにここ数ヶ月ゴッターライヒ第四帝国軍に動きがない。普通ならポータルの奪還をするがそれもしてこない。

エストポリア共和国のスパイ、CIA、NSIA(日本皇国国家安全諜報庁)、MI6などが監視しても一向に動向が掴めなかった。

 

2月16日

MI6からクルーヴァー大陸南にあるゴッターライヒ軍の陸軍基地、海軍基地、空軍基地に動きがあったとの情報がきた。どうやら大量の物資を集積しているらしい。量、兵器の種類からしても本当に戦争に必要な兵器しかないという。

更に情報では南にある島国旭日国が標的になっているという。

この国は皇国と似ており、例えるなら皇国の明治初期〜中期あたり時代だという。旭日国はクルーヴァー大陸から150km程離れていて皇国と形、領土、気候などは全くもって一緒であり、公用語も当然日本語である。

皇国は既に外交、対等条約を結んでいる。

その旭日国が今ゴッターライヒ第四帝国に狙われている。狙いは旭日国で採掘できるレアメタルといった鉱石だろう。

旭日国は科学レベル、戦力では到底敵わない。そのため、日本皇国が大規模な戦力を送った。

また、ゴッターライヒ第四帝国軍の動きを予想し、皇国でいう東北の太平洋沿岸地域から神奈川の三浦まで防衛線を構築。

ゴッターライヒ第四帝国軍は2週間以内に予想された。

皇国は旭日国と交渉し、米英エストポリアの3カ国の軍も参戦することになった。

現在の戦力は以下の通りだ。

旭日国

陸軍:29万4000人

海軍:2万2000人

日本皇国

陸軍:4万3000人

海兵隊:6万2000人

海軍:6万6000人

空軍:1万人

アメリカ軍

海兵隊:2万2000人

海軍:3万8000人

イギリス軍

陸軍:1万2000人

海軍:2万7000人

エストポリア軍

陸軍:4万1000人

海軍:6万3000人

空軍:1万人

この戦力でゴッターライヒ第四帝国軍迎えうつことになる。

工兵は急ピッチで飛行場、軍港を建設。何とか1週間と5日で完成させた。

そして既に旭日国国内では安全な場所へ疎開が始まっていた。また主要都市では戒厳令も敷かれ、異様な雰囲気となっていた。

 

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