連合軍がヘリオンの攻略に成功し、タルス魔帝国は大打撃を受けた。特に政治、産業では大きなダメージを受けており多数の議員を失い、鉄鋼が盛んなヘリオンの工業地帯は爆撃、砲撃で壊滅し連合軍が占領した。
7月26日
連合軍は先にプライヤ高地を攻略する予定だ。プライヤ高地にはハリネズミのように大量の榴弾砲、迫撃砲、地対空ミサイルが配置されている。制空権確保後ここを航空攻撃で叩いて無力化。無力化し、弱体化した高地の敵軍にすかさず機甲部隊が突入し制圧する。
また高地を攻略する際、平野の敵軍を援軍に行かせないため平野と高地の分け目に機甲部隊、空挺部隊を派遣し分断させるつもりだ。また、平野には飛行場があり、ここをHIMARSで叩きなるべく航空機を破壊する。
午前10時00分
作戦が開始された。戦闘機部隊が基地から離陸する。HIMARS部隊が攻撃をし、飛行場では爆発が起きた。航空機が破壊され、滑走路も1本使えなくなった。そして連合軍は約800機という大規模な航空戦力を投入。タルス魔帝国軍は迎撃戦闘機部隊を出すが先のHIMARSによる攻撃で戦闘機も破壊されており、少ない動けた戦闘機隊も数で押され次々に撃墜された。
夜間での空戦も発生したがこれも連合軍戦闘機部隊が圧勝した。やはり技術力、練度の差が大きいだろう。また、度重なる戦闘でゴッターライヒ軍の航空機の鹵獲、実戦から十分なデータを得られている。これをパイロット達に叩き込ませることで空中戦でも有利に戦えるようになった。
この激しい空中戦で連合軍も少なからず損害は出ていた。中でも地対空ミサイルからの撃墜が多く、F-15Eなどの戦闘爆撃機がJDAMで空爆をして発射機の数を減らしていった。
しかし5日間の空中戦も連合軍の制空権を獲得し終わった。空中戦でのキルレシオはなんと110:1の圧勝だった。制空権確保後、地上に置かれた火砲、車両、施設、陣地を攻撃。高地の脅威となる兵器はほぼ完全に沈黙した。連合軍は地上戦に移行。攻撃を開始した。
8月2日午前6時00分
連合軍は地上戦に3個歩兵連隊、2個機械化歩兵連隊、2個機甲連隊を投入。
定番の爆撃、砲撃による挨拶で敵軍の兵士達を深い眠りから地獄の戦場に目覚めさせた。最初は高地をB-52の編隊で絨毯爆撃をし、その後火砲、ロケット砲を使い高地を攻撃した。戦車部隊が先導し道を切り開く。随伴の歩兵部隊は先の対地攻撃で煙が上がっている陣地を一つ一つしらみ潰しに回っていく。途中、生き残った敵兵士と鉢合わせるもすぐに射殺、あるいは拘束した。
航空攻撃で大多数の戦力を失った高地の部隊は1日で制圧され、高地のてっぺんには連合軍旗が掲げられた。高地を制圧し、連合軍は次の目標である平野への出撃準備を進めていた。
8月4日午前8時00分
高地にある砲撃陣地とそこに配置された自走榴弾砲が平野にいる敵軍に向けて砲撃をする。砲撃後、機甲部隊が突入するが問題が起きた。無人偵察機からの情報で敵の新兵器と思われるものが投入されている事がわかった。
情報によると、新兵器は戦車のような見た目だが戦車より数倍大きく、砲も艦砲レベルのものを砲塔に2門とかなり強力だ。それが確認できただけで12両おり、すぐにアパッチ攻撃ヘリ部隊が出撃する。
A-10も出撃し、破壊しようとした。連合軍はこれをX-12Tと呼ぶことにした。そしてアパッチ部隊がX-12Tを発見する。
「新型兵器を確認。全機、ホールディングエリア内に侵入次第攻撃開始。ヘルファイアだ。」
「了解。新型だか何だか分からんが、穴あきチーズにしてやる。」
全機エリアに侵入する。
「ヘルファイアによる攻撃を開始する。」
1.5km離れた位置からヘルファイアミサイルによる攻撃をした。しかし、ヘルファイアは何らかの妨害により着弾前に爆発した。
「お、おい。ヘルファイアが爆発したぞ。」
「もう一度だ。撃て。」
再度ヘルファイアを発射するがまたも破壊された。
「ちくしょう、ヘルファイア着弾前に撃墜しやがる。」
「ロケット弾だ。ロケット弾でやるぞ!」
ロケット弾で攻撃しようとするが、X-12Tがアパッチ部隊に砲を向け発射する。アパッチ部隊は回避行動をするが瞬間に空中で爆発。コックピットのキャノピーのガラスが割れそうなほどの閃光と衝撃が同時に来た。そして爆発と同時にアパッチ数機が撃墜された。
「何機やられた!?」
「わからない!クソッ!」
「クソッ駄目だ!あぁ!落ちる!落ちる!ーーーーーーーー」
「何だあの砲弾は!?見たことないぞ!」
「空中で爆発しやがった!」
「司令部へ。目標は恐らく空中炸裂弾による攻撃を仕掛けてきました。一度撤退し、体勢を立て直します。」
「こちら司令部。了解した。攻撃隊は高地頂上の上空まで退避。まもなくA-10の攻撃が始まる。」
「了解。退避する。全機、高地頂上まで退避しろ!」
アパッチ部隊は数機の損害を出し撤退した。しかし4機のA-10がX-12Tに攻撃を仕掛けようとしていた。
X-12Tは砲塔を旋回させ、砲身をA-10のいる方向へ向ける。そして砲弾を発射した。A-10は避けようとするも砲弾は空中で爆発。3機が撃墜された。しかし残りの1機が11式ASMを4発、Mk.82爆弾6発を全弾、それにアヴェンジャーを数百発叩き込んだ。攻撃を受けたX-12Tは1両破壊、もう2両が履帯が損傷し行動不能となっていた。
破壊を成功させるもこのA-10もX-12Tから発射された数発の地対空ミサイルにより撃墜された。
連合軍は戦局を変えかねないX-12Tを破壊する作戦を急遽立てた。
同日・午後1時22分
X-12Tを破壊するため、MLRS、HIMARS、自走榴弾砲が攻撃を開始した。その投射量は凄まじく、地形が変わりそうなほどだった。リーパーが上空でX-12Tを監視しており、映像では砲撃で2両の破壊に成功した。
砲撃を終えて、連合軍が空からの攻撃で残りの7両を葬ろうとした。が、ここでX-12Tが一斉に高地に砲撃を開始した。フレシェット砲弾が空中で爆発し、内蔵されていた子弾が塹壕にいた連合軍兵士に降り注ぐ。この一度の攻撃で228名が死亡。107名が負傷した。軽装甲車両や非装甲車両も多数の損害を被った。
続いて次弾が発射。今度は空中で爆発せず、戦車壕にいた皇国軍の12式戦車に直撃。砲塔が30m程空高く飛んだ。
また、偵察衛星、偵察機から新たな敵の大部隊が高地に接近していることがわかった。規模は3個歩兵師団、1個機甲師団、2個航空戦隊、1個爆撃団、5万の低級魔物。この大部隊はゴッターライヒから輸入した最新の兵器を装備し、それに加え、100両のX-12Tが確認された。連合軍は増援に2個歩兵連隊、3個航空団を投入。しかしひと足早く、敵の爆撃部隊が高地に絨毯爆撃を開始。そして、砲兵部隊も狙われ、榴弾砲、自走砲、自走ロケット砲、弾薬集積所に爆弾が50発以上も着弾。壊滅状態となった。
敵軍は更に砲撃を開始。前線は砲弾で穴だらけとなり、全滅した。平野からも敵軍が進撃を開始。強引な中央突破で連合軍の戦線と塹壕を食い破り、機甲部隊による電撃戦で米陸軍所属の1個大隊を包囲。続いて、包囲される米陸軍を救出せんとする皇国海兵隊1個歩兵連隊と、ドイツ陸軍1個機甲連隊が多数の低級魔物による攻撃で足止めを食らっており、損害が発生していた。
8月4日午後11時50分 高地頂上
歩哨の1人が双眼鏡で監視をすると、遠く離れた場所に低級魔物と、敵軍がロケット砲で砲撃しているのが見えた。
「敵襲ー!!!」
歩哨の声と同時にロケット弾は着弾。敵軍による砲撃が始まり、高地の頂上にあるテントや車両が吹っ飛んだ。塹壕にいた兵士達は起き上がりトーチカから外を見ると低級魔物がラッパの音と共に突撃してくるのが見えた。機関銃をぶっぱなすがテルパン山脈の戦いとは違い、低級魔物との距離も近く、味方も少なく援護もない。迫る軍勢に現場の指揮官は撤退を開始するが既に遅く、低級とは言え、人間より優れた身体を持つ低級魔物は剣、バトルハンマー、バトルアックス、弓、槍、クロスボウを駆使し逃げる連合軍兵士を殺害していった。
死んだ兵士の四肢を切断し食糧としてその場で食ったり持ち帰ったりした。降伏した兵士も生きたまま食われたりもした。死体は首も落とされ、頂上には兵士の首が長さ1.8mの木の棒に刺されて見せしめにされた。余った胴体は内蔵を抉られ、中身も無くなった胴体は家畜の餌になった。また、降伏して捕まった2人の女性の情報担当官はオークやゴブリンに犯され、暴行もされた。その後は1人がもう1人を見ている所で剣で刺され殺された。低級魔物は倫理観が欠如しているため、このような非道な行為を行うことが多い。
大軍勢の魔物がどれだけ恐ろしいか連合軍は再認識させられた。
8月7日正午
敵の大規模増援で連合軍は高地での戦いで大きな損害を出した。また、包囲された中隊、大隊がいくつかあり、抵抗を続け救出を待つのもあるがそのほとんどは殲滅し、多くのが兵士が捕虜となり収容所に送られるかその場で銃殺、あるいは拷問をされた。
高地は完全に奪い返され、戦況は高地攻略前の状況へ戻っていた。
連合軍はここに来て初めて屈辱的な敗北をした。敵は追撃せず高地と平野で防備を固めている。連合軍は高地と平野の攻略には多大な損害が出るため、新たな侵攻計画立てていた。
西都ヘリオン 連合軍司令部司令室
コンコン
ノックの音がし「入れ」と言うと補佐官が報告に来た。
「報告です。高地攻略ですが、魔帝国軍の増援により被害は甚大。されど今ある部隊の撤退を完了しました。……作戦失敗です。」
「そうか……。大尉、たしか包囲され取り残された部隊があったよな?救出できそうか?」
「単刀直入に言うと無理ですね……。悔しいですが。」
「はァ……まぁ救出が難しいことは分かってはいたさ。聞いてみたかっただけだ。それで、その取り残されたのはどこの部隊だ?」
「はい。どうやら米陸軍、皇国海兵隊、ドイツ陸軍だそうです。」
「………そうか。ところで君は助けに行きたいと思うか?」
「もちろんであります。例え1人も死なせず救出したいです。」
「そうか。よし、決心がついた。救出作戦を開始する。参謀と、各軍の司令官を呼んできてくれ。」
「はっ。」
補佐官が敬礼をして部屋から退室する。その後、救出作戦の会議が行われた。
8月10日午前10時00分
包囲された部隊との通信に成功した。場所は平野の前にある森林の山小屋と近くの洞窟、そして簡易的な塹壕を掘り隠れている。生き残りは342名。内重傷者は89名、軽傷者は112名。敵は未だ発見できずにいるが時間の問題だ。
作戦が開始されアパッチとコブラの部隊、無人攻撃機が先行し、ブラックホークやチヌーク、スタリオンが飛びたった。戦闘機も4機が上空で待機している。
午前11時38分
先行していた無人攻撃機が敵地上軍を発見。偵察の後爆撃した。攻撃ヘリ部隊も敵地上軍を発見。中隊本部と思われる場所にいた機甲部隊や車両を撃破していった。
しかし敵も見逃すはずもなく近距離ミサイルをぶっぱなしてきた。アパッチ1機が撃墜されるも、敵の防空ミサイル部隊を叩き、一帯の制空権を確保した。
制空権を確保した救出部隊は孤立していた味方部隊と合流。洞窟と小屋の周囲に機動戦闘車、装甲車を展開し警戒している。そこに輸送ヘリを着陸させ、負傷者を搬入する。しかし無人機からの情報で敵軍がこちらに攻撃を仕掛けようとしているのが分かった。
機動戦闘車を敵正面に展開させ、防御戦闘に移行する。もう少しで収容が終わるところでどこからかズドン!ズドン!という音が聞こえてくる。その瞬間収容していたヘリ1機が爆発した。敵軍の砲撃が着弾したのだ。ヘリの破片が飛び散り、残った部分が燃えている。
18名の負傷者と3名の乗員が死亡した。残りのヘリは何とか離陸し戦闘機に護衛されながら離脱した。地上軍も敵軍が来る前に離脱し、撤退に成功した。
救出作戦は終わり、342名中324名が生還。作戦参加兵士7名が死亡した。この奇跡的な救出作戦は連合軍兵士を歓喜させた。
8月20日
連合軍の作戦司令本部では第二次高地攻略作戦の準備が進められていた。魔帝国軍の兵器に対抗するため、大量の戦力を投入する予定だ。特にB-52爆撃機が大量に投入され、空からの絨毯爆撃で先制するようだ。作戦開始日は9月2日。この戦いが魔帝国の運命を決める。この戦いに敗れると首都に攻め込まれ降伏を迫られてしまう。どちらの軍も戦いに備えていった。
戦術とか見てて面白いです