魔法を使って人気者になりたいっ! 作:いちごみるく
地獄の訓練開始からはや5日、今日は6日目最終日。ある程度の体力はついてきた。こんなにはやく体力がつくなんて……やっぱり私の才能は素晴らしいね!
才能と言えば、 研修の前にアップした初めての戦闘の動画は、はやくも10万回再生を越えて、チャンネル登録者も1000人になっていた。
初めて系の動画は再生回数が伸びやすい傾向があるが、新人なら平均5万回くらいらしい。
1番有名なサイトの新人発掘掲示板でも名前が上がっているのを見れたし、人気者への道を一直線に駆けている実感がある……ただ、動画サイトのコメント欄でも掲示板でも脳筋って書かれていたのが赦せない。
物質生成魔法しか目立たなかったのが原因だと思うが、しっかりと幻覚魔法も使っていたのに……[力任せにナイフを投げるだけの動画][音速に近い速度でナイフを投げるって本当に女か?]とかなんとか誹謗中傷もいい所だ。ベテランの人達はもっと大きい速度で槍とか投げているだろうに……
ただ、その中にも命中精度とか避けられた時の予備を残したところとかを褒められていたから、そこは嬉しかったし良かった。
――閑話休題
訓練も6日目ということで、現状の体力テストをして、今後数ヶ月の訓練メニューを組み立てる予定らしい。
一応、ここでメニューの組み立てを失敗しても、魔法使いはトレーナーさんに格安で依頼出来るらしいので大胆に決めても良いっぽい。
よし、体力テストがんばりますか!
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「ふぬぬぬぬっ!」
体力テストの結果早見表を見て私は絶望している。
確かに、初日よりは身体能力が上がっている気がするけれど、それでも同性同学年の魔法使いの平均には届いていなかった……私は天才などでは無かったのか……
「ノアちんやっぱり運動ダメダメだねぇ」
「うるさいやい!ていうか、勝手に記録覗かないでよ!」
ユキちゃんに後ろから勝手に覗かれて文句を言ったけれど、ユキちゃんはそれを意に介さず彼女自身の結果が書かれた紙を見せつけてきた。
そこにあった結果は――
「全ての結果で負けている……だと?」
「自主トレさぼってたのはノアちんでしょ?自業自得だね!」
自主トレの事を言うのは卑怯だと思う。魔法使いにはなったばかりだし。だから、「う、うるさい!伸び代はワテクシの方が大きいはずだし」と負け惜しみを言っても問題は無いだろう。無いはずだ。
「へぇ?頑張ってね?」
ユキちゃんに嘲りが入った表情で言われてしまった。負け惜しみの代償は重かった。