魔法を使って人気者になりたいっ! 作:いちごみるく
3月18日、魔法免許と仕事用スマートフォンを受け取った。
魔法免許は身分証明と魔石買取時に必要なもの。仕事用スマートフォンは、中継をするのならばその媒介になるのと、協会が魔物発生を探知魔法で察知するか、通報を受けた時に、近くの適正の強さの魔法使い達に、連絡が来るようになっている。
連絡を受けた場合は原則拒否不可能で、仕事が出来ない時は事前に日付と時間を指定して拒否設定を行っておかなければならないことになっている。
私の場合は学校がある日は放課後1時間後まで、ない日は基本的に拒否設定は行わないつもりだ。
ちなみに、深夜や近くに魔法使いが少ない地域の防衛は協会職員の魔法使いが対応する。私たち魔法使いは基本的にアルバイト扱いなのだ。
中継も魔法使いのイメージアップの為にする事を推奨されているし、再生回数で収入もあるが、どうしてもやりたくない場合はやらなくてもいいみたいだ。私はするつもりだが……
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3月19日15時20分。仕事スマホに連絡が来たので、身体強化魔法を使用して現場に向かって駆ける。
今回戦うのは、6本足の獣型の魔物だ。新人でも戦える力量だと協会が判断をしたらしい。
人生での1番初めの戦闘が1番敗北する可能性が高いらしく、3年以上活躍している協会職員が既に到着していて、何時でも助けられるところに控えているようだ。
走ること2分。現場から100メートル程の民家の屋根の上に到着し、対魔物領域魔法を使用する。
80メートル程離れたところに茶色の1mほどのナニカがいた。領域内には、魔物と領域に入ることを望んだ人間しか取り込まれないのであれが魔物だろう。
対魔物領域魔法の探知にも反応があるし……ってか魔法から伝わってくる感覚的に、圧倒的格下って言われてるんだけども。まぁ、初めてだし油断せずに行きますか。
魔物に気付かれないうちに『物質生成』魔法で刃に毒が塗ってある短刀を5本生成し、それを2本投げる。それと同時に『幻覚』魔法で魔物の意識と五感を切り離し、残りの短刀をいつでも投げられるように構えておく。
短刀を投げてから魔物に当たるまでは約0.4秒。短刀は魔物に当たっても勢いが落ちずに魔物を貫いた。衝撃を伝えられる鉄球の方が破壊力があったかもしれない。
体の2箇所に穴を空けられた魔物は暫く立っていたが、毒が回ったのか血を流しすぎたのか、唐突に身体が凝縮されていき小さな岩になった。あれが魔石だろう。
魔物が魔石になったのを確認してから、構えを解いて魔石を回収して、東京のマンションに帰り、スマホに保存されている映像を専用アプリで『初めての戦闘』と言うタイトルと共に、ネットの海に放流した。
初めての魔物との戦闘は上手くいった。次からも頑張ろう。
魔法協会の職員は結局最後まで姿を見せなかった。姿を現すのは死にそうになった時だけで、それ以外なら関わらずに帰るってことなのかな?
戦闘の中継放送アプリの仕組みはゆーちゅーぶみたいなもの。
戦闘映像はあらゆる視点で全て仕事スマホに記録され、後から編集して動画に出すことも出来るし、戦闘前に設定すれば生放送も出来る。
始まりは、超常の力を持つ魔法使いたちが過ごしやすくなるようにと導入された仕組み。
YouTuberみたいに、ゲーム動画など戦闘に関係ない動画も投稿できる。 配信アプリでは、戦闘とそれ以外に分かれていて、新着欄や急上昇欄等がある。検索機能も充実していて、細かい絞り込みなどが出来る。
ちなみに、戦闘を認められるのは中学生以上で未成年(18歳以下)は親の許可が必要。
主人公の戦闘は、全て遠距離から鉄球で粉砕して、粉砕できないものは劇毒でぶち殺すというもの。
幻覚魔法を使うことで、相手には認識されないし、感覚を狂わせることで、こちらの攻撃は全て必中と化す。
実は