【完結】もしもウマ娘がブラコンお姉ちゃんだったら最高だよね杯   作:藤原ロングウェイ

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念の為『キャラ崩壊』タグを追加しましたが、私の中のシンボリルドルフ(姉)はいつもこんな感じです。


シンボリルドルフ(ブラコン度:S)と弟の日常の場合

【シンボリルドルフと弟とエアグルーヴは苦笑いになった】

 

 昨日、アスカがエアグルーヴと二人で買い物にいっていた。私にナイショで。

 あとをつけると、おしゃれな雰囲気の露天でお互いにペアなアイテムを選び合っていた。私にナイショで。

 ……由々しき事態である。

 

 

 ということでアスカを資料室に呼び出す。

 

「アスカ。ルナ姉ちゃんに言うことがあるんじゃないか?」

「ん? ……いつもお疲れ様?」

 

 ウマ心がぴょいぴょいした。

 ……はっ!? だまされんぞ!

 

「ありがとう。でもそうではない」

「ん~、なら……ルナねぇ大好きだよ?」

 

 ルナ姉ちゃんもアスカが大好きだよぉぉぉぉぉ!!

 …………はっ!? 落ち着け、私。ビークールだ。

 とりあえずあとでもう一度言ってもらって録音させてもらうとして、それはそれ、これはこれだ。

 

「……昨日、エアグルーヴと出かけていたな?」

「あー」

 

 軽いな!? あーってなんだあーって!

 おかげでこっちは眠れぬ夜を過ごして寝不足だと言うのに……!

 

「ん~……こじれると面倒だなこれ。ちょっと待ってて。エアグルーヴ連れてくる」

「あ、おい!」

 

 私の言葉を待たずに資料室をでていくアスカ。

 いきなり連れてくるのか。姉ちゃん心の準備整ってないよ。

 どうする……アスカがエアグルーヴを連れてきたらなんと言えばいいんだ?

 

悪魔ルナ『卑劣な手段でもって弟を奪おうとするやつは誰であろうと敵だ。例えそれがエアグルーヴであってもだ』

 

 お前は悪魔ルナ!

 うるさい! エアグルーヴはそんな女ではない!

 

天使ルナ『話し合いから始めるべきよ。最初から敵と判断するべきではないわ』

 

 おお、天使ルナ! さすが私の良心だ! 良いことを言った!

 

悪魔ルナ『甘っちょろいことを言いやがって。アスカは渡さん!とガツンと言ってやれ!』

 

 黙れ悪魔! お前の好きにはさせん!

 

天使ルナ『まずは軽く当たるべきよ。この前二人で出かけていたようだが?くらいで様子を探るべきだわ』

 

 天使ルナ! お前は本当に頼りになるな!

 悪魔ルナ! お前も天使ルナを見習え! 全く、誰に似たんだ……

 そうだ、まずは皇帝の威厳を保ちつつ軽い感じで切り出そう。

 この前二人で出かけていたようだがどこへいっていたんだ? 私も誘ってくれればよかったのに、水臭いな、ハッハッハ。

 これでいこう。

 

天使ルナ『大丈夫よ。私へのプレゼント選びを手伝っていたとかそういうオチよきっと。アスカとエアグルーヴを信じるべきだわ』

 

 天使ルナ!! お前というやつはなんて素晴らしいんだ!

 そうだ、そうに違いない。というかそれしかない!

 驚かせないでくれ二人とも。はっはっは。

 

悪魔ルナ『贈り物なのになんでお揃いのペアアイテムを選びあってんだよ。おかしいだろ。そもそも誕生日でもないのにプレゼントなんか贈らないだろ。現実を見ろよ』

 

 そ、そんなことは……

 て、天使ルナ! 何かいってやってくれ!

 

天使ルナ『黙秘権を行使します』

 

 なっ!? て、天使ルナ!?

 ここにきて変な汗が出る対応はやめてくれ!

 あまりの出来事に私は頭を抱えてしまう。

 もし二人がここにやってきて『付き合うことになりましたー』とか恥ずかしそうに言い出したら、私はどうすべきなんだ……

 いや、ウマ娘誰もが幸福になれる時代を目指す皇帝シンボリルドルフとしては喜ぶべきなのはわかっている。

 しかし、(アスカ)が大好きなルナ姉ちゃんとして弟は絶対に渡さない!という気持ちもある。

 ああ、どうすれば……時間よ止まれ……

 

 そんなことを考えていても時間は止まらず、資料室のドアが開きアスカが中に入ってくる。

 平常心、平常心だ……まずはかるーく『昨日どったの?』くらいのレベルで切り出そう。

 相手はエアグルーヴだ。私の戦友であり親友だ。何を恐れることがある。

 そしてアスカの後にエアグルーヴが入ってきた。

 

「会長、あ──」

「お前に決闘を申し込む!!」

 

 エアグルーヴの言葉を遮った私の大声の後、室内がシーンと静かになる。

 エアグルーヴは驚いたようにポカーンとした顔をしている。

 それはそうだろう。

 部屋に入ったら戦友にして親友からいきなり決闘を申し込まれたのだ。

 誰だって驚くだろう。私だって驚く。

 しかし、勘違いしないでほしい。

 

 この中で一番驚いているのは私なのだから!!

 

 なんかもう、あれだ。よくわからん。

 皇帝の威厳を保ちつつ軽い感じで切り出そうと思っていたら、いつのまにか決闘を申し込んでいた。

 何を言っているかわからないだろうが、私もよくわからない。

 エアグルーヴの顔が見えてアスカの一番が私ではなくエアグルーヴになってしまうと思ったら、さっきまで考えたことなど頭から吹き飛んでいた。

 誰か、この現状をどうすれば収まるのか教えてくれ……!

 

悪魔ルナ『ガンガンいこうぜ!』

 

 お前には聞いていないぞ悪魔ルナ!

 天使ルナ! いないのか!? お前の意見を聞かせてくれ!

 

天使ルナ『ガンガンいくわよ!』

 

 て、天使ルナ!? お前もか!? お前もなのか!?

 私は勇猛邁進して道は自ら切り拓くしかないのか!?

 私が混乱していると、アスカのため息が聞こえた。

 そして。

 

「くるっと回ってワォ! 一着のポーズ!!」

「「…………」」

 

 アスカがビシッ!という感じで謎のポーズを決める。

 私もエアグルーヴもついアスカを見てしまう。

 くそ、ゴールドシップの持ちネタなのが癪だがアスカがやるとかわいいな!

 

「……二人とも、少しは落ち着いた?」

「あ、ああ」

「その……すまない」

 

 アスカの頭がゴルシったわけではなく、私達を落ち着かせるためにやったようだ。良かった。

 ネコダマシのようなものだったが、効果は抜群だった。

 

「変な勘違いはさっさと解決するに限るので説明します。俺は自分とルナねぇとのお揃いのアイテムを、エアグルーヴはエアグルーヴとルナねぇとのお揃いのアイテムを買っただけ。以上」

「そ、そうです! ただそれだけです!」

 

 クールなアスカとは裏腹に狼狽しているエアグルーヴ。

 

「……なぜ二人でいったんだ?」

「俺より皇帝シンボリルドルフ(・・・・・・・・・・)に詳しいのはエアグルーヴだったし、エアグルーヴよりルナねぇ(・・・・)に詳しいのは俺だったから。お互いに知らないルナねぇを話そうって感じで話してて流れでなんか買おうかって話になっただけ」

 

 そんな流れがあるのか……?

 そういった経験がないから全くわからん。

 だがアスカがそう言うならばそうなのだろう。

 

「そ、それならそうと言ってくれれば……」

「『エアグルーヴと色んなルナねぇの話をするんだけどルナねぇも来る?』って本人に言うの? そして本人の目の前でその話するの? 俺は別にかまわないけど──」

「それはさすがに恥ずかしすぎるわ、たわけ!」

 

 アスカの言葉に顔を真っ赤にしながら怒鳴るエアグルーヴ。

 

「……ね? こうなっちゃうでしょ?」

「つまり、杞憂だったということか?」

「杞憂も何も、勝手にルナねぇが勘違しただけの話でしょ。はいこれ、日頃の感謝のプレゼント」

 

 渡された小さな箱を開ける。

 そこには……

 

「ペンダント……」

「手作りのペアペンダントで、月と鳥がモチーフらしくてさ。珍しくてつい買っちゃったよ。俺たち専用っぽくない?」

「…………あすかぁ!!」

 

 エアグルーヴがそばにいることも忘れてアスカに抱きついてしまった。

 仕方ないじゃないか、それくらい嬉しかったんだから!

 

「てっきり、アスカが私のそばを離れていくのかと……」

「あははは、ルナねぇから邪魔だって言われない限り、どこまでもついてくよ」

「あすかぁ……」

 

 私達は姉と弟。

 いつか、離れてしまう運命だったとしても。

 それでも、その時までは私のそばにいてほしいんだ。

 それまで、もしも叶うなら永久に、アスカの一番は私がいい……

 私は心からそう願った。

 

 

 

「……あの、会長。私も一応会長へのプレゼント買ったのですが……いえ、なんでもないです」

 

 エアグルーヴは苦笑いになった。

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