【完結】もしもウマ娘がブラコンお姉ちゃんだったら最高だよね杯   作:藤原ロングウェイ

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えっちなのはいけないと思います系ブラコンお姉ちゃん、グーねぇ再登場。

新サポカのナリタブライアンとカレンチャンのイラストが素晴らしすぎて目眩がしました


グラスワンダー(ブラコン度:A)と弟の日常の場合

【グラスワンダーと弟と巻き込まれ事故のスペシャルウィーク】

 

 今日は忙しくてお昼を食べられなかったため、練習前にちょっと軽く何か摘もうかとカフェテリアに寄る。

 するとグーねぇの友人でありライバルでもあるスペちゃんことスペシャルウィークがもぐもぐと巨大焼きそばパンを食べていた。

 もうすぐ練習の時間では……?

 

「スペちゃーん」

「あ、アスカくn……じゃなくてアスカトレーナー」

 

 スペちゃんがしまった!って顔をする。

 

「その、すいませんアスカトレーナー」

「はっはっは、いやいや、友達の弟だからついそうなっちゃうのも仕方ないよね。グーねぇがいつもアスカアスカ言ってるし。気にしないから好きに呼んでちょ」

「でも、その、トレーナーの威厳とか……」

「担当ウマ娘に薙刀突きつけられて『お姉ちゃんごめんなさい!』とか言ってるトレーナーにそんなものは存在しないから大丈夫さ……」

「あははは……」

 

 俺の言葉に苦笑いのスペちゃん。かわいい。

 

「俺は小腹がすいたから軽く摘む予定で来たんだけど、スペちゃんはどうしたの。もうすぐ練習じゃない?」

「あ、はい。私も同じく小腹が空いちゃって、軽く摘む程度に……」

「ほぅ……?」

 

 この量が軽く摘む程度?と目を向けると、あわあわしながらすぺちゃんが捲し立てる。

 

「でも、ほら! ご飯じゃなくて消化の早いパンですから! これくらいなら練習始まる直前くらいで全部消化できちゃいますから!」

 

 どんな胃袋やねん。

 その焼きそばパン、俺の腕くらいあるよね?

 しかも焼きそば入ってるから結局パンだけじゃなくて麺も食べてるよね?

 ……まぁスペちゃんがそう言うんだ。そうなのだろう。

 

「今日はグラスちゃんと一緒じゃないんですか?」

「いくら担当で姉弟だからといって、常に一緒にいるわけじゃないからね」

「そ、そうですよね。いつも一緒にいるシーンしか見ないから、つい。あははは」

 

 ……まぁ授業以外は平日だろうが休日だろうがほぼ確実に一緒にいるけどね。

 

「スペちゃんの担当は沖野さんだっけか」

「はい!」

「クソヤベェやつって評判だけど、トレーナーとしての腕だけは確かみたいだからいい人が見つかって良かったね」

「初対面でいきなりトモ触られましたけどね……」

「やっぱり……」

 

 あの人のアレは超特技かつ病気だからなぁ……

 すごいんだけど、出来るとしても真似はしたくねぇ。殺される。

 

「もしかしてグラスちゃんも……?」

「まさか。俺がいるのにそんなことさせると思う?」

「おー、かっこいー!」

 

 スペちゃんが笑顔でパチパチと拍手してくれる。やっぱかわいいなこの子。

 

「……まぁ実際は沖野さんがグーねぇのトモ触ろうとして、俺が『何すんだてめぇ!』って言う前にグーねぇが薙刀を構えて刃を沖野さんの首にあてがってたけどね」

「えっ」

 

俺の言葉に固まるスペちゃん。

 

「すごかったよー。『白昼堂々とそんな破廉恥な行為をするなど日本男児の風上にも置けません。辞世の句を詠み上げる時間だけは差し上げます』って。俺の姉ちょうかっこいい!と思ったね」

「トレーナーさん、よく生きて帰れましたね……」

「俺が沖野さんの顔知ってたからね。ストップストップ!って止めて、トレセンのトレーナーさんだから!って必死に説得してなんとか。沖野さんから超感謝されたわ」

「あ、あははは……」

 

 そんな話をしていると、突然俺の第六感がナニカを感じとる。

 このシスタリックオーラは……!

 

「……曲者!」

「きゃっ!?」

 

 俺達が座っていた席の近くにあったドアをガッ!と開けると、そこにはグーねぇが座っていた。

 ドアに耳をつけた状態で。

 どう見ても盗み聞きしてましたねこれは。

 

「……グラスちゃん、何やってるの?」

「…………スペちゃん、こんにちわ。奇遇ね、こんなところで」

 

 スペちゃんの言葉にパンパンとスカートをはたきながら立ち上がり、にっこりと笑顔で返すグーねぇ。

 

「……何やってたの?」

「何が?」

「……今、俺たちの会話を盗み聞きしてなかった?」

「アスカが何をいってるのかよくわからないわ。日本語でお願いできる?」

 

 日本語だわ。

 つーかあなたアメリカ生まれなんだから、そこは英語をお願いするべきではないのか。

 

「えっと……」

「スペちゃん、諦めるんだ。この米たべたいけどやせたいなーって顔をしてるグーねぇには何を言っても無駄だ……」

「そ、そうなんだ……」

 

 スペちゃんはうちの姉の奇行を初めて見たようだ。

 まぁグーねぇは一見すると才色兼備の大和撫子に見えるからね。

 実際はっぽく見えるだけで中身は坂東武者なんだけど。

 

「二人は何していたの?」

「軽く摘みながら雑談を。今日ちょっとお昼食べそこねちゃってさ」

「お昼ごはんはちゃんと食べなきゃダメよ」

「わかってるんだけど、なんか七色に光る不審人物が発見されたとかで緊急会議がはいっちゃって」

「なにそれ……?」

「さぁ?」

 

 そんな会話を終えると、グーねぇはスペちゃんをじっと見つめる。

 

「えっと、グラスちゃん、どうしたの?」

「……スペちゃんはアスカのことをどう思っているのかしら?」

「へ? どう、って?」

「アスカのこと、好きなの?」

「……は、はぁぁぁ!?」

 

 グーねぇの当然のフリにめっちゃびっくりしているスペちゃん。

 いきなりそんな事言われればそうなるわな。

 

「スペちゃん、気にしなくていいよ。グーねぇ、俺と仲良さそうな女の子には全員にコレやるから」

「姉としてそのあたりはちゃんと把握しておかなければいけないでしょう?」

「え、えぇ~……」

 

 グーねぇの言葉にドン引きしているスペちゃん。

 まぁ普通そうなるよねぇ。

 すると今度は急にこっちを向くグーねぇ。

 

「アスカはスペちゃんのことどう思ってるの? 好きなの?」

「グイグイくるなぁ……まぁかわいいとは思うよ。二重丸」

「え、えぇぇぇ!?」

「とはいえ、やっぱ『姉の友達』が一番最初に来るからそっち方面には発展しないと思うよ」

「そ、そうだよね。あーびっくりしたぁ」

 

 なんかほっとしたような感じのスペちゃん。

 自分でそっち方面には発展しないと言いながらアレだけど、そこまで露骨にほっとされると正直辛いです。

 

「なるほど……じゃあ、今度デートしてみるのはどうかしら?」

「「……はぁ!?」」

 

 グーねぇの言葉に俺とスペちゃんの悲鳴が重なる。

 何を言い出すんだこの(ひと)は。

 

「二人で話をしたらもっと仲良くなれると思うの」

「そりゃそうかもしれないけどさ……」

「……ちょっと急じゃないかなぁ?」

 

 グーねぇの言葉に顔を見合わせながら返事をする俺たち。

 アイコンタクトで『ごめんね』と送ると『いいよいいよ、気にしないで』と返事が返ってきた(気がする)。

 めっちゃいい子やなスペちゃん。

 グーねぇが気にいるのもわかるわ。

 

「そう? もしデートする時はちゃんと事前に言ってね」

「……ア、アスカトレーナーとデートする時はグラスちゃんに今度デートするねって言わなきゃいけないの?」

「だってそうしないと私の予定も合わせられないでしょ?」

「……なんで俺とスペちゃんのデートにグーねぇの予定が関係あるの?」

「え? 一緒にいくからよ?」

「「…………」」

 

 無言になる俺とスペちゃん。

 弟のデートに付いてこようとしてますよこの(ひと)

 

「スペちゃんは私の友達だし、アスカは私の弟。だったら私が一緒でもおかしくないでしょ?」

 

 おかしいことしかありませんが。

 

「姉として(アスカ)がちゃんと女の子をエスコートできるか見ててあげなきゃいけないし。それに……」

「それに?」

 

 なぜか赤い顔をしながらコホンと咳をするグーねぇ。

 

「その、アスカも男の子だから、つい、その、て、てててて手を繋ぐようなふしだらな行為に走ってしまうかもしれないでしょう? 姉としてちゃんと監視しないと」

 

 てててて手を繋ぐのもアウトですか。

 判定厳しすぎない? 完全アウェーで戦うサッカー選手かな?

 つーか、あれ? おかしくない?

 

「俺、グーねぇと手を繋いで買い物したりしてるけど、それはいいの?」

「私は姉だもの。問題ありません」

「「…………」」

 

 相変わらずグーねぇの『姉はセーフ理論』の判断基準がよくわからん。

 

「……アスカトレーナー。その、なんて言ったらいいかわかりませんけど……頑張ってくださいね」

「ありがとう」

 

 スペちゃんの慰めの言葉に、俺はそんな返事しか返せないのだった。

 

「……私、なにか変なこといったかしら?」

 

 小首を傾げているグーねぇ。

 俺はシスコンだけど、これだけは言わせてもらう。

 

 ブラコン乙!




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