【完結】もしもウマ娘がブラコンお姉ちゃんだったら最高だよね杯 作:藤原ロングウェイ
絶対弟を堕とすカレンお姉ちゃんVS絶対姉の誘惑には屈しない弟(敗色濃厚)
(※カレンチャンは実際にはお兄さんがいますが、この作品では二人姉弟という設定です)
俺の名はアスカ。トレセン学園の新人トレーナーである。
そして、人は時に俺を【
その由来は──
「だ~れだ?」
天気が良かったので中庭のベンチに座り、スマホを開いていると、そんな甘い声と共に視界を塞がれる。
「……カレンさん」
「はーい、大正解で~す♡ アスカちゃんの大好きなお姉ちゃんですよ~?」
そんな返事とともにとてつもない美少女が俺の前に姿を表す。
そこにいたのは俺の担当ウマ娘であり姉でもあるカレンチャン、通称レンねぇだった。
ただ、様々な事情があり、公私混同しないためにも外では『カレンさん』と呼び、敬語を使っている。
「いつも言っていますが、距離が近いです」
「そう? でも姉弟なんだし、これくらい普通だよ?」
「それでも知らない人が見たら驚くでしょう。カレンさんの評判も下がるかもしれません。気をつけてください」
俺の言葉を受けて、レンねぇが微笑む。
「心配性だなー……ふふっ、でもアスカちゃんのそういうところもお姉ちゃん好きだよ♪」
「……ありがとうございます。カレンさんはここで何を?」
「特別授業で移動の最中だよ。そしたらアスカちゃんが見えたから来ちゃった♡」
来ちゃった♡って……
「なら今は授業中ですね。早急に戻ってください」
「もー、アスカちゃんはこんなにかわいいお姉ちゃんに会えたのに嬉しくないのー?」
「嬉しいですよ。授業にちゃんと出てくれたらもっと嬉しいです」
「ぶー」
わかりやすく膨れるレンねぇ。
しかしすぐに笑顔になり、俺のスマホを覗き込む。
「何見てたの? お姉ちゃんの写真? 言ってくれれば目の前で好きなポーズとってあげるのに♪」
「……直近の予定とトレーニングメニューの確認、それとつい先日発表された○○教授のウマ娘のトレーニングに関するレポートです」
「昨日も見てなかった? ふふっ、真面目だぁ」
「同じ成果ならより負担の少ない方法を、同じ負担ならより成果が出る方法を探すことが私の役目ですから」
「……お姉ちゃんのため?」
「……当然です」
そんな会話をしている時、突然中庭にビュゥゥゥ!と一陣の風が吹く。
バッとスカートを抑えるレンねぇ。
「……見た?」
「見たも何も、スカートがまくれる前に手で抑えたんだから何も見えないでしょう」
「じゃあお姉ちゃんが手で抑えなかったら見たんだー。えっち♡」
「……カレンさん。そろそろ移動しないと本当に間に合わなくなりますよ」
「くすくす。はーい! じゃあお姉ちゃんいくね! アスカちゃん、またあとでね♡」
軽く走り出したレンねぇが、少しいったところでクルッとこっちを向く。
「アスカちゃん……お姉ちゃん、かわいい?」
「……ええ、もちろん」
「一番?」
「……ええ、一番です。自慢の姉ですよ」
「えへへ、ありがと♡ 今日も皆にカワイイを届けるために、お姉ちゃん頑張るね!」
手を降ってその様子を見送る。
そして周囲を見渡すと、こちらに視線を送りヒソヒソと小声で話すウマ娘たちの姿が目に入る。
全く、デバガメの多いことだ。油断できんな。
恐らく『すごい、あのカレンチャンのかわいさを前に冷静さを保つなんて……!』とか『さすがは【
ふん、十年以上レンねぇの弟をやってる俺を無礼るなよ。
とりあえず俺は何事もなかったかのように移動を開始し、学園内の片隅にある大樹の切り株まで来る。
そして──
…………グハァッ!!
俺は心の中で盛大に吐血した。
そして切り株の穴に顔を突っ込み絶叫する。
俺の姉、かわいすぎるやろぉぉぉぉぉ!!
なんなんだあのKAWAII生物は!?
国で保護するべきではないのか!?
……いや、国で保護されたら会える時間が減る。却下だ。
しかし危なかった。
108ある
恐ろしい姉ですよ……
つーか、えっち♡ってなんだよ、えっち♡って。
俺を殺す気かよ!
あんたの方がエッッッッッ!だよ!!
ああぁぁぁ、ちくしょぉぉぉ。
本当はさっきの『お姉ちゃん、かわいい?』の時に叫びたかった。
宇宙で一番かわいいよぉぉぉぉぉ!!と。
しかし、それは許されない。
ただでさえ人気と注目度が高いレンねぇだ、男トレーナーとのスキャンダルなんてタブーオブタブーである。
もちろん俺は弟だ。
だが、世の中にはそれすら許せないというものもいる。
それが問題になっていないのは、ひとえに俺がレンねぇに対し(公の場では)塩対応だからである。
『うちの姉? ええ、まぁかわいい方ですよね。シスコン? 知らない子ですね……?』という顔をしているからこそ俺は弟トレーナーとして側にいることを許されてる感がある。
さらに言うと、レンねぇの俺への過剰スキンシップはそれなりに有名である。
もしこれで俺までレンねぇに過剰なスキンシップやべた褒めをしたとしよう。
例えばである。
『だ~れだ?』
『かわいくてお茶目でかわいくて優しくてかわいくてかわいい俺の大好きなレンねぇ♡』
『はーい、大正解でーす♡ アスカちゃんの大好きなお姉ちゃんですよー?』
『レンねぇ大好き―! ぎゅー!』
『もー、あまえんぼなんだからー♡ ぎゅー♡』
どうだろうか。
もはやバカップルがイチャイチャしてるだけにしか見えないのだ!!
そうなったらファンが発狂してアンチとなり妨害活動を行うかもしれない。
『弟とは言え男とイチャイチャするなんて、カレンちゃんには失望しました。スマートファルコンのファン辞めます』となってしまうかもしれない。
故に俺は、鋼の意志を持ってクールに務めなければならないのだ!
俺はこの先もずっと走り続けるぜ、この果てしない弟坂をよ!!
しかし、この時の俺は知らなかった。
さっきのウマ娘たちが実は──
「アスカトレーナー、あれで本気でシスコンなのがばれてないと思ってるのかしら?」
「レースの度に『カレンチャン命!』ってハチマキ巻いて、『Curren is Kawaii in the world!』とか書いてあるド派手な法被来て『カレンチャン!』『可憐じゃん!』とか謎のダジャレが書かれてるうちわ二つ持って叫びまくってるのにね」
「しかもカレンチャンファンクラブ創設者兼名誉会長で会員ナンバー00000とかいう純銀製会員証まで持ち歩いてるのにね」
「アホだよね」
「アホだよねぇ……まぁだからこそファンからもカレンチャンの唯一のトレーナーとして認められてるわけだけど」
──なんて会話をしていたという事実を。
小悪魔系妹キャラを姉化するという、姉弟系作家(自称)である藤原ロングウェイ初の試み。
読者の皆さんはいかがだったでしょうか?
感想、ここすき、お待ちしています。
あとカレンチャンが恋愛強者すぎてブラコンになっても本家とあまり変わらない……この娘強すぎない?