【完結】もしもウマ娘がブラコンお姉ちゃんだったら最高だよね杯   作:藤原ロングウェイ

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一週間ぶりの更新でドキッ!アグネスだらけの日常回です。

メジロドーベル実装&メジロブライト登場おめでとう!
メジロお姉ちゃんが増えるよ!やったねアスカくん!
ベルねぇとイトねぇもいつか書けたら書きたいですねぇ……(遠い目)


アグネスタキオン(ブラコン度:S)と弟の日常の場合

【アグネスタキオンとモブ娘とチームマッドティーパーティー】

 

 私はトレセン学園の生徒ではあるがトレーナーがついていないウマ娘、いわゆるモブ娘というやつである。ほっとけ。

 

 突然だが、このトレセン学園には(所属ウマ娘の数よりはずっと少ないが)多くのトレーナーが在籍しており、チームが存在する。

 しかし、そのチームの中でも『ヤバイ』と言われるチームは少ない。

 だが、トレーナーになりたての新人にも関わらず、すでに『メンバーもトレーナーも全員ヤバイ』と言われる新規チームがある。

 

 そのチーム名はマッドティーパーティー。

 

 チーム名が星座由来じゃない時点で変わり者確定だし、そもそもチーム名に不思議の国のアリスの狂気のお茶会を冠する時点でヤバイ。

また、『伝説のウマ息子がトレーナーをやっている』だの『マッドサイエンティストがウマ娘を悪の怪ウマ娘に改造している』だの『よくウマ娘が死んでいる』だのわけのわからない噂まで流れている。

 だが、新造のヤバイチームではあるが、それでも着実に結果は残している。

 私はこのチームに興味を持ち、あわよくば何か得られるものがあればと観察することにした。

 

 

 

「おお、あーくん! いいところにきたね! 素晴らしいタイミングだよ! ちょうどできたてホヤホヤの新しい実験薬を飲んでみてほしくてね」

 

 研究室といわれる怪しい部屋の前でアグネスタキオンとそのトレーナー兼弟であるアスカトレーナーが話している。

 つーか、ウマ娘なのに研究室持ってるって何? 何の研究してるの?

 ……はっ!? まさか、ドーピング的なアレ!?

 もしそうなら許されることじゃありませんよ!!

 

「今時間あるしいいよ。どれ?」

「これなんだが……」

 

 アグネスタキオンが実験薬なるものを申し訳無さそうにそっと差し出す。

 それは……

 

「嘘でしょ……」

 

 つい言葉が漏れてしまった。

 アグネスタキオンが取り出したのは、ビーカーの中でなぜかボコッ!ボコッ!と音を立てる紫色をした液体だった。

 どう見ても毒薬です本当にありがとうございました。

 え、あんなわかりやすい毒物ある?

 漫画とかアニメでしか見たことないわあんなの。ビーカーにドクロマークがついてないことが不思議なくらいだわ。

 しかもなんでアグネスタキオンは申し訳無さそうな顔しながらその毒薬を実の弟に差し出して『飲んで?』とか言ってるの? サイコパスなの?

 あんな死への特急券みたいな見た目の毒物を飲むクレイジーなやつがいるはずが──

 

「どれ」ゴクゴクゴクゴク

 

 ──いたよ。

 あんなヤベー毒物を腰に手を当てて躊躇なく一気飲みするクレイジーなやついたよ。びっくりだよ。

 え、そんなノーモーションで一気に飲めるもの?

 ひょっとしたら勘違いしてるのかもしれないけど、それ温泉上がりのコーヒー牛乳じゃないからね?

 

「ふぅ……はい」

 

 ビーカーをアグネスタキオンに返すアスカトレーナー。

 大丈夫かな、私がちょっと目をそらした瞬間に全身から血を吹き出すとかやめてほしいんですが。

 

「あーくん、体調に変化はあるかい?」

「ふむ。今のと……」

 

 話している最中に急に静かになるアスカトレーナー。

 え、もしかして立ったまま絶命した? こういう場合は病院? それとも警察?

 私が焦っていると……

 

「ファッ!?」

 

 つい声がでてしまった。

 いや、なんかアスカトレーナーが光りだしたんだけど。

 え、どういう原理?

 

「なんか俺、光ってない?」

「光っているね」

「はーすごいねー」

 

 他人事!

 どうやっても人間もウマ娘も光らないから!

 自分が光ってることにもっと疑問を持って!?

 

「穏やかな心を持ちながら激しい薬によって目覚めるという伝説のトレーナー、まさかあーくんがそうだったとは……」

 

 感心したような様子のアグネスタキオン。

 急にドラゴンボールを持ち出すな。

 なんだ激しい薬って。ウマ生で初めて聞いたわそんな単語。

 

「言ってみればスーパーアグネス人といったところかな?」

 

 ニヒルにそう言い放つアスカトレーナー。

 お前も順応するな。早いよ事態に適応するのが。あなた今光ってるのよ?

 

「ふむ……光ってもあーくんはかっこいいな」

「光ってなくてもタキねぇはかわいいね」

 

 アスカトレーナーのその言葉にアグネスタキオンの耳としっぽがブワッとなる。

 

「ハッハッハッハ! さてはあーくん、お姉ちゃんが大好きだね? ん?」

 

 なんだあの『彼氏に自分から大好きだよって言わせようとしてるめんどくさい彼女』ムーブは。

 アグネスタキオンってあんなキャラだったっけ?

 

「うん、タキねぇのこと大好きだよ」

 

 笑顔で即答するアスカトレーナー。

 セリフだけ聞くといい雰囲気に見えるけど、光ってるせいでアスカトレーナーは実は幽霊で今から成仏するシーンなのかな?とちょっとハラハラしてしまう。

 

「っっっっっ! そうかそうか! 全く、仕方がないねあーくんは! ハッハッハ!」

 

 すごいテンションだわ。軽く引く。

 ゲームみたいに私達に『ステータス:やる気』みたいなのがあったら3段階くらい上がってそう。

 

「んで、この薬はどんな効果で何が狙いなの?」

「ああ、さっきの薬は〜……」

 

 そして何事もなかったかのように話しながら研究室に入っていくアスカトレーナーとアグネスタキオン。

 噂以上にヤバイ奴らだったな……

 なんか心の中でツッコミしすぎて疲れたから今日はこれくらいにしよう。

 

 

 

 次の日。

 ポイズンマスターアグネスタキオンがあまりにもヤバそうだったので、今日はもう一人の担当ウマ娘を観察することにする。

 アグネスデジタル。こいつも相当ヤベーやつって話だけど……お、いたいた。

 アスカトレーナーとアグネスデジタルの二人を練習場にて発見。

 幸いなことにアグネスタキオンはいないみたいね。

 しかし、話をしている二人がなんかいい雰囲気と言うか、二人の世界と言うか……

 ま、まさかトレーナーと担当ウマ娘、共に頑張るうちに二人は次第に惹かれ合い……!ってやつ!?

 少女漫画で見たことある!

 よく見ると他のトレーナーやウマ娘たちも近づかないように距離を取っている風に見える。

 公然の秘密ってやつなのかな?

 ……よし、会話を聞いてみよう。

 あくまで観察だから。恋のレッスン123を盗み聞きとかじゃないから。

 コソコソっと近づき耳を傾ける。

 すると……

 

「そしたらタキねぇがさ〜」

「タキオンさんらしいですねぇ。 あ、そういえばタキオンさんが〜」

「全くタキねぇは。この間なんか〜」

「ふぉー! 尊すぎますよそれはぁぁぁ! さすがタキオンさん!」

 

 ……あいつら、アグネスタキオンのことしか話してないんだけど。

 二人の世界は二人の世界でも、恋愛的な甘いやつじゃなくてタキオン教の信者の集い的なやつじゃん。

 そら他のトレーナーやウマ娘たちも距離取るわ。

 

「よし、このままタキねぇ話を続けたいけど、今日のトレーニングもやらなきゃな」

「このままタキオンさんの話を続けたいですけど、しょうがないですね」

 

 どんだけアグネスタキオン好きなんだ。

 まぁいい。マッドティーパーティーの強さの秘密が掴めるかもしれない。練習を見させてもらおう。

 

 

 

「ヤバッ……」

 

 アグネスデジタルの走りを見てびびる。

 この前ダートであの(・・)スマートファルコンと競り合った上に同着一位だったからダート専門なんだと思ってた。

 芝もめっちゃ軽やかというか流れるように走るやん。バケモノかよ。

 そんなことを思っているうちに最終コーナーを終え最後の直線に入る。

 

「デジタルー! 俺の中のタキねぇはお前のもっと前を走ってるぞー! このままだとタキねぇのゴールした瞬間の最高の表情が見れないぞー!」

 

 何言ってんだこいつ……?(困惑)

 

「お前のアグネスタキオンを心の目で見て心の耳で聞いて心の鼻で嗅いで心の心で感じるんだー!」

 

 何言ってんだこいつ……?(二回目)

 えぇー、意味不明なんですけど……こんなトレーナー絶対嫌だわ。

 こんなクレイジーな言葉で速くなるウマ娘がいるはずが──

 

「ふぉぉぉぉぉ!! タキオンしゃぁぁぁぁん!!」

 

 ──いたよ。

 なんで今の発言で加速できるんだよ。どこに加速する要素あったんだよ。

 つーか十分速かったのにラストにもう一段階加速するとかなんなの? 勇者なの?

 そして凄まじい速さでゴールするアグネスデジタル。

 周囲のウマ娘たちも『うわっ、嫌なもん見た……』みたいな表情だ。

 わかる。あんな色んな意味でやべーウマ娘と戦うことを考えるだけでゾッとするわ。

 アスカトレーナーがアグネスデジタルに近づいていく。

 

「デジタルおつかれー」

「はぁ、はぁ……お疲れ様ですアスカトレーナー! 最後の一言で限界超えられた気がします! ありがとうございました!」

 

 アレのどこに限界超える要素があったの……?

 

「ふふふ、やっとその領域(ステージ)に上がってきたか。だが、先はまだまだ長い。『高み』で待っているぞ……」

「はい! いつか必ず追いついてみせます!!」

 

 そう言うと二人は笑顔で拳を合わせる。

 知らん……何それ……怖っ……

 私は逃げるように練習場を後にした。

 

 

 

 チームマッドティーパーティーは噂通り、いや、噂以上のやべー集団だった。

 さらにはオカルトマニアで有名なあの(・・)マンハッタンカフェまでもがチームに加入するのではないかという噂まで流れている。

 蛇の道は蛇というか、類は友を呼ぶというか……

 とりあえず、今回でわかったことが二つある。

 一つは、あんなヤベーやつらの真似をしても無意味だということ。

 そしてもう一つ。

 多分、ヤベー連中を自ら集めた上でちゃんと制御できてるアスカトレーナーが一番ヤベー奴だろうということ。

 以上。

 




ウマ娘姉化計画予定表に読者さんからいくつかリクエストを頂きました。ありがとうございます。
前向きに検討したいとは思いますが、リクエストのお姉ちゃんが実装されるかどうかは完全に姉神のみぞ知る感じです。ご了承ください。
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