【完結】もしもウマ娘がブラコンお姉ちゃんだったら最高だよね杯   作:藤原ロングウェイ

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評価、感想、ここすきありがとうございます。

テイオーお姉ちゃん様は退かぬ!媚びぬ!省みぬ!でも弟には甘いのだ!


トウカイテイオー(ブラコン度:A+)と弟の日常の場合 ①

【トウカイテイオーと弟と夢を駆ける】

 

「…………」

 

 皆さんおはようございます。アスカです。

 布団の中に入っていますが、外では鳥のさえずりが聞こえ、さわやかな朝であることを告げています。

 

 が、オレ、今ピンチ。体が動かない。

 あと目を閉じているのでわからないけど、ナニカにのしかかられているような重圧がかかってる。

 しかも、そのナニカにめっちゃ見られてる気もする。

 これが伝説の金縛り……! 超怖い……!

 いや、大丈夫だ。オレは最年少の天才トレーナーなんだ。

 おおおおオカルトなんて存在しないことをこここここの目で証明してやるんだ。

 すー……はー……いくぞっ!

 

 思い切って目を開ける。

 そこには──

 

「おは──」

「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」

「ウワァァァァァァ!!」

 

 オレの目の前にウマ娘の悪霊がいた。オレは死んだ。

 

「うるさい!!」

「いてぇ!!」

 

 悪霊に殴られる。痛い。死んでなかった。

 

「もー、いきなり叫ぶとかビックリするじゃん!」

「……イオねぇかよ。いや、ほんと、マジで勘弁して。死ぬとこだったから。心臓麻痺で」

 

 悪霊の正体はイオねぇだった。

 マジで朝っぱらから心臓に悪いよ。

 もしショックで死んでたら明日の朝刊はオレの記事で持ち切りだったね。

 見出しは『史上最年少の天才トレーナー、謎の突然死!?』で決定。発行部数100万部突破。

 

「今何時だと思ってんのさ? ネボーだぞネボー!」

「……えっ!?」

 

 時計を見てみる。

 朝練どころか授業が始まってもおかしくない時間じゃん!?

 

「わぁー!? ごめんイオねぇ! すぐ準備するから先いってて!」

「どこに?」

「どこにって学園!!」

「今日は学園お休みだよ?」

「……え……ん?」

 

 よく考える。

 そうだ、昨日『明日は学園がお休みだから練習なしでお互いゆっくり休もうね』って話になったんだった。

 

「……え、じゃあなんでイオねぇはオレの部屋にいるの?」

「朝一番でこのテイオーお姉ちゃん様の顔が見れたらアスカは嬉しくて喜ぶだろうなって!」

「…………さっきの『ネボーだぞー!』は?」

「せっかくボクが来てるのにいつまで経っても起きないからネボーでしょ!」

 

 何言ってんだこいつ?みたいな顔をするイオねぇ。

 解せぬ。

 

「しょーがないからアスカが起きるまで寝顔を見て時間を潰してたんだぞ」

「もっと他のことで時間潰しなよ……つーかどうせすぐ起きたでしょ」

「うーん、一時間くらいかな?」

「長いなっ!?」

 

 一時間ずっと寝てる弟の寝顔を見続けるとか、軽くホラーじゃん。

 

「テイオーお姉ちゃん様の愛を感じるでしょ?」

「……ソウダネ」

 

 ドヤ顔のイオねぇ。

 最愛のお姉ちゃん様の愛がクソ重い件について。

 その時、オレの腹の虫がグゥ~と音を立てる。

 

「全く、しょーがないなー。ボクがご飯作ってあげてる間に顔洗って歯磨きしてきなさい!」

「あ、マジ? やったー。顔洗ってきまーす!」

 

 洗面所に向かう。

 イオねぇ、一見すると運動性能だけの脳筋っぽく見えるかもしれないが、実際は勉学もトップクラスだし家事も出来る。

 出来るっていうか、料理洗濯掃除から裁縫までこなす完璧超人です。

 勝てんぜ……オレは……

 

 イオねぇのふんふーん♪なんて鼻歌をBGMに洗顔歯磨きをこなす。

 ……オレ、いつヒゲとか生えんのかな。

 ウマ娘たちから『カワイー!』とか言われるのはオレの顔がイオねぇ似の童顔だからだろう。

 しかし、あと数年もしたらきっと背も伸びてヒゲも生えたりして『カッコイー!』に変わるはず。

 毎日の牛乳を頑張ろう。

 

 洗顔歯磨きも終わり、テーブルにつく。

 

「うわ、すげーいい匂いするんですけど」

「ふふーん、このテイオーお姉ちゃん様の自信作だからね! もうちょっと待っててー」

 

 

 

 それからしばし。

 

「出来たよー。テイオーお姉ちゃん様特製!『リンゴの洋風がゆ(リゾット)』だー!」

「こ、これはまさか……!?」

 

 某料理漫画で作ってたやつじゃないですか!

 

「さぁ、おあがりよー!」

「いただきまーす!」

 

 スプーンで一口食べる。

 

「うまっ!? すげぇな!?」

「でしょー? ……なんて、レシピ通りにやれば誰でも作れるんだけどねー」

「いや、オレがレシピ通りにやっても絶対こうはならない。すげぇ。絶対原作超えてるよこれ」

「原作超えてるって、食べたことないじゃんよー」

 

 そう言いながらも顔がめっちゃニヤけてるイオねぇ。

 

「しかし、しっかり煮込んだならリンゴはグズグズに崩れてるはず。なぜシャキっとした食感が残って?」

「プフゥー!!」

 

 オレが漫画の台詞(っぽい適当なこと)を言うと、ちゃんとそれが理解(わか)ったイオねぇが吹き出す。

 

「あははは! えっと、それはねー、こいつを使ったのさ!」

「な、なんだってー!? りんごジュースだとー!?」

「「…………あはははははは!!」」

 

 話に乗っかってきたイオねぇと一緒に笑い転げる。

 

「あーおかしい。よく覚えてたね」

「一緒によく読んだしねぇ」

 

 二人でお小遣いを出し合って少年雑誌を買って、一緒に読んだりもしてたしな。

 そう考えるとオレたちってやっぱ仲良し姉弟なのかな?

 

「じゃあボクもいただきまーす」

 

 二人で今のことや昔のことなど、色んな話をしながら朝ごはんを食べる。

 

「ごちそうさまでした」

「はい、お粗末様でしたー」

 

 イオねぇが食べ終わったお皿を片付けてくれる。

 無敵の帝王様にそんなことまでさせて本当に申しわけない。

 

「皿洗いくらいはやるからそのままでいいよー」

「オッケー。……ところで、聞きたいんだけど」

「な、なに?」

「最後に部屋の掃除したのはいつかな?」

「…………」

 

 全然やってない。

 

「もしかして、この前ボクがやってから一回もしてないんじゃない?」

「え、えへへ。ボクワカンナーイ!」

「キモいよ」

「ひどくない!?」

 

 真顔のイオねぇの言葉に憤慨するオレ。

 イオねぇの真似だったんだが……

 

「はぁー、アスカはほんとボクがいないとダメ山ダメ夫なんだからなー」

「すんません……そうしたら全自動ロボット掃除機でも買おうかな」

 

 給与も入ったことだしね。すごい額で通帳みた時はさすがにびびった。

 するとイオねぇが突然大声を上げる。

 

「エェー!? い、いいよそんなの買わなくて!」

「でもいつまでもイオねぇに迷惑かけるわけにも……」

「いいの! 買わなくていいの! テイオーお姉ちゃん様メーレー!」

「……はぁ」

 

 じゃあこれからずっと自分で掃除しなきゃいけないのかよ。

 クソめんどくさいんだけど……

 

「アスカだけだと掃除しないかもしれないから、これからも定期的にテイオーお姉ちゃん様ジキジキに手伝ってあげるぞよ!」

「マジ助かります。あざっす」

 

 手伝ってあげるっていうか、いつもイオねぇ主オレ従って感じで掃除してるんだけどね。

 

「よし、じゃあ今日はアスカの部屋の掃除と洗濯をします! 着替えてくるのだ!」

「サーイエッサー!」

 

 洗濯はともかく掃除は助かるなーなんて考えながら、部屋に戻り服を着替える。

 ……なぜか視線を感じる。

 振り向く。

 

「ん?」

「ん?」

 

 なぜかイオねぇがオレの着替えを凝視していた。

 

「……何?」

「アスカが一人で着替えられるかなって思って」

「おかしくない? そこまで破綻してないでしょオレの人としての能力」

 

 まぁ天才故にどこかが欠けている可能性は否定できないが……天才だし。

 

「ほらほら、早く着替える! ハリーハリー! コーインヤノゴトシー!」

「へいへい」

 

 結局イオねぇに視姦されながら着替える。

 

「よーし! 丸太は持ったかー!」

「オォー!」

 

 動きやすい服装に着替え、掃除を開始する。

 まぁイオねぇの指示に従って動いているだけなので苦労はない。

 重いものはイオねぇが持ち上げて移動させちゃうからね。

 さすがウマ娘、ヒトミミ族では抗えない素晴らしいパワーをお持ちで。

 

「アースーカー。これはなんなのかなー?」

 

 そんなことを考えていると、イオねぇが低い声(それでも十分高いが)を出しながら何かを手に持ってやってきた。

 それはどこにでもある、極々普通のウマ娘関連の週刊誌だった。

 表紙にデカデカと『魅惑のお姉さんウマ娘大特集!』という文字と、マルゼンスキーの水着姿さえなければ。

 

 次回へ続く!

 




テイオー姉弟の日常②は近日中に投稿します。

『なんだかんだ言いながら弟の身の回りの世話を焼いちゃう家事万能テイオーお姉ちゃん』概念。
普段アホっぽい美少女が実はしっかり家事をこなす……藤原は大好きです。
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