【完結】もしもウマ娘がブラコンお姉ちゃんだったら最高だよね杯 作:藤原ロングウェイ
マチカネタンホイザ(姉)実装!
実は今回の話、未実装のマチタンをサプライズ的な感じでアニバで投稿したら読者さんたちに喜んでもらえるかなーと思って先週から書き始めていたんですが、まさかマチタン実装来るとは思いませんでした。
そして嬉しすぎてアニバ前にフライング投稿です(笑)
「では、『脱・普通!お姉ちゃんの輝け一番星!』会議を始めます!」
トレーナー室で俺の担当ウマ娘であり姉でもあるマチカネタンホイザ、通称ホイねぇが力いっぱいそう宣言した。
「……どうぞ」
「ちょっとアスカ、元気がないよ? そんなんじゃダメだよ! はい、一緒に元気よく〜! えい、えい、むん!」
ホイねぇのいつものやつが炸裂する。
はいかわいい。かわいさ100億点優勝。
仕方ない、なら俺も全力で応えるのみ!
「えい! えい! ムーン!!」
「なんでフロントダブルバイセップス、フロントラットスプレッドからのサイドチェストなの!?」
大声で驚くホイねぇ。
いや、元気良くって言ったから……
つーかボディビルのポーズ名称に詳しいな。
「とーにーかーくー! お姉ちゃんが普通を脱出し、個性的ですっごいウマ娘になるための会議を始めます!」
「はい、よろしくお願いします」
まぁホイねぇがやる気になってるんだ、水を指すこともない。
ホイねぇの考えを聞いて一緒に考えてあげよう。
「……」
「……」
「…………」
「…………ん?」
「アスカトレーナー、意見をどうぞ!」
「おい」
自分で開催した会議なのに中身は弟に丸投げで自分の意見ないんかい。
まぁホイねぇらしいといえばそれまでだけど。
そうだなぁ……
「ふむ…………語尾」
「ごび?」
「そう、語尾。古今東西、萌えキャラには個性的な語尾がある。それだけでキャラを確立できるほどに。例えばターボ」
「!! だもん!」
ホイねぇが『ホイザわかっちゃった!』とでも言いたげなドヤ顔で答える。
「そうだね。あとは例えばシンコウウインディ」
「なのだ!」
「そう、例えばメジロマックイーン」
「めじろ!」
「そ──なんでやねん」
メジロマックイーンが『
「ほら、『○○ですわ』っていうだけでお嬢様感出てきてちょっとキャラが立つでしょ」
「おーなるほどー」
ホイねぇが頷きながらメモに何やら書き込む。
「そっかー、皆個性のために頑張ってるんだねー」
「まぁ今例に上げたウマ娘たちは素だろうけどね……」
「じゃあお姉ちゃんは……うーん……」
ホイねぇは腕を組んで悩みながらトレーナー室をグルグル歩いて回るが、無言のままで俺の方に来る。
「…………ねぇアスカ、お姉ちゃんに似合う語尾ってなんだと思う?」
「そこは自分で考えようよ」
「えーアスカも考えてー! お願いっ!……ダメ?」
上目遣いで俺を見つめるホイねぇ。
この姉の日本総大将級のかわいさが俺を狂わせる……
「よし、なら……ホイで」
「ホイ!? 語尾がホイ!?」
「うん」
「おかしくない? お姉ちゃんちょっと変な子だと思われないかな?」
「大丈夫!」
俺はグッ!と親指を立てる。
大丈夫さ、周囲からはすでに変なウマ娘だと思われてるからな!
いまさらいまさら!
「はい、じゃあ自己紹介!」
「えぇ!? えっと……わ、私はマチカネタンホイザ! G1勝利目指して頑張るホイ!」
「…………プッ」
「笑った!? ねぇ今笑ったよね!?」
俺の肩を掴んでガクガク揺らすホイねぇ。
そりゃ笑うでしょ。どう考えてもおかしいヤツだし。
「わかったわかった。じゃあ語尾の件は保留にしよう。宿題です。いいですねマチカネタンホイザさん」
「はい、元気です!」
手を垂直に大きく上げるホイねぇ。小学生か。
「次は、えーっと……特徴的な言葉を使うとかは?」
「とくちょーてき?」
「例えば理事長。『歓迎ッ!』とか『憂慮ッ!』とか二字熟語使ってるじゃない」
「あーなるほどー! たしかに特徴的だね! メモメモ〜」
また手帳に何やら書き込むホイねぇ。
このこまめさはすごいんだけどなぁ。
「あとはシンボリルドルフとかも『勇往邁進』とか『鎧袖一触』とか好んで四字熟語使ったりしてるし」
「ふむふむ。そういえばメジロマックイーンさんも『一心同体』とか『おしるこ』とか四文字の言葉使ってるもんね」
「それはまた違うなぁ……」
うんうん頷きながら斜め上の方向の発言するホイねぇ。
うちの姉はなぜメジロマックイーンをオチに持ってくるのか。
「じゃあ私だったら何かな〜?」
「……ホ──」
「ホイ以外ね!」
にっこり笑顔のホイねぇ。
チッ、先手を取られたか。
「う〜ん、でも私バカだからそんなすぐ四文字の言葉なんて出てこないな〜」
「じゃあいっそのこと俳句にしよう」
「俳句!?」
驚きの表情のホイねぇ。
まぁ俺も突然そんなこと言われたら『ちょっと保健室いって頭直そっか』ってなるから気持ちはわかるが。
でもホイねぇに無茶振りして驚く姿が見るのが大好きな弟心なんだよなぁ〜。
なのでそのままゴリ押しする。
「そう、ことあるごとに俳句を詠う俳諧キャラ」
「四字熟語より文字数増えてるよー……それに私、俳句なんて松尾芭蕉の『夜深き
「最初からおかしいな!?」
完全に本能寺の変の真っ只中じゃないっすか。
松尾芭蕉は織田絶対殺すマンの伊賀忍者だった……?
「うーん、やっぱり難しいねぇ」
「まぁこういうのはね。これも宿題にしようか」
「うぐぅ〜」
「それはダメだ、危険すぎる。下手すると消されるぞ」
「が、がぉ……」
「それもダメ!」
なんつー恐ろしいことを……いや、かわいいけれども。
話題変更。
「あとはなんかあるかなー。『我こそはマチカネタンホイザ! いざ尋常に勝負なり!』みたいな感じのヤツがほしいな」
「お、お姉ちゃんそこまでは求めてないかな!?」
俺の言葉にあわあわしているホイねぇ。
まぁそこまでやったらグラスワンダーがおっとり声で『あら〜?』とか言ってウキウキしながら薙刀持ってくる可能性もあるからちょっとセーブしよう。
うちの姉が真っ二つになったら困るからね。
「ならアレだ、ランニング中の『トレセーン!』『ファイオー!ファイオー!』の掛け声あるじゃん。あれを『マチカネー!』『タンホイ!タンホイ!』に変えよう」
「えぇ!?」
なんとなくだが、きっとネイチャやイクノやターボあたりなんかは喜んで付き合ってくれる気がする。
気がするだけだが。
「あのー、アスカ? せっかく考えてくれたのは嬉しいんだけど、お姉ちゃん、それはちょっと恥ずかしいかなーなんて」
「ホイねぇすごいな。俺だったらちょっと恥ずかしいどころじゃなくて恥ずかしすぎて自室に引きこもるレベルだわ」
「恥ずかしすぎて自室に引きこもるレベルのことをお姉ちゃんにやらせようとしてたの!?」
両手を上げてすごいビックリした感じのホイねぇ。
この打てば打つだけ世界に響き渡る姉のかわいさが俺を狂わせる……
「まぁとりあえず今日の会議はこれで終了かな」
「そうだね。よーし、今日もトレーニング頑張るぞー!」
元気いっぱいのホイねぇ。
しかし、すぐその笑顔が曇る。
「……アスカもごめんねぇ。なかなか勝てない凡人のお姉ちゃんのトレーナーなんかに──」
「ストップ」
その先は言わせない。
「俺はホイねぇにちゃんと実力があることを知ってる。真面目だし努力家だし勉強熱心なのも。だからトレーナーになったんだ。自分の意志で。それに文句は言わせない。誰にも。ホイねぇにも、だ」
「アスカ……」
「いいじゃん。凡人上等! 天才どもに凡人の意地ってもんを見せてやろう!」
「っ……うん! ありがとうねアスカ!」
俺がガッツポーズを見せると、ホイねぇが花開くような笑顔を見せてくれる。
うん、やっぱりホイねぇは笑ってる顔がよく似合う。
「いえいえ、どういたしまして」
「よーし、じゃあ改めて! 今日もトレーニング頑張るぞー!」
そして俺達姉弟は。
「「えい、えい、むん!!」
二人で腕を天に突き上げるのだった。
ちょっとコメディ寄りでブラコン度が足りなかったので、マチタン正式実装後に日常シリーズを追加したいですね!(願望)