【完結】もしもウマ娘がブラコンお姉ちゃんだったら最高だよね杯   作:藤原ロングウェイ

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お気に入り登録や感想、評価いただきました。ありがとうございます。

ファル子編です。これもけっこう作者お気に入りの話です。
ブラコンじゃない!と言い張るファル子ですが、学園内外のほぼ全ての人間・ウマ娘はどう見てもブラコンだよなぁと思ってます。


スマートファルコン(ブラコン度:A+)と弟の場合

 俺の名はアスカ。今年からトレセン学園でトレーナー業をすることになったものだ。

 今は担当のウマ娘に厳しいトレーニングを実施しているところだ。

 

「はいラストー! L・O・V・E・ラブリーファル子!」

「えるぅ……ぉお……ぶぃ……ぃい……らぶ、りぃ……ファル子ォ!!」

 

 でかい声を上げるとともにぶっ倒れるファルねぇ。

 あ゛ぁー、とやばい感じになってらっしゃる。

 

「へいへい、ウマドルがしちゃいけない顔と声してるよー! 笑顔笑顔ー!」

「……きゅぴーん☆」

「おっけぇ!」

 

 そして俺の担当するウマ娘はこのスマートファルコン。俺の姉である。

 歌って踊れるウマドルG1ウマ娘を目標としているが、その夢に共感してくれるトレーナーがいなかった。

 そのため新米ではあるが最大の理解者である俺が担当することになったのだった。

 

 

「もー、お姉ちゃんめっちゃ疲れたー!」

「まぁトレーニングメニュー作成してる俺自身が『これこなすのかよえっぐぅ……』って思ってるからね」

「やっぱりえぐいんだ……お姉ちゃん、なんとなくそんな気はしてた……」

「まぁでも歌って踊れるウマドルG1ウマ娘を目指すならこのくらいやらないと!」

「……そうだよね! お姉ちゃん頑張る!」

「よし、じゃあとりあえず今日はこれで終了です。お疲れ様」

「ほーい」

 

 ファルねぇにスポドリとタオルを渡した後、トレーニングに使った機材などを片付ける。

 片付けから戻ってくるとファルねぇが熱心にスマホを見ていた。

 

「なんか面白いニュースでもあった?」

「あ、これこれ!」

「えーなになに……『人気ウマドルの〇〇、ウマスタで彼氏を匂わせる写真を投稿し炎上。本人は弟だと説明』ねぇ」

 

 クッソどうでもいいな。

 

「今『クッソどうでもいいな』とか思ったでしょ」

「うん」

「即答ー! でもほら、これ見て。アクセス数すごいことになってるんだよ!」

「あら、ほんとだ。このアクセス数の0.1%でもいいからファルねぇのウマスタに分けてほしいね」

「ほんとだよー! ……でも、0.1%って悲しいから、せめて1%って言って」

「そんな変わらなくない?」

「変わるのー!」

 

 そう言うとファルねぇは目を閉じ、むーと何かを考え始める。

 嫌な予感しかしない……

 

「……私も匂わせ?投稿したら炎上してアクセス数増えるかな?」

「えぇ~? 悪いほうで増えても意味ないでしょうよ……」

「でも悪名は無名に勝るって言うでしょ? 三国志だってそこそこの領土持ってたはずの劉焉よりあくどい袁術の方が有名だし!」

 

 例えがマニアックすぎるわ……まぁそうだけども。

 

「というわけで投稿!」ピロリン! 

「え、行動早くない? ちゃんとマネージャーの俺に話通してもらわないと困るんだけど。どんな写真使ったの?」

 

 ファルねぇのウマスタを見てみる。

 ……この前俺がファルねぇと一緒に商店街で食べ歩きした時の写真やんけ。

 自撮りだったせいか、俺が少し見切れてる感じになってる。

 コメントには『ファル子:商店街でお買い物! お気に入りを見つけちゃった☆』と書かれている。

 

「ほら、ここ! 同じブランドロゴの入った買い物袋を持ってるの! お姉ちゃんのファンならきっとここに着目して『隣の男と同じ買い物袋持ってる! 彼氏だ!』みたいになるんじゃない!?」

「なるかなぁ?」

「な、なるよぉ! ……多分。じゃあコメント追加して、っと」

 

『ファル子:ちなみに隣にいる人は彼氏じゃなくて弟です☆ 勘違いしちゃダメだゾ☆』

 

「これでよしっと!」

「これもう匂わせとかそんなレベルの話じゃなくない?」

 

 ファルーン!(通知音)

 

「あ、コメントついた! どれどれ~?」

 

 ファルねぇのスマホをのぞき込む。そこに書かれていたコメントは……

 

『知ってる(真顔)』

『周知の事実を今更言われても……(困惑)』

『アスカトレーナーに四六時中ひっついてるのに他の男が入り込む余地があるとは思えないよファル子ちゃん……(遠い目)』

 

「……なにこれー!? 思ってたのと全然違うー!!」

 

 激しく地団駄を踏むファルねぇ。

 

 ファルーン! 

 

 さらに追加のコメントが続々と入ってくる。

 その内容は……

 

『突然どうした? いつもの弟自慢?』

『ウマドルの○○がウマスタで匂わせやって炎上したのを見て、よくわからないけどなんとなく真似してみたに一票』

『当たってそう(笑)』

『まさかそんな、と否定しきれないところが悲しい』

『アホすぎワラタ』

 

「ぐ、ぐぬぬぬぬぅ……!」

 

 スマホを握りしめ、しかめっ面でぐぬぬってるファルねぇ。

 その間にもコメントはどんどん増えていく。

 

『アスカトレーナーもこんなことに付き合わされて気の毒に……』

『弟くん、先週は商店街でライブのビラ配り頑張ってたね。お疲れ様』

『ビラの印刷からライブ会場の予約、機材のメンテまで全部アスカトレーナーがやってるらしいな』

『トレーナーっていうかもうここまでくるとプロデューサーじゃね?』

『トレーナーとプロデューサー兼任とか過労死するのでは……?』

『ファル子ちゃん、弟さん少し休ませてあげて?』

 

「……おかしいよぉー! なんで私が無理やりアスカに手伝わせてるみたいな流れになってるのぉー!?」

「ご心配いただいてうれしい限りです」

「ちょっとアスカー! そんなことないよって皆に説明してあげて!!」

「はいはい。えっと……」

 

『弟TP:いつも姉がお世話になっております。弟TP(トレーナープロデューサー)です。私の体調を心配してくださりありがとうございます。ですがこれは誰に強制されたわけでもなく、私自身が姉を応援したい、支えたいと思い行動しているにすぎません。ご心配なく。今後も姉のスマートファルコンの応援、よろしくお願いいたします』

 

「こんなもんでいいでしょ」

 

 送信っと。

 するとすぐにファルーン!という通知音と共にコメントが。

 

『弟TP、天使か……?』

 

 天使じゃねーわ。人間だわ。あとトレーナー兼プロデューサーだわ。

 

『やはりファル子×弟TPは至高』

 

 勝手に姉と掛け算しないでください。

 

『尊み100億点(チーン)』

 

 またデジタル殿が死んでおられる……

 

「…………なんでぇ!? なんで私のウマスタなのにアスカの書き込みに一番いいねがついてるのぉ!?」

「知らんがな……」

 

 コメントの追加は続く。

 

『担当ウマ娘の夢のために公私共に率先して全力で応援して支えてくれるアスカトレーナーは控えめに言って最高なのでは……?』

『正直言うとファル子ちゃんが羨ましい』

『わかる。こんなトレーナーさんが私にもいてくれたらなぁ……』

 

 お、褒められちゃった。少し嬉しい。

 あとはトレーナーとして結果を出せるように頑張らねば。

 

『私、担当トレーナーいるけどアスカトレーナーに「君じゃないとダメなんだ!」とか言われたら移籍するかもしれん』

『私はもしアスカトレーナーにスカウトされたら詳細聞かずに秒で契約する自信があるわ』

『むしろスカウトしてほしい。喜んでついていく』

『いっそのこと逆指名したい。私スカウトしませんか? あなたのために走って重賞プレゼントします!』

 

 ……なんか変な雰囲気になってきたな? 

 

『それは反則でしょ。私もスカウトしてほしいです!』

『え、それいいの? じゃあ私もスカウトしてほしー!』

『ずるくない!? 私をスカウトしてください! 損はさせません!』

 

 その後もどんどん私をスカウトして! といった内容の書き込みが増える。

『〇日後の第〇練習場で模擬レース走るので見に来てください!』やさらには『スカウトしてくれたらなんでもしてあげます!』など過激な投稿まで出始めた。

 こりゃまずいな。

 

「…………どうして!? なんで私のウマスタなのにアスカのコメントが炎上してるのぉぉぉ!? ずるいぃぃぃ!!」

「そんなこと言われても……」

「うー!!」

 

 増え続けるコメントに業を煮やしたファルねぇが何事か書き込む。

 そこには。

 

『ファル子:アスカは私の専属トレーナーです! 誰にもあげますん!!』

 

 ファルーン! ファルーン! ファルーン! ファルーン! ファルーン! ファルーン! 

 

『知ってたwww』

『安定と信頼のブラコンお姉ちゃん乙www』

『誤字るほど焦ってるファル子ちゃんマジかわいいwww』

『くれるのかくれないのかどっちなのwww』

『美しい姉弟愛を感じた私はクールに去るぜwww』

『尊み200億点(チーン)』

 

「もぉやだぁー!!」

 

 半泣きになりながら全力ダッシュで駆けてゆくファルねぇ。

 あれだけのトレーニングのあとにあんだけ走れるってすげぇなさすが俺の姉。

 と思ったらはるか前方で突然ピタッと止まった。

 

「帰ったらアスカの部屋にいくから!! 週末のライブの打ち合わせするからね!!」

 

 振り向いてそれだけ言うと、またすごい勢いで駆けていった。

 顔が真っ赤だったのは、きっと夕日のせいだろう。

 

「さてさて、愛しのファルコお姉さまを三冠ウマ娘で人気No.1ウマドルにするためにも、俺も全力で頑張りますかね!」

 

 夕日を眺めながら、再度心に強く誓う俺なのであった。




モブ娘A「いやーファル子ちゃんいじるの楽しいwww」
モブ娘B「てゆーかあれでブラコンじゃないは説得力ないわwww」
モブ娘C「密室に二人きり、何も起きないはずがなく……!」
???「尊すぎて薄い本が捗るぅぅぅ!」

実はインスタグラム(というよりSNS全般)をやったことがないので、ブログ+掲示板風な感じで書いてます。多分こんな感じですよね?(苦笑)
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