【完結】もしもウマ娘がブラコンお姉ちゃんだったら最高だよね杯 作:藤原ロングウェイ
読者さんから「続き書かんの? 完結しても話追加してええんやで」(意訳)というお便りを頂きまして、完結はしましたがせっかくの新年だし(キタサトが無料ガチャで来てくれることを祈願して)番外編を追加致します。
今回のアスカくんは南坂トレーナーの弟という変化球です(笑)
年下のお姉ちゃんたちに囲まれるアスカくんの運命やいかに……
俺の名はアスカ。チームカノープスの新人サブトレーナーである。
兄貴がメイントレーナーをやっているのだが、ちょっと変わった子が多くてなかなか大変だったらしく俺にサブトレーナーをやってみないかと声をかけたようだ。
兄貴は優秀なトレーナーなのでその下で学ぶことは絶対に無駄にならないと判断し、俺はそれを引き受けた。
……が、それからまだ一ヶ月程しか経っていないが、すでに俺の疲労は半端ないことになっている。
とはいえ、今日から兄貴とタンホイザが遠征に出かけているのでサブトレの俺がカノープスの面々をしっかり指導しなければ。
頑張るぞー、えいえいむん!と気合を入れ直し、トレーナー室に入る。
「お疲れー」
「遅いぞアスカ! ターボ姉ちゃんを待たせるとは何事だ!」
トレーナー室の椅子の上で仁王立ちしている小柄なウマ娘から怒られる。
「遅くねーよ。むしろ5分前行動バンザイだよ。あとターボ。新人とはいえ俺も一応トレーナーなんだから、ちゃんと『アスカサブトレーナー』と呼びなさい」
「ヤダッ! あとターボをちゃんとターボ姉ちゃんって呼ぶもん!」
「こいつ……」
俺はこめかみを抑える。
トレーナー室の椅子の上に立って仁王立ちしているこのウマ娘はツインターボ。
カノープスのメンバーの一人であり、変わった子一号だ。
「お疲れ様です、アスカサブトレーナー」
「ああ、イクノもお疲れ」
眼鏡の似合う知的な風貌のウマ娘から挨拶をされる。
この子はイクノディクタスといい、カノープスのメンバーである。
イクノは俺の言葉を聞くと、目を細めてメガネをクイッとする。
「……アスカサブトレーナー、訂正を。『イクノ』ではなく『イクノ姉さん』です」
「……はぁ」
そしてこの発言を聞けばわかるとおり、カノープスの変わった子2号でもある。
なぜ俺は中等部の女の子から弟扱いされているのか。
それはサブトレーナーを引き受けた日に遡る。
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「えー、それでは新しくこのチームにサブトレーナーが加わりました。では挨拶を」
「はい。兄貴、じゃなくて南坂トレーナーの弟で今年からトレセン学園に務めることになりましたアスカです。南坂トレーナーの大切な教え子ということは俺にとっても大切な教え子です。皆さんを全力で応援したいと思っています。よろしくお願いします」
俺がペコリと頭を下げるとその場にいたウマ娘たちから拍手がおくられる。
うん、兄貴は変わった子が多いっていうけど、皆良い子そうじゃないか。
「ハイッ!」
小柄なウマ娘が元気よく手を上げる。
「はい、そこの元気な君」
「アスカサブトレーナーは南坂トレーナーの弟なんだもん?」
……もん?
まぁいいか。個性は大事だからね。
「うん、そうだよ」
「ターボたちが南坂トレーナーの大切な教え子なら、アスカサブトレーナーにとっても大切な教え子なんだもん?」
「うん、そうだね」
「つまり、南坂トレーナーの弟ってことはターボたちの弟ってことだもん!?」
「うん……うん? そうかな?」
ターボ?の発言に俺氏、困惑。
どういうことなの……
「やったー! ターボ、ずっと弟がほしかったんだー! アスカ! ターボのことはターボお姉ちゃんって呼ぶんだぞ!」
めっちゃ喜んでいるターボ?。
何言ってんだこいつ。(1回目)
……この子があれか、兄貴が言ってたちょっと変わった子筆頭か。
なるほど、確かに変わっている。
「ターボさん、そんな大切なことを簡単に決められてはアスカサブトレーナーも困ってしまいますよ」
「イクノ……」
イクノ?というウマ娘に窘められ、しょんぼりするターボ?。
おお、良かった。ちゃんとしてる子もいた。
見た目も言動もしっかりしてるし、チームリーダーみたいな子なのかな?
「姉には『お姉ちゃん』以外にも『姉さん』や『姉貴』、『姉上』や『姉様』、他にも『ねぇや』や『ねーちん』など様々な呼び名があります。アスカサブトレーナーが気に入ってくれる呼び名をしっかり考えましょう」
「イクノ……!」
何言ってんだこいつ。(2回目)
なぜ『私はクソ真面目な堅物系優等生です』みたいな顔してるにも関わらずターボ?の提案にノリノリなんだお前は。
助けを求めてもう一人の普通の美少女に目をやると……
「ふむーん、まさか私に年上の弟が出来るとは。トレセン学園すごいなー。私は……マチねぇ? でもこれだとフクちゃん先輩と被っちゃうかー」
何言ってんだこいつ。(3回目)
知らんがな。誰だよフクちゃん先輩。
なんでこの娘も俺を弟扱いすることの受け入れ準備が完了してるんだよ。
チームカノープス、ちょっと変わった子が多いとかいうレベルじゃねぇぞ!
「「はぁ……」」
俺がため息をつくと同時にもう一つのため息と重なる。
顔を上げると、最後の一人が苦笑いしていた。
「いやー、うちの子らがすいませんねぇ。こんな感じですけど、みんないい子なんで仲良くしてあげてくださいな」
「えっと、君は……」
「私はナイスネイチャって言います。万年三位のモブキャラですけどよろしく〜」
ナイスネイチャと名乗る少女がお気楽に声をかけてきた。
万年三位か……
「へぇ……すごいじゃん」
「えっ?」
俺の言葉に目が点になるナイスネイチャ。
「万年三位ってことは常に入賞はしてるってことだろ? 実力も才能もあって、努力もしている証拠だ。あともう1歩が足りないなら、兄貴とは違う視点で俺がそれを補うよ。君なら出来る! 一着目指して頑張ろう!」
「あ……えっと……その…………はい。お願いします」
なぜか顔を真っ赤にするナイスネイチャ。
この子はええ子や。(確信)
「あー……えっと……あ、お、弟問題!」
「弟問題……」
顔を赤くして、あわあわしながら言葉を紡ぐナイスネイチャ。
言いたいことはわかるが、人生初の単語だなおい。
「その、嫌ならちゃんと嫌だって言った方が、いい、かも? なんて」
「うーん……いや、いいよ。親しみを込めてやってくれてるんだろうし。ありがとな」
年下から弟呼ばわりはアレだが、初日からチームメンバーと打ち解けられたと考えればむしろプラスだろう。
しかし他三人の変人と違ってナイスネイチャはチームの良心っぽいな。ありがてぇ。
「そ、そうですか……年下から弟扱いされるの好きですか……」
その言い方は俺が変態みたいなのでやめていただきたい。
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こんな感じで初日からイジられまくっている。
仲良くできてる(?)からいいんだけど、この『年下から弟扱い』はどう反応したらいいのか未だによくわからん……
「サブトレさんお疲れでーす。あ、外寒かったでしょ。熱いけど熱くない、ちょっと熱いお茶がありますけど、飲みます?」
ナイスネイチャがそう言ってちょうどいい温度のお茶を用意して持ってきてくれた。
なんなのこの気遣いできる美少女。無敵か?
「ありがとうチーねぇ」
「なんであたしだけナチュラルにお姉ちゃん呼び!?」
いやだって、君のお姉ちゃん
「コラッ! アスカ! なんでネイチャは呼んでターボ姉ちゃんはターボ姉ちゃんって呼ばないもん!?」
「あーごめんねダブルジェット姉ちゃん」
「誰もん!?」
『弟のくせに生意気だもん!』とか言って突っ込んできたターボのぐるぐるパンチを頭に手で抑えて回避する。
「しかしネイチャの弟くんは幸せ者だね。俺もネイチャみたいな姉ほしかったわー」
「そ、そんなことはないってば。てか、南坂トレーナーさんも優しいでしょ?」
「そりゃ兄貴も優しいけどさ。やっぱこう、姉に心配されたりしたいじゃん?」
「そ、そんなもの?」
「そんなものっすよ」
俺の言葉にはネイチャは困惑している。
まぁこの辺は俺に姉がいないからそう感じるだけかもしれんが。
「じゃ、じゃあ……ア、アスカは頑張りすぎちゃうからお姉ちゃん心配さね、なんて……言って、みちゃったり?」
「尊い……」ナミダツー
「泣くほど!? どんだけ毎日が辛いの!?」
こちとら新人トレーナーだから色々あんのよ……
カノープスメンバーは変じ──個性的かつマイペースだから纏めるの大変だし、ネイチャはほんと癒やしだわ。
「な、なら……たまにでいいならお疲れのサブトレさんのお姉ちゃんになっ──」
「是非よろしくお願いします!!」
「被せ気味! 返事はやっ!」
こうして俺に年下のお姉ちゃんが出来たのであった。
「……『姉と弟』ではそれ以上の関係になるのは相当難しいと思いますが、ネイチャさんはそれでいいんでしょうか」
「?? イクノ、なんの話だ?」
「いえ、なんでもありませんよターボさん。まぁ本人が幸せそうですし、面白そうなので生暖かい目で見守っていきましょう」
なんか久しぶりに書いたら単発話というより続編物の第一話みたいな中途半端な内容になってて申し訳ないです……
ターボとイクノは実装されてもあんな感じのお姉ちゃんになりそうですね!
ネイチャは藤原的に姉よりもラブコメのヒロインにしてあげたいウマ娘第一位です。
アスカくんの姉として書いたらもっと適当な扱いというか「あんたはねーちゃんがいないといつまで経ってもダメ男だねぇ……あたしゃあんたの将来が心配だよ」みたいなかーちゃん的世話焼き姉になります(笑)