【完結】もしもウマ娘がブラコンお姉ちゃんだったら最高だよね杯   作:藤原ロングウェイ

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皆さんお久しぶりです。姉弟作家(自称)の藤原ロングウェイです。
今更読む人がいるのかわかりませんが、せっかくのハニバなのでちょこっとだけ復活して毎日更新です。
そして完結から日数が経っているにも関わらず高評価、感想下さった読者さんがいてとても嬉しかったです!ありがとうございます!

ハニバでの本実装を祈願してメジロラモーヌ(姉)実装!
まぁ例年通りだと誰かの新衣装なんでしょうけど……(苦笑)
あと今回のラモねぇは【実はお笑いが好き】という謎設定を無駄に追加した魔改造お姉ちゃんなので、いつも通りのアプリとは別の世界線、不思議時空のお話です!


メジロラモーヌ(ブラコン度:B)と弟の場合

「遅刻遅刻~っと」

 

 俺の名はアスカ。トレセン学園のトレーナーである。

 今日は少し用事があって担当ウマ娘にトレーニングが少し遅くなる旨を伝えたところ、先に練習場にいっているという返事があった。

 うちの担当ウマ娘はとても優秀ではあるのだが、ちょっと勘違いされやすい性格なので問題が起こってなければいいのだが……

 

 

 練習場に着いたが違和感に気づく。

 静かなのだ。まるで何かを恐れ息を潜めているかのように……

 

「この惨状……まさか、うちの夜叉メジロが何かやらかしたのか?」

「誰が古代インド神話の鬼神なのかしら?」

 

 俺の呟きに背後から返事があった。

 振り返る。

 

「げぇ、関羽!?」

「今よ、矢を放ちなさい!」

 

 そこにいたのはとんでもない美しさであり、トレセン学園生の体操着を着ていなかったら『OGの方ですか?』と言われても仕方ないくらいの色気を放つウマ娘だった。

 このすさまじい美貌を持つウマ娘こそ俺の担当ウマ娘にして麗しの姉、メジロラモーヌその人である。通称ラモねぇさま。

 さらに加えるとトリプルティアラを達成した偉大なレジェンドウマ娘の1人であり外見、実力ともに最高級のメジロ家の最高傑作とまで言われているとんでもない姉だ。

 

 そのラモねぇは現在、手を前に伸ばしかっこいいポーズをとっており、その姿もため息が出そうなほど凛々しく美しい。ベネ。

 しかし、周囲を見渡すとウマ娘ちゃんたちは下だったり上だったり右だったり左だったりの差はあれど、皆が目を逸らしていた。

 うーん、関わり合いになりたくない感が満々ですね。

 そんな空気の中、ラモねぇがこっちを向いてため息をつく。

 

「……はぁ。アスカのせいで私までスベった感じになっていて、とても迷惑なのだけれど?」

「俺のボケにノータイムで乗っかってきたのはラモねぇさまですよね?」

 

 俺の言葉にコメ食いてー顔をして肩をすくめるラモねぇ。解せぬ。

 

「まぁいいわ。併走に付き合ってくれる子もいないみたいだし、今日は室内トレーニングに切り替えましょうか」

「了解」

 

 そう言うとさっさと練習場を去ろうとするラモねぇ。

 とりあえずラモねぇが持ってきていた荷物を回収すると、ホッとした表情のウマ娘ちゃんの姿が。

 うちのお姉様はその美貌と実績、クールな態度やレースに対するストイックな性格から他のウマ娘たちからはめっちゃ神聖視されているかめっちゃ怖がられているかの二択しかない。

 今日は怖がっている生徒のほうが多かったみたいね。うちのお姉様がごめんね。

 

 

 練習場から離れたのでラモねぇにさっきの雰囲気を聞いてみる。

 

「さっきの惨状はなんだったの? 何したの?」

「失礼ね。まるで私が問題を起こしたかのような言い方はやめてほしいわ」

 

 俺の言葉に無表情で視線を向けるラモねぇ。

 ラモねぇをよく知らない人から見たらめっちゃ冷たい視線に感じるようだが、俺の脳内には『頬を膨らませてプクーっとしているラモねぇ』が幻視されているので何の問題もない。

 

「……ただ、ウケるかと思って語尾をラモにしてみただけラモよ」

「そりゃ誰も関わろうとしないはずだわ」

 

 トリプルティアラウマ娘が無表情でいきなり『誰か併走しないラモ?』とか『どうしたのかしラモ?』とか言い出したら皆ヒェ……ってなるわ。

 

「それとも突然英国生まれの帰国子女になってカタコトで『戦果Resultがあがったヨー!』とか言い出した方が良かったかしら?」

「うーん、どっちでも結果は変わらなかったかな……」

「そう……人を笑わせる、笑顔にするというのは想像以上に難しいわね……」

 

 憂いを帯びた表情を見せるラモねぇさま。

 この姉、この色気ムンムンで大人びた容姿とクールな性格に反して(?)お笑い大好きなのだ。

 

 それは数年前、かわいいかわいい妹のアルダンを喜ばせるためにラモねぇさまと二人で笑いのネタを考えたことがきっかけだった。

 その結果出来上がったラモねぇと俺の努力の結晶、【メジロ家あるある、早く言いたいの歌】が完成し自信満々でかわいいかわいいアルダンに披露したのだが、それが悲劇を呼んだ。

 最初はワクワクしていたかわいいかわいいアルダンだったが、途中から困惑顔になり、最後はポカーンとした顔で一言。

 

『あの……メジロ家あるあるはいつ聞かせていただけるのでしょうか?』

 

 傑作だと思っていたネタがかわいいかわいいアルダンには全く伝わっておらず、ラモねぇさまは無言で部屋に戻り布団に潜り込み、俺は予め作っておいた特製プリンをかわいいかわいいアルダンに渡し『今日のことはなかったことにしてくれ』と土下座したことも懐かしい……

 それからラモねぇはかわいいかわいいアルダン(や他のメジロの年少ウマ娘たち)に笑顔を届けるためにお笑いの勉強を続けている。

 

「この前のネタは失敗だったからリベンジをしたかったのだけれど、なかなか難しいわね」

「あーダンスウィズラモーヌ事件か。嫌な事件だったね……」

 

【ダンスウィズラモーヌ事件】。

 うちのお姉様が突然『ダンス会場に入ってきたウマ娘がいきなり会場のど真ん中で一人で踊って無言で出ていったらウケないかしら?』と言い出した。

 行動派のお姉様は思いったら即行動! 意気揚々とダンス会場に入っていき、俺はその一部始終を後方からチラ見して笑いを堪えていた。

 しかし、最初から最後まで会場内は無反応であり、踊り終えて会場から戻ってきたラモねぇは『ビックリするくらいウケなかったわね……』と頻りに首を傾げていた。

 だがこのお姉様の奇行、こちらの思惑とは異なり周囲の反応は『なんて美しい……』とか『素晴らしいダンスだった』と実は大好評だったそうだ。意味がわからないよ。

 

「ラモねぇはどこを目指してるの?」

「最終的には【笑ってはいけないトレセン学園24時】をやる際に出演のオファーが来る予定よ」

「ヒュー! ずいぶんビッグな予定だ!」

 

 実はとんでもなくでかい野望を持っていたラモねぇだった。

 これが魔性の青鹿毛……恐ろしい姉……! 

 しかし、笑ってはいけないに出演したとしてどんなネタをやる気なのだろうか。

 

「あれですか。理事長室で『あなた、マーはできるかしら?』ってやる感じですかね」

「私としては校門前でキャーキャー言われながらリムジンから降りて、一歩踏み出した瞬間に落とし穴に落ちる役をやってみたいわ」

 

 真剣な顔のラモねぇ。

 無表情で落とし穴に落ちるラモねぇとか俺は腹抱えて大爆笑するけど、天下のトリプルティアラに落とし穴企画持ってくるやつなんて絶対いないでしょ。

 

「怪我したら大変なので申し訳ないけどそれはNGで」

「あれは穴の中にクッションがあるんじゃないの?」

「いや、あっても怖いよ……ラモねぇが大丈夫でも俺の心が持たないっす」

「そう……なら仕方ないわね」

 

 残念そうなラモねぇだった。

 そんな感じで歩いていると、ラモねぇがふとこっちを見てきた。

 

「それにしてもつまらないわね……アスカ、何か面白いことをして頂戴」

「無茶ぶり……!」

 

 突然恐ろしいこと言い出しましたよこの姉。

 パワハラですよこんなの! お祖母様に言いつけてやる! 

 まぁ俺以外の人にこんなこと言わないから、不器用な愛情表現だと思っておこう。

 うーん、せやなぁ……

 

「……俺の名前はアスカめじろ。よろしくめじろ」

「プッ……」

 

 アスカの 語尾メジロ !

 ラモーヌに 効果は バツグンだ !

 

「ラモねぇどうしためじろ? なんで目を逸らしてプルプル震えてるめじろ?」

「…………なんでもないわ。それと、今のは反則よ。ルール違反によりノーカウントとします」

 

 澄まし顔のお姉さま。

 いや、そもそもルール知らされてないんですけど? 

 

「まぁ反則だからノーカウントだけれど、及第点としておきましょうか。今後も精進するように」

「ありがたき幸せ」

 

 ……俺、なんでトレーナーなのにお笑いのスキルを上げなければいけないんだろうか。

 

 

 

 この後、室内トレーニングルームに行く途中で見回り中のルドルフくんとエアグルーヴに出会い。

 なぜかお笑い対決が始まりそうになり俺とエアグルーヴは頭を抱えるのであった……

 




このラモねぇはネット上の『もしも笑ってはいけないトレセン学園24時があったら』というネタの中に
ラモーヌ「あなた、マーはできるかしら?」
というセリフがあって爆笑した時に脳内に舞い降りたお姉ちゃんになります。



以下、作者の独り言
皆さんは引退した競走馬に牧草を寄付することができる生牧草バンクというものをご存知でしょうか?
私はそれを知ってすぐに推しのカワカミプリンセスに牧草寄付をしたところ、なんと後日にカワカミが美味しそうに牧草を食べている写真が届きました!
『俺はカワカミに牧草をあげられて嬉しい』『カワカミは新鮮な牧草が食べられて嬉しい』……つまり ハサミ討ちの形になるな(錯乱)
ウマ娘化した競走馬も登録されているので興味がある方はチェックしてみてもいいカモ?
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