【完結】もしもウマ娘がブラコンお姉ちゃんだったら最高だよね杯 作:藤原ロングウェイ
また、感想で「たまに読み返してるよ~」と言ってくださる読者さんもおられました。
たまにでもウマあねを思い出してチョロっと読み返して少しでもクスッとしていただけたら幸いです。
ナリタトップロード来ましたね!「10月(菊花賞)じゃないの!?」とか「ならRTTT終了時でもよくなかった!?」とか色々思うところはありますが、なにはともあれトプロ本実装おめでとう!
真ミスターシービー(姉)です。
初期にリクエストを頂いた時はサポカすら存在しなかったのでうまよんを参考にして執筆しましたが、実際にシービーが実装されたら「これ絶対クーデレのスキンシップ激しい系お姉ちゃんじゃん!?」と驚いたのでお姉ちゃんリベンジです!
俺の名はアスカ。トレセン学園のトレーナーです。
トレーナー室のコーヒーメーカーがぶっ壊れてしまったため、ただいまカフェテリアにてブレイクタイム中。
それでもタブレットでライバルのレースを見て対策を怠らないトレーナーの鑑である。(自画自賛スタイル)
「アースカ」
突然何者かに後ろから抱きしめられる。
「ん~スンスン……相変わらずいい匂いがするね、アスカは」
「そう? 特に香水とかつけてるわけじゃないんだけど」
「あ、そういえば自分にとっていい香りがする人は遺伝子的に相性が良いんだって」
「何それ誰情報? そりゃ姉弟だし遺伝子的に相性はいいんじゃないの? 知らんけど」
「それもそうだね」
そう言ってあははなんて笑う何者かの正体はミスターシービー。
俺の姉にして『レース楽しい~!』とか言いながら走りまくった結果、うっかり三冠獲っちゃったすげぇウマ娘である。
「それで? 何見てるの?」
「んー? この前のレース映像」
「私のやつでしょ? 相変わらずおねーちゃん大好きっ子ねぇアスカは♪」
フフフとシーねぇの嬉しそうな笑い声が聞こえるが、残念! 違うんだな〜。
「いや、シーねぇのやつじゃなくてルドルフくんのやつ」
「……へぇ。私そっちのけでルドルフを見てるなんて、お仕置きが必要かな。ふーっ」
「うわぉ……」
耳に息を吹きかけられる。
背中がめっちゃゾクゾクする。
「もし菊花賞勝ったら前代未聞、史上初の無敗の三冠ウマ娘だよ? そうでなくとも人気的に有馬記念でやりあうだろうしデータ取りは必要でしょ」
「あら、正論。でもなんか悔しいから~……はむっ」
「うひぃ!」
耳を甘噛みされて変な声が出る。
「……あのよぉ」
「ん? おお、エースさんじゃないか」
声をかけられてそちらに目をやると、そこに立っていたのはカツラギエース。
シーねぇのライバルを自称しているイケメンウマ娘だった。
一応シーねぇが勝ち越してるけど、打倒ミスターシービーに並々ならぬ執念を燃やしているため要注意ウマ娘の一人である。
「なんつーか、あたしが言うことじゃねーんだけどさ」
「ふむ」
なんだろう、エースさんが難しい顔してるというか、少し顔が赤いな?
「もうちょっと周りの目を気にしたほうがいいんじゃねーか?」
「「まわり?」」
そう言われて周囲を見渡してみる。
すると顔を真っ赤にした多くのウマ娘ちゃんたちが一斉に顔を背けた。
「……な?」
「みんな顔が赤い。つまり……風邪が流行ってるから気をつけろってことですかね?」
「ちげぇーよ!!」
顔を赤くして怒鳴るエースさん。
どうやら違ったらしい。
そうなると……俺たちの身だしなみ?
「よっと……どう? なんか変?」
「ん~いつもどおりのかわいいアスカだと思うよ?」
立ち上がってその場で一回転してシーねぇに確認してもらうが、特に問題はないらしい。
「じゃあ次シーねぇ一回転」
「OK。ではクルッと。どう?」
「うん、いつものかっこいいシーねぇだね」
「ふふ、ありがと」
一回転してポーズを決めるシーねぇ。
うーん、うちのお姉さまはかっこいいなぁ。
色々あって『バレンタインのお返しはしない』と公言しているにも関わらず多くのウマ娘ちゃんたちから大量のチョコを手渡しされるだけはあるぜ。
俺はシーねぇからバレンタインもバレンタインのお返しもらってるけどな! これぞ弟の特権よ!
まぁチョコの湯煎中に飽きてデロンデロンに溶けたやつを『はい、チョコジュース!』とか言ってそのままくれたりするのはご愛嬌。
「うーん、エースさんが何を言いたいのかわからないな?」
「まぁエースはほら、ちょっとアホだから」
「そっか。エースさん、イケメン(だけどちょっとアホ)の方が完璧超人より親しみやすくて俺は良いと思うよ!」
「あら、じゃあ私もちょっとアホなほうがいい?」
「シーねぇはそのままのシーねぇが一番かっこよくてかわいいからそのままで大丈夫だよ~」
「なんであたしがアホ前提で話が進んでんだよ!!」
叫ぶエースさん。
ふむ、相変わらず見た目も声もかっこいいっすねこのウマ娘。
「あたしが言いたいのはだな! その、お前らがい、いちゃいちゃし過ぎだって言ってんだよ!」
「「……いちゃいちゃ?」」
首を傾げる俺とシーねぇ。
「なんかいちゃいちゃしてた俺ら?」
「うーん、いつもどおりだったけど……なんだろね?」
シーねぇと一緒に考えるけどさっぱりわからん。
本人に直接聞くか。
「なんかいちゃいちゃしてた?」
「してただろうがっ! 後ろから抱きついたり、耳に息吹きかけたり、その……み、耳を噛んでたり!」
シーねぇと顔を合わせる。
そして。
「「…………あっはっはっはっは!!」」
俺たち大爆笑。
「何を言い出すかと思えば。姉弟なら普通ですよあんなの」
「そんなわけねぇだろ!」
「エースは一人っ子だからそういう姉弟間の常識とか知らないのね。普通よ普通」
「いや、絶対普通じゃねぇよ! お前らはおかしい!」
地団駄を踏むエースさん。
かわいそうに……
「空を羽ばたく鳥に蛇の気持ちがわからないように、地を這う蛇に鳥の気持ちはわからないということさ、エースさん。なに、あなたに非があるわけじゃない。姉弟という翼を持たずに生まれたその身の不幸を嘆くといい」
「いや、何言ってんのか全っ然わかんねぇし……」
「ハッハッハッハ!」
ネガティブ。持つものと持たざるものの違い、というやつだね。
そんなことを考えていると、思案顔のシーねぇが口を開く。
「ん~……エースはさ、アスカのこと好きなの?」
「「は?」」
ハモる俺とエースさん。
姉さん、なんですぐそうなるん?
「な、なななななんでそうなるんだよっ!?」
「だってエースが男の子に感情むき出しでギャーギャー騒ぐなんて初めて見たし」
その発言に周囲にいたウマ娘ちゃんたちの目がキラーンと光り、ヒソヒソ話し始める。
『エース、やるねぇ』
『マジか。姉と弟とライバルの三角関係とかマジか』
『ブラコンの姉を持つシスコンに惚れるとか地獄やろ』
『エース先輩は男になんて興味ないし、一生結婚しない孤高のイケメンなんだが?』
うーん、色々ひどい。
「エースかぁ……悪くないけどアスカを任せるにはちょっと頼りないかなぁ」
「そう? エースくん頼りになるしカッコいいと思うけど」
「なぁ!?」
俺の言葉に真っ赤になって固まるエースくん。
いや、別に好きとか惚れたそういうのではないから安心してくれ。
俺はシスコンなので。
「まぁアスカが欲しいなら、とりあえずG1の大舞台で私に勝ってからのお話かな?」
「とりあえずですごい要求しないでくれる?」
「あはははは!」
おいおい、わらとるで。
俺は三冠ウマ娘相手にG1で勝てるくらいのウマ娘じゃないと交際すらできないらしい。
うわっ……俺が結婚できる可能性、低すぎ……?
「というわけらしい。エースくん、俺と交際したかったら頑張って勝ってくれ」
「どういうわけだよ……こいつのライバルやめたくなってきた……」
頭を抱えるエースくん。なんかすまん。
「はははは。俺もシーねぇも冗談だから気にしなさんな」
「あーまぁわかってるけどな……もういいわ、なんか疲れたからいくわ」
頭を掻きながら去っていくエース君。
その姿を見送っているとシーねぇが口を開く。
「……私は冗談じゃないけどね?」
「俺は冗談だよ? シーねぇが自由に羽ばたく姿をいつまでも側で見ていたいからね。恋愛によそ見してる暇なんてないよ」
「えっ……」
俺の言葉に少しびっくりした様子のシーねぇ。
「……全くもう、シスコンなんだから。いいわ、見てなさい。私はどこまでも、誰よりも自由に羽ばたいてみせるから!」
そして最高の笑顔を見せるのであった。
その数日後、なぜか『カツラギエース、ミスターシービーに「レースも恋も負けない!」と大胆な宣戦布告!!』という謎の噂が広まり、白目状態になっているエースくんの姿があったとかなかったとか。
南無。
シーねぇはグーねぇと同じで弟のデートに「ん? 私もいくけど?」とかいって普通についてくると思います!
このお話を書いてる時はエースの一人称を『オレ』で書いてたんですが、ある作者さんの耳かき作品を読んだらエースの一人称が「あたし」になっていて急いでサポカ読み返しました(苦笑)
思い込みって怖いですね……