【完結】もしもウマ娘がブラコンお姉ちゃんだったら最高だよね杯   作:藤原ロングウェイ

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皆さん、ハッピーハーフアニバーサリー!

ヒシミラクル(姉)実装!
最初の実装時は「トプロじゃないんか……」とスルーしたのですが、マベサン天井の際にすり抜けで来てくれたので育てたらまぁかわいいこと!骨抜きにされました(笑)


ヒシミラクル(ブラコン度:B+)と弟の場合

「…………」

 

 俺の名はアスカ。トレセン学園に所属する新米トレーナーである。

 なぜ俺が運動場で腕を組みながら指でトントンしてるかというと、担当が練習場に来ないのである。

 約束の時間が過ぎてからすでに15分。

 何かあったのだろうか……サボりならまだいいが、怪我とか熱中症で倒れたりとかしてたら大変だしな……

 スマホを取り出しLANEを起動する。

 

「『うちの姉の消息求む。写メ付きでの情報提供者にはカフェテリアでアイスを奢ります』っと」

 

 そして【ミラクルネットワーク】グループに書き込む。

 

 ハーちゃん『おk』

 ロンちゃん『把握』

 コンちゃん『任せろ』

 ムーちゃん『アイスは私がもらった』

 

 メッセージを打ち込んですぐに返事が。頼もしいぜ! 

 ──それから十分後。

 コンちゃんから『アニキ! ホシはこんなとこにいやしたぜ!』というメッセージと共に写メが送られてきた。

 

「『迅速な連絡助かる。ガリガリくんでもアイスボックスでもチョコモナカジャンボでも好きなものを頼むといい』っと」

 

 そう書き込むとすぐ既読が付き返信が来た。

 

 コンちゃん『ハーゲンダッツありがとうございます』

 

 ブリッジコンプェ……アイスのランクをめっちゃ上げやがった。

 ちくしょう、これの全てやつのせいだ……いくか。

 

 

 

 情報を頼りにカフェテリアに着いた。

 やつは…………いた。

 

「なんてラッキーなんだろうなー今日の私! まさか売り切れ必死の限定品、超あんバタークロワッサンDXが三つも余ってるなんて!」

 

 うーん、なんて説明口調。

 アホ丸出しですね。

 

「目の前に三つ、一つ食べてもまだ二つ、二つ食べてもまだ一つ……うーん、永久機関かな!?」

「減っとるやないかーい」スパーン! 

「痛いっ!?」

 

 テーブルに並んだパンを眺めて悦に浸っているウマ娘の後頭部をハリセンでぶっ叩く。

 

「こ、この容赦ないツッコミとドSな声は……」

「I'm your brother」

「Noooooo!」

 

 絶叫をあげるこのどこにでもいそうな普通のウマ娘はヒシミラクル。通称ミーねぇ。

 俺の担当であり、俺の姉でもある。

 

「あらあらあらあら、まぁまぁまぁまぁ。すごくすごいクオリティーがお高くて値段もお高くてカロリーもお高そうな物を食べていらっしゃいますねお姉さま?」

「ち、違くて! えーっと、その……そう! これには深く深〜いワケがあって!」

「ええ、ええ、聞きましょう。もちろん聞かせていただきますとも。さぁどうぞ。存分にワケを語ってくださいな」

「えっと……その……あの……」

 

 アワアワしていたミーねぇが目を瞑り、スーハーと数回深呼吸するとカッと目を見開く。

 

「食べたかったの!!」

「知ってた」

 

 わかってはいたけどワケは浅かった。

 

「だって限定品だよ!? それが偶然とはいえ手に入ったんだよ!? 食べるでしょそりゃ!」

「買うのはいいけど、部屋の冷蔵庫に入れて練習終わってから食べてもよかったよね?」

 

 俺の言葉に対し、哀れみの目を向け『はぁ~~~』とかいうクソでかため息を吐くミーねぇ。

 

「超あんバタークロワッサンDXを生で食べないなんて……さてはシロウトだな?」

「生て。ただのパンじゃ──」

「パンじゃない超あんバタークロワッサンDXだ二度と間違えるな」

「あ、はい。ごめんなさい」

 

 あまりの迫力につい謝ってしまった。

 なんか悔しい。

 

「……そんなんだからW62なんだよ」ボソッ

「は、はぁ!? アスカ、今お姉ちゃんのことデbぽっちゃりって言った!?」

「言ってますん」

「私はぽっちゃりじゃない! 普通! 普通だから!」

 

 え~? 普通のウエストのウマ娘が『ゆったり着られて着心地がいいから』とかいって勝負服のベルトをゴム製にするでござるか~? 

 

「でもトレセンの公式プロフィール見てもW60超えてる子ってほとんどいないけど」

「あれはブラフ! 嘘です! 皆絶対サバ読んでるから! キングさんくらいだよ正直者は!」

「でもゼファーとかゴルシとかすごくない?」

「あんなスタイルモンスターたちとお姉ちゃんを一緒にしないで!!」

 

 絶叫をあげるミーねぇ。

 まぁ確かにあの娘さんたちは腰が細すぎていつか折れるんじゃないかと心配にはなる。

 

「そんなミーねぇのために不退転マシーンの使用許可を取ってきたよ!」

「えっ! この炎天下で不退転マシーンを!?」

「できらぁ!」

「いややらないよ何言ってんの!? お姉ちゃんに死ねと!?」

 

 不退転マシーン。

 中がデパートの回転ドアのようになっていて、その中をグルグル回るだけという何に使うのかよくわからない謎のトレーニングマシンである。正式名称は知らない。

 トレーニングマシンというより懲罰房とか拷問器具とかの名称の方が合いそうな謎マシンであるが、グラスワンダーを始めとしたストイックなウマ娘たちがレースで負けた後などに鬼気迫る表情で不退転マシーンを回している姿が目撃されている。

 

「騙して悪いが、これも仕事なんでな。痩せてもらおう」

「鬼! 悪魔! 英語の先生!」

「うるせぇ! このお餅みてーな贅肉をなくすことがトレーナーとして、弟としての俺の使命なんだよ!」

「ギャー!! ヤ、ヤメロー!!」

 

 ミーねぇの制服の中に下から手を突っ込んでお腹の贅肉を掴み、ひっぱる!

 わからんのか? トレセン学園のイレギュラーなんだよ。太りすぎたんだ、お前はな!(鴉並感)

 

「み、みなさーん! セクハラ! セクハラですよ! このトレーナー、担当ウマ娘のお腹を触ってますよー!」

「うちの姉の駄肉を掴んでいるだけです。姉弟のスキンシップです。お騒がせして申し訳ありません」

 

 ミーねぇの駄肉を掴みながらも俺は頭を下げる。

 最初の頃は皆ギョッとした顔で『え、通報したほうがいいの?』とか言ってたが、すでに慣れたもの。

 中には『ピッチャー太ってる! ヘイヘイヘイ!』とか言って無駄に煽ってくる子もいるくらいだ。

 

「ちょ、アスカ、マジで離して! お肉痛くなってきた! あとコンちゃん! 私は太ってない!」

 

 煽ってるのは美味しそうにハーゲンダッツを食べているコンちゃんだった。

 

「わかった。俺も鬼でも悪魔でも英語の先生でもない。ここは一つ交換条件といこうじゃないかね」

「……何?」

「今週、練習をサボらずに頑張ったら……」

「……頑張ったら?」

「週末は……お好み焼き!」

「!?」

 

 その言葉を聞いた瞬間にミーねぇの目つきが鋭くなり、その場で挙手をする。

 

「先生! 具は! 具はどこまで許されるのでしょうか!?」

「……全部のせ」

「なん、だと……? つまり……EIHZ?」

「そう。エビイカホタテ、ズワイガニ」

 

 ミーねぇの体がプルプル震えだす。

 ……もう一息だな。ここでさらに畳み掛ける! 

 

「できるって! ミーねぇなら絶対できるって! トレセン学園合格するハイスペックもってんじゃん! 才能の塊じゃん! 可能性の獣じゃん!」

「ん~……そうかな?」

「そうだって絶対そうだって! 大器晩成型なんだよ絶対芽吹くって! 将来は大木、いや、ウマ娘界の世界樹だって! クラシック三冠とトリプルティアラを一緒に獲れちゃう器なんじゃないの~!?」

 

 自分で言っててなんだがクラシック三冠とトリプルティアラを一緒に獲るのは日程的、体力的に不可能やろと思うが気にしない。

 大事なのはノリ! 

 

「そ、そうかな~? ……はぁ、仕方ないか。アスカがそこまで言うならお姉ちゃん、ちょっと頑張っちゃおうかな~?」

 

 まんざらでもなさそうな顔で答えるミーねぇ。ちょろい。

 

「ヒュー! さっすがミーねぇ! そこに痺れる憧れる~! よーし、さっそく練習だ!」

「週末はお好み焼きだからね!」

「モチのロンよ! エビ! イカ! ホタテ!」

「ズワイガニー!」

 

 そんなこんなで二人でEIHZの歌を歌いながらカフェテリアを後にするのであった。

 そしてその場にいたウマ娘全員の心は一致していた。

『あの姉弟めちゃくちゃ仲良いな!?』と……。

 

 

 

 ちなみに残った超あんバタークロワッサンDXはコンちゃんたちに食われており、練習後にミーねぇはそれを知らされ荒れるのであった。

 




母親にクーちゃんって呼ばれてる関係でクーねぇが良かったんですが、クーねぇの呼び名はマックイーンにすでに使っていたので採用ならず……残念無念(苦笑)
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