【完結】もしもウマ娘がブラコンお姉ちゃんだったら最高だよね杯   作:藤原ロングウェイ

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皆さん、ハッピーハーフアニバーサリー!(一年ぶり二回目)
久しぶりの更新でしたが何人もの読者さんからブクマや高評価、感想やここすきを頂きました。ありがとうございます。
そしてこのうまあね、かなりニッチな作風ではありますが皆さんの応援のおかげでついに総合評価6000を超えました。ありがとうございました。

カワカミプリンセス(姉)実装!
生牧草バンクで牧草寄付するくらいにカワカミプリンセス推しだったのでついに書けてよかったです。
カワカミ……遅れてごめんな……お前のことがショックすぎて書くのが辛かったんだ……やっと書けたよ(号泣)

今日は三回更新です!一回目!


カワカミプリンセス(ブラコン度:A+)と弟の場合

 皆さんこんにちは、アスカです。

 ただいまトレーニング場に向かう途中の広場でベンチに座りながら担当と待ち合わせ&トレーニング内容の確認chu!

 うちの担当はピンチをパンチで切り抜けるパワー系ウマ娘なのでトレーニング内容は繊細さがもとめられるのだ。

 

「みぎゃぁあああ!!」

 

 その時、広場の隅っこの方で大きな叫び声が。

 このかわいらしくもきったねぇ叫び声は!?

 うおおおおお!!

 

「ワカねぇ、どうした!?」

「アアアア、アスカ!? よく来てくれましたわ!」

 

 全力ダッシュで辿り着いた先にいたのはカワカミプリンセス。俺の担当ウマ娘でありお姉ちゃんだった。

 しかし、この慌てようは尋常ではない。

 一体何が……

 

「どうしましょう、お姉ちゃん、ついにやっちまいましたわ!?」

「やっちまったって──」

 

 ワカねぇの目線の先。

 そこには、一人のウマ娘がうつ伏せになって倒れていた。しかも何かをブツブツ呟いている。

 マ、マジでやっちまいましたわ……!?

 

「おおおお落ち着くんだワカねぇ! そ、素数! 素数を数えるんだ!」

「ソスウってなんですの!? 孫悟空の親戚ですの!?」

「3とか5とか7とか、割り切れない数を数えるんだ!」

「わ、割り切れない数ですわね!? わかりましたわ! いち! さん! ごー! なな! きゅー!」

 

 でかい声で数を数え始めるワカねぇ。

 ……よし、『残念ながら1は素数じゃないんだ』とか『9は割り切れるよね?』って脳内ツッコミできるくらいには落ち着いてきたぞ。

 慌てている人を見るとこっちは落ち着くって本当だったんやなって。

 

「とりあえず怪我の状況を確認しなければ」

「そ、そうですわね!? どっせーい!」

 

 ワカねぇが倒れ伏してるウマ娘ちゃんを全力で転がすと、三回転半してちょうど仰向けに止まる。

 そのウマ娘は……

 

「ノォホホノォホ……」

「「こわっ!?」」

 

 そこにいたのは鼻血を出しながら至福の笑顔を浮かべているアグネスデジタルだった。

 とにもかくにも怪我の確認をしなければ。

 

「デ、デジタル、大丈夫か? 生きてるか?」

「……後悔はない。今までの旅に……起こった事柄に……わたしは後悔はない……」

「よし、大丈夫そうだな」

 

 花京院デジ明はここにそっとしておこう。

 とりまワカねぇに事情聴取だな。

 

「うーんと、何があったか最初から説明してもらっていい?」

「最初からというと……こほん。華麗で優雅で、最強最速! カワカミプリンセス!」

「待って待って待って待って。何が始まったの」

 

 突然クルッと回ってポーズを取り始めるワカねぇに恐れおののく俺。

 

「え、アスカが最初からといったでしょう? なら! まずはOPからですわ!」

「それOPの冒頭だったんだ……」

 

 てっきり『月に代わって〜』的な口上だと思ってたよ弟は。

 

「いや、俺が聞きたいのは花京院デジ明が死亡確認!する前の話なんだけど」

「なるほど!それならそうと言ってくださればいいのに!」

「普通はそう思うよね?」

「お姉ちゃんは普通ではなく、プリンセスですので!」

 

 何を言ってるかちょっとよくわからないですね。

 

「そう、あれは放課後になってすぐ。今日のトレーニングもぶちかましていきますわよ!と廊下を驀進していた時のこと……」

「え待って。驀進?」

「今風に言うと直進ともいいますわね! チョクシンチョクシーン!」

 

 なぜか自信満々のワカねぇ。

 猛ウマ娘注意とまで言われたワカねぇが廊下を爆走って……確実に後でエアグルーヴ案件じゃないですかヤダー。なぜか俺まで怒られるやつー。

 

「お姉ちゃん、その時閃きましたの。このまま二階の窓から飛び降りれば練習場まで一直線にショートカットができるのでは、と!」

「お姉ちゃんはどうしてその結論にたどり着いてしまったのですか?」

「一刻も早くアスカに会いたかったお姉ちゃん心ですわ!」

 

 そんな素敵な笑顔に騙されクマー。

 いや、俺に早く会いたくてそこまでしてくれるのは嬉しいよ? 嬉しいけどね?

 

「あの、危なすぎて心臓に悪いから絶対やめてね? 俺が心労で倒れちゃうからね?」

「むぅ~……わかりましたわ。アスカを困らせるのは本意ではありませんし」

 

 わかったとは言ってもちょっと拗ねてる感じのワカねぇ。

 ガチでわかってくださいお願いします。

 

「コホン。思い立ったら即実行! たまたま開いていた窓からプリンセスダッシュからのプリンセスジャンプ、そしてプリンセス着地を決めたのですが……」

「プリンセス着地とは?」

「プリンセス着地とは、一言で言えばヒーロー着地のことですわね!」

 

 じゃあつまりヒーロー着地じゃん。プリンセス要素ないじゃん。

 

「お姉ちゃんがプリンセス着地を華麗に決め、決まった!と思っていると後ろからドサッとという音がして振り向いたら……」

「ご覧の有様というわけか……」

「そこから先は私が説明しましょう!」

 

 その時、後ろから声が。

 その声は……!

 

「お、お前は花京院! 生きていたのか!?」

「お待たせしましたね! いつ出発しますか? 私も同行します!」

 

 花京院デジ明ことアグネスデジタル、鼻にティッシュを詰めて復活!

 

「今回の一件、カワカミさんに落ち度はありません」

「あるだろ」

 

 廊下を驀進もプリンセスジャンプもプリンセス着地も全部落ち度まみれやろ。

 

「いや、まぁそうかもしれませんが……とりあえず話を聞いていただいても?」

「当事者がそう言うなら、まぁ」

「では……そう、あれは放課後になってすぐ。今日もウマ娘ちゃんたちの頑張る姿を脳内SSDに保存しなくては!と校内を徘徊していた時のこと……」

「お前、いつか捕まるぞ」

 

 外見がかわいいウマ娘だから許されてるだけで、性別が男なら通報案件だからな普通に。

 

「ちょっと休憩と思って芝生の上で体育座りをしていると、頭上から『ちぇすと~~~!!』という叫び声が聞こえたのです。反射的に上を見上げるとそこには……」

「そこには?」

「カワカミさんのスパッツが目に飛び込んできたのです。こう、スカートの真下から覗く感じのスーパーアングルで──」

「もしもしポリスメンっと」

「お待ち下さい!」

 

 俺がスマホを取り出しどこかに掛けるフリをするとアグネスデジタルは必死の形相で腕にしがみついてくる

 

「こ、故意ではありません! 事故です! そのスマホの通話ボタンから指をそっと離すことをおすすめしますよアスカトレーナー!」

「……はぁ。まぁなんとなくわかったよ。つまり、どこかにぶつかったとかじゃなく……」

「はい。天使の悪戯を目撃した結果、私の鼻から半径20m!エメラルドスプラッシュ!が飛び出しただけです」

 

 両手を腰に当て、えっへん!と胸を張るアグネスデジタル。

 どこに誇る要素が……?

 

「と、とにかく良かったですわー! 私のプリンセススタンプで顔面陥没したウマ娘はいませんでしたのね!」

「いなくてよかったよほんと」

「【スパッツ降って血固まる】とはこのことですね!」

「しばいたろか」

 

 まぁなんにせよ、デジタルが鼻血を出した以外に何事もなくてよかった。

 ショートカットしようとして二階から飛び降りた挙げ句にウマ娘の顔面にベガ並のヘッドプレス決めるとか不祥事どころか退学まっしぐらのお先真っ暗案件ですからね……

 

「カ~ワ~カ~ミ~!」

「「ひいぃ!?」」

 

 恐ろしい声が背後から聞こえ、振り向く。

 そこには……

 

「歩いていたら『男性トレーナーとその担当ウマ娘っぽいものがウマ娘で大玉転がしをしている』などという意味のわからん通報を受けたので駆けつけたら……またお前たちか!」

 

 怒り心頭のエアグルーヴがそこにいた。

 

「ち、ちがっ!くはないけど!」

「ちがわんではないか! なぜお前たち姉弟はすぐに問題を起こすのだ! これから生徒会室に──」

「お待ち下さい!」

 

 両手を広げてエアグルーヴの前に立ちふさがるデジタル。

 怒れるエアグルーヴの前に立ちふさがるなんて、なんて勇気だ。

 デジタルが一瞬こっちに振り返り、不敵な笑顔でコクンと頷く。

 もしや、こいつが【勇者】というやつか……

 

「副会長殿! 此度の一件、私が『私を大玉転がしの玉にしてください』とお二人に頼んだんです! お二人は悪くありません!」

「「「…………はぁ?」」」

 

 勇者デジタルゥー!

 気持ちは嬉しいがフォローの仕方がおかしいって!

 エアグルーヴも勇者じゃなくて変質者を見る目になってるって!

 

「……アグネスデジタル」

「なんでしょう?」

 

 片手で頭を抱えるエアグルーヴの問いに『絶対にここは譲らないぞ!』という気迫を見せるデジタル。

 こんなナリでも、やはり勇者なのか?

 

「お前にも『黄緑色に発光し奇声を上げながら校内を徘徊する生徒がいて眩しくて困る』という苦情がはいっている」

「えっ」

 

 勇者じゃねーわ。むしろどちらかというとモンスターだったわ。

 トレセン学園七不思議の一つがまさかデジタルだったとは……このアスカの目をもってしても(以下略

 

「とりあえず三人まとめて生徒会室について来い!!」

「「「ヒョエエ~~~~~!!」」」

 

 俺たち三人の悲鳴がトレセン学園に響き渡る。

 ショートカットから始まったこの事件、お説教タイムと反省文のおかげで午後のトレーニングは丸々潰れるのであった。

 アスカと カワカミプリンセスと アグネスデジタルの やる気が 下がった !

 ちゃんちゃん。

 




もし気に入った話があったら高評価、感想、ここすき等いただけたら嬉しいです。
よろしくお願いします。

激甘お姉ちゃんになるはずが、コメディ色が強かったためあまり感じられず……力不足で申し訳ない。
あと今回ジョジョネタ多くてすいません。
自分で思いついた【花京院デジ明】に自分でツボってしまったというアホな結果です。

次回!
こ、この最初から最後まで一番前を走ればいいのよとでも言いたげなお姉ちゃんなシルエットは……!?
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