怪 異 か ら は 逃 げ ら れ な い 作:えんびフライ
『ピーポーピーポーピーポーピーポー』
救急車のサイレンが聞こえてくる。誰が外にある死体を見つけて通報してくれたのだと淡い期待を抱くが、案の定サイレンの音は大きくなったと思ったら小さくなった。
「助けてきてくれないみたいですね・・・」
「そうだな」
現実は常に非情であった。
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俺たちは再び西部屋へと入る。部屋は暗いままでパソコンを再び起動しようとするがつかない。不思議に思いコンセントを見るとケーブルが切られていた。
「ケーブルが切られている・・・」
「そ、そんな!?」
苦い顔をする姫野さん。
「どうすれば・・・」
「あれ、椅子のところに鍵が・・・」
『風呂場の鍵』を手に入れた。
ふふふ、ばかめ、どうやら神は俺たちに味方したようだ。あまりに俺たちを追いかけるのに夢中で鍵を落としてしまったようだな!!
「そ、その鍵、血がついていて嫌な予感するんだけど・・・」
「大丈夫、大丈夫。こういう敵が落としたものには結構重要なものだったりするから」
「そ、そうかな?」
あまり俺を舐めないでほしい。俺は我が家の平和と秩序を守る正義の味方、阿波連一地。またの名を一級在宅士代表戸締役社長である。学校に行かないでほぼゲームをして引きこもっている俺にとってはこれくらいのことは朝飯前なのである。
「とりあえずまずは風呂場に行こう。案内してくれ」
「わ、わかりました・・・」
俺は風呂場の鍵を使って鍵を開ける。中に入ると洗面所だった。周囲の様子を見渡しながら奥の浴室に進んでいく。
「は?」
中には俺より年上の男性が上半身と下半身が見事に切り離されていた。グロいです。いやマジでグロい。ここにくるまで女性とハゲの死体を見てきたがそれよりもっとグロい。俺はゆっくり目の前の死体に近づいてく。・・・な、なんだ!
「アアアアァァァァァァ」
「あああああああ!やめろやめろ」
思考が止まる。えっ、えっ、えっ、なんで急に死体が動くんだよ!!ゾンビ、ゾンビか!?やめて!俺はゾンビが苦手なんだよ!!
「アアアアァァァァァァ」
「ま、まま待てっ!!お・・・落ち着け、早まるなっ 話せばわかるっ!!」
「アアアアァァァァァァ」
「抱きつくんじゃねぇぇぇ!!!」
抱きついてきたゾンビもどきがチ塗りの歯で俺を噛みついてこようとする。必死に抵抗するがなかなか拘束から解かれない。
「てめぇ、いい加減離しやがれっ!」
俺の蹴りがゾンビもどきの腹部に当てる。さらに渾身の右ストレートで追撃、これで大抵の相手は死ぬ。俺のパンチはゾンビもどきの顔に当たり血が勢いよく飛び出る。おニューの服に返り血をたくさん浴びてしまう。あちゃ~これはクリーニングに出さないとだな・・・
死闘を繰り広げた結果なんとか倒すことができた。なんで俺に負けたか明日までに考えといてください。
倒れているゾンビもどきの姿に嫌気を刺した俺は急いで浴室を出る。風呂場から出ると姫野さんが困惑の表情を浮かべてこちらを見つけていた。
「あ、阿波連くん?ど、どうしたの!?そんなに血だらけで!?」
「聞くな」
「でも」
「聞くな、知らないことがいいこともある」
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「実はさっき姫野さんがパソコンを見ていたときにメモを見つけて物置の鍵の在り処を見つけたんだ、今度はそこにいこう」
西部屋で見つけたメモを姫野さんに見せる。しかしあまり乗り気では無そうで不安な表情をしている。
「今度は大丈夫ですよね?」
「大丈夫だよ」
「本当ですか?」
「・・・多分」
「・・・」
姫野さんがじとーっとした目つきでこちらを見つめる。
『効果は バツグンだ!』
やめろっ!コミュ障の俺にとって女の目つきに弱いんだ!だからその目をやめろっ!その後なんとか苦渋に満ちた顔をしながら納得してくれた姫野さんと一緒に大広間に行った。大広間にある時計の裏に手を伸ばしてみるとと何かがテープでくっついていた。
『物置部屋の鍵』を手に入れた。
「よ、よかったぁ・・・」
「ちょ、安心しないで!」
何もないことに安心して安堵の表情を浮かべる姫野さん。いくらなんでも俺のこと信用しなさすぎじゃないんですかねぇ…
「物置部屋ってどこにあるの?」
「地下にありますよ」
「地下!?」
地下があることに驚く俺。この家に入ったときから薄々金持ちの家だとは思っていたがまさか地下まであるなんて・・・、一体ここに住んでいる家主はどのくらいの権力者だったのだろうか・・・
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地下に入り右側にあるドアに物置部屋の鍵を使いドアを開ける。中にはその名の通りガラクタばかり置かれている。目立つものといえば高価な壺だろうか。俺たちは部屋の隅々まで使えるものがないか探した。
「阿波連さん、こっちは予備の電子ケーブルを見つけましたよ、他になにかありましたか?」
「これを見つけた」
俺は右手に持ってる孫の手を姫野さんに見せつける。
「孫の手?、いったい何に使うんですか?」
「これがあればもし手が届かないところにあるものがあっても取れるだろう?それにさっき君と初めて出会った部屋でベットの下になにか鍵のようなものが見えたからね。それをこれで取ろうと思って」
簡単な説明をすると姫野さんが驚嘆な表情になって固まっていた。なにかおかしなことでも喋ったか?
「へぇ~、意外と頭良いんですね」
ひどい!今まで俺のことをそんな風に思ってたのか!
「ところでなんで由佳の部屋のベットの下に鍵があることを知ってるんですか?」
「あ、えっと、それは、その・・・」
「後でゆっくりとお話させてもらいますからね」
「・・・はい」
その後西部屋に戻った俺たちは電子ケーブルを繋げ、再びパソコンを起動させる。マウスを持った姫野さんが食い気味でさっきまで表示されていたサイトの続きを見る。
「あった・・・ひとりかくれんぼの終わらせ方」
『その一。
コップに塩水を入れ、半分口に含む。
準備が出来たら、ぬいぐるみを探す』
『その二。
ぬいぐるみを見つけたら、口の中の塩水とコップの残りの塩水を吹き掛ける』
『その三。
ぬいぐるみに向かって【私の勝ち】と3回言う』
『これで【ひとりかくれんぼ】は終了です。
その後、必ずぬいぐるみは燃やしてください』
「何よこれ・・・こんなの・・・ただの遊びじゃない!!」
姫野さんが今までにない激しい怒りを見せる。女って怒ると怖いんだな・・・。
「今起こっていることは・・・ここに書いてあることとは全然違う・・・。何の解決策にもならないよ・・・」
「でも、お前の友達が遺言で――」
「勝手に由佳を殺さないで!!」
「す、すみません・・・」
あれれ~?おっかしいぞぉ~?なんでさっきまで俺が説教しようとしたらいつの間にか俺が怒られているんだ~?
「ともかくお前の友達は少し大規模とはいえこのサイトを見てひとりかくれんぼを始めたんだろう?だったらこれの通りに終わらせられればここから脱出できるはずだ」
「・・・そうですよね、由佳のことだもんね。由佳が間違えたことを言うはずなんてないですよね」
えぇ・・・その自信はどっから来るの?
「そうだ・・・。確か燃やせるものといえば二階の座敷に暖炉があったはず・・・」
「よし、なら人形を燃やすためにいくつか準備が必要だな」
「そうですね、早速二階の座敷に行きましょう」
「あぁ」
あっ、そうだ。一つ忘れていたことがあった。
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『【悲報】悲鳴を聞いて駆けつけたら女性が死んでいたんだが』
287:名無しのイッチ
後は終わらすだけだな、じゃあなお前ら!!!!もう二度と会うことはないだろう!!!!後は勝手にスレ消費しておけ!!!!!
288:名無しの一般人さん
>>287おい待て逃げるな!!!!!
289:I love オカルト♡
>>287そうだそうだ!!!
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よし、これで使えないゴミどもとはこれでおさらばだな。
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西部屋から出ると廊下の壁のあちこちに血がべっとりと付いた。
「ひっ…!なんなの…これ…」
「まっ、まて落ち着け、これは幻覚だ。俺たちは人の血を見過ぎて視界がおかしくなったに違いない」
「そ、そうですよね!これはきっと幻覚ですよ!ははは・・・」
二階に上がるとそこには頭がない下半身姿の死体が徘徊していた。
「アアアアァァァァァァ」
「く、首が・・・無い」
突然の登場に腰が抜けてしまった姫野さん。その隙を狙うかのように首無し野郎が姫野さんに近づいてくる。と思ったら素通りした!?と、いうことは・・・
「アアアアァァァァァァ」
「やっぱりこうなるのねぇぇぇ!!」
「阿波連さん!」
「じゃあな姫野さん、アイル・ビー・バック!生きていたらまた会おう!」
俺は急いでどこかの部屋に入りドアを閉める。・・・音が鳴っていない。どうやらもう追ってきてはいないようだ。幸い首無し野郎は動きが遅いようで余裕で逃げ切ることができた。それにしてもハゲの下半身が襲い掛かってくるとはな。姫野さんとは途中ではぐれてしまったがなんとか逃げ切ることができた。あのクマといいゾンビもどきといいなんで俺ばっかり狙うんだ・・・まっこの鍛えられてきたこの俺の自慢の足腰ならこの程度余裕余裕・・・
「みぃつけた」
「あ」
なんだかよくわかりませんが怪異症候群で総合評価順にすると一番上になってました。
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