羅刹の希求   作:蒼林檎

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第二十七話『鬼は外』

 サスケ奪還作戦は結論から言うと失敗に終わった。 サスケ奪還にも赴いた忍は生死を彷徨う重傷者が多く、ナルトは命に別状はないものの、決して軽症とは言えない傷を全身に負って帰ってきた。

 ラセツはまだ目を覚さないナルトの傍に座り、ナルトの生を確かめるように手を握っていた。 

 

 

「……ぅ、」

 

「……!!…おはよう。ナルト」

 

「ラセツ…?」

 

「……看護師さん呼ぶね」

 

 

 意識や記憶に齟齬がないか簡単な確認をしてもらい、問題ないと判断されたが、ナルトは唇を噛み締めて俯き、布団を強く握っていた。 やがて噛み締められた唇から出てきたのは、絞るように弱々しく掠れた声だった。

 

 

「なぁ、ラセツ…」

 

「うん」

 

「サスケ、行っちまったんだ…連れ戻せなかったってばよ」

 

「うん」

 

「オレってば、サクラちゃんとの約束、守れなかった…」

 

 

 サスケ奪還メンバーとサクラが出発時に言葉を交わしていたのは知っていた。 おそらくその時に「サスケは必ず連れ戻す」などの約束を交わしたのだろう。

 

 

「サスケ…ッ」

 

 

 木ノ葉の印に傷のついた額当てはサスケのものだ。ナルトは悲痛に顔を歪め、サスケの額当てを強く握りしめた。

 

 

「なんだ。起きてたのかよ」

 

「シカマル!」

 

「…ラセツも来てたんだな。てか、情報速すぎだろ。オレより早いって…」

 

「ラセツだからね」

 

「それで納得出来るオレも末期だな…」

 

 

 額を抑えながらもシカマルは気を取り直し、サスケ奪還に向かったメンバーは重傷者は居るものの、全員無事峠を越え、後遺症も残らない事を伝えた。

 

 

「そっか、みんな無事だったんだな…よかった」

 

「ナルト…サスケは」

 

「すまねぇ、止めらんなかった」

 

「そうか」

 

 

 シカマルは腕を組んだままナルトから視線を地面に移し、静かに事実を受け止めた。 その時、病室の扉が開く音がして、高いヒール音と聞き慣れたサンダル音が入室した。

 

 

「…なんだ、ラセツ。もう居たのか」

 

「流石ね、ラセツ」

 

「綱手様!サクラ!」

 

 

 入室したサクラの姿を見た瞬間、ナルトの蒼い双眸が大きく揺れ、唇をかみしめて俯いた。 綱手が傷の様子を確認する為に質問するが、ナルトは綱手の質問には答えずにサクラに向かって絞り出すように声を発した。

 

 

「ごめん…サクラちゃん」

 

「なんで、アンタが謝るのよ。アンタのことだからまた無茶したんでしょ。全く…ミイラ男みたいじゃない」

 

 

 落ち込むナルトを元気付けるようにサクラは笑うが、その笑顔に力は無く、無理矢理貼り付けているものだという事は誰の目にも明白だった。 

 

 

「ごめん…オレってば」

 

「ほら。そんなことより、今日はいい天気なんだから…外の景色でも眺めてなさい」

 

 

 ゆったりとした足取りで窓際まで歩き、カーテンを開いてのしかかる様な空気に包まれる病室にあまりにも場違いな、明るく美しい太陽の光を取り入れる。

 

 

「サクラちゃん!オレ…、約束は絶対守るってばよ!一生の約束だって言ったからな!オレってば!」

 

「いいのよナルト…もう、」

 

「いつも、言ってたからな、オレ…真っ直ぐ自分の言葉は曲げねぇ!それがオレの忍道だからよ!」

 

 

 誰もがサスケの事は諦めていた。しかしナルトは何ひとつ諦めてはいなかった。ナルトは強い覚悟が滲んでいる笑みを向ける。

 ナルトの覚悟はこの場にいる全員の感情を揺らし、諦めたものを再度掴もうという覚悟をみせた。 そんな皆を見てラセツは強く思う。

 

ーーーこの英雄を最後まで守らなければ。と。

 

 ラセツは今まで1度もナルトが英雄であるという事を疑ったことはない。そしてナルトがこれから木ノ葉の壁を超えて世界の英雄になる事も疑ってはいない。

 だが、まだナルトの持つ英雄の火は小さく乏しい。少し強い風が吹けばすぐに消えてしまう程に弱い。ならばどうするか。答えは簡単だ。護ればいい。

 蝋燭のような英雄の火が脅威に吹き消されそうになれば、その脅威から護ればいい。英雄の火が嵐にも負けない轟々と燃える炎になるまで。

 

 

「それなら…ラセツは、ナルトが安心して無茶出来るように頑張ろうかな」

 

 

 例えそれがナルトや仲間と敵対することになったとしても、大罪を犯し犯罪者として軽蔑されても、この命が燃え尽きたとしても。

 これからナルトの脅威になるであろう『暁』に加入することは選択していたことだが、何処かで覚悟ができていなかった。しかし、今やっと覚悟が決まった。

 

 

「……それ、すげぇ大変だぞ」

 

「うん、超大変!頑張らなくっちゃね」

 

「なら…ラセツ。お前には明日からバリバリ働いてもらうよ!甘味処へ行く時間もないと思いな!」

 

「そりゃないですよ綱手様ぁ…」

 

 

 ラセツは眉を下げて肩を落とした、その時。ナルトが今日1番声を張ってラセツの名前を呼び、ニカリと笑みを向けた。

 

 

「……ありがとな!」

 

「うん!」

 

 

 じわりと暖かいものが胸に広がる感覚がした。 笑い合う2人の光景を見てサクラは扉の前まで歩き、足を止めて半分だけ振り返る。

 

 

「……私も置いていかれないからね」

 

「サクラ?」

 

「少し待たせることになっちゃうけど、今度は私も!」

 

 

 サクラの声には力強さが宿っており、先程までサスケの事を諦めていたサクラとはまるで別人だった。

 

 病院を出た後、ラセツは木ノ葉の忍として最後の半日を楽しんだ後、家に戻ってイタチが渡した巻物を開き、巻物が上層部がいる部屋に繋がるまで待つ。

 ゆったりと時間は過ぎ、時計の短い針と長い針が空を指した瞬間、巻物に刻まれている術式が僅かに輝く。ラセツは術式の中心部分にチャクラを流し、術式を発動させた。

 

 

「来たな」

 

 

 景色は一変し、見慣れた部屋はもう何処にもなく、代わりに3人の老人が目の前に座っていた。

 

 

「返答を聞こう」

 

 

 無駄話をする気はないようで、頭と片目を隠すように包帯を巻いている老人は早速本題へ入る。 ラセツとしても無駄話をしないのは好都合だ。正しく膝を折り、頭を垂れ、口を開いた。

 

 

「『暁』に潜入し、監視及び『暁』が九尾捕獲をした際の対策として務めたいと思います」

 

「……では、これより木ノ葉はお前を抜け忍とし、追跡及び捜索をする。『暁』加入を確認した後、S級犯罪者としてビンゴブックを更新し、生死を問わず捜索する」

 

 

 いきなりS級に登録されるという発言にラセツは顔を上げた。確かに『暁』はS級犯罪者ばかりが所属する組織であり、危険と認知するべきだが、所属するだけでS級なのか。 そう思考がぐるぐると回るが上層部は肯定以外許しはせず、ラセツに向ける眼光が更に鋭くなる。

 

 

「分かったか」

 

「は、はい!」

 

「行け」

 

「失礼します」

 

 

 結局『暁』に所属すれば汚れ仕事が増え、罪を積み重ねていく。ラセツがS級犯罪者となるのも時間の問題であり、S級犯罪者となるのが早いか遅いかの2択だ。

 ならば問題はないだろうと、特に質問をすることなく上層部の部屋から退出する。

 

 

「ーー?」

 

 

 突如、脳内を走る偏頭痛のような痛みに疑念を持つ。しかし、この程度の頭痛を特に気にする事はせず、そのまま正門へ向かい、里の外へ足を踏み出した。

 

 

「おや、来ましたね」

 

「えっと…鬼鮫さん、だっけ?」

 

「えぇ、合っていますよ」

 

「久しぶりだな。ラセツ」

 

「うん、久しぶり」

 

 

 落ち着いた様子で短く挨拶を交わし、里に背を向けて歩き始めるイタチと鬼鮫にラセツはひとつ言葉を投げた。

 

 

「鬼鮫もイタチも…里を出る動機を聞かないんだね」

 

「里に未練がない。それで十分です。それ以上は聞く意味も必要もありませんから」

 

「鬼鮫のそういう所結構好きかも」

 

「暁のメンバーで動機を気にする人はいませんよ」

 

「そっか、なら『暁』結構好きになれそう」

 

「それは良かった。……そろそろきましたね」

 

 

 鬼鮫が鮫肌を掴み、飛んできたクナイを弾く。 クナイが飛んできた方に目を向ければ、動物の顔を象った仮面をした忍が複数目視できた。

 

 

「……暗部??」

 

「お前はずっと暗部をつけられていたからな。鬼鮫が堂々と勧誘したせいで」

 

「いいじゃないですか。仕上げにもなります」

 

 

 皮肉を隠そうとせずに視線を向けるイタチに鬼鮫はクツクツと喉で笑い、『仕上げ』の意味が理解出来ておらず、首を傾げるラセツに視線を向ける。

 

 

「私達は貴方に里を抜けて『暁』に加入する理由は聞かない。ですが、里との繋がりは完全に切っていただきます」

 

「あぁ、なるほど」

 

 

 鬼鮫やイタチが所属している『暁』は額当ての傷通り、叛逆の組織だ。里を否定し、味方としての繋がりを完全に断つ。 今回その為の『仕上げ』に選ばれたのがこの暗部達だということだ。

 

 そして、上層部達が何故いきなりS級に跳ね上げた理由も分かってしまった。

 鬼鮫が堂々と勧誘した事もあり、ラセツには多くの暗部が付いている。事情があるとはいえ、ここでラセツから暗部を外せば鬼鮫に疑われてしまう。故にできてしまったのは今の状況だ。

 暗部達は里抜け及び敵対を許さない。ラセツは選択を戻すわけにはいかない。主張を通すには相手を倒して主張を殺さなければならない。その上、ラセツは世界的に危険な組織『暁』に所属し、ラセツ自身強力な血継限界を有する。危険視されないわけがなかった。

 鬼鮫の言葉と、上層部の意図を理解したラセツは、僅かに頬を引き攣らせる。

 

 

「えげつないねぇ…」

 

「怖気つきましたか?」

 

「…まぁ、少し。人殺しとかした事ないし」

 

「おや、意外ですね」

 

「なんでよ」

 

「貴方ほど戦闘と殺戮に特化したした能力は知りませんから」

 

「……やなこと言うなぁ」

 

「何言ってるんですか。褒めてるんですよ。この上なく」

 

 

 『暁』は危険な任務を多く背負う。だから、危険な任務をこなせる優秀な忍を集めている。 

 ラセツはまだ戦闘能力が高いとは言えない。しかし、ラセツの能力は死と闘いの神から寵愛を受けたと言っても過言ではない程のものだ。 磨けば誰にも到達出来ない領域に立つことだろう。

 

 

「ラセツ」

 

 

 イタチが短く名前を呼び、ラセツは振り返る。 イタチの双眸は柘榴石のような紅い輝きを宿し、流れるような動作で音ひとつ立てることなくクナイを投げた。

 直後、鈍い肉の音が鳴り、重々しく何かが地面に落ちる。 目を凝らしてみれば、首筋にクナイを刺されて絶命している肉塊がそこにあった。

 

 

「…これからはこれが日常になる。早く慣れておけ」

 

 

 里を出た。選択をした。護ると決めた。道を決めた。

 もう後戻りは許されない。これがラセツの決めた道だ。

 

 

「うん」

 

 

 短い返事に迷いはなかった。

 紫紺の瞳を僅かに細め、隙を窺って息を潜める暗部達にホルスターからクナイを引き抜いて構えるラセツに鬼鮫は満足そうに喉を鳴らす。

 

 

「ーー…先に謝っとく。ごめんね」

 

 

 空気に溶けるような小さな呟きの後、『暁』の2人以外はラセツの姿が消えたと錯覚した。

 暗部達は慌てて羅刹の姿を探し、肉が裂かれて骨が砕ける音、遅れて血液が飛び出す音が静寂な空間を支配した。素早く視線を向けて、絶句した。

 

 ラセツの額には純白に輝く一本の角が生えており、これが《鬼化》であると暗部達は理解する。これだけならまだ一瞬であれど思考を放棄することはなかった。

 ラセツが掴んでいたものは、腕だけとなった同胞であり、その足元には股から脳天まで真っ二つに裂かれている肉塊が地面に落ちていた。

 

 

「ーーー」

 

 

 一瞬で起こった情報量の多さに刹那であれど思考が停止した暗部達にラセツは慈悲を与えない。

 《鬼化》に慣れたおかげか、五感冴え渡っており、ひとりひとりの場所が自然と把握出来る。 故にラセツは迷いなく足を進め、刹那の時間だが戦闘中に思考を止めた暗部達を愚かだと罰するように、《空間転移》の境界に挟み、無数の斬撃を踊らせ、惜しみなく剛力を振るって命を奪う。

 せめて確実に相手が死を認識しないうちに命を殺せるようにと心がけながら。

 

 額から純白に輝く一本の角を生やし、舞うように戦場を駆けて命脈を確実に断ち、返り血に塗れながら死を量産させる少女にある者がつぶやいた。

 

 

「…鬼だ」

 

 

 

 凶器で首筋を抉り、腹部を掻っ捌き、内臓を引き摺り出して、頭を砕いて、四肢や首を胴体から捥いで引き裂いて引きちぎって。愛らしい顔を血に染め、狂ったように殺戮を繰り返し、人の死を生み出す姿はまさに『殺人鬼』だ。

 

 

「ーーーぁ」

 

 

 命を奪え、骨を断て、肉を裂け、血を浴びろと、鬼の本能がラセツの心をくすぐるように侵食し、理性を叩き始める。 頭角を現し始めた鬼の本能に『羅刹』は逆らわず、破壊と殺戮を繰り返す。

 紫紺の瞳は爛々と戦意と殺意に輝いているはずなのに、ドス黒い影が落ちる瞳に、いつの間にやら最後の1人となった暗部の男は恐怖を覚えーー、

 

 

「ーーぁ、あああぁぁああぁぁぁああぁぁあ!!」

 

 

 泣き叫ぶように発狂した。

 咽せ返るような血臭が包み込む空間にみっともなく背を向け、男は里に向かって一目散に逃げ出す。

 男は優秀な忍だった。暗部になって長く、敵味方の死には慣れているはずだった。里の為ならば自分の命を惜しいと思った事も無かった。それでも目の前の『殺人鬼』は恐怖だった。それほど『羅刹』は異質な存在だった。

 

 

「…追う?」

 

「いえ、結構ですよ」

 

 

 男を追うと折角出た木ノ葉に戻ることになってしまう。その面倒を避けるためにも鬼鮫は首を振り、「そんなことより」と言葉を続け、手を叩いた。

 

 

「本当にお見事でした。ようこそこちら側へ」

 

「歓迎しよう。ラセツ」

 

「…ありがと」

 

「もう少し嬉しそうにしたらどうですか?」

 

「……気持ち悪いの。感覚が消えない」

 

「あぁ、なるほど」

 

 

 肉を裂き、骨を断ち、血を浴びて命を奪うと言う行為は、ラセツの中で最大の不快感を感じさせた。その不快感は何度も何度も身体の感覚を反芻し、何度も何度も覚えさせられるように塗り込まれていく。

 まるで、人間から別の存在へ生まれ変わらせるように。

 

 

「大丈夫ですよ。人の命を断つことに慣れて、蟻を潰すように思える日が嫌でもきます」

 

「嫌な慣れだねぇ」

 

「そうですね。なんとも不快な慣れです」

 

 

 ✳︎✳︎✳︎

 

 

「来たな…お前がラセツか」

 

 

 鬼鮫とイタチの後を歩き、たどり着いた場所は『暁』のアジトであり、待っていたのはペインという『暁』のリーダーと、小南と言う女性だった。

 

 

「『暁』の目指すものは忍の世の真の平和だ。忍五大国に代わり、暁が世界を支配する。そのために里も経歴も問わず、優秀な忍を集めている。お前は鬼鮫とイタチが推薦した優秀な忍だ。……木ノ葉のラセツ。お前を『暁』は歓迎する。…今より木ノ葉を否定しろ」

 

 

 ペインの言葉に従い、額当てを外して地面に置く。

 木の葉の印にクナイを突き立て、横に流していき、イルカに手渡してもらった額当てには反逆の印が刻まれた。

 ラセツが木ノ葉に反逆を意味する傷を入れたのを見届けると、ペインはラセツに指輪を手渡した。

 

 

「これよりお前は『暁』のラセツだ」

 

「……指輪?」

 

「『暁』の正式メンバーの証だ…とはいえ、本物の指輪はまだ大蛇丸が持っている」

 

 

 この指輪は『暁の』収集や連絡などが出来るらしい。だが、尾獣を封印する為の封印術には対応していないという。

 

 

「その指輪は仮として作ったにすぎない。お前の実力が伴ったら指輪を取りに行け」

 

「えー…ラセツがいくの??」

 

「実力テストのようなものだ。文句を言うな」

 

「はーい…」

 

 

 伝説の三忍と謳われる大蛇丸のアジトへ潜り込み、『空』の指輪を探し出して無事に戻ってくる事が出来るくらい実力は最低限つけなければならないと言う事だ。 わかってはいたし覚悟もできてはいたが、なんという化け物集団に来てしまったんだと思わず肩を落とした。

 

 

「イタチ、鬼鮫」

 

「はい」

 

「なんでしょう?」

 

「ラセツの能力が優秀とはいえ、まだ実力は成長途中なんだろう。……推薦したお前達が面倒を見て、尾獣狩りまでには十分な実力をつけさせておけ」

 

「はい」

 

「わかりました」

 

「それではラセツ。『暁』のメンバーとして顔合わせを済ませる」

 

 

 指輪に集中すると、2つの術式が認識できる。片方が通信で片方が集合用だ。

 頭の悪いラセツでも理解できるようにイタチが優秀な頭を使って説明をし、補助してもらいながら術を発動した。

 『暁』のメンバーと顔合わせを無事済ませ、ラセツは『暁』に加入を認めてもらった。

 

 

 

 誰もが否定してきた『うずまきナルト』を英雄として世界に認めさせてやるのだ。自らの死を代償として。

 そんな自分勝手で美しい覚悟を胸に『暁』も『木ノ葉』も欺くラセツの姿はあまりにもチグハグで滑稽。

 何処までも中途半端な道化師のラセツを嘲笑うかのように、柘榴石の耳飾りが輝いていた。

 

 

 

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