今回は書き方を変えてみました。前と今回を比べてどちらの書き方が良いか、よければ意見など貰えると嬉しいです。
ハロウィンガチャ、皆さん引きましたか?
私はタマモクロス貯金を崩してライスシャワーをお迎えしました。サポートカードも引きたいのですが、石がないです…。
お気に入りや評価してくださった方、本当にありがとうございます。
好きな天気は何と聞かれれば迷わず雪と答える、
理由はなんとなくだ。東京で生まれ、東京で育った者としては、雪は珍しい。その珍しさが魅力的に思えてしまうのだろうか。
反対に嫌いな天気は雨だ。特に夏場の雨というのは、ジメジメしている、暑い、ダルいの三拍子が揃っている。
窓を覗いてみると、外は雨が降っていた。
だが、嫌いな天気だというのに今日はとても気分が良かった。
何故なら、今週の日曜日は誕生日だからだ。
自分が生まれた日。何十回と繰り返されてきた特別な日だが、何回経験しても浮かれてしまう。
周りの人が自分を祝ってくれる。まるで物語の主人公になったみたいな気分を味わわせてくれるのだ。
「楽しみだなー」
仕事仲間や友人からの祝いの言葉は勿論だが、その中でも特に祝って欲しい人物がいる。
「覚えててくれてるのかな?マックイーン」
自分の担当ウマ娘であるメジロマックイーン。メジロ家の令嬢であり、常に優雅な佇まいを保っている彼女である。
だが、彼女の趣味はスポーツ観戦と意外な趣味を持っており、何度か一緒に観戦しに行ったが、結構ガチだった。
そんな姿を学園の人には知られまいと隠しているが、偶に素が出てしまうのが可愛らしい一面だ。
そんな彼女に1番祝って欲しい。
「去年もその前も祝ってくれたし、大丈夫だろ」
1番祝って欲しい相手だからこそ、不安になってしまう。
すると、午後の授業の終わりを知らせるチャイムが鳴った。
しばらくした後にこのトレーナー室にマックイーンがやってくるだろう。外は雨のため、室内で出来るトレーニングを考えなければ。
晴れていれば、グラウンドに出て大きなタイヤを引かせるトレーニングをさせようと思ったが、この調子では雨が止んだとしても今日は外でのトレーニングはできないだろう。
ジムでのトレーニングにするか…。本人の意見も交えながら決めよう。
すると、コンコンと扉をノックする音と共に、聞き慣れた声が耳に届く。
「トレーナーさん。入りますわよ?」
「どうぞー」
扉が開かれて、麗しいお嬢様がトレーナー室へと入ってくる。
「こんにちは、マックイーン」
「ええ。こんにちは、トレーナーさん。それで今日の練習メニューはどういった内容なのでしょうか?」
「生憎、外は雨だからね。トレーニングジムでやろうと思う。俺の意見としてはジムで足腰を中心としたトレーニングをしようと考えているんだけど、マックイーンの意見も聞きたい」
「問題ありません、私もそのように考えていましたもの」
即答だった。それほど信頼されているという事なのか。そう思うと更にテンションが上がってしまう。
「それでは私は着替えてから向かいますので、トレーナーさんは先に行っててくださいませ」
「ああ、そうするよ。あ、そういえばマックイーン」
部屋を出て行こうとするマックイーンを引き留める。
「なんですの?」
「今週の日曜日って何の日か知ってる?」
思わずニヤッとしながらマックイーンに聞いてしまう。だって楽しみなんだからしょうがないよね。
子供かと自分でも思ってしまうが、知ってくれていて嬉しくない、なんて事はないのだから。
「何ですのニヤッとして…。日曜日?トレーニングはありませんし、何かありますの?」
「……………え」
「………ではトレーナーさん、また後で」
少しの間の後、マックイーンは部屋を出て行ってしまった。
ショックのあまり、思わず両手両膝をついてしまう、
「うっそぉ…」
場所は変わって、トレーニングジム。
マックイーンは提案したトレーニングメニューを難なくこなしていた。
ちょうど居合わせたトウカイテイオーもマックイーンのトレーニングに付き合ってくれるという事で2人で出来るトレーニングなどもさせている。
トウカイテイオーとマックイーンはライバル同士ではあるが仲が悪いというわけじゃない。よくこうして一緒にトレーニングしたり、出かけたりしている。
いつもであれば微笑ましい二人を見て、自然と笑みが溢れるが、今はそんな気分ではない。
先程もトウカイテイオーから大丈夫?と心配の声をかけられた。精神的に大丈夫ではないが肉体的には大丈夫なので大丈夫と答えておいたが。
「ねぇマックイーン。本当にあれで良いの?見るからに落ち込んでるよ?」
「………私も心苦しいですが、今は我慢ですわ。トレーナーさんには昨年よりも喜んでいただきたいので」
距離が遠いので、2人が何を喋っているのかは聞き取れなかった。
マックイーンは本当に誕生日を忘れているのだろうか。去年まで普通に祝われていたのだから忘れているなんて事は無い。そう思いたい。
だとすると、俺はマックイーンの気に触ることをしてしまったのかも知れない。
「トレーナーさん。終わりましたわよ」
いつだ。いつどこで俺はマックイーンに失礼なことを言ってしまったんだ。
ゴールドシップよりもはっちゃけていないとは思うが、割とふざけている節はある。自分自身でもそれは自覚している。
「トレーナーさん?」
ゴールドシップと共にマックイーンをいじった事もある。本人は毎度のことなので気にしてないと言っていたが、あれは嘘で実は我慢していたのかも知れない。
「トレーナーさん!」
「はいっ!」
「先ほどから声をかけているのですが。どうかなさったのですか?トレーナーさん」
「何でもない。それより今日のメニューは一通り終わったかな?」
「はい。あとはいつも通りストレッチをして終わりですわ」
「ならそれをやって解散にしようか。トウカイテイオーも毎度ありがとう」
「ふふん。マックイーンにはこれからもずっと強くなってもらわないと張り合いがないからね!」
「あら。それはこちらの台詞ですわ。テイオーが弱いままでは張り合いがありませんもの」
マックイーンとトウカイテイオーはお互いに笑い合う。
「マックイーン…」
「はい。何ですの?トレーナーさん」
「……いや、なんでもない」
「?」
理由が分からないまま謝ったところで、彼女は納得しないし、自分も出来ないだろう。
「それじゃあ、気をつけて帰るようにね2人とも」
「はーい!」
「はい。お疲れ様でした」
2人に挨拶を交わして、その場をさった。
それから数日が経過し、気がつけば誕生日まであと1日だった。
あの日からずっとマックイーンの事について考えているが、心当たりがない。
マックイーン自身も普段と変わらないように自然な表情で話してくれる。
時折、俺に声をかけては、何でもないですわと言って会話が終わることがある。その時の表情はどこか暗い。
言いづらいことなのだろうか。…まさか、トレーナー契約を解除したいと申し出る気なのだろうか。
それはまずい。まずいどころではない。
トレーナー契約を解除されれば、二度とマックイーンと共にトレーニングする機会もなく、祝ってもらえさえしないだろう。
それだけは絶対に嫌だ。なんとしてもそれだけは阻止しなくては。
「ひゃっ、何ですの急に」
拳を握りしめ、立ち上がると、ソファに座っていたマックイーンが驚きの声をあげた。
「ごめん」
「……まったく。あなたという人は」
呆れたように笑うマックイーンだったが、覚悟を決めたような表情になり、俺を呼んだ。
「トレーナーさん。明日、大事な用事がありますので予定を空けておいて下さい」
「え…」
大事な用事。つまりトレーナー契約を解除したいと言う話だろう。誕生日に最悪の出来事だ。
「それって…つまり…」
「そ、それでは私はこれにて失礼しますわ」
そそくさとトレーナー室を退室するマックイーン。トレーナー室に1人いる俺は思った。
死刑宣告じゃん。
結局何も出来ずじまいで迎えた日曜日。
誕生日の筈なのにこんなにもテンションが下がった誕生日なんて今までになかったし、これからも無いだろう。つまり、最初で最後だ。
理事長やたずなさん。仕事仲間の人からのおめでとうメッセージはすごく嬉しい。嬉しい気持ちになれたが、素直に喜べなかった。
指定されていた時刻、トレーナー室に来て欲しいとマックイーンに言われていた。
重い足でトレーナー室へと向かう。
道すがら、マックイーンとの思い出が蘇る。
スカウトしたあの日のこと。
メイクデビューを初め、数々のレースを勝ってきた時のあの表情。
天皇賞・春を制した日のことは昨日のことのように思い出せる。
レースだけじゃない、スポーツ観戦やスイーツ巡り。思い返せば楽しいことばかりだった。
「はぁ…」
ため息ひとつ吐き、トレーナー室の前へと着いてしまう。
開けたくないと思いながらも、マックイーンのトレーナーとして、大事な用事というのを聞いてあげないわけにはいかない。
意を決して扉を開く。
ーーーパァン!
「トレーナーさん。お誕生日おめでとうございます!」
「………………へ?」
鳴らされたクラッカーに驚きながら、マックイーンの言葉に更に驚く。
「誕生日おめでとう?」
「はい!今日はトレーナーさんのお誕生日ですので、この日のために用意しておりました!」
満面の笑みで言うマックイーン。
「えっと…、大事な用事って」
「お誕生日のお祝いですわ!」
「じゃあ、俺が日曜日が何の日かって聞いた時は?」
「サプライズという形でお祝いしたかったので、嘘をついてしまいました。申し訳ありません」
「俺を呼んでは何でもないって言ってたのは?」
「私が嘘をついてからというもの、トレーナーさんの表情が暗かったので、今日のことを打ち明けようとも思ったのですが、トレーナーさんにはサプライズで喜んでいただきたかったので」
「……トレーナーの契約解除は?」
「私がそんなことするはずがありませんわ!」
その言葉に思わず膝をつく。
「よがっだぁぁ」
「トレーナーさん!?大丈夫ですの?」
突然に膝をつく俺を見て慌てて駆け寄ってくるマックイーン。
今まで勝手に勘違いをしていたこと全てをマックイーンに話した。
「そうですの。申し訳ありませんでした。トレーナーの気持ちも考えずに」
「いや、大丈夫。勝手な想像だし、今はこうして一緒にいられてる。それだけですごく嬉しいよ」
「トレーナーさん………。今日は料理やスイーツなど沢山用意いたしましたので堪能してくださいませ!」
「ありがとうマックイーン!」
料理を食べ、マックイーンと話。一日という時間がとても短く感じられた。
途中からトウカイテイオーやマックイーンと馴染み深いウマ娘達もトレーナー室へとやってきて祝ってくれた。
楽しい時間はあっという間。気づけば夕方から夜へと変わっていた。
門限も迫ってくる中で、2人だけになったトレーナー室でマックイーンが口を開く。
「改めて、お誕生日おめでとうございますトレーナーさん。楽しんでいただけましたか?」
「ありがとうマックイーン。とても楽しかったよ。また忘れられない思い出ができた」
「よかったですわ」
少し冷たい風が窓から吹き抜け、マックイーンの髪が煌びやかに舞う。
「思い返せば、私達は遠いところまで来ましたわね」
「ああ。時が過ぎるのは速いって実感するよ」
「メイクデビューから始まり、天皇賞・春、URAファイルズ。トゥインクルシリーズのその先へ。時には挫折することもありました。けれど、トレーナーさんはめげずにそばに居てくれました。感謝しています」
「それは俺だってそうさ。君の頑張る姿が、俺に勇気をくれる。やる気にさせてくれる。マックイーンに支えられてきたんだよ」
「ふふっ。トレーナーさん。これからも共に走ってくれますの?」
「もちろんだよ。これからもずっとね」
「なら今日はもう少しだけそばに居させてください」
「俺も、マックイーンにはもう少しだけ居てほしいかな」
「…トレーナーさん。これからもどうか一緒にいてくださいませ」
マックイーンが寮に帰るまで、2人だけの静かな時間を過ごしたのだった。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
考えた内容を文にするのって本当に難しいですね。今回改めて実感しました。
次回はまだ未定です。待ってくださっている方には申し訳ないですが、待っていただけると嬉しいです。